アイスランドの干し魚は、裂いてバターを添えて食べる
ハルズフィスクルは、そのまま食べられる完成品の干し魚です。ここでは加熱をしません。手で裂いて、横にバターを添え、塩気のある乾いた魚とやわらかな脂が一口ごとにどうつり合うかを楽しみます。
淡い色をした繊維質の干し魚を繊維に沿って裂いた小皿と、その横にひかえめに置いたバター。アイスランドで一般的に食べられているハルズフィスクルは、そんな姿をしています。アイスランドの公式観光ガイドは、これを間食やハイキングの携行食として食べる伝統的な干し魚と紹介し、バターを典型的な組み合わせとしています。文化遺産の記録と歴史的な料理サイトも、そのままか、バターと一緒に食べるという点で一致しています。
名前は特定の魚を指しません。ハルズフィスクルはアイスランドの干し魚食品を指す言葉で、主にタラ、ハドック、ウルフフィッシュのフィレから作られます。塩を使う製品もあれば、使わない製品もあります。この幅があるので、家で最初にすることは、買ったハルズフィスクルのパッケージの表示を読むことです。ほかの料理も見てみたい方は、アイスランドのほかの料理もご覧ください。
世界ごはん紀行では、このレシピ全体を台所で試作して確かめてはいません。
この料理に使える食材・調味料
道具
- 盛り付け用の小皿
- バター用の小さな器
- 小型のキッチンスケール(分量を量りたい場合のみ)
選び方と代用
この分量は、2人で軽くつまむ場合の目安です。伝統的な計量でも、アイスランドの標準的な一人前でもありません。バターは自由に加減してかまいません。
魚について。 アイスランド産のハルズフィスクルまたは干し魚と表示された完成品を探し、買う前に原産国、魚種、原材料、保存方法を確かめます。置いていそうなのは、専門店や輸入食品店です。アイスランド産が見つからない場合は、原材料と産地を確認できた輸入の干し魚を選んでください。ほかの料理圏にある一般的なおつまみ風の干し魚は別の食べ物なので、ここではハルズフィスクルの代用品としては扱いません。
バターについて。 添えるバターそのものに近いのは無塩バターです。有塩バターは魚にすでにある塩分に重なるので、使う場合は表示を確認して控えめにします。乳製品を避ける必要がある場合は別の食べ物になるため、このレシピの代用としては扱いません。
この料理には魚と乳が含まれます。各製品の表示で、コンタミネーション(混入の可能性)の表記も含めてアレルゲンを確認してください。魚の保存方法は、開封前も開封後も、開封後の消費期限の案内も含めて、製品の表示に従います。すべてのハルズフィスクルが常温で保存できると思い込まないでください。
固すぎるとき、塩辛いとき

ハルズフィスクルの持ち味は、乾いた繊維質の魚とクリーミーなバターの対比です。困りごとの多くは、技術ではなく製品ごとの違いから起こります。
| 状態 | 考えられる理由 | 対処 |
|---|---|---|
| 噛みにくい | 製品によってやわらかさの加工度が違う | 無理をせず、もっと小さく裂いて噛みやすさを確かめる。この食べ方では、魚を水に浸したり煮たりはしない |
| 塩辛い | 塩を使う製品があり、有塩バターはさらに塩分を足す | 原材料と栄養表示を確認し、バター、特に有塩バターは少量にとどめる |
| バターが魚に勝つ | 一度に塗りすぎた | 一切れにつき薄く塗る量に戻すか、何切れかはそのまま食べる |
アレンジのしかた
- バターなしで。 ハルズフィスクルは、そのままでも食べられます。バターは定番の組み合わせであって、必須ではありません。
- バターの量を変える。 乾いた切れにはやや多め、塩気の強い切れには少なめに塗ります。20gはあくまで出発点の目安です。
- やわらかい品と、そうでない品。 機械でやわらかくした製品は簡単に薄く裂けます。硬い切れは、小さく裂くだけで十分です。好みの食感を選んでください。
パン、海藻、ハーブはこの基本の組み合わせに含まれないため、ここでは加えません。
叩いて食べた保存食の背景

魚を風で干すことは、ほかの保存方法が限られた土地の暮らしと深く結びついています。ある歴史的な料理サイトは、塩や燻製用の燃料が乏しい場所で風干しが使われたと説明し、伝統的な工程を紹介しています。魚を洗い、頭と内臓を取り除き、尾を残したまま開いて、乾燥棚に数週間つるし、硬く乾いた魚を木槌で叩いてやわらかくする、というものです。これはあくまで背景の紹介です。現代の家庭の台所で安全に魚を干すための検証済みの方法ではなく、この記事はハルズフィスクルを家庭で作ることを勧めません。
アイスランドの無形文化遺産の記録は、魚を屋外または屋内で干す伝統が今も続き、その魚は加熱せずに食べると述べています。かつては干し魚を叩いてやわらかくし、バターなどの脂と食べていました。アイスランド大学の質問応答サイトも、バターや獣脂と食べたことを記しています。当時は日々の食事の一部でしたが、今は軽食として食べる場面のほうが多くなっています。現代の製品には機械でやわらかくしたものもあり、ハルズフィスクルは間食として、旅の途中で、真冬のÞorriの宴で、そしてレストランでも食べられています。ただしÞorriはその居場所の一つにすぎず、一年を通して食べられています。
アイスランドでハルズフィスクルがいつから食べられていたかは、特定できません。アイスランド大学の回答は、14世紀のヨーロッパ市場向けの干し魚の取引と、国内での干し魚の食べ方を区別し、干し方や熟成の方法も使う魚も、地域や時代によって違ったと説明しています。2007年のMatísの業界報告書も、ハドック、ウルフフィッシュ、タラなどの魚種と、フィレや切り身など複数の製品形態を記録しています。この幅があるからこそ、買ったハルズフィスクルの表示を読むことが、標準的な一つの製品を思い込むより大切なのです。
よくある質問
ハルズフィスクルは何の魚で作られていますか?
製品によって違います。アイスランドの公式観光ガイドとMatísの報告書が挙げる主な魚は、タラ、ハドック、ウルフフィッシュです。塩を使う製品と使わない製品があるので、必ず表示を確認してください。
どうやって食べますか?
そのまま食べられる状態で、多くはバターと一緒に食べます。一口大に裂いて、一切れずつにバターを少し塗ります。
生の魚から家庭で作れますか?
このレシピでは扱いません。家庭で魚を干すときの安全な温度、塩分、乾燥時間は、手元の資料からは確定できませんでした。そのためこのレシピは、買ってきた完成品を使います。
Þorriの時期にしか食べませんか?
いいえ。真冬のÞorriの宴にも並びますが、一年を通して、間食として、また旅の途中でも食べられています。
バターは必ず使いますか?
いいえ。バターは伝統的な組み合わせで、ここでは横に添えていますが、ハルズフィスクルはバターなしでも食べられます。














