かき揚げ:細い野菜と小さな桜えびを、一枚にまとめて揚げる
細く切った玉ねぎとにんじん、その間に散らばる小さな桜えびのピンク、そしてみつばの緑。それらを、ちょうど足りるだけの衣で一枚にまとめ、平らにカリッと揚げます。衣は具をつなぐ軽い「つなぎ」であって、厚くまとわせるものではありません。
ボウルに入っているのは、薄く切った玉ねぎと細いにんじん。そこに乾燥桜えびが小さく散り、みつばが短く切って加えてあります。粉をふり、冷水を少し注ぎ、菜箸で軽く混ぜると、細い具がひとつにくっつき始めます。熱い油にそっと入れると、ひと匙ごとに平たい塊となって広がり、縁からきつね色に色づいてカリッと揚がっていきます。
かき揚げは、数種類の具や小さな具材に衣をからめ、平らにまとめて揚げる天ぷらの一種です。具は季節や家庭によって変わります。この記事では、玉ねぎ、にんじん、乾燥桜えび、みつばを使った4人分の代表的な家庭の型を紹介します。同じ食卓の料理は日本の料理のページからどうぞ。
このレシピのもとにしたJITCOの家庭料理シートでは、粉・冷水・揚げ油の量が「適量」とされているだけです。そこで、他のレシピの配合や油温、揚げ時間を借りることはせず、分量は適量のままにして、各段階での衣の様子と揚がり具合を言葉で説明します。世界ごはん紀行では、このレシピをまだ台所で試作していません。各手順の見た目の目安を、よく読みながら進めてください。
かき揚げとは:小さな具を平らにまとめた天ぷら
ふつうの天ぷらは、一つの具を一つずつ揚げるのが一般的です。かき揚げは、小さな具をいくつもまとめて一枚にします。JITCOの英語版家庭料理シートは、かき揚げを、数種類の具や小さな具材に衣をつけて平らにまとめて揚げる天ぷらと説明し、ここで使う玉ねぎ、にんじん、乾燥桜えび、みつばの組み合わせを紹介しています。
同じシートには、食卓への出し方も載っています。塩を少しつけてそのまま食べる、ご飯にのせてかき揚げ丼にする、そばやうどんにのせる、の3通りです。具は季節に合わせて変わり、春なら山菜、たけのこ、そら豆、菜の花などの例が挙がっています。乾燥桜えびの代わりには、生えび、小柱、しらすが案として示されています。いずれも水分や火の通り方が変わるため、この記事では、このレシピへの置き換えではなく別のレシピとして扱います。
この記事で使った資料には、料理の起源や歴史についての記述がないため、ここでは触れません。
道具
- 包丁とまな板
- 混ぜ用のボウル
- 菜箸またはスプーン
- 揚げ物用の深めの鍋
- 穴あきお玉
- 油を切るための網
選び方と代用
乾燥桜えびは、このかき揚げを特徴づける材料です。小さく乾燥した桜色のえびで、一枚全体に香りを広げます。日本食材店や東アジア食材店で探してください。生えび、小柱、しらすに替えると、水分も火の通り方も違う別のかき揚げになるので、同じ量でそのまま置き換えないでください。
みつばは、独特の香りをもつ日本のハーブです。ほかの青菜では風味が変わってしまうため、同じ役割の代用品としては挙げません。
玉ねぎは、ふつうの黄玉ねぎで問題ありません。新玉ねぎは水分が多く、辛みの感じ方も違うので、同じ段階でも衣の見え方が変わることがあります。
粉は、この作り方では薄力粉だけを使う前提です。卵、でんぷん、天ぷら粉は混ぜないでください。手順にある衣の見分け方は、粉と冷水だけの衣についてのものです。
うまくまとまらないとき:よくある失敗と直し方
粉と水は目で見て加減するので、つまずきの多くは、油に入れる前にボウルの中に現れます。一回ごとに、揚げる前にたねの様子をもう一度見ましょう。
| 見た目 | 考えられる理由 | 直し方 |
|---|---|---|
| ボウルの中に乾いた粉が見える | 水がまだ足りない | 冷水を少し足して、また軽く混ぜる |
| 衣がなめらかで、ゆるい | 水が多すぎる、または混ぜすぎ | これ以上水を足さない。次回は水を少量ずつ加え、小さなダマが残るうちに止める |
| 油の中で塊が散らばる | 高い位置から入れた、または固まるまで押さえていない | 油面すれすれまで近づけてから離し、衣が固まるまで菜箸で軽く押さえる |
| 具を入れたとき、油がはねる | 野菜が濡れている、または勢いよく入れた | 切った野菜の水気を拭いてから粉をまぶし、ゆっくり入れる |
| 色が薄い、やわらかい | 火が通りきる前に引き上げた | 火が通ってカリッとするまで揚げ続ける |
| 仕上がりが油っぽい | 油を切っていない | 鍋の上で油を落とし、網にのせて切る |
鍋の油に火がついたときは、安全にできるなら火を止めてください。水は絶対にかけないでください。
食べ方と季節のアレンジ
揚げたてを網から皿へ移し、好みで塩を少し添えるのがいちばんです。揚げたてがいちばんおいしいので、食べる分だけ作って、すぐに出してください。この記事では、保存や温め直しの方法は案内しません。
ご飯にのせればかき揚げ丼に、そばやうどんの上にのせる食べ方もあります。ご飯、麺、つゆは食べ方の例で、かき揚げそのものの材料ではありません。
春には、山菜、たけのこ、そら豆、菜の花などで作ることもあります。どれも水分と火の通り方が違うので、この具に足すのではなく、別のレシピとして考えてください。
乾燥桜えびの代わりに、生えび、小柱、しらすを使う作り方もあります。ただし、乾燥桜えびの大さじ2を、そのまま移さないでください。その材料のために書かれたレシピを探しましょう。
新玉ねぎのように水分の多い玉ねぎも使えますが、水を加える段階で、衣の様子が少し違ってくると考えてください。
よくある質問
粉と水は何gずつ使えばいいですか?
このレシピのもとにしたJITCOのレシピは、粉と冷水を「適量」としているため、この記事でも数値は決めていません。かわりに、まず具に粉をまぶし、次に冷水を少しずつ加えて軽く混ぜ、小さなダマが残るうちに止める、という見た目の目安に従ってください。
衣に卵やでんぷんを加えてもいいですか?
この作り方では加えません。使うのは粉と冷水だけです。日清製粉グループの天ぷらの一般的な解説には卵を使う衣が出てきますが、それは別の作り方で、ここでは使いません。
油の温度と揚げ時間はどのくらいですか?
JITCOのレシピには温度も時間も書かれておらず、火が通ってカリッとするまで揚げる、とされています。日清製粉グループの別の一般向け解説には、薄衣の野菜のかき揚げで約160°C、魚介入りで約170°Cという目安があり、泡の様子や浮き方が揚がりのサインとして紹介されています。ただしこれらの数字は、その一般向け解説のもので、このレシピのものではありません。写真では油温は確認できないので、鍋の様子と、揚げているかき揚げそのものをよく見てください。
薄力粉の代わりに天ぷら粉を使えますか?
JITCOのレシピでは、天ぷら粉と薄力粉のどちらでもよいとされています。この記事は薄力粉を使う前提で、衣の見分け方もそれに合わせて書いてあるので、2つを混ぜないでください。天ぷら粉を使うなら、原材料とアレルゲン表示を確認してください。商品によって異なります。また、農林水産省の別のかき揚げレシピには、天ぷらの衣に米粉を使う選択肢の記載もありますが、この作り方には含まれません。
形をととのえるのに、お玉は必須ですか?
いいえ。一口大のたねを取るのは、スプーンや菜箸でできます。日清製粉グループの解説では、お玉を使ってまとめる様子が紹介されています。小さなお玉があると便利ですが、必須ではありません。
かき揚げは、どうやって食べますか?
JITCOのシートが紹介するように、塩を少しつけてそのまま、ご飯にのせてかき揚げ丼に、またはそばやうどんにのせて食べます。
油に火がついたらどうしますか?
北九州市消防局は、揚げ物をしている間は鍋のそばを離れないこと、離れる前には火を止めること、燃えている油には絶対に水をかけないことを呼びかけています。

























