赤いいちごを、黒いこしあんとやわらかな餅が包む
一つ分は、水気を拭いたいちご丸ごと1粒を、薄く均一な滑らかなこしあんで閉じたものです。その外側を、艶のあるやわらかな求肥で包み、底で閉じます。切ってみると、赤い果実、黒い餡、白っぽい餅の三層がはっきり見えるのが目安です。
いちご大福を半分に切ると、その断面が作り方を教えてくれます。まん中には鮮やかな赤いいちご。そのまわりを黒くて滑らかな餡が薄くぐるりと囲み、いちばん外には白っぽくやわらかな求肥(ぎゅうひ)、つまり餅の生地があります。みずみずしい果実、ずっしり甘い餡、よく伸びる皮。この三つの取り合わせが、この和菓子のすべてです。どれも一つずつ手で包みます。
世界ごはん紀行編集部では、このレシピ全体を台所で試作して確かめてはいません。
ここで従うのは、ひとつの公開レシピです。日本の製糖会社、DM三井製糖が掲載している電子レンジのいちご大福で、白玉粉、さとうきび糖、水、いちご、こしあんから10個分を作ります。片栗粉は打ち粉にだけ使います。求肥は600Wで短く区切って加熱し、そのつど練ります。できあがりの判断は、分数だけでなく艶があってやわらかい見た目で行います。このレシピの加熱時間はあくまで目安で、内部の温度を示すものでも、安全を保証するものでもありません。電子レンジは機種によって違うので、生地の様子を見てください。
包む前に、いちごはヘタを取って水気を拭きます。この記事では、レシピにない衛生の手順を一つ足しました。先に流水でいちごを洗うことです。農林水産省が、生で食べる果物についての一般的な注意として、調理前の手洗いとあわせて示しています。同じ国のほかの料理は日本のページからどうぞ。
ここで作るのは、こしあんでいちごを完全に隠してから求肥をかぶせる型です。いちごの先が上からのぞくことはありません。白あん、粒あん、市販の切り餅を使う作り方もありますが、分量も手順も別物なので、後ろの節で触れるだけにします。
どのいちご大福か、ほかの作り方との違い
公開されているいちご大福のレシピは、生地も餡も果実も少しずつ違います。まず、どの型を作るのかを決めておきましょう。
| 型 | 内容 | この記事での扱い |
|---|---|---|
| DM三井製糖のレンジレシピ | 白玉粉・さとうきび糖・水を600Wで3回に分けて加熱。こしあんでいちごを包み、求肥で外側を包む。10個分 | 以下で従うレシピ |
| 白玉屋新三郎のレンジレシピ | 白玉粉からレンジで求肥を作るが、砂糖と水の量が違い、砂糖を入れる段階も異なる | 比較のみ。分量や順序はこのレシピに混ぜない |
| 愛媛県のレシピ | 愛媛で育成されたいちご「紅い雫」を使い、餡で包んでから求肥で包む | 果実の選び方に地域色が出る例。料理が愛媛発祥という意味ではない |
| 井村屋のレシピ | 切り餅と、甘く煮たゆであずきを使う時短型 | 別の作り方として触れるだけ |
ここで使った資料からは、いちご大福がいつ、どこで、誰によって始まったのかは確かめられません。この記事では推測しません。いちご大福は、家庭でも一つずつ包んで作れる日本の和菓子であり、餡も生地も果実もレシピによって実際に違う、というところまでを事実として扱います。
道具
- 600Wに設定できる電子レンジ
- 大きめの耐熱ボウル
- 泡立て器
- 木べら
- 浅いバット(熱い求肥を受ける)
- キッチンばさみ
- 包丁とまな板(いちごのヘタを取る)
- 清潔なペーパータオル
- 鍋つかみまたは耐熱の布巾
選び方と代用
さとうきび糖。国産のさとうきび糖を使うので、求肥は純白ではなく淡いアイボリー色になることがあります。それで正常です。ふつうの上白糖に替えるのは、このレシピに対する皆さん自身の変更で、色や風味が変わることがあります。
白玉粉。白玉粉を使ってください。もち粉やほかの米粉と同じものとして扱わないでください。置き換えれば、別の生地になります。
こしあん。水分が少ないものを選ぶと包みやすくなります。変化として白あんや粒あんも使えますが、餡の水分や硬さによって、果実を閉じ込めやすいかどうかが変わります。
いちご。小さくて丸いものを選びます。均一にかぶせやすく、皮も破れにくくなります。愛媛の「紅い雫」のような地域の品種を使いたいときは、名前だけでなく大きさや形でも選んでください。
6つの材料はどれも日本ではおなじみの和菓子の材料で、道具もふつうの台所にあるものです。特別な道具は必要ありません。
電子レンジから出した求肥もボウルも、とても熱くなっています。ボウルを取り出すときは鍋つかみか耐熱の布巾を使い、顔を蒸気から遠ざけてください。熱い生地を素手で触ってはいけません。触れる温度まで冷めるのを待ちます。
うまくいかないとき
| 問題 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 餡がやわらかくて広がってしまう | 餡の水分が多い、または直前に形を作った | 求肥を作り始める前に、20gずつ丸めておく。水分の少ない、締まった餡を選ぶ |
| 求肥がだれる、まとまらない | 加熱や練りが足りない | 加熱のたびによく練る。最後の加熱は、分数ではなく艶とやわらかく一体になった餅の状態で判断する |
| 生地が手・バット・はさみにくっつく | 打ち粉が足りない | バット、生地の表面、手に片栗粉を十分につける。片栗粉は外側だけにつける |
| 皮が破れる | いちごが大きい、または形がふぞろい。餡にムラがある。求肥をのばしすぎた | 小さく丸いいちごを選ぶ。餡は薄く均一に広げる。皮をのばしすぎない |
| 餡がいちごにうまく閉じない | いちごが濡れている | 洗ってヘタを取ったあと、一粒ずつしっかり水気を拭く |
盛り付けと安全な食べ方

半分に切ると三層の断面が見え、一口の大きさも小さくなります。
餅はやわらかく粘りがあるので、食べやすい小さな大きさに切ってください。一口は無理のない量にして、ゆっくりよく噛んで食べます。高齢の方が餅を食べるときは、そばにいる人が見守るようにしましょう。これは餅全般についての一般的な注意です。いちご大福に特有の危険度を示すものではありません。
変化をつけるなら
ここに挙げるのは、上のレシピとは別の選択肢です。どれも別の型であり、この分量に手を加えるものではありません。
- 白あんや粒あん。風味も見た目も変わります。餡の水分や硬さによって包みやすさも変わるので、締まった餡のほうが包みやすいです。
- 小さめのいちご。全体を覆いやすく、できあがりも小ぶりになります。
- 地域の品種。愛媛で育成された「紅い雫」を使ういちご大福もあります。地元のいちごを選ぶのも、この菓子に土地の個性を出す一つの方法です。
- 切り餅の作り方。切り餅とゆであずきを使う時短型もあります。分量も手順も別のものなので、この記事では扱いません。
よくある質問
求肥は何分加熱しますか?
DM三井製糖のレシピでは、600Wで約2分、続けて約1分、さらに30秒〜1分と加熱し、そのつど練ります。どれも目安の時間です。電子レンジは機種によって違うので、生地に艶が出て、餅のようにやわらかくなったところで止めてください。この時間は、内部の温度を示すものでも、安全の保証でもありません。
片栗粉は生地に入れますか?
入れません。バット、生地の表面、手に打ち粉としてつけるだけで、求肥がくっつくのを防ぎます。
こしあんの代わりに粒あんや白あんを使えますか?
変化としては使えますが、ここで従っている型からは外れます。餡の水分や硬さによって、包みやすさが変わります。DM三井製糖は、水分の少ない餡をすすめています。
さとうきび糖の代わりに白砂糖を使えますか?
それは皆さん自身によるレシピの変更です。このレシピは国産のさとうきび糖を使うので、求肥が淡いアイボリー色になることがあります。ふつうの白砂糖では、色や風味が変わることがあります。
レシピには「拭く」とあるだけなのに、なぜいちごを洗うのですか?
この記事では、農林水産省の一般的な食中毒予防の案内に基づき、洗う手順を足しています。生で食べる果物は、下ごしらえの前に流水で洗い、調理の前には手を洗うよう示されています。そのあとでヘタを取り、レシピの指示どおり水気をしっかり拭いてください。
どのくらい日持ちしますか?温め直せますか?
この記事で使った資料では、いちご大福の保存期間も、保存方法も、温め直しの方法も確かめられていません。そのため、この記事では案内しません。
















