かき氷|白い氷、鮮やかな果物、そして層に隠れた甘さ
氷は軽く細かく削ること。甘い液体は上にのせるだけでなく山の真ん中まで届かせること。果物には色と酸味、歯ごたえを任せること。何を変えても、この3つ、つまり氷、甘さ、冷たくやわらかな口当たりは残してください。
機械が回り、器の中に白い氷がふわりとたまっていきます。そこへ色が加わります。赤いスイカ、オレンジ色のみかん、緑のキウイ、果肉がごろごろ入った黄色いパインソース、そしててっぺんには赤いさくらんぼがひとつ。ひと口目はきりっと冷たく、そのすぐ後ろからシロップと練乳の甘さがついてきます。底まで掘り進めると、ゆであずきが待っています。
かき氷は、氷を細かく削ってシロップで仕上げる日本の氷菓です。夏祭りの屋台のシンプルなシロップがけから、カフェや専門店の凝った一杯まで、日本各地にさまざまな姿があります。この記事ではそのすべてを紹介することはせず、ゆであずきを添えた現代のフルーツかき氷を、1杯分に絞って詳しく見ていきます。
レシピは、キユーピーが業務用レシピとして公開している1人分の「フルーツかき氷」に沿っています。ほしえぬのゆであずき、スノーマンの果肉入りパインソースという2つの市販品が指定されており、それは書かれたまま残しています。フルーツかき氷の一例であって、日本の標準的な配合ではありません。わかりやすくするために加えた点が2つあります。練乳とみぞれシロップをあらかじめ混ぜて1つの混ぜ液(以下A)にし、削りながら注げるようにしたこと。そして果物を盛りつけの前に準備し、スイカは編集上の判断で一口大に切ることです。材料や分量は足していません。レシピ全体を世界ごはん紀行で試作したわけではありません。
道具
- かき氷機(取扱説明書どおりに使う)
- キッチンスケール
- 器(透明なものだと底のあずきが見える)
- Aを入れる小さな注ぎ用カップ
- まな板と包丁
- 準備した果物や缶詰の果物を入れる小皿
- 混ぜる、ソースをのせる、食べるためのスプーン
選び方と代用
この一杯は、材料表の2つの商品、スノーマンの果肉入りパインソースとほしえぬのゆであずきを前提に組み立てています。見つからないときは、果肉が見えるパインソースと、缶やパウチの普通のゆであずきが代わりになります。ただしこの2つの代用はこのレシピで試していません。甘さ、とろみ、食感は商品によって違い、上の分量は指定の商品に合わせて決めたものです。
みぞれシロップは、日本のスーパーで売られている無色透明のかき氷シロップです。加糖練乳、みかん缶詰、さくらんぼ缶詰は広く手に入ります。缶詰の果物は、小皿に取り分けた状態で量ってください。
氷は、飲用水で作ったきれいな氷を使います。家庭用の製氷皿の氷は、お使いの機械の説明書がその大きさと形を認めている場合にだけ使えます。専用の型で凍らせた氷が必要な機械もあります。
食感とトラブル対処
かき氷に、ひとつだけの正しい食感はありません。刃の圧などによって、粗いものからやわらかいものまで幅があります。細かくふわふわの氷は軽く、粗めの氷は歯ごたえが残ります。どちらも失敗ではありません。
| 状況 | 対処 |
|---|---|
| 思ったより氷が粗くなった | 機械に刃の調整があれば、説明書に従って調整します。粗い氷もかき氷のうちで、歯ごたえが増すだけです |
| 機械が氷を削らない | 氷の大きさと形が機械の説明書に合っているか確認します。合わない塊を押したり無理に入れたりしないでください |
| 甘さが上だけにあって、中が味気ない | Aを最後に全部かけるのではなく、削る途中にも一部かけます(手順7) |
| トッピングをのせる前に氷が溶ける | 削り始める前に果物とAをすべて用意しておき(手順1〜4)、盛りつけを止まらずに進めます |
| 残りを取っておきたい | 削った氷は取っておくものではありません。作ってすぐ食べてください |
食べ方と残り
かき氷は作ったらすぐ食べるもので、できあがった一杯を保存したり温め直したりすることはありません。残った切り果物は冷蔵庫に入れ、開封した缶詰や練乳などは、それぞれの商品の表示に従って冷蔵してください。
アレンジ|別の一杯として
以下のアレンジは、料理の性格が変わります。比較のための紹介で、分量は示しておらず、上のフルーツのレシピには混ぜません。
| アレンジ | 変わるところ |
|---|---|
| いちごシロップと練乳 | 定番の組み合わせ。ミックスフルーツの酸味の代わりに、甘酸っぱいいちごの香りとミルクのまるみが前に出る |
| 抹茶シロップに白玉とあずき | 抹茶、白玉、あずきを組み合わせる。果物のみずみずしさが、米粉団子の弾力と豆の甘さに替わる |
| 果物を1種だけ旬のものに替える | みかん、スイカ、キウイのうち1つを入れ替える。レシピが変わり、別の果物に同じ重さが合うとは限らない |
| 一般的な果肉入りパインソース | 指定商品の代わりに、果肉の見えるものを使う。このレシピでは試していない |
| 粗めの氷 | ふわふわ感は減り、歯ごたえが増す。材料も分量も同じで、食感だけが変わる |
氷室と夏の甘味|かき氷の背景
削り氷は、日本で長い歴史を持っています。農林水産省は、かき氷を奈良県の郷土料理のひとつとして、氷とシロップの料理と紹介しています。そのページには、奈良の氷室と、氷を宮廷に献上する習わしの伝承が語られています。さらに『枕草子』にも触れ、削り氷に甘味料の甘葛をかけたことが書かれているとしています。
その昔の削り氷は、このレシピの一杯と同じものではありません。甘味料も、氷も、食べ方も、それぞれの時代のものです。みぞれシロップ、練乳、果物という現代の組み合わせを、そうした記録にさかのぼって重ねて読まないようにしてください。農林水産省のページには、かき氷は夏に大変人気があり、奈良では今日いちごを使ったものが知られているとも書かれています。これは奈良についての記述であり、日本各地の事情を代表するものではありません。
今ではかき氷は日本中で食べられています。キッコーマンのフードフォーラムは、細かく削った氷にいちご、メロン、レモンなどのシロップをかけるおなじみの形を紹介し、いちごと練乳、抹茶と白玉・あずきといった組み合わせも挙げています。夏祭りの屋台、カフェ、専門店で出会え、カフェや専門店には通年で出すところもあります。この記事のフルーツの一杯は、数ある現代のかき氷の一例です。
よくある質問
家庭の冷凍庫で作った氷は使えますか?
お使いの機械によります。飲用水で作った衛生的な氷を使い、機械が受けつける氷の大きさと形は説明書で確認してください。専用の型で作った氷が必要な機械もあります。
粗い氷は失敗ですか?
いいえ。かき氷は粗いものからやわらかくふわふわのものまで幅があります。機械で刃を調整できる場合、細かい設定は軽い口当たりに、粗い設定は歯ごたえが残る仕上がりになります。
練乳を抜いてもよいですか?
抜くことはできますが、別のバージョンになります。乳を使わない一杯になり、みぞれシロップの量も考え直す必要があります。ここでの60gは練乳30gと合わせて使う前提です。練乳なしで試した分量は示していません。
指定のパインソースとゆであずきが必要ですか?
このレシピは、スノーマンの果肉入りパインソースとほしえぬのゆであずきを使うキユーピーの業務用「フルーツかき氷」に基づいているので、その組み合わせを紹介しています。果肉入りの一般的なパインソースと普通のゆであずきも代わりになりますが、ここでは試しておらず、甘さや食感が違うかもしれません。
これが日本のかき氷の標準ですか?
いいえ。標準はひとつではありません。これはメーカーの業務用レシピをもとにした、現代のフルーツかき氷の一例です。シンプルなシロップがけ、いちごと練乳、抹茶とあずきも、みなかき氷です。
キウイ1切れが15gにならないのはなぜですか?
キウイは形のために4等分にしています。15gはこの1杯分のキウイの合計量なので、その重さに届くまでの切れ数を使ってください。























