canh bún cá:白身魚、澄んだ汁、季節の青菜をひとつ
魚は揚げずに茹でます。汁は魚の骨と豚骨から取った澄んだもので、酸味は加えません。青菜は季節のものをひとつだけ、そこにディルと青ねぎを合わせ、カリカリの豚脂を別に添えます。
生の米麺の上に、ライギョのやわらかな白いほぐし身がのっています。さっと湯通ししたひとつの青菜、ひとつかみのディルと青ねぎ。そこへ赤くも酸っぱくもない、澄んだ熱い汁を注ぎます。器の脇には、カリカリの豚脂(tóp mỡ)、揚げエシャロット、黒こしょう、唐辛子ペーストが並び、それぞれが好みで足していきます。
bún cá は「魚と米麺」という意味で、ベトナムではさまざまな器がこの名前で呼ばれています。この記事が取り上げるのは、そのうちのひとつ。VnExpress Cooking の Bùi Thủy が古いハノイの料理として紹介する canh bún cá です。ライギョ(cá quả)をしょうがとエシャロットと一緒に丸ごと茹で、身を骨から外し、骨は豚骨と一緒に静かに煮て汁にします。著者は、酸味の要素を足さない版だと説明しています。「古いハノイ」という呼び方は著者自身の位置づけで、この記事は成立年代や、これが唯一の正しい形だと主張するものではありません。
作り始める前にお断りがあります。このレシピは世界ごはん紀行の編集部では試作していません。VnExpress のレシピには、魚、豚骨、エシャロット、しょうが、ディル、青ねぎの分量はありますが、水、麺、青菜、豚脂、調味料の分量はなく、魚や骨を煮る時間も書かれていません。レシピカードには4〜6人分、55分とありますが、これはカードの表示であって、確かめた収量や工程ごとの時間配分ではありません。分量が分からない材料は、数字を作らずに「適量」「少々」と書いています。同じ国のほかの料理はベトナムのページから探せます。
この料理に使える食材・調味料
選び方と代用
この料理はライギョ(cá quả)を軸に組み立てられています。ここでは代わりの魚も、その分量の目安も挙げません。別の魚を使えば別の一杯になります。
青菜は水セリ(rau cần)をこの記事の基準にしています。季節の青菜として、春菊(cải cúc)や rau rút を選ぶこともできます。青菜はひとつだけ選んでください。三つは代わりの候補であって、混ぜて使うものではありません。別の植物なので、風味も違います。
麺は生の búnを使います。乾麺はこの版に含まれていません。
ライムについて。ベトナム語では柑橘をただ chanh と呼びます。この記事の写真には一般的な緑のライムを写していますが、これは写真のための選択で、品種を確かめたものではありません。生魚の下処理にだけ使って洗い流すもので、汁には柑橘の果汁を入れません。
道具
- 魚を丸ごと茹でられる大きさの鍋
- 骨の汁を煮る寸胴鍋
- 生魚用の別のまな板と包丁
- 魚の火通りを確かめる食品用温度計
- ほぐした身の小骨を抜く、魚の骨抜きピンセット
- 汁を濾す目の細かい濾し器
- tóp mỡ と揚げエシャロットを引き上げる穴あきおたま
- 麺をくぐらせる網じゃくし
- おたま
一杯がうまくいかないとき
| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 汁が濁る | 骨を砕いてしまった | 次は骨を砕かずに静かに煮る。目の細かい濾し器で濾す |
| 汁に骨のかけらが入る | 濾し方が粗かった | 目の細かい濾し器でもう一度濾す。骨やかけらは絶対に出さない |
| 魚に小骨が残る | ほぐすときに見落とした | 器に入れる前に、ほぐし身をもう一度ピンセットで調べる |
| 魚に火が通ったか分からない | 見た目だけで判断している | 食品用温度計で63°Cを確かめる。または身が不透明で簡単にほぐれることを確かめる |
| 汁が酸っぱい | 柑橘などの酸味が汁に入った | この版に酸味はない。下処理のあとはよく洗い流し、ライムを鍋に入れない |
| 汁がぼんやりした味になる | まだ味つけが足りない | 塩、魚醤、MSGを少しずつ足し、味を見ながら調える |
きつね色は火通りの目安になりません。この魚は揚げるのではなく茹でるからです。
この版の中でできる小さな変更
- 青菜は季節で選びます。 水セリ、春菊(cải cúc)、rau rút のどれかを、一度にひとつだけ。それぞれ器の風味が変わります。三種を混ぜるわけではありません。
- 辛味は任意です。 唐辛子ペーストは食卓で添えるものなので、辛いのが苦手な人は省けます。汁そのものは変わりません。
- tóp mỡ か揚げエシャロットのどちらかは省けます。 そのぶん、豚脂のコクとカリカリした食感は少し減ります。
魚を替えたり酸味のある材料を加えたりすると、この版のバリエーションではなく、別のブンカーになります。
ひとつの名前、いくつもの一杯:この版の位置づけ
bún cá はひとつの配合ではなく、料理のグループです。 ベトナム国家観光局(Viet Nam National Authority of Tourism)は、ハノイの食の案内に bún cá を含め、昼によく食べられる料理としています。そこで紹介される汁ありのひとつの版は、米麺に揚げた魚片と青菜を合わせ、ハーブはコリアンダーとディルです。Ninh Tito の家庭風ハノイ版bún cáはまた別で、魚はティラピア、ターメリックで下味をつけ、衣をつけて揚げます。汁は魚の出汁と豚骨の出汁にトマトとパイナップルを合わせたもので、記事はハノイの bún cá に汁を注ぐ形(chan)とつけて食べる形(chấm)があるとも述べています。
もう少し広く見ると、Vietnam Times は bún cá を地域ごとに分けています。そこで説明されるハノイ版は酸味のある汁と揚げ魚、ハイフォンは辛味と複数の魚の具、タイビンは酸味のない濃いだしとターメリックの魚、ニャチャンは魚の骨の澄んだ汁と海産物の組み合わせです。Viet Nam News は、ハイフォンの bún cá が揚げ魚と揚げた魚のすり身(chả cá)の両方を使うと伝えています。こうした背景に置くと、Bùi Thủy の canh bún cá は、何を使わないかで際立ちます。揚げない、トマトもパイナップルも入れない、酸っぱくしない。この記事がそれらを材料に入れない理由です。
bún cá と chả cá Lã Vọng も区別しておきましょう。こちらも有名なハノイの魚料理で、観光局の説明では、ターメリックの魚を焼いてハーブで仕上げ、米麺、ピーナッツ、mắm tôm と食べます。汁を注ぐ麺ではなく、独立した料理です。
このレシピが保証しないこと
VnExpress のレシピは、材料と作業の順番ははっきり書いていますが、多くの部分を作り手の判断に任せています。水、麺、青菜、豚脂、調味料の分量はなく、魚を茹でる時間も骨を煮る時間もありません。ほかの bún cá のレシピは魚も汁も作り方も違うため、そこから数字を借りることはせず、これらの分量は空けたままにしました。試作していないので、この記事は一杯の構造と順序を忠実に伝える案内であって、計量された決まった配合ではないと考えてください。レシピカードにある4〜6人分と55分は、カード自身の表示としてお伝えしています。
保存についても、レシピには書かれていません。一般的な食品安全の考え方としては、魚、汁、そのほか傷みやすいものを常温に長く置かないことです。ここでは保存期間も再加熱の時間も示しません。
よくある質問
なぜ魚を揚げないのですか?
揚げ魚は、ハノイの観光案内にある版や Ninh Tito のティラピアの bún cá など、ほかの版のものです。この記事は、Bùi Thủy が古いハノイの料理として紹介する canh bún cá をたどっていて、そこではライギョを茹でてほぐします。
汁に酸っぱいものを加えるべきですか?
加えません。Bùi Thủy は、この版を酸味の要素を足さないものと説明しています。chanh は生魚の下処理にだけ使い、火にかける前に洗い流します。
別の魚を使えますか?
レシピは約1kgのライギョ(cá quả)1尾としています。ほかの魚も、それに相当する分量も示していないので、この記事でも示しません。別の魚なら別の一杯になります。
魚に火が通ったか、どう見分けますか?
レシピ自体には温度も時間も書かれていません。米国FDAの目安は、食品用温度計で中心温度63°Cです。温度計が実用的でない場合は、身が不透明で簡単にほぐれるまで加熱します。色や食感だけでは安全は保証されません。
chanh はどんなライムですか?
レシピにはただ chanh とあり、植物学上の種は書かれていません。ここの写真では、一般的な緑のライムを写していますが、これは写真のための選択で、実際にどの果実を指すかを示すものではありません。
どうして分量が書かれていない材料が多いのですか?
レシピが分量を挙げているのは、魚、豚骨、エシャロット、しょうが、ディル、青ねぎだけです。そのほかは作り手に任されています。この記事は、その空白を推測やほかのレシピの数字で埋めていません。試作もしていません。
エシャロットを揚げる油は足しますか?
油を足す指示はありません。エシャロットは、tóp mỡ を作るときに出た豚脂で揚げます。


















