薄切りにした燻製の豚肩ロースに、そら豆のクリームソースとゆでじゃがいも、マスタードを添えた皿
🔪下準備15分
🔥調理2時間25分
🌍料理ルクセンブルク料理

ユッド・マット・ガーデボウネンの作り方|ルクセンブルクの燻製豚肉とそら豆のクリーム煮

約12分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 6

豚肉を一度ゆでこぼして塩を抜く(約10分)

手順1: 豚肉を一度ゆでこぼして塩を抜く(約10分)

燻製の豚肉を鍋に入れ、かぶるくらいの水を注いで強火にかけます。沸騰したらすぐに火を止め、ざるにあげて湯を捨てます。この一度のゆでこぼしで、表面の余分な塩気とアクが抜けます。鍋もさっと洗っておきます。

STEP 22 / 6

香味野菜と一緒に弱火で2時間煮る

手順2: 香味野菜と一緒に弱火で2時間煮る

鍋に豚肉を戻し、新しい水約2Lを肉がかぶるまで注ぎます。にんじん、長ねぎ、クローブを刺した玉ねぎ、ローリエを加え、ふたをして強火にかけます。沸騰したら弱火に落とし、表面が小さく揺れる程度の火加減で約2時間煮ます。途中で水が減って肉が出てきたら湯を足してください。竹串を刺して、すっと抵抗なく通るようになれば煮上がりです。火を止め、食べる直前まで肉を煮汁に浸したまま置いておきます。ソース用に煮汁を280mlすくって取っておきます。

STEP 33 / 6

バターと小麦粉で茶色いルーを作る(約5分)

手順3: バターと小麦粉で茶色いルーを作る(約5分)

別の鍋にバター30gを中火で溶かし、小麦粉30gを加えて木べらで混ぜ続けます。最初は白っぽいペースト状ですが、5分ほどで明るい茶色に色づき、ナッツのような香ばしい香りが立ってきます。焦げると苦くなるので、色づきはじめたら火を少し弱め、鍋底から絶えず混ぜてください。

STEP 44 / 6

白ワインと煮汁でソースをのばす(約5分)

手順4: 白ワインと煮汁でソースをのばす(約5分)

ルーに白ワイン100mlを少しずつ加え、泡立て器で手早く混ぜます。いったん固まってから、なめらかなとろみのあるソースになります。続けて取っておいた煮汁280mlも同じように少しずつ加えて混ぜ、だまがなくなるまでのばします。ふつふつと煮立ったら弱火にして、生クリーム40mlとセイボリー小さじ3を加えて混ぜます。

STEP 55 / 6

そら豆を加えて温める(約5分)

手順5: そら豆を加えて温める(約5分)

そら豆を加え、弱火で混ぜながら5分ほど温めます。そら豆が中まで温まり、ソースがそら豆にとろりとからめば完成です。冷凍のそら豆を使う場合は、凍ったまま加えて、ソースが再び煮立つまで温めてください。煮汁の塩気が強いので、味を見てから塩とこしょうで調えます。

STEP 66 / 6

豚肉を切って盛り付ける(約5分)

手順6: 豚肉を切って盛り付ける(約5分)

煮汁から豚肉を取り出し、1cmほどの厚さに切ります。いちばん厚い部分に温度計を差して、中心が75℃で1分以上加熱されていることを確かめてください。皿に豚肉を並べ、そら豆のソースをお玉1杯ずつ添えます。ゆでたじゃがいもとマスタードを添えて、熱いうちにいただきます。

生の燻製豚肉を使う場合は、中心部を75℃で1分間以上加熱してください。豚肉は燻製や塩漬けがされていても、生のままでは食中毒やE型肝炎ウイルスに感染するおそれがあります。2時間煮込めば十分に火が通りますが、温度計で中心を確かめると確実です。

豚肉を煮汁に浸したまま置いておくのは、肉が乾いてぱさつかないようにするためです。食べる直前まで鍋に入れたままにして、切る直前に取り出してください。

ソースが濃すぎるときは、煮汁を大さじ1ずつ足してのばします。逆にゆるすぎるときは、弱火で1〜2分煮詰めてください。セイボリーは、ルクセンブルク語でボウネクレイトヒェン(Bounekräitchen、「豆のハーブ」)と呼ばれる、そら豆に欠かせないハーブです。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

燻製の豚肩ロースのかたまり、そら豆、にんじん、長ねぎ、玉ねぎ、ローリエ、クローブ、セイボリーを並べた材料

7品目

豚肉の煮込み

材料 分量 代替・備考
燻製の豚肩ロース(かたまり) 1kg 肩ロースのかたまりベーコンで代用。現地では生の燻製肉を使う
にんじん 1本 縦半分に切る
長ねぎ 1本 現地ではリーキ(ポロねぎ)。長さを3等分する
玉ねぎ 1個 皮をむいて丸ごと
ローリエ 1枚
クローブ(ホール) 3粒 玉ねぎに刺しておくと取り出しやすい
水 約2L 肉がかぶる量。塩抜き用は別に用意する
8品目

そら豆のソース

材料 分量 代替・備考
そら豆(薄皮をむいたもの) 400g 冷凍のむきそら豆や、瓶詰め・缶詰の水煮でよい
バター 30g
小麦粉 30g 薄力粉
白ワイン 100ml 辛口
豚肉の煮汁 280ml 手順2の煮汁を使う
生クリーム 40ml
セイボリー(乾燥) 小さじ3 なければ乾燥タイム小さじ2
塩・こしょう 少々 煮汁の塩気を見てから加える
2品目

付け合わせ

材料 分量 代替・備考
じゃがいも 600g 皮をむいてゆでる
マスタード 適量(1人小さじ1) 粒なしのなめらかなもの

ルクセンブルクで使う「ユッド」は、塩漬けして燻製にした生の豚肩ロースです。日本ではこれと同じものはほとんど売られていないので、肉屋や通販で手に入る肩ロースのかたまりベーコンを使うのが現実的です。料理家アンネ・ファーバーのレシピでも、ユッドが手に入らないときは骨なしの燻製ハム(ギャモン)で代用できるとしています。かたまりベーコンは商品によって塩気がかなり違うので、最初の塩抜きを省かないでください。

コツ

そら豆は、ルクセンブルクでは薄皮をむいた状態で瓶詰めにされたものがよく使われます。日本では冷凍のむきそら豆が手軽です。生のそら豆を使う場合は、さやから出して塩ゆでを1〜2分し、薄皮をむいておきます。


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Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

ルクセンブルクの国民食といえば、まず名前が挙がるのがこの一皿です。厚めに切った燻製の豚肉が皿に並び、その横には、淡い緑のそら豆をとろりとしたクリームソースで煮たものがたっぷり。ゆでたじゃがいもと、ルクセンブルクのマスタードがひとさじ添えられます。ユッド・マット・ガーデボウネン(Judd mat Gaardebounen)は、ルクセンブルク語で「ユッドとそら豆」。燻製の豚肉とそら豆という、ただそれだけの組み合わせが、この小さな国の誇る国民食です。

作り方は、燻製の豚肉を香味野菜と一緒に2時間ほど静かに煮て、その煮汁でそら豆のソースを作るだけ。豚肉の燻香と塩気が煮汁に移り、それがそのままソースの味になります。煮汁を捨てずにソースに使うところが、この料理のいちばんの要です。

そら豆の村と、名前をめぐる2つの説

ルクセンブルクの農家の食卓に、燻製の豚肉とそら豆のクリーム煮の鍋が置かれた様子

ユッド(Judd)は、燻製した豚の肩ロースのことです。ルクセンブルクの肉屋では、加熱済みのものと生のままのものの両方が売られています。ガーデボウネン(Gaardebounen)は直訳すると「庭の豆」で、そら豆のことです。ルクセンブルクの料理を紹介するLuxtodayは、この料理を「多くの人がルクセンブルクの国民食と考えている」料理として紹介し、農村の暮らしに根ざした料理だと説明しています。

この料理と深く結びついているのが、ルクセンブルク南東部の村ゴスティンゲン(Gostingen)です。村のそら豆はよく知られていて、村の人たちは「ボウネパッチャーテン(Bounepatscherten)」という、そら豆にちなんだあだ名で呼ばれてきました。村ごとに豆のあだ名がつくほど、そら豆はこの土地の暮らしに溶け込んでいます。

豆知識

「ユッド」という言葉の由来ははっきりしていません。言語学者ジャン=クロード・ミュラーは、スペイン語で豆を意味する「フディア(judía)」から来たという説を唱えています。スペイン北西部のガリシアには、豚肉とそら豆を合わせた「フディア」という似た料理があり、16〜17世紀にスペインの軍隊がルクセンブルクに持ち込んだのではないか、という考えです。もしそうなら、料理名は「豆と豆」という意味になります。

ルクセンブルクは、フランス、ドイツ、ベルギーに囲まれた小さな国です。燻製の豚肉と豆を組み合わせるこの料理には、農家の素朴な保存食の知恵が表れています。豚肉を燻製にして保存し、庭や畑で採れた豆と一緒に煮る。そんな農家の台所の料理が、今では国を代表する一皿になりました。

食べるときは、ゆでたじゃがいもを添え、ワインかビールを合わせるのが定番です。ルクセンブルクはモーゼル川沿いにブドウ畑が広がるワインの産地でもあり、豚肉を煮るときにモーゼルワインをグラス1杯加える作り方もあります。


ゆでじゃがいもとマスタードで、ルクセンブルクの食卓に

ユッド・マット・ガーデボウネンにゆでじゃがいもとマスタード、白ワインを添えた食卓
燻製の豚肉とそら豆のソースに、じゃがいもとマスタードを添えて

皿に並んだ燻製の豚肉は、ほんのり桜色で、噛むと燻香と塩気がじわりと広がります。そこにクリーミーなそら豆のソースと、ほくほくのじゃがいもを合わせ、マスタードをひとさじ。マスタードの酸味が、豚肉の脂とソースのこくを軽くしてくれます。日本で手に入る粒なしのマスタードで十分です。

飲み物は、ワインかビールを合わせるのが定番です。ルクセンブルクのモーゼル川沿いはブドウ畑が広がるワインの産地なので、すっきりとした白ワインを選ぶと土地の取り合わせに近づきます。

燻製の豚肉と豆やキャベツを合わせる料理は、ヨーロッパ各地にあります。ドイツのバイリッシュクラウトは、ベーコンとキャラウェイでキャベツを煮るバイエルンの温かい付け合わせです。アイルランドのダブリン・コドルは、ソーセージとベーコンをじゃがいもと重ねて煮る素朴な鍋料理です。

よくある質問

冷凍のむきそら豆と、瓶詰めのそら豆の水煮を並べた様子

かたまりベーコンがない場合は何で代用できますか?

ロースハムのかたまりでも作れます。ハムはすでに加熱されているので、手順2の煮込みは30分ほどにして、煮汁に香りと塩気を移す程度にしてください。燻製の香りは弱くなります。

セイボリーが手に入りません。

乾燥タイムで代用できます。セイボリーより香りが強いので、小さじ2くらいから加えてください。乾燥のセイボリーは、ハーブ専門店や通販で「サマーセイボリー」の名前で売られています。

そら豆アレルギーが心配です。

そら豆は、まれに体質によって重い症状を起こすことがあります。心配な場合は、グリーンピースや白いんげん豆で作ると、同じソースで別の豆料理として楽しめます。このソースには小麦と乳(バター、生クリーム)も含まれます。

作り置きはできますか?

豚肉は煮汁に浸したまま冷まし、煮汁ごと冷蔵庫に入れて、早めに食べきってください。そら豆のソースは別の容器で冷蔵し、温め直すときは弱火で混ぜながら、中まで熱くなるまで加熱します。

主な参考リンク

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