餃子は、底はカリッと、上はふっくら蒸し上げる
平らな底は濃い黄金色でカリッと、ひだのある上側は蒸気でやわらかく、キャベツから水が出ず、具はジューシーなまま。この対比は、手順の順番がつくります。
餃子は熱したフライパンに平らな面を下にして並べ、底が黄金色になるまで動かしません。そこへ少量の水を入れてすぐに蓋をすると、蒸気が白いひだの上側をやわらかくします。蓋を取って残った水分を飛ばし、ごま油をフライパンの縁に細く回し入れると、底がもう一度カリッと焼き上がります。日本の餃子と聞いて多くの人が思い浮かべる焼き餃子は、この流れでできています。
この記事で紹介するのは、Namiko Hirasawa Chenさんが Just One Cookbook で公開している、豚肉とキャベツの餃子のレシピです。2026年5月10日に再公開されたレシピカードの版に従っています。具は豚ひき肉に、細かく刻んだキャベツ、しいたけ、ねぎ、しょうが、にんにくを合わせ、市販の餃子の皮で包みます。カードの仕上がりは52個で、これは餃子の個数であって、何人分かという数字ではありません。Chenさんのカードでは、準備に約1時間、加熱に約20分、合計で約1時間20分と見積もられています。これは書き手の見積もりで、みなさんの台所での所要時間を約束するものではありません。このレシピは世界ごはん紀行で作って試したものでもありません。
このレシピでいちばん大事な習慣は、皮で包む前にあります。キャベツは塩をしてしんなりさせ、その間に豚ひき肉を調味料と練って、白っぽく粘りが出てから、絞ったキャベツを混ぜ込みます。水気の少ない具は包みやすく、焼く前に皮をぬらしてしまうことも少なくなります。
焼き餃子とは、そして何ではないか
キッコーマンの食文化特集「Gyoza Pot Stickers」(2018年)は、日本で餃子といえば一般に焼き餃子を指す、と説明しています。同じ特集は、蒸し餃子や水餃子も日本の餃子の形として挙げています。つまり、焼き餃子は日本の餃子の一つの形であって、唯一の形ではありません。特集は日本の餃子を中国の餃子(jiaozi)にさかのぼり、日本では土地の好みに合わせて独自の特徴が育ったと述べています。焼き餃子の一般的な流れは、油で焼いてから軽く蒸すこと、食べるときは醤油と酢、あるいはラー油(rayu)を添えること、と紹介されています。市販の皮がスーパーで売られていることにも触れています。
同じ特集は、定番の具の組み合わせとして、豚肉、キャベツまたは白菜、長ねぎ、ニラ、醤油、にんにく、ごま油を挙げています。Chenさんのレシピは、その範囲の中の一つの家庭版です。白菜ではなくキャベツ、ニラではなくねぎとしいたけを使い、調味料も日本の家庭にあるものです。Chenさん自身も、具や包み方にはいろいろあると書いています。ここに出てくる分量はこのレシピのもので、日本のすべての餃子の分量ではありません。
餃子と、中国北部のゆでる餃子(jiaozi)は親戚ですが、食卓に並ぶ一皿は違います。小麦粉と水で作る手作りの皮、白菜、黒酢のたれを組み合わせたゆで餃子のレシピは、ここで作る焼いて、蒸して、もう一度焼く餃子とは作り方が異なります。同じ国のほかの料理は日本のページからどうぞ。
分量の読み方
このレシピには4つの範囲の分量があります。混同しないよう、分けて整理しておきます。
| 範囲 | 何にあたるか | 例 |
|---|---|---|
| レシピ全体 | 具と皮1袋分で52個ができる | 豚ひき肉 1/2ポンド |
| 餃子1個 | 皮1枚に包む具の量 | すりきり大さじ1 |
| フライパン1回分 | 1回に焼く分の油、水、仕上げのごま油 | 油 大さじ1、水 大さじ4、ごま油 小さじ1 |
| 1人分 | 1人分のたれの小皿 | 醤油 大さじ1、米酢 大さじ1 |
何回に分けて焼くかは、フライパンに間隔をあけて1段に並べられる数で決まります。たれをどれだけ作るかは、食べる人数で決まります。どちらも決まった数字ではありません。
道具
- 包丁とまな板
- 大きめのボウル
- しょうがをおろすおろし金(にんにくは押しつぶし器を使ってもよい)
- 皮を留めるための水を入れた小さな器
- クッキングシートを敷いたバット
- 皮と包んだ餃子にかぶせる、ぬらしたふきんまたはラップ
- 蓋つきの大きなフライパン(フッ素樹脂加工または鉄)
- 中心温度を測る料理用温度計
- 1人ずつ使う小さなたれ皿
選び方と代用
キャベツ。 ふつうの丸い緑のキャベツを使います。白菜を使う餃子は別のレシピとして考えてください。
塩。 コーシャーソルトはブランドによって、同じ小さじ1でも重さが違います。Diamond Crystal のコーシャーソルトがなければ、食卓塩を体積で半量、または同じ重さで使います。ほかの塩を同じスプーン量でそのまま置き換えてはいけません。
皮。 このレシピには、薄手の日本式の餃子の皮が合います。52個という数字は、52枚入りの袋を前提にしています。枚数や重さの違う袋を使うと、同じ数にならないことがあります。
たれ。 米酢は砂糖や塩の入っていないものを使い、味つきのすし酢は使いません。黒酢や味噌ベースのたれは、ここでの醤油と酢のたれとは別の食卓になります。
油。 焼くときはくせのない油を使います。ごま油は、鍋で焼く1回分につき小さじ1だけ、最後の回しかけに使います。
酒とラー油。 どちらも必須ではありません。手元になかったり、使いたくなかったりするときは省いてください。
失敗しやすいところ:水っぽい具、破れた合わせ目、べたつく底
| 困りごと | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 具が水っぽく、皮がべたつく | キャベツの刻みが粗い、塩をした時間が足りない、絞りが足りない | 細かく刻み、塩をもみ込み、しんなりするまで待ってから強く絞り、汁を捨てて混ぜる |
| 包んでいる最中に皮が乾いて割れる | 皮を覆わずに置いていた | 皮の束にはぬらしたふきんかラップをかけ、1枚ずつ取り出す |
| 包んだ餃子が焼く前に柔らかくなる | 包んでから時間がたちすぎた | バットの上で覆いをかけ、すぐに焼くか冷凍する |
| 具がはみ出す、皮が閉じない | 具が多すぎる、または縁に具がついている | すりきり大さじ1(または大さじ3/4弱)にし、縁をきれいにして外側1/4インチ(6 mm)をぬらし、すき間をつまんで閉じる |
| 餃子がくっつく、焼き色にむらが出る | フライパンに詰め込みすぎた | 間隔をあけて1段に並べ、1回分ごとに決めた量の油を使う |
| 底がカリッとしない | 仕上げのときに水が残っていた、またはごま油を入れるのが早すぎた | 蓋を取ったら水分が完全になくなるまで焼き、それからごま油小さじ1を回しかけ、蓋をせずに濃い黄金色になるまで焼く |
| 中心まで火が通ったか分からない | 時間や色では判断できない | 温度計で中心を測り、75°Cが1分以上続くことを確かめる |
作り置きと保存
焼く前の餃子: バットに1段に並べ、中まで、少なくとも外側が凍るまで冷凍してから、密閉できる冷凍用の袋に移します。冷凍のまま最長1か月保存できます。冷凍のまま、同じ「焼く・蒸す・カリッと仕上げる」の流れで焼きます。蒸す時間を1〜2分延ばしてください。
焼いた後の餃子: 完全に冷ましてから密閉容器に入れます。冷蔵で最長3日、冷凍で最長1か月です。
再加熱の方法はレシピに書かれていないため、ここでも案内しません。
変化をつけるなら
変化をつける場合は、次の方法があります。これらは基本の作り方や上の写真とは別の選択肢です。
- 具にニラを加える。
- 豚肉のかわりに、牛ひき肉、七面鳥、鶏、ラムのひき肉を使う。
- 固い豆腐、きのこ、野菜でお肉を使わない具にする。
- 味噌と砂糖でたれを変える。
- ひだを寄せる半月形のかわりに、別の包み方にする。
水餃子や蒸し餃子もあります。これらは、この焼き方の工夫ではなく、別の調理法です。
よくある質問
52個なら52人分ですか?
いいえ。Chenさんのカードにある52個は餃子の個数で、何人分かという数字ではありません。何人分になるかは食べる人の食べ方次第です。たれは1人分ずつの分量なので、52個分に合わせて増やすのではなく、食べる人数分の小皿を用意してください。
キャベツは生のまま入れずに、なぜ塩をするのですか?
塩をすると刻んだキャベツから水が出るので、豚肉と合わせる前に絞って除けます。そうすると、具が水っぽくなって皮がべたつくのを防げます。Chenさんのページには、さっとゆでる、電子レンジにかける、しんなりさせずに使う、という別の方法も書かれています。この記事は塩をする方法だけに従っています。
Diamond Crystal のコーシャーソルトが見つからないときは?
Chenさんのカードには、食卓塩なら体積で半量、または同じ重さで使うと書かれています。グラム数はカードに書かれていません。ほかのコーシャーソルトや日本の塩は、スプーン1杯の重さが違うので、同じスプーン量で置き換えられるとは考えないでください。
焼き3分、蒸し3分の時間で、中まで火が通りますか?
保証はできません。この時間は、レシピの作り方の目安です。日本の厚生労働省は、肉の中心を75°Cで1分間以上にするよう呼びかけていて、この目安はレシピの時間や底の焼き色とは別に考えるものです。温度計で確かめてください。
餃子は作り置きできますか?
できます。包んですぐ、焼く前の餃子をバットに1段に並べて凍らせ、密閉できる袋に入れれば最長1か月です。焼くときは冷凍のまま、蒸す時間を1〜2分延ばします。
餃子はグジヤ(gujiya)と関係がありますか?
どちらも生地で具を包む料理だという点だけです。インド大使館(アンゴラ・ルアンダ)/ インド文化関係評議会(ICCR)のニュースレターに載っているグジヤのレシピは、甘くて、揚げた半月形のお菓子です。小麦粉とギー(澄ましバター)の皮に、コヤ(煮詰めた乳)、砂糖、ナッツの具を包み、シロップで仕上げることもあります。甘い具と揚げる調理法は、ここで作る豚肉の具と、焼いて、蒸して、もう一度焼く方法とは違います。




















