シェフタリア:レースのような網脂で豚ひき肉を包み、炭火で焼く
脂の多い豚ひき肉、玉ねぎ、水に浸した白パン、パセリを混ぜ、小さく手で成形します。それを1個ずつ薄い網状の脂(網脂)で包み、熱した炭火かあらかじめ予熱したグリルで、外側に焼き色がつき中まで火が通るまで焼きます。
シェフタリアは、豚のひき肉を網脂(レースのように薄い網状の脂の膜)で包んで焼くキプロスの料理で、昔ながらの焼き方は炭火です。焼き上がったものはピタに挟み、スブラキ、サラダ、玉ねぎ、トマト、きゅうり、パセリと一緒に食べます。キプロス・バーチャル食と栄養博物館(Cyprus Virtual Food and Nutrition Museum)は、現代キプロス料理の典型的な肉のメゼ(小皿料理)として紹介しています。
同じ網で焼かれ、同じピタに入ることも多いので、スブラキと混同しやすい料理です。ただし、スブラキは角切りの肉を串に刺したもの。シェフタリアは、ひき肉を手で成形して網脂で包んだもので、串も腸詰めのケーシングも使いません。この島のほかの料理はキプロス料理でも紹介しています。
以下のレシピは、キプロス共和国広報情報局(Press and Information Office)の刊行物『Traditional dishes of Cyprus』に載っている版にそろえています。脂身を含む豚ひき肉1kg、玉ねぎ、水に浸して絞った白パン、パセリ、網脂、海塩、黒こしょうを使い、約25〜30個分です。このレシピは世界ごはん紀行の台所で試作したものではありません。作り始める前にまず確かめたいのは、網脂が手に入るかどうかです。網脂はこの料理の構造そのものであり、飾りではありません。
シェフタリアとは:キプロスのグリルが生んだ網脂包み
博物館の項目は、シェフタリアを豚の網脂で包んで炭火で焼いたひき肉料理と定義し、現代キプロス料理の肉のメゼに位置づけています。小さく1個ずつ成形し、網にじかにのせて焼く料理です。
英語では Sheftalia と、その複数形の Sheftaliés、さらに Shieftaliés という綴りも見かけます。博物館はキプロスでの形として S̆eftalià(単数)と S̆eftaliés(複数)を挙げています。名前はトルコ語の şeftali(桃)に由来するのかもしれませんが、博物館はこれを可能性として示しているだけで、起源が確定したわけではありません。
博物館はまた、シェフタリアが主にスブラキの店で作られ、朝食にも食べられていたという歴史上の記録を引いています。これは博物館が引用する過去の食べ方の記録であって、今日の日常の習慣を述べたものではありません。
選び方と代用:網脂と白パン
網脂は、網のような薄い脂の膜です。腸ではなく、ソーセージのケーシングでもありません。精肉店には「豚の網脂」「豚のあみあぶら」のように伝えて相談してください。焼いている間に1個分の肉をまとめてくれるので、ほかの材料で置き換えることはできません。見た目が似ているだけの別のもので包めば別の料理になり、シェフタリアではなく別のレシピとして扱うべきものです。
白パンは、乾燥パン粉ではなく、水に浸して絞った食パンのようなパンを使います。市販の白い食パンで構いません。乾いたパン粉は肉だねの中での働きが違うので、入れ替えないでください。
脂身つきの豚肉も大切です。肩やバラのひき肉なら、この料理が前提にしている脂が入ります。赤身の多いひき肉に替えると、焼いている間の脂の出方が変わります。
道具
- パンを浸す小さめのボウル
- まな板と包丁
- 大きめのボウル
- 大さじ
- 炭火グリル、またはあらかじめ予熱できるグリル
- 返すためのトング
うまくいかないとき
| 問題 | 確認すること | 対処 |
|---|---|---|
| 包んでいる途中で網脂が破れる | 網を引っ張ったり伸ばしたりしていないか | そっと扱い、すすいで湿らせたまま使う。ひどく破れた場合は新しい四角を切る |
| 肉だねにパンの湿った塊が残る | パンの絞りとほぐしが足りなかった | もう一度しっかり絞り、細かくほぐしてから混ぜる |
| 玉ねぎやパセリが肉にまだらに入っている | 練り方が足りなかった | 全体が均一に見えるまで練り続ける |
| 外は焼けているのに中心が焼けていない | 火が強い、または包みが大きい | 中心まで火が通るまで返しながら焼き続ける。時間は火力と器具で変わる |
| 25〜30個より多く、または少なくできた | 1個分の大きさと網脂の切り方にばらつきがある | その個数は目安で正確な数ではない。1個分は大さじ1杯を守る |
食べ方:ピタ、スブラキ、生野菜と

焼き上がったシェフタリアはピタに入れ、スブラキ、サラダ、玉ねぎ、トマト、きゅうり、パセリと一緒に食べます。タヒニやタラトゥーリは、好みの人だけが添えるかたちで構いません。1個が小さく、1個ずつ成形しているので、ほかの小皿料理と並べるメゼの食卓にも収まりやすい料理です。
キプロスの別のレシピ:どこが違うか
キプロス観光副省(Deputy Ministry of Tourism)が運営するサイト Visit Cyprus には、別のシェフタリアのレシピが載っています。豚ひき肉800gに、シナモン小さじ1/3、玉ねぎ1個、パセリ半束、さらに任意でパン粉大さじ2〜3を使う配合です。網脂(豚または羊)は水と酢で洗い、肉は卵大に丸めて1個ずつ包み、炭火かグリルで、均一に火が通るようこまめに返しながら焼きます。1人分は約5個で、ピタに入れてケバブと一緒に、またはそのまま食べると書かれていて、鶏ひき肉を使う案にも触れています。
上のレシピには、別の版の材料を混ぜていません。上のレシピにはシナモンも酢洗いも卵もにんにくもパン粉もなく、パンは乾いたものではなく水に浸して絞ったものです。シナモンとパン粉のスタイルを試したいときは、その分量で別のレシピとして作り、材料をこちらに混ぜ込まないでください。
よくある質問
シェフタリアはソーセージですか?
いいえ。ケーシングに詰めるものではありません。博物館は、ひき肉を網脂で包んで焼いた料理と説明しており、1個ずつ手で成形して包みます。
網脂は何のために使いますか?
1個分の肉を包み、シェフタリアをシェフタリアたらしめる大事な部分です。取り除く皮ではなく薄い脂の膜で、肉と一緒にグリルで焼き色がつきます。
炭火でなくても作れますか?
作れます。政府刊行物は、熱した炭火かあらかじめ予熱したグリルを示しています。炭火が昔ながらの焼き方ですが、どの器具でも時間は変わりうるので、焼き色と中心の火の通りを確かめてください。
白パンの代わりにパン粉を使えますか?
ここで紹介した版は、水に浸して絞った白パンを使います。Visit Cyprus のレシピは任意で乾いたパン粉を使いますが、別のレシピで配合も違うため、二つは入れ替えられません。
何個できますか?
政府刊行物は、この分量で約25〜30個としています。目安であって正確な数ではなく、1個分の大きさで変わります。
豚肉を使わない作り方はありますか?
Visit Cyprus のページは鶏ひき肉に触れていますが、その分量は載っていないため、この記事では鶏肉のレシピは紹介していません。
名前は「桃」の意味ですか?
トルコ語の şeftali(桃)に由来するかもしれませんが、キプロス・バーチャル食と栄養博物館は、これをあくまで可能性として示しています。















