チャジャンミョン ― 太い小麦麺のための黒いソース
一本一本にからむ、つやのあるほぼ黒のソース。形を保った豚肉と野菜の角切り。そして、ソースをかける前にすすいで水を切ってあるから、弾力を失わない麺です。
チャジャンミョン(짜장면)は、韓国中華を代表する料理のひとつです。太くてもちもちした小麦麺に、チュンジャン(韓国でチャジャンのソースに使う黒いペースト)を豚バラ肉と角切り野菜で炒め煮にした黒いソースをかけます。まず目に入るのは色ですが、本当の主役は味です。チュンジャンの塩気とうま味に、豚肉と玉ねぎ、ズッキーニ、じゃがいもの甘みが重なります。最後にコーンスターチでとろみをつけると、ソースにつやが出て、麺の下にたまらず麺にからみます。
作るうえで大切なのは、技術よりも段取りです。ソースと麺は、別々の鍋で作ります。豚肉とキャベツは、それぞれ一度鍋から出して、決まったタイミングで戻します。麺はゆでてからすすぎ、水を切って、できあがったソースをかけます。この段取りがわかれば、家庭の台所でもぐっと作りやすい料理です。
このレシピについて
下のレシピは、Food Network Kitchenが掲載しているジャジャンミョンのレシピ(Jackie Ji Yoon Park氏のレシピとして紹介されたもの)に従っています。4〜6人分のレシピです。分量と手順はこの1つの版からだけ採り、ほかのレシピの内容は混ぜていません。Food Networkは所要時間を40分としています。これは掲載されている数字で、実測ではありません。複数の作業を並行して進めることが前提です。
先にお伝えしておきたい編集上の判断が、3つあります。
- 材料表に水を加えました。 掲載されている材料一覧には、手順にだけ出てくる3か所の水が載っていません。ソースに混ぜる水1カップ、麺をゆでる水10カップ、コーンスターチを溶く水大さじ2です。足りないものが出ないよう、表に入れてあります。
- 任意の唐辛子は入れていません。 掲載の材料一覧には任意のゴチュガルが載っていますが、説明では韓国の赤唐辛子ペーストとされていて、粉なのかペーストなのかがはっきりしません。推測で決めず、この版では任意の辛味そのものを省き、コチュジャンなどほかの赤い調味料にも置き換えません。
- コーンスターチはコーンスターチです。 じゃがいもでんぷんでも、日本の片栗粉でもありません。
このレシピは世界ごはん紀行で試作したものではありません。工程の写真は各段階の様子を示すもので、時間、火の通り、分量、食品安全を証明するものではありません。
道具
- 厚手の鍋(ソース用)
- 麺をゆでる大鍋
- 大きめの計量カップまたはピッチャーと、泡立て器
- コーンスターチを溶く小さなボウル
- 穴あきお玉
- 木べら
- トングまたは長い箸
- ざる
- 豚肉とキャベツを別々に置いておく皿2枚
- 生肉用のまな板と、きゅうり用の別の清潔なまな板
- 盛りつけ用の丼(4〜6個)
選び方と代用
チュンジャンには、代わりになるものがありません。買って使う韓国の調味料ペーストで、家庭で発酵させて作るものではありません。中国の甜麺醤(テンメンジャン)とも、豆板醤、中国の黄豆醤、八丁味噌のような黒っぽい味噌を含む日本の味噌とも違います。どれを使っても、塩気、甘み、発酵の香り、色が変わって、別の料理になります。韓国食材店やアジア食材店で、「춘장」「chunjang」「韓国のチャジャン用の黒いペースト」といった表示を探してください。
麺:チャジャン用として売られている、生の太い韓国式小麦麺が見つかれば、それを選びます。ゆで時間は商品によって違うので、パッケージを読んでください。
チキンブロス:無塩のチキンストックが使いやすいです。塩分の入ったブロスなら、チュンジャンとオイスターソースがすでにかなり塩気を持っているので、ソースへの調味は足さないでください。
オイスターソース:原材料も濃さも、ブランドで差があります。特にアレルゲンについて、ラベルを確認してください。
じゃがいも:ラセットは粉質のじゃがいもです。見つからなければ、ほかの粉質のじゃがいもでも問題ありませんが、煮崩れやすいかもしれません。角切りが形を保つように、火加減と煮立ち具合を見てください。これは家庭向けの代用です。
ズッキーニ:ふつうの緑のズッキーニで大丈夫です。
きゅうり:イングリッシュきゅうりは、ほかの多くの種類より大きいので、小さいきゅうりの1/4本とは同じ量になりません。重さを目安にしてください。
コーンスターチ:コーンスターチを使います。じゃがいもでんぷんは、とろみのつき方が違います。
盛りつけと残り物

ソースが熱く、麺の弾力が残っているうちに、すぐに食卓へ出します。食卓で、ソースを麺全体にまぜてください。
残りの保存期間については、手元の情報では示されていないので、日数の目安は挙げません。調理したものを室温に置いたままにしないでください。残りはすぐに冷蔵し、早めに食べます。
うまくいかないとき
| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| ソースが鍋底で焦げつく | 煮ている間の混ぜ方が足りない | 沸騰してから、こまめに混ぜます。この作り方では、チュンジャンは野菜のあとに液体のソースの一部として入れるので、ペーストを先に油で炒める工程はありません。足さないでください。 |
| 5分たっても野菜がかたい | 火が弱い、または角切りが1/2インチより大きい | 5分は目安と考え、じゃがいもがやわらかくなるまで、混ぜながら煮続けます。次回は大きさをそろえて切ります。 |
| じゃがいもが崩れる | 粉質が強いじゃがいも、または強く沸騰させすぎた | 野菜がやわらかくなったら、強く沸かさず、静かな煮立ちにし、そっと混ぜます。 |
| ソースがゆるいまま | 水溶きコーンスターチが溶けきっていない、またはソースが沸騰していなかった | コーンスターチを水に完全に溶かし、ソースが沸騰した状態に戻してから加えます。粉のまま直接入れたり、量を増やしたりしないでください。 |
| 麺がべたつく、ねばる | ゆでている間にほぐさなかった、またはすすいでいない | ゆでながらトングか箸でほぐし、ぬめりがなくなるまですすいで、しっかり水を切ります。 |
| 丼の中でソースが水っぽい | 麺の水切りが足りない | 麺をしっかり水切りし、食べる直前にソースをかけます。 |
| 豚肉が仕上がったのか不安 | 焼き色は火が通った目安にならない | 出す前に、豚肉に十分火が通っているか確認します。表面の色だけでは判断できません。 |
アレンジ
韓国の中華料理店では、チャジャンにもいくつかの型があります。韓国観光公社(VISITKOREA)は、次のようなバリエーションを紹介しています。
- カンチャジャン(ganjjajang):注文ごとにソースを炒めて具材の食感を残し、麺とは別に出します。
- ユニチャジャン(yuni-jjajang):肉と野菜を細かく刻みます。
- ユスルチャジャン(yuseul-jjajang):肉と野菜を細切りにします。
- サムソンチャジャン(samseon-jjajang):海鮮を使った版です。
- 白チャジャンと金色のチャジャン:黒いソースとは別の、明るい色の版です。
Maangchiのレシピは、ソースを麺ではなくご飯にかけるチャジャンパプ(jjajangbap)にも触れています。
これらは、それぞれに材料と作り方がある別の調理法です。上のレシピに足して使える単純な代用ではなく、上のレシピは日常的な黒いチュンジャンの型です。
背景 ― 韓国中華と仁川

韓国観光公社は、チャジャンミョンを「あらゆる年代に愛される韓国中華の定番」として紹介しています。中国に由来する麺料理が、韓国人の好みに合わせて変わっていったものです。同機関の説明では、1883年に仁川港が開港したあと、清の租界周辺にいた中国人移民が作ったことから、この料理が形づくられました。同じ説明によると、初期のソースは小麦と豆を発酵させた茶色いもので、カラメルで色づけした黒いチュンジャンのソースが広まったのは1950年代です。これは同機関による概説史で、ひとつの起源を確定した記録ではなく、考案者や最初の店も挙げていません。韓国の食については、韓国のページでも紹介しています。
チャジャンミョンは、中国の炸醤麺(ジャージャーミェン)と関連がありますが、同じレシピではありません。北京式は別のペーストと豚ひき肉、独自の野菜のトッピングを使います。韓国式は、チュンジャンと角切りの豚肉と野菜、とろみのあるつやのあるソースが土台です。Maangchiのレシピは、チュンジャン、豚バラ肉、野菜、でんぷんの水溶きという中心の要素は同じですが、分量も一部の材料も違います。そのどれも、上のレシピには持ち込んでいません。
よくある質問
チュンジャンが見つからないときは、何を使えますか?
同等のものはありません。甜麺醤、豆板醤、中国の黄豆醤、日本の味噌はどれも、塩気、甘み、発酵の香り、色が変わるので、別の料理になります。韓国食材店やアジア食材店で、チュンジャン(춘장)を探してください。ほかのペーストを試す場合は、チャジャンミョンではなく別のレシピとして扱ってください。
チャジャンミョンは、中国の炸醤麺と同じですか?
違います。歴史的なつながりはありますが、ソース、肉、野菜、全体の味が違います。材料を入れ替えて使わないでください。
辛いですか?
このレシピは辛くありません。このレシピのもとにした版は、任意のゴチュガルを挙げていますが、赤唐辛子ペーストと説明していて、何を指すのかはっきりしません。この版では、任意の辛味を完全に省いています。
ソースをご飯にかけてもよいですか?
Maangchiのレシピは、ソースをご飯にかけるチャジャンパプに触れています。それはソースの別の出し方です。このレシピは麺のために書かれています。
なぜ豚肉とキャベツを鍋から出すのですか?
この作り方がそういう組み立てだからです。豚肉は焼き色をつけたあと取り出し、ほかの野菜に焼き色がついてから戻して、ソースの中で火を通し切ります。キャベツは短時間だけ炒めてから、最後にソースを再沸騰させるまで待たせるので、ほかの具と最初から煮込むことはありません。
麺を冷水ですすぐのはなぜですか?
表面のぬめりになるでんぷんを落とすためです。そのあとしっかり水を切ることで、余分な水が丼の中でソースを薄めるのを防ぎます。
残り物はどのくらい日持ちしますか?
この料理の保存期間は示されていないので、日数の目安は挙げません。残りはすぐに冷蔵し、早めに食べてください。調理したものを室温に置いたままにしないでください。












































