棺材板:トーストの蓋を持ち上げて、クリーミーな具をすくう
これは家庭の料理人ひとりによるオーブン版です。揚げる定番の作り方でも、すべての棺材板に共通する基準でもありません。厚切りトーストにバターを塗って焼き、上面を蓋のように切り、コーンスターチでとろみをつけた豚肉とえびの具を詰めます。
焼き色のついた厚切りトーストの上面をぐるりと切って蓋のように持ち上げ、下に淡い色のクリーミーな具をすくい入れる。これが棺材板の姿です。名前は文字どおり「棺の板」という意味で、蓋を開けた箱のような形によく合っています。
ここで紹介するのは、愛料理(iCook)に載っている安木白(Amber)の文章レシピです。個人の家庭料理の投稿者で、この料理を台南の料理として紹介し、家庭で作る版として載せています。具は、マッシュルーム、豚肩肉の細切り、玉ねぎ、にんじん、コーン、じゃがいも、そしてえび10尾。これを高湯(スープ)と牛乳で煮て、水溶きコーンスターチでとろみをつけ、火を止めてからバターを加えて仕上げます。パンは揚げずに、溶かしバターを塗って200°Cのオーブンで焼きます。
同じ名前のレシピでも、パンも具も熱源も違い、パンの器を揚げる作り方もあります。この記事は安木白(Amber)の1つの版だけに絞り、分量と手順がぶれないようにしました。台湾のほかの料理は台湾のページもどうぞ。
中国語では棺材板と書き、英語ではcoffin breadまたはTaiwanese coffin breadと呼ばれるのが一般的です。名前の由来として語られる話は後半で紹介しますが、あくまで伝えられた逸話であり、確定した歴史ではありません。
選び方と代用
- パン: 厚切りトーストを数枚。上面に蓋の切り込みを入れても底まで切れない厚みのものを選びます。
- 高湯: この具の塩気は高湯が担っています。あとから塩は足しません。
- 牛乳: 100mlを使います。
- でんぷん: コーンスターチ(玉米粉)を使います。じゃがいもでんぷんなど他のとろみ材に替えないでください。
- バター: 1つの分量にまとめず、パンに塗る30g(溶かしたもの)と、具に入れる15gを分けて使います。
道具
- オーブン
- 天板
- 刷毛
- パンを切るナイフ
- フライパンまたは鍋
- 木べらまたはスプーン(混ぜる用)
- 小さな器(溶かしバター、水溶きコーンスターチ、具用バターそれぞれに)
- パンに具を詰めるスプーン
つまずきやすい点
| 起こること | 確認すること |
|---|---|
| ナイフがパンの底まで抜けてしまう | 切るのは上面だけ。縁を約1cm残し、底に届く手前で止める |
| 熱いうちにパンを切ってしまう | 焼いたあとは冷ましてから切る |
| 水溶きを入れても具がゆるい | もう少し煮て、ソースが濃くなってから火を止める |
| 2種類のバターを取り違える | 溶かした30gはパンに塗る分、15gは火を止めてから具に入れる分 |
| 塩を足したくなる | この具に塩は足さない。高湯にすでに塩味がある |
| 豚肉を入れるときフライパンが乾いている | 必要なときだけ、調理油を少し足す |
ほかの棺材板:名前は同じでも作りが違う
棺材板の名前で出ているレシピは、パン、具、加熱の方法が大きく違います。下の版は比較のためだけに挙げたもので、分量も手順も、上の安木白(Amber)のレシピには混ぜません。
| 版 | 特徴 |
|---|---|
| 安木白(Amber)、愛料理(iCook) | バターを塗った厚切りトーストを200°Cで15分焼く。豚肉とえびと野菜を高湯と牛乳で煮て、水溶きコーンスターチでとろみをつけ、火を止めて15gのバターを加える |
| 台湾・農業部の食農教育プラットフォーム「神秘盒(台南名產棺材板作法)」 | 大きな食パンを3等分し、縁を1cm残して蓋とともにくりぬき、揚げる。具はサバヒー、えび、いか、野菜 |
| 食譜自由配/自由電子報(料理123から提供)「免油炸棺材板」 | 油で揚げないオーブン版。厚切り1枚に卵と牛乳を塗り、180°Cで10分焼く。具は豚ひき肉とえび8尾で別配合 |
| 鍋寶好食光「台南小吃棺材板」 | もう1つのオーブン版。切っていない食パン半斤、冷凍ミックスベジタブル、大ぶりのえび、小麦粉のとろみで、予熱後200°Cで20分焼く |
共通しているのは、パンの箱、蓋、中のクリーミーな具という輪郭です。パンを揚げるか焼くか、ソースに何を入れるかはレシピ次第です。揚げた器や魚介の具にしたいときは、その版のレシピをそのまま通して作り、手順をこの記事の作り方に混ぜないでください。
名前と、その由来として語られる話
安木白(Amber)のページは、棺材板を台南の料理として紹介しています。この表記で料理の土地は示されますが、誰が最初に作ったかや、どの配合が標準かまでは、これだけではわかりません。
中華飲食文化基金會(Chinese Food Culture Foundation)には、台南の棺材板の由来についての質問と回答のページがあります。初期の鶏レバー入りのパン料理と、棺材板という名前を結びつける話が紹介されていて、出典として2000年の聯合報(United Daily News)の記事の切り抜きが挙げられています。これは二次的な記録で、料理が生まれた当時の文書ではありません。名前にまつわる一つの話として読むのがよく、確かめられた歴史とは言えません。なお、ここで紹介するレシピに鶏レバーは入りません。
よくある質問
これが標準的な棺材板ですか?
いいえ。家庭の料理人ひとりによるオーブン版です。上で比べたように、ほかのレシピにはパンを揚げるものや、具・温度・パンの形が違うものがあります。
パンは揚げますか?
この版では揚げません。安木白(Amber)の文章レシピでは、パンの片面に溶かしバターを塗り、予熱した200°Cのオーブンで15分焼きます。焼き色だけでは、棺材板が焼いたものか揚げたものかはわかりません。見分ける手がかりは作り方です。
何人分できますか?
安木白(Amber)のレシピには人数、できあがりの量、枚数の記載がなく、厚切りトースト「数枚」とあるだけです。1枚にどれだけ具が入るかは、使うパンによって変わります。
パンはどうやってくりぬきますか?
安木白(Amber)の作り方にあるのは、縁を約1cm残し、底まで切り抜かずに、上面を蓋として持ち上げることだけです。パンくずの取り方や、くぼみの深さの記載はありません。ほかのレシピにはパンをくりぬいたり、中を押し下げたりするものがありますが、それはそれぞれの版の手順です。
なぜ塩を入れないのですか?
安木白(Amber)が、高湯にすでに塩味があるので塩は足さないと書いているためです。高湯の種類は指定されていません。
コーンスターチの代わりにじゃがいもでんぷんを使えますか?
このレシピはコーンスターチ(玉米粉)を使い、代用品は挙げていません。ほかのでんぷんにすれば、レシピからの変更になります。
このレシピは試作済みですか?
いいえ。世界ごはん紀行では、このレシピ全体を台所で試作していません。分量と手順は安木白(Amber)の文章レシピのページに沿っており、リンク先の動画は参考にしていません。





















