焼き目を付けたエストニアのヴェリヴォルストにザワークラウトとリンゴンベリージャムを添えた冬の食卓
🌍ジャンルエストニア料理

ヴェリヴォルストの作り方|エストニアの血入り大麦ソーセージ

世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方

STEP 11 / 10

大麦を煮る

手順1: 大麦を煮る

大麦を洗い、大きめの鍋に水1.25 Lと少量の塩を入れて、やや弱めの火で煮ます。時間は45分ほどが目安ですが、時計よりも粒を見て決めてください。粒がふくらんでも形が残り、ばらばらに分かれている状態で止めます。おかゆ状にしてはいけません。水が足りなくなったら熱湯を足し、最後に余っていれば捨てます。

STEP 22 / 10

豚肉と玉ねぎを褐色にする

手順2: 豚肉と玉ねぎを褐色にする

豚肉は指の関節ほどの大きさに切ります。厚手の鍋に少量の水と一緒に入れて熱し、脂が出て豚肉に焼き色がつきはじめるまで加熱します。焼き色づけはフライパンでもできます。そこへ玉ねぎを加え、褐色になるまで約30分火を通します。

STEP 33 / 10

合わせて味をつけ、冷ます

手順3: 合わせて味をつけ、冷ます

大麦に豚肉と玉ねぎを混ぜます。黒こしょう、マジョラム、オレガノ、キャラウェイで味をつけ、そのまま冷まします。血はまだ入れません。

STEP 44 / 10

血を混ぜて味を調える

手順4: 血を混ぜて味を調える

混ぜたものが、手で無理なくかき混ぜられる温度以下になるまで待ちます。熱が残っていると血が固まってしまうためです。血は目の細かいざるでこしてから500 ml注ぎ、泡立てないようにそっと混ぜ合わせます。

具が、ろうとを軽く手で導くだけで流れる固さになれば適当です。固すぎるなら、600 mlほどまで血を足します。

具を小さじ1ほど取り、中まで火が通るまで焼きます。焼いたほうを味見して塩を調えます。入れすぎないよう少しずつ加えてください。血にすでに塩が入っている場合は、足す前に表示を確認します。生の具は味見しません。

STEP 55 / 10

腸を準備して詰める

手順5: 腸を準備して詰める

腸を2回すすいでから水に浸します。腸をろうとにかぶせ、3/4に満たない量までゆるめに詰めます。両端にはゆとりを残して、糸で縛ります。10〜12 cmの短い長さにしておくと、破れたときの損失が少なくなります。詰めたら置かず、すぐにポーチします。

STEP 66 / 10

煮立てずにポーチする

手順6: 煮立てずにポーチする

幅広の鍋に湯を沸かし、少量の塩と、使うならローリエを入れます。ソーセージを静かに沈め、煮立てない火加減を15〜20分保ちます。沸騰させると腸が破れることがあるためです。

ソーセージが浮くのは、中に空気が入っているためです。清潔で細い針で、必要なところだけ小さく穴を開けてください。針穴から赤い液が出なくなれば、ポーチが進んでいる目安になりますが、あくまで目安です。温度の確認は、このあとで行います。

STEP 77 / 10

網にあげて水気を切る

手順7: 網にあげて水気を切る

ソーセージを網にあげて水気を切ります。すぐに焼かない場合は、早く冷ましてから10°C以下で冷蔵します。

STEP 88 / 10

こんがり焼く

手順8: こんがり焼く

天板に油を塗り、ソーセージを並べます。175°Cで20〜30分、皮がカリッとするまで焼きます。太いものは、最長でおよそ1時間までかかることがあります。これより高い温度は避けてください。高温だと腸が破れることがあります。

STEP 99 / 10

中心の温度を確かめる

手順9: 中心の温度を確かめる

いちばん太いソーセージの中心に食品用温度計を差し込みます。75°Cに達し、そのまま1分以上保つ必要があります。届かなければ焼き続けて、もう一度測ります。時間や色では火の通りを判断しません。

STEP 1010 / 10

盛り付ける

手順10: 盛り付ける

熱いうちに食卓へ出します。ザワークラウト、じゃがいも、リンゴンベリージャムは、どれも好みで添える昔ながらの付け合わせです。

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Ingredients

材料

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

15品目

材料

豚肉、大麦、玉ねぎ、豚の血、香辛料、ソーセージ用の腸を並べたヴェリヴォルストの材料
大麦は煮る前に量ります。血は使う直前まで冷やしておきます
材料 分量 代替・備考
生の脂のある豚肉(肩やバラなど。エストニア語でliha) 625 g 肉と脂の役目。塩漬けや加工済みの肉は使わず、生の豚肉を使う
丸粒の精麦(エストニア語でodrakruubid) 500 g(煮る前の重量) 具のかさを作る。必ず煮る前に量る
玉ねぎ 250 g みじん切りか角切り。豚肉と一緒に褐色になるまで火を通す
食用の豚の血(エストニア語でveri) 500 ml(足りなければ600 mlほどまで) つなぎと色づけ。使う前にこす。食用と確認できるものだけ使う
大麦を煮る水 1.25 L 大麦を煮る
豚肉用の水 少量 豚肉の加熱を始め、脂を出しやすくする
ポーチ用の水 適量 詰めたソーセージをゆでる
塩 適量 大麦の湯とポーチの湯には少量、具は味を見て加える
黒こしょう 適量 具の味つけ
ドライのマジョラム 山盛り大さじ1ほど 主役のハーブ
オレガノ 適量 具の味つけ
キャラウェイ 適量 具の味つけ
塩蔵の天然豚腸 最大10 m ソーセージの皮。使う分だけ戻す
ローリエ 1〜2枚 好みで。ポーチの湯に入れる
食用油 少量 天板に塗る
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手に入りにくい材料の買い方

買い出しガイド

ヴェリヴォルスト — エストニアの冬の食卓にのる、皮のこんがりしたソーセージ

このソーセージで外せないこと

大麦の粒をばらばらに保つこと。血を入れる前に具をしっかり冷ますこと。腸にはゆるめに詰めること。ポーチの湯は決して煮立てないこと。仕上げは温度計で、中心75°Cを1分以上保つのを確かめます。

クリスマスを迎えるエストニアの冬の食卓を思い浮かべてください。Visit Estoniaは、ヴェリヴォルストをsült、ザワークラウト、ローストポテト、豚肉と並ぶ料理として紹介しています。地元紙Harju Eluも、たいていのエストニア人のクリスマスの食卓にのる料理だと伝えています。皮はこんがりと焼くか揚げ焼きにし、ザワークラウトやリンゴンベリージャムを添える食べ方がよく知られています。

ヴェリヴォルストは、豚の血、大麦、豚肉を天然腸に詰めたソーセージです。作ろうと決める前に、知っておきたいことが2つあります。食用の豚の血は手に入りにくいことがあること。そして血も生の豚肉も扱いに気をつかう材料なので、食品用の温度計が欠かせないことです。

このレシピは台所での試作をしていません。 エストニアの資料にある配合を編集部でまとめたもので、そのため収量・人数・本数は示していません。

このレシピの組み立て方

ヴェリヴォルストに「ただひとつの正しい配合」はなく、肉も脂も大麦も香辛料も血の量も、エストニアの中で大きく違います。このレシピのもとにしたのは、エストニア民俗文化センター(Eesti Rahvakultuuri Keskus)のデータベースにある、ムルギマー地方アブヤ=パルオヤでのソーセージ作りの記録です。その記録を家庭の量に縮めたもので、エストニア全体の標準ではありません。

要素 由来
豚肉・大麦・玉ねぎ 民俗文化センターの肉2.5 kg、大麦2 kg、玉ねぎ1 kgの4分の1
血 編集上の補い。センターの記録は「豚1頭分の血」とあるだけで量がないため、Harju Eluとブログ Rodoaed にある大麦1 kgに血1 Lの比率を使用
大麦を煮る水 編集上の補い。Harju Eluの大麦1 kgに水2.5 L
マジョラム 編集上の補い。Katrin Pressの大麦1 kgに山盛り大さじ2の半量
オレガノとキャラウェイ Visit Estoniaのレシピにある香辛料の組み合わせ
塩 数値を示した資料がないため、ブログ Ilse の方法にならい、具を少し焼いて味を見て調える

大麦の量を乾燥重量と読んだのも編集上の判断です。センターの記録に明記はありませんが、Harju Eluの水の量は煮る前の大麦を前提にしていると読めます。Rodoaedの読者コメントにも、1 kgの大麦は煮ると3〜4 kgになるとあります。

Visit Estonia自身の分量(豚肉675 g、大麦1.25 kg、血500 ml)は採用していません。そのレシピは、豚肉の塩漬けと生の内訳も、大麦を乾燥で量るのか煮てから量るのかも示していません。乾燥重量と読むと、血は大麦1キロあたり0.4 Lになり、ほかのエストニアのレシピの1〜2 L前後とは大きく離れます。

民俗文化センターの記録にはにんにくと砂糖も入っていますが、この配合では使いません。


道具

  • 大麦を煮る大きめの鍋
  • 豚肉と玉ねぎを加熱する厚手の鍋かフライパン
  • ポーチ用の幅広の鍋
  • 大きめのボウル
  • 血をこす目の細かいざる
  • ソーセージ詰め用のろうと
  • 調理用の糸
  • 清潔で細い針
  • 網
  • 天板
  • 食品用の温度計
  • 生の豚肉用と血用に分けた調理器具とまな板

選び方と代用

豚の血がいちばんの壁です。 食用として売っているかどうかを、精肉店や業務用の食品を扱う店に問い合わせてください。あるとは限りません。使えるのは「食用」と表示された血だけで、冷凍品の解凍は販売元の指示と期限に従います。食用と確認できなければ使わないでください。 別の血や乾燥血に置き換えて作ることもしません。

血と腸の両方がそろわないなら、まねて作る料理ではありません。 別の材料で形だけ似せたものは、ヴェリヴォルストとは呼べません。その場合の現実的な選択は、市販の加熱済み血入りソーセージを買って温めることです。

大麦は丸粒の精麦(日本では丸麦)を探してください。押麦は別の製品で、食感が変わります。

腸は塩蔵の天然豚腸を使います。使う前にすすいで水に浸します。洗って使わなかった分は、軽く塩をして冷蔵庫で保管します。

うまくいかないとき

問題 考えられる原因 対処
大麦がおかゆのようになった 火が強すぎた 次回は弱火で煮て、粒がばらばらのうちに止める
血を入れたら固まった 具がまだ熱かった 次回は、手でかき混ぜられる温度になるまで冷ます
具がろうとを通らない 固すぎる 血を足して混ぜる。合計で600 mlほどまで
ポーチ中に腸が破れた 詰めすぎ、または湯が煮立った 火を弱め、次の分は3/4に満たない量までにする
ソーセージが浮く 中に空気が入っている 清潔で細い針で、必要なところだけ穴を開ける
針穴から赤い液が出る ポーチがまだ足りない 煮立てずにポーチを続ける
オーブンで腸が破れた オーブンが熱すぎた 175°C前後を保つ
中心が75°Cに届かない ソーセージが太いか、時間が足りない 中心が75°Cを1分以上保つまで焼き続ける

保存と温め直し

加熱後のソーセージを、常温に長く置かないでください。余ったものは浅い容器に小分けして早く冷まし、10°C以下で冷蔵するか、−15°C以下で冷凍します。温め直すときは75°C以上にします。長く置いたものは捨ててください。保存日数はここでは示しません。

地域ごとの違い

ほかの版は、上のレシピに足すものではなく、それぞれ別のレシピです。分量を混ぜないでください。

版 違い
エストニア民俗文化センター(アブヤ=パルオヤ) マジョラム、塩、こしょうに加えて、にんにく1玉と砂糖を使う。180°Cで20〜30分焼く
Visit Estonia 塩漬けの豚肉と生の豚肉の両方を使い、大麦の割合がかなり多い。マジョラム、オレガノ、キャラウェイで味をつける
Harju Elu 大麦1 kgに対して、燻製ベーコン500 g、玉ねぎ300 g、バター大さじ2。香辛料にオールスパイスを使う
Rodoaed 脂のある生の豚肉と、燻製の豚肉の両方を使う
Meats and Sausages 頭肉、脂、肺、皮、オールスパイスを使う専門的な配合

食べ方を変えることもできます。フライパンでカリッと焼くのは昔ながらのやり方のひとつですが、温度の確認を省く理由にはなりません。

エストニアの食卓のヴェリヴォルスト

Visit Estoniaによれば、ヴェリヴォルストにザワークラウトとリンゴンベリーを添えた一皿を、国民食と考えるエストニア人は多いそうです。これは世間の受け止め方の説明であって、公式な称号ではありません。エストニア民俗文化センターの記録も、国民食のひとつと呼んでいます。エストニアの中でも地方によって食の伝統は違い、エストニアのレシピには、同じく大麦と豚肉を使う別の料理ムルギカプサッドもあります。

センターの記録によると、アブヤのデイセンターに、クリスマス前に10人ほどのソーセージ作りの担い手や地元の人が集まり、先祖から受け継いだ知識で作るそうです。今では肉も腸も血も地元の農家から届きます。同じ記録には、血入りソーセージは19世紀の初めにスウェーデン人やラトビア人との交流を通じて広まったこと、屠畜の季節は9月29日に始まったこと、クリスマスの料理の準備は12月21日の聖トマスの日に始まったことも書かれています。これらはこの記録自体の説明です。

バルト地域の農村観光ガイドは、豚の血と大麦のソーセージを、秋と冬至の食卓に結びつけています。今では一年中手に入ること、カリッとフライパンで焼いて、カウベリーまたはリンゴンベリーのジャムと一緒に食べることも書かれています。Meats and Sausagesのサイトには、クランベリーソース、またはザワークラウトと焼いたじゃがいもを添えてクリスマスに出すという記述があります。

同じバルトのガイドは、ヴェリヴォルストをフィンランドのmustamakkaraやラトビアのasinsdesasと並べています。名前も地域も近い料理ですが、同じレシピだというわけではありません。Visit Estoniaは、このソーセージを冬の蓄えの文化の中に位置づけていますが、保存が起源だったことの証明にはなりません。この記事のもとにした資料では、料理がどこで生まれたのか、名前がどうできたのかは確かめられていません。

よくある質問

ヴェリヴォルストはどんな味ですか?

このレシピは作ったことも味見したこともないので、味の感想は書けません。血と穀物を使った濃厚なソーセージで、昔からザワークラウトのような酸味のある付け合わせと食べられています。

豚の血が手に入らないときはどうしますか?

代用品を作ってヴェリヴォルストと呼ぶのではなく、市販の加熱済み血入りソーセージを買ってください。カリッとするまで、そして75°C以上になるまで温めます。

家庭向けの入手先は確かめられていません。たとえば日本で見つかった根拠は、業務用食材店の冷凍スペイン産豚血500 gの掲載(価格表示なし)と、沖縄の食肉センターからの卸の出荷に関する2017年の琉球新報の記事までです。どちらも現在の小売での入手を示すものではないので、販売元に直接問い合わせてください。

腸の代わりにラップや型を使ってもいいですか?

この記事ではおすすめしません。腸詰めのソーセージとは別のものになり、ここで使ったレシピからも外れます。

何度まで加熱すればいいですか?

温度計で測って、中心が75°Cで1分以上です。日本の厚生労働省の家庭向け食中毒予防の指針にならっています。米国のFoodSafety.govはソーセージに71°Cを示していますが、このレシピはより厳しい数値を採っています。Meats and Sausagesが示すポーチの終点68〜70°Cは使いません。

どのくらい保存できますか?

ここで使った食品安全の指針には日数が示されていないため、日数は書きません。浅い容器に分けて早く冷まし、10°C以下で冷蔵するか−15°C以下で冷凍し、75°C以上に温め直してください。

何本できますか? 腸はどのくらい必要ですか?

試作していないので、収量は不明です。Harju Eluは大麦1 kgの分量に腸10 mを使っています。このレシピは大麦が半分ですが、肉の割合はそれより多いので、最大で10 mを用意し、使う分だけ戻してください。

主な参考リンク

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