でこまわし:一本の串に五つの食感、しょうが味噌でまとめる
五つの具は、それぞれ別々に下ごしらえします。里芋は蒸し、小いもはゆで、こんにゃくもゆで、木綿豆腐は切り、そば団子はゆでます。串に通したらまず味噌を塗らずに素焼きし、そのあとしょうが味噌を刷毛で塗って、味噌の表面に焼き色がつくまでもう一度焼きます。
竹串に、三角のこんにゃく、四角い木綿豆腐、丸い小いも、丸めた里芋、小さなそば団子が順に並びます。しょうがの香るみそだれを刷毛で塗り、串をもう一度火にかけて味噌に色がついたら、木の芽(山椒の若葉)を添えて仕上げます。これが徳島県祖谷(いや)地方の郷土料理、でこまわしです。
ここで紹介するのは、徳島県が提供し、農林水産省の郷土料理集に掲載されているレシピです。4人分で、五つの具、しょうが味噌だれ、二度の焼き、木の芽の仕上げをすべて残しています。じゃがいもだけの簡略版にしたり、他の版の分量を混ぜたりはしていません。編集部ではこのレシピを台所で試作していません。公開されているとおりに紹介し、家庭の台所向けの選択は下に明記します。
掲載レシピは焼く道具として「トースターなど」としています。この記事では、2回の焼きとも、アルミホイルを敷いたトースターを使います。また、レシピには里芋・小いも・豆腐・木の芽が8個(枚)ずつ載っているため、4人分を8本の串にして並べました。8本の串、8切れのこんにゃく、8個のそば団子は、この記事での組み立て案です。レシピに書かれた出来高ではなく、試作もしていません。
祖谷の山里の串
でこまわしは、徳島県西部、三好の祖谷地方と結びつく料理です。四国の公式観光機関であるShikoku Tourismは、地元のいも、そば団子、岩豆腐(いわどうふ:土地の固い豆腐)、丸こんにゃくを串にして、味噌を塗って焼いた料理と紹介しています。徳島県のレシピでは、小いもを「ごうしゅいも」という土地の小さないもとして挙げています。
こうした地域の食材が、この料理の背景です。地域の外の家庭では、ふつうの小じゃがいもと木綿豆腐を使います。これは身近な食材の種類として選んだもので、大きさ、密度、食感が土地の品種や岩豆腐と同じだという意味ではありません。
名前の由来にも、おもしろい説があります。Shikoku Tourismが紹介する一説では、「でこ」は人形の頭のことで、串を火のそばで回す様子が人形の頭を回すようだからといいます。あくまで名前の説明の一つで、語源が確かめられたわけではありません。いつ始まったか、誰が考えたかの記録もありません。この料理が属する食卓をもっと知りたい方は、ほかの日本の料理もご覧ください。
道具
- 蒸し器(里芋用)
- ゆでるための鍋(小いも、こんにゃく、そば団子)
- まな板と包丁
- おろし器(しょうが用)
- ボウル
- 電子レンジ対応の器とスプーン
- 電子レンジ
- 竹串(長さ約18cm)
- アルミホイル
- トースター
- 刷毛
選び方と代用
地域の外で作るときの材料選びです。
小いもは、小さいものを丸ごと使える小ぶりの小じゃがいもを選んでください。大きいものしかなければ約3cmの大きさに切ります。どちらの場合も、先に皮をむきます。
豆腐は、木綿豆腐を土地の岩豆腐の代わりに使います。水分と密度が違うので、同等品ではなく、家庭向けの選択として考えてください。
味噌と和風だしは、ふだん使っているものでかまいません。分量はそのまま守ります。
そば粉は60gだけ使うので、小袋の「そば粉」で足ります。生地はそば粉と水だけで作り、卵、小麦粉、ほかのつなぎは加えません。
木の芽は串1本につき1枚で、8枚用意します。ほかの葉で代えないでください。
この料理にはそば粉と大豆食品(豆腐、味噌)を使います。そばは重いアレルギー反応を起こすことがあるので、人に出すときは気をつけてください。味噌、だし、ほかの加工品は、共用設備に関する表示も含めて、原材料表示を確認してください。
うまくいかないとき
でこまわしでつまずく原因の多くは、別の版の手順や分量が混ざることです。次の表で確かめてください。
| 起きたこと | なぜ問題か | 戻し方 |
|---|---|---|
| 里芋を蒸す前に皮をむいた | このレシピは皮付きのまま蒸す | 次回は皮付きで丸ごと蒸し、串が通ってから皮をむく |
| 小いもをゆでてから皮をむいた | その順序は別の公開版のもの | このレシピでは先に皮をむき、中火で10〜15分ゆでる |
| 生地を水40ml、卵、小麦粉で作った | 生地はそば粉と、量った水だけ | そば粉60gと水40gだけを使う |
| たれを別の方法で加熱した | レシピは電子レンジで加熱する | 500Wで1分、これを3回行う |
| 串に通す順が入れ替わった | 五つの具は決まった順序で通す | こんにゃく、豆腐、小いも、里芋、そば団子の順に通す |
| 1回目の焼きの前に味噌を塗った、または2回目の焼きを省いた | 2回の焼きには別々の役割がある | 素焼きし、味噌を塗り、もう一度焼いてから、木の芽を添える |
トースターは機種によって違い、レシピには焼く時間も温度も書かれていません。色で判断してください。1回目は薄く色づく程度、2回目は味噌が焼けて褐色になるまでです。
でこまわしのほかの版
全国学校栄養士協議会は、徳島県の学校給食のでこまわしを公開しています。これはまったく別のレシピです。水、みりん、薄口しょうゆで煮含めたじゃがいもが中心で、みりんと酒を使ったゆず味噌を塗り、炭火で仕上げます。別の版として知っておくとおもしろいものですが、その調味料は上の五具材のレシピには入りません。そこに載っているカロリーの数字は学校給食の1食分で、このレシピには当てはまりません。
第三者のサイト「郷土料理ものがたり」には、同じ徳島県の料理本を出典とするレシピが転載されています。ただ、農林水産省掲載の版とは細部が違います。里芋とじゃがいもが4個ずつであること、じゃがいもをゆでてから皮をむくこと、電子レンジの合間にたれを混ぜること、独自の加熱時間と温度が決まっていることです。この記事では、これらの違いは採用していません。
農林水産省掲載の版には、里芋を蒸す代わりに電子レンジで加熱する方法も書かれています。ただしワット数が示されていないため、この記事では蒸す方法にしました。
よくある質問
でこまわしはどこの料理ですか?
四国の徳島県、三好の祖谷地方の郷土料理です。ここで紹介したレシピは徳島県が提供して農林水産省が掲載したもので、Shikoku Tourismは、地元のいも、そば団子、岩豆腐、丸こんにゃくを串にした料理と紹介しています。
でこまわしはじゃがいもだけの料理ですか?
この版は違い、五つの具を使います。じゃがいも中心の学校給食版もありますが、調味の違う別のレシピです。
生地の水は40mlにしてもいいですか?
量った40gのままにしてください。レシピは生地の水を重さで示しているので、体積の計量に替えず、はかりで量ります。
何本できますか?
レシピは4人分です。串の本数は書かれていません。この記事では、里芋、小いも、豆腐の四角、木の芽が8個(枚)ずつなので、8本に組み立てました。こんにゃく8切れとそば団子8個も、その組み立て案に合わせたものです。
じゃがいもの皮はゆでる前ですか、あとですか?
前です。生のうちに皮をむき、中火で10〜15分、中まで火が通るまでゆでます。
トースターは何分、何度で焼けばいいですか?
どちらの焼きも、レシピには時間も温度も書かれていません。色で判断してください。素焼きは薄く色づくまで、たれを塗ったあとの2回目は、味噌の表面が褐色になるまでです。
名前は本当に人形の頭からきているのですか?
Shikoku Tourismが紹介している一説です。「でこ」は人形の頭のことで、串を人形の頭のように回す、というものです。語源として確かめられたものではありません。
味噌やだしはどんな種類を使えばいいですか?
レシピは味噌の種類やだしの形を指定していません。手持ちのものを使い、分量だけ守ってください。
残ったときの保存はどうしますか?
レシピには保存や温め直しの案内がないため、この記事では保存期間も温め直しの方法も案内しません。































