カルビチム — 骨付きショートリブを照りが出るまで煮込む
先に肉を浸して下茹でし、しいたけの戻し汁で作った煮汁で煮込みます。根菜、栗、なつめは順番に加えます。仕上げは強火にして、煮詰めた煮汁を全体にかけ、照りを出します。
厚手の鍋に骨付きの牛ショートリブを入れ、しいたけの戻し汁、醤油、ミリム、砂糖、にんにく、しょうがの煮汁で煮ていきます。途中で、丸く整えた大根とにんじん、4つ切りにしたしいたけの傘、栗が加わります。終わり近くには、干しなつめと米シロップを入れます。最後の数分は強火にして、残った煮汁を肉と野菜にスプーンでかけ続けます。煮汁の大半が煮詰まり、全体に照りが出たら完成です。これがカルビチム(갈비찜)、韓国の牛カルビの煮込みです。
この記事が従うのは、ひとつの文章レシピ、Maangchiの「Braised beef short ribs (Galbi-jjim: 갈비찜)」です。コンロで作る4人分の版です。Maangchiは、カルビチムを秋夕(チュソク)や旧正月(ソルラル)、家族の誕生日といった特別な日の料理として紹介しています。同時に、週末にも作れる料理だとも述べています。これは一人の料理家が公開しているレシピで、すべての家庭のカルビチムや、ひとつの伝統的な標準形を表すものではありません。じゃがいも、玉ねぎ、梨など、ほかの版の材料は加えていません。
世界ごはん紀行では、このレシピをまだ台所で試作していません。分量と手順は、公開されているレシピのとおりです。
道具
- しいたけと肉を浸すボウル
- しいたけの戻し汁を受けてこすためのざる
- 計量カップと計量スプーン
- まな板と包丁、野菜を丸く整えるための小さなペティナイフ
- 蓋つきの大きくて厚手の鍋
- 水切り用のざる
- 混ぜたり煮汁をかけたりするスプーン
- 木の串
- 小さなフライパンとキッチンペーパー(銀杏の飾りを作る場合のみ)
- 盛り付け用の大皿
選び方と代用
- 大根: 韓国大根を使います。大根(daikon)でも代用できますが、味や水分、食感が同じとは限りません。
- ミリム: ミリム(mirinとも書く)を使います。水で代用もできます。日本のみりん、みりん風調味料、料理酒は別の製品なので、同じものとは見なしていません。
- 砂糖: 白砂糖を使います。ブラウンシュガーやSwerveも選べます。
- 栗: 皮をむいた冷凍栗を使います。生栗も使えますが、皮のむき方はここでは扱いません。
- 米シロップ: 米シロップを使います。はちみつなどほかのシロップに替えないでください。
- この版に入れないもの: じゃがいも、玉ねぎ、梨、りんごは入りません。
当日の段取り — 鍋の前に、浸水が二つある
合計時間の目安は約2時間です。干ししいたけは3〜4時間または一晩、肉は冷水に30分〜1時間浸します。この浸水時間が約2時間に含まれるかは確認していません。いちばん先に取りかかるのは、しいたけです。戻すのに最も時間がかかり、戻し汁が煮汁に必要だからです。
鍋の様子がおかしいときは
| 状況 | 対処 |
|---|---|
| しいたけの戻し汁が2カップに足りない | 冷水を足して2カップにします。足りないときだけ足します。 |
| 串が肉にすっと通らない | 水約1カップを足して、15〜30分さらに煮ます。厚みのある肉は、この範囲の長いほうが必要です。 |
| なつめを入れても、肉が骨からほぼ外れそうな状態にならない | 蓋をしたまま煮続けます。10分の段階は「10分、または柔らかくなるまで」で、時間で打ち切るものではありません。 |
| 最後になっても煮汁がまだ薄い | 強火のまま、煮汁を肉と野菜に数分かけ続けます。大半が煮詰まり、全体に照りが出るまで続けます。 |
このレシピの範囲でできるアレンジ
このレシピには、同じ料理のまま選べる選択肢がいくつかあります。
- 栗、なつめ、またはその両方を省く。Maangchiはどちらも任意としています。
- ミリムの代わりに水を使う。白砂糖の代わりにブラウンシュガーやSwerveを使う。
- 韓国大根の代わりに大根(daikon)を使う。
- 松の実と銀杏の飾りなしで出す。
文章のレシピはコンロで作る版だけです。圧力鍋、オーブン、スロークッカーの版はないため、この記事ではそれらの方法に換算した時間は示しません。
食品衛生、残り物、温め直し
次の点は、厚生労働省(MHLW)の家庭向け食中毒予防の案内によるもので、レシピの内容ではありません。
- 生肉の汁がサラダや加熱済みの食品に付かないようにします。生肉に触れた手や器具は清潔にします。すすぎ、浸水、下茹での段階で出る水や飛び散りも同じです。
- 加熱が必要な食品について、厚生労働省は、中心部75°Cで1分以上という一般的な加熱の目安を示しています。
- 調理した食品を室温に長く置かないでください。残り物は浅い容器に入れて、すばやく冷まします。温め直すときは、75°C以上を目安に十分加熱します。
生の肉をすすぐ工程は、このレシピの手順に含まれています。ただ、厚生労働省の案内は、すすぎを安全対策とはしていません。すすぐことで肉が安全になる、とは考えないでください。肉を浸す工程には時間が示されていますが、浸している間の保管温度はレシピに書かれていません。
レシピには、残りを蓋をして弱火で温め直す方法が書かれています。冷蔵の期間も独自に書かれていますが、公的な食品安全の案内では確認できなかったため、この記事では保存期間を示しません。銀杏の一般的な安全情報も、この記事のために確認できていません。
韓国の食卓のカルビチム — 祝日、値段、宮廷の記録
ほかの韓国料理も見たい方は、韓国のレシピ集をどうぞ。
Maangchiはレシピの中で、カルビチムを特別な日の料理に挙げています。秋夕(チュソク、秋の収穫の祝日)、旧正月(ソルラル)、家族の誕生日です。同じレシピで、普通の週末にも作れるとも言っています。食卓の中心に副菜と一緒に置き、ご飯と食べることを勧めています。どちらもMaangchiの説明で、特別な日の料理でありながら、家庭の台所でも手が届くことを表しています。
Academy of Korean Studiesが刊行するEncyclopedia of Korean Culture(韓国民族文化大百科事典)には、研究者の見方を伝える項目があります。「갈비찜」の項目は、料理学者の鄭順子(Jung Sun-ja)が1995年に書き、2023年に更新されたものです。カルビチムを牛のあばら肉を切って煮た料理と定義し、豚のあばら肉を使う場合もあると記しています。この項目によれば、秋夕に鶏のチムの代わりとしてカルビチムを出すこともあったそうです。また、あばら肉は赤身より高価なため、カルビチムは高級な料理に分類されるとも述べています。蓋つきの器に盛る様子にも触れています。同百科事典は、各項目が執筆者個人の学術的な見解であり、Academyの公式な立場と異なる場合があると明記しています。
カルビチムを朝鮮王朝の宮廷と結びつけたくなりますが、今回確認した資料からは裏付けられません。National Institute of Korean Historyは、王室の通常の食事と儀礼の宴席を区別しています。1795年の『園幸乙卯整理儀軌』(Wonhaeng Eulmyo Jeongni Uigwe)が、正祖、恵慶宮、華城にかかわる8日間の行幸中の食事を記録していると説明しています。記録には宴席と日常の食事があり、帰路の昼食に魚の団子が出されたことなども含まれます。Korea Tourism Organization(VISITKOREA)も、朝鮮の宮廷料理を、こうした文献の記録をもとに紹介しています。宮廷料理の分類にチムが挙げられていること、宮廷の食事に季節の食材や地方の食材が使われたことも述べています。ただし、どちらの資料も確認した箇所では、1795年の献立にカルビチムがあったことを示していません。この記事では、カルビチムを宮廷料理とも、その行事で出された料理とも言いません。
よくある質問
圧力鍋で作れますか?
この記事が従う文章レシピは、コンロで作る版だけです。圧力鍋の加熱時間は示されていないため、この記事でも示しません。
じゃがいもを入れてもよいですか?
この版にはじゃがいもは入りません。ほかのレシピで使われることがある玉ねぎ、梨、りんごも入れていません。
韓国大根の代わりに大根(daikon)を使えますか?
使えます。Maangchiは大根(daikon)を代わりに使えるとしています。韓国大根と同じように切って、丸く整えてください。
栗やなつめは省いてもよいですか?
省けます。Maangchiは、どちらも材料欄と手順に載せているものの、任意としています。
本当に約2時間で完成しますか?
レシピのカードには約2時間とあります。ただ、同じレシピには、しいたけを3〜4時間または一晩、肉を30分〜1時間浸すことも書かれていて、その浸水が約2時間に含まれるのかは書かれていません。しいたけは余裕をもって早めに浸してください。
串が通れば、肉は安全に火が通っていますか?
いいえ。串が通ることや、肉が骨からほぼ外れそうになることは、柔らかさの目安であって、安全な温度の目安ではありません。一般的な目安として、日本の厚生労働省は、加熱が必要な食品について中心部75°Cで1分以上という基準を示しています。
残りはどのくらい保存できますか?
この記事では保存期間を示しません。厚生労働省の案内に従って、残りは浅い容器に入れてすばやく冷まし、室温に長く置かず、75°C以上を目安に十分加熱して温め直してください。




















