タットリタン:赤い唐辛子の煮汁をじゃがいもに含ませる
鶏もも肉、じゃがいも、玉ねぎを、しょうゆ、にんにく、コチュジャン、コチュカルで作ったたれで、ひとつの鍋で煮ます。刻んだ青ねぎは、最後の最後まで生のままです。
韓国観光公社(VISITKOREA)は、この料理を、唐辛子で味つけした鶏肉と煮汁、じゃがいもの韓国の煮込みとして紹介しています。食べ方にも触れていて、食事の終わりに残ったじゃがいもと煮汁をごはんと一緒に食べるのだそうです。赤くて辛い煮汁を吸ったじゃがいもが、白いごはんの隣に並ぶ。この鍋が何のためにあるのかが、そこからよく見えてきます。
この記事が従うのは、ひとつのレシピです。韓国料理の研究家Maangchiが2011年12月28日に公開した、伝統風の辛い鶏の煮込みです。鶏もも肉、じゃがいも、玉ねぎ、そして2種類の韓国の唐辛子調味料を、ひとつの鍋で一緒に煮ます。4人分で、Maangchiが示す調理時間は45〜60分です。この料理のレシピはいくつもあり、ここで紹介するのは一人の料理家の作り方であって、国の標準ではありません。
韓国の外で作るとき、気をつけたい点は主に二つです。コチュジャンとコチュカルという、別々の唐辛子調味料をそろえること。そして、生の鶏肉を安全に扱うことです。
Maangchiの手順には、切った鶏肉を洗って水を切る、とあります。この記事ではその工程を省きました。はねた水が細菌を広げるおそれがあるため、Health Canadaは鶏肉を洗わないよう勧めています。洗わないのは、そのガイダンスにもとづく当編集部独自の安全面の変更で、Maangchiの指示ではありません。じゃがいもは、これまでどおり洗います。
このレシピは、編集部では試作していません。味、塩辛さ、辛さ、できあがりの量は確認していません。
タットリタンとタッポックムタン、一つの料理の二つの呼び名
この料理には、よく使われる呼び名が二つあります。タットリタン(닭도리탕、dakdoritang/daktoritang)と、タッポックムタン(닭볶음탕、dakbokkeumtang)です。Maangchiはレシピの題名をタッポックムタンとし、タットリタンを別名として挙げています。国立国語院は、닭볶음탕を닭도리탕の整理された呼び名(순화어)と説明しています。どちらも同じ料理を指すので、この記事では一つのレシピとして扱います。
国立国語院は、標準国語大辞典の説明も引いています。それによると、作り方には、鶏肉を水と調味料でそのまま煮る方法があります。もう一つ、鶏肉、調味料、野菜を先に炒めてから水を加える方法もあり得る、ということです。ここで紹介するレシピは前者の道をたどり、炒める工程はありません。
「ドリ」という語の由来は、はっきりしていません。国立国語院は別の回答で、辞書の語源欄に、鳥(tori)に湯(탕)を合わせた形に似た表記が示されていると述べています。それ以上の説明はなく、語源について確定的で詳しいことは言えない、とも書いています。そのためこの記事では、名前の出どころも、料理が生まれた時期も、考案者も、断定しません。
この料理に使える食材・調味料
道具
- ふた付きの鍋
- 生の鶏肉用の、清潔で専用のまな板と包丁
- 野菜用のまな板と包丁
- ピーラー
- ざる
- ペーストを混ぜる小さなボウルとスプーン
- 混ぜたり汁をかけたりするスプーン
- 大きな盛りつけ皿
- デジタルの食品温度計(一般的な食品安全の目安に照らして鶏肉を確かめるため)
選び方と代用
コチュジャンとコチュカルは、役割が違います。 コチュジャンはペースト、コチュカルは乾燥させた唐辛子の粉またはフレークです。どちらかを倍にするのではなく、1つずつ使ってください。韓国食材店やアジア食材店で、この名前で探します。辛さは商品によって違うので、辛さを控えめにしたい、あるいは強めにしたいときは、パッケージの表示を見て選びます。1/4カップという量は変えません。
鶏もも肉が、ここで使う部位です。手に入るもも肉を、食べやすい大きさに切って使います。
青唐辛子は、ふつうの生の青唐辛子を、自分が心地よいと思う辛さのものでかまいません。
しょうゆとコチュジャンは、大豆を原料とする調味料です。ほかに何が入っているか(たとえば小麦)は商品によって違うので、買うブランドの原材料表示とアレルゲン表示を確認してください。
つまずきやすい点
| 状況 | 考えられる理由 | 対処 |
|---|---|---|
| 青ねぎが鍋に入ってしまった | 青唐辛子と一緒に切ったか、一緒に加えてしまった | 工程7で、二つを別々のボウルに分けておきます。青唐辛子はじゃがいもと一緒に鍋へ、青ねぎは盛りつけてからだけ |
| 最後になってもたれがゆるい | ふたをしたままだった、または最後の段階を短くした | ふたを外して3〜5分煮詰め、煮汁を上からかけ続けます |
| 唐辛子調味料を片方しか使わなかった | このレシピには両方が必要 | コチュジャンとコチュカルは、どちらも1/4カップずつ必要です |
| 鶏肉に火が通ったか自信がない | 時間と色だけでは確認できない | 次の節にあるとおり、食品温度計を使います |
食品安全と残り物
ここで紹介するのは、政府機関による一般的な食品安全のアドバイスです。Maangchiのレシピの一部ではなく、レシピに書かれた時間が安全を保証するわけでもありません。
- 生の鶏肉: はねた水が細菌を広げるおそれがあるため、Health Canadaは鶏肉を洗わないよう勧めています。生ものと加熱済みのものは分け、清潔な道具、清潔な手、清潔な器具を使います。
- 火の通り: Health CanadaもFoodSafety.govも、鶏肉の切り身は74°C(165°F)まで加熱するよう示しています。確認は食品温度計で行います。Health Canadaはデジタル式を勧めていて、先端が骨に触れないようにするとも述べています。色、煮汁のとろみ、経過時間では、鶏肉が安全だとは言えません。
- 残り物: Maangchiのレシピに、保存の指示はありません。Health Canadaの一般的なガイダンスは、鶏肉の残り物を2時間以内に冷蔵し、4°C以下に保つこと。2〜4日以内に食べ、再加熱は74°C(165°F)まで行うことです。
このレシピの中での置き換え
- 鶏肉: もも肉の代わりに、手羽1kgを使えます。
- 玉ねぎ: 中2個の代わりに、中3個でも。
- じゃがいも: 大3個の代わりに、大4個でも。
- 辛さ: コチュジャンとコチュカルは、パッケージに示された辛さで選びます。分量は変えません。
- 食べ方: 白いごはんを用意して、食事の終わりに残ったじゃがいもと煮汁をかけます。
別のレシピとの違い、ほかの鶏料理との違い
同じ料理でも、レシピによって作り方はかなり違います。KBS WORLDには、韓国料理(韓食)の研究者による作り方が載っています。丸ごとの鶏を使い、下味は短く、鶏肉をあらかじめ煮ておきます。じゃがいもは別に火を通し、最後の煮込みの前に、たれを2回に分けて加えます。Maangchiには、2019年の鶏むね肉の作り方もあります。こちらは牛乳、りんご、しょうが、黒こしょう、コーシャーソルトを使い、鶏肉に切り込みを入れる、別の配合です。どちらも、ここで紹介するレシピには混ぜていません。
また、この料理はほかの韓国の鶏料理とは別物です。安東チムタクはしょうゆ味の煮込み、タッカルビは鉄板で炒める料理、参鶏湯は丸ごとの鶏のスープです。同じ料理文化のほかの料理は、韓国のページをご覧ください。
よくある質問
タットリタンとタッポックムタンは別の料理ですか?
いいえ。Maangchiは、닭도리탕(タットリタン)を닭볶음탕(タッポックムタン)の別名として挙げています。国立国語院は、닭볶음탕を닭도리탕の整理された呼び名としています。
鶏肉を先に炒めたほうがいいですか?
このレシピでは炒めません。国立国語院が引く韓国語辞書の定義には、先に炒める作り方もあり得るとあります。Maangchiの伝統風レシピは、ペースト、鶏肉、玉ねぎ、水を合わせてから煮込みます。
水はMaangchiの材料リストにありませんが、必要ですか?
必要です。水2カップは手順にだけ書かれているので、この記事では材料表に加えました。Maangchiはこのレシピがどのカップの大きさを使うかを示していないため、換算は載せていません。
Maangchiは鶏肉を洗うと書いていますが、この記事ではなぜ洗わないのですか?
Maangchiの手順には、切った鶏肉を洗って水を切るとあります。この記事ではその工程を省きました。はねた水が細菌を広げるおそれがあるから鶏肉を洗わないように、というHealth Canadaの助言にもとづいています。これはMaangchiの指示ではなく、当編集部の安全面の変更です。皮をむいたじゃがいもを洗うことは、作り方に残しています。
煮汁を回しかけるのは、いつ、どのくらいの頻度ですか?
Maangchiは、鍋底の煮汁をときどきすくって上から回しかける、と述べています。頻度は指定していません。この記事では、ふたを外して煮詰める工程10の間に置いています。
鶏肉に火が通ったかどうかは、どう見分けますか?
食品温度計を使います。Health CanadaとFoodSafety.govの一般的なガイダンスでは、鶏肉の切り身は74°C(165°F)です。調理時間やたれの色には頼らないでください。




















