ほぐした塩鱈、トマト、乾燥チョリセロ唐辛子を土鍋で煮込んだナバーラ風アホアリエロ
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バカラオ・アル・アホアリエロの作り方|ナバーラの塩鱈とトマトの土鍋煮込み

約12分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 7

鱈を冷蔵庫で塩抜きする

手順1: 鱈を冷蔵庫で塩抜きする

塩蔵鱈800 gをほぐし、たっぷりの冷水と一緒に容器に入れます。ふたをして冷蔵庫に入れ、8時間ごとに水を替えながら24時間置きます。厚い切り身は、Visit Navarraの案内にならって24〜36時間を見込み、塩加減を確かめながら仕上がりを判断します。

塩抜きができたらざるにあけ、布かキッチンペーパーで余分な水気をしっかり押さえます。水分が残ると煮込みが水っぽくなり、味がぼやけます。

STEP 22 / 7

チョリセロ唐辛子を戻す

手順2: チョリセロ唐辛子を戻す

乾燥唐辛子4本から軸と種を除き、ぬるま湯に浸して柔らかくします。しなやかになったら、小さなスプーンで柔らかい果肉をこそげ取り、細切りにします。

STEP 33 / 7

にんにくとじゃがいもを弱火で柔らかくする

手順3: にんにくとじゃがいもを弱火で柔らかくする

にんにく8片を刻み、じゃがいも200 gは小さく切ります。土鍋にオリーブ油100 mlと一緒に入れ、弱火で柔らかくなるまで火を通します。色づけないことが大切で、にんにくの香りを油に移すのがねらいです。

STEP 44 / 7

唐辛子の果肉を加える

手順4: 唐辛子の果肉を加える

唐辛子の細切りを加え、油になじませます。火は弱いままにしてください。にんにくも唐辛子も、焦げると苦くなります。色が急に濃くなりそうなら、すぐ次の工程に進みます。

STEP 55 / 7

鱈を崩さずに合わせる

手順5: 鱈を崩さずに合わせる

水気を切った鱈を加え、返すのは数回だけにして、大きな身を残します。この段階で火を通しすぎたり返しすぎたりすると、身が細かく崩れてしまいます。

STEP 66 / 7

トマトを加えて、鍋を回す

手順6: トマトを加えて、鍋を回す

トマトソース500 gを加えます。混ぜずに鍋を小さな円を描くように動かして全体をまとめます。ソースが飛び散らない程度の小さな動きで十分です。弱火で約10分火を通します。鱈の形が見えるまま中まで火が通っていること、ソースがまとまって、水っぽい層に分かれていないことを確かめてください。ソースのとろみだけでは、魚に火が通ったことの証明にはなりません。

STEP 77 / 7

味を見て、パセリを散らし、熱いうちに

手順7: 味を見て、パセリを散らし、熱いうちに

味を見て、足りないときだけ塩を少量加えます。刻みパセリ小さじ1を散らし、熱いうちに食卓へ。

塩抜きは必ず冷蔵庫の中で行ってください。室温に置いたまま鱈を水に浸しっぱなしにしないでください。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

8品目

買い出しの前に

塩蔵鱈、にんにく、トマトソース、乾燥チョリセロ唐辛子、じゃがいも、オリーブ油、パセリ
塩抜きと調理に入る前に、ナバーラ版の材料をすべて並べたところ

分量はSpain.infoのナバーラ版レシピに沿っています。唐辛子は本数だけの表記で重さは示されていないため、ここでも本数のままにしました。塩は最後まで入れません。塩蔵鱈は、塩抜きをしたあとも塩気が残るからです。

材料 分量 代替・備考
塩蔵鱈(bacalao salado) 800 g ほぐして煮込みの主役にする。塩抜きが必要
にんにく 8片 刻む。香りの土台になる
家庭風トマトソース(tomate frito casero) 500 g 酸味とうま味、ソースのまとまりを担う
乾燥チョリセロ唐辛子(pimientos choriceros) 4本 甘みのある乾燥赤唐辛子。果肉が色と深みを出す
オリーブ油 100 ml にんにくとじゃがいもを弱火で火にかける
じゃがいも 1個(200 g) 小さく刻み、煮込みに厚みを出す
パセリ(刻み) 小さじ1 仕上げの青い香り
塩 味見のあと、必要なときだけ 最後の調整
アレルギーについて

この料理には魚(鱈)が入ります。市販のトマトソースを使う場合は、原材料表示も確認してください。

準備

日本で材料を選ぶとき

塩蔵鱈。 輸入食材店や通販で探します。薄塩の鱈の切り身は、塩分の量も塩漬けの強さも商品ごとに違うので、塩抜きのあとに必ず塩加減を確かめてください。生の鱈でも作れますが、塩蔵鱈の塩気や身の締まりとは別物になるため、塩は別に調整します(バリエーション参照)。

乾燥チョリセロ唐辛子。 煮込みに使うのは、乾燥した甘い赤唐辛子の柔らかな果肉です。スペイン食材を扱う店や通販で探してください。見つからないときは、肉厚で甘みのある乾燥赤唐辛子を戻して使う手がありますが、香りは変わります。パプリカ粉や唐辛子粉では果肉のとろりとした食感は出ませんし、唐辛子粉に替えると香りも辛さも変わります。

トマトソース。 無塩か薄味のトマトソースや裏ごしトマトを、少し煮詰めたものが近い仕上がりになります。砂糖やスパイスの入ったケチャップでは、料理の味が変わってしまいます。

オリーブ油とじゃがいも。 香りの強すぎるオリーブ油は、仕上がりの味を支配してしまいがちです。じゃがいもは普通のもので構いませんが、粉質のものは崩れやすいので、あまり細かく刻みすぎないでください。

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ナバーラのアホアリエロは、鍋を回して鱈とトマトをなじませる

この鍋で守りたいこと

鱈は冷蔵庫でゆっくり塩抜きし、火は最初から最後まで弱火のまま。そして、スプーンではなく鍋のほうを動かして、鱈の身をほぐれた形のまま残します。

細かくほぐした塩鱈を、土鍋に入れます。鍋ではすでにオリーブ油の中で、にんにく、じゃがいも、乾燥チョリセロ唐辛子の濃い赤の果肉が柔らかくなっています。そこへトマトソースを加え、かき混ぜずに鍋ごと小さく円を描くように動かして、約10分、静かに火を通します。スペイン政府観光局(Spain.info)がナバーラの料理として紹介するバカラオ・アル・アホアリエロの核心は、ここにあります。鱈が主役で、トマトとにんにくと唐辛子がそれをまとめる家庭の煮込みです。

Spain.infoは、アホアリエロをナバーラの代表的な料理のひとつとして、細かくほぐした鱈にトマト、にんにく、じゃがいも、ピーマン類を合わせる料理と紹介し、他の地域にも広まったと説明しています。ただし、レシピがひとつに決まっているわけではありません。ナバーラの中にもトマトを使わない型があり、アラゴンには材料の違う型があります。配合はひとつに固定されていないので、この記事ではSpain.infoがナバーラ版として掲載している4人分のレシピを軸にしました。分量がそろっていて、家庭の台所で試しやすいからです。

同じ鱈でも、イベリア半島にはまったく違う仕立てがあります。カタルーニャの冷たい塩鱈のサラダ「エスケシャーダ」は、同じ魚の別の扱い方を見せてくれます。ポルトガルの「バカリャウ・ア・ブラス」にはじゃがいもと卵が加わります。スペインの別の郷土料理なら「カルソターダ」もあわせてどうぞ。

名前と綴り

スペイン語では bacalao al ajoarriero と書き、短くアホアリエロ(ajoarriero)とも呼びます。この記事で使った資料には名前の由来を確定できる記述がなかったため、語源についてはここでは触れません。


道具

  • 土鍋(スペインの素焼きのカスエラ)。なければ厚手の浅鍋
  • 鱈が浸かる大きさのふた付き容器(冷蔵庫用)
  • ざる
  • 清潔な布かキッチンペーパー
  • 唐辛子を戻すためのぬるま湯のボウルと、小さなスプーン

しょっぱい、水っぽい、崩れる:失敗したときの直し方

症状 考えられる原因 対処
しょっぱい 鱈の塩抜きが足りなかった 煮上がりに水を足して薄めるより、次回は鱈の厚みを見て、塩抜きの時間と水替えを見直す
水っぽい 鱈の水切りが甘い、またはトマトソースがゆるい 鱈は入れる前に水気をしっかり押さえる。元のレシピの指定ではなく家庭での調整として、トマトソースを先に軽く煮詰めておく手もある
鱈が崩れる 返す回数が多すぎた 混ぜずに、鍋をそっと揺すったり回したりする
にんにくや唐辛子が焦げる 火が強すぎた 最初から弱火で始め、色が急に濃くなる前に次の工程へ進む

バリエーション:味のバランスを変える

主レシピとは分けて紹介します。最初の3つは、じゃがいもと卵を任意とするVisit Navarraのナバーラのレシピをもとにしています。残りの2つは、日本で作るための調整です。

  1. じゃがいもなし。 じゃがいもを抜くと、鱈と唐辛子が前に出ます。
  2. 溶き卵を加える。 仕上げに溶き卵を回し入れ、火を通します。
  3. 卵を添える。 卵は別に火を通し、料理に添えます。
  4. 辛さを抑える。 手元の乾燥唐辛子が辛いときは、戻した甘みのある乾燥唐辛子に替えると辛さが和らぎます。香りはチョリセロとは違ってきます。
  5. 生の鱈で作る。 塩抜きは不要で、塩は味を見ながら加えます。塩蔵鱈の版と同じ味にはなりません。

同じ名前でも、鍋はいろいろ:ナバーラとその周辺のアホアリエロ

土鍋から取り分けたナバーラ風アホアリエロの一皿
Spain.infoは、アホアリエロを特定の行事と結びつけず、主菜として紹介している

材料表を並べるだけでも、アホアリエロの幅がわかります。ここで使ったSpain.infoのナバーラ版は、家庭風トマトソース、チョリセロ唐辛子、少量のじゃがいもを使います。Visit Navarraが載せるナバーラのレシピにはトマトがまったくなく、塩鱈1 kg、にんにく4片、カイエンヌ唐辛子1本、チョリセロ3本、オリーブ油150 mlで、じゃがいもと卵は任意の追加とされています。料理人カルロス・アルギニャーノ氏のHogarmaniaのレシピは、また別の道筋で、赤ピーマンを190°Cで30分焼き、じゃがいもを弱火で約12分火にかけ、最後に5分ほどかけてすべてを合わせます。

Spain.infoには、アラゴンの版として載せられたレシピもあります。鱈700 g、じゃがいもとトマトが各500 g、赤ピーマン、玉ねぎ、にんにくを使うので、これは別のレシピです。ナバーラ版の材料には混ぜていません。

Spain.infoは、アホアリエロをナバーラの代表的な料理で、ほかの地域にも広がったものと説明していますが、いつ、どのように広がったかには触れていません。掲載されているレシピも、特定の祝祭と結びつけず、主菜として紹介しています。ひとつの「正解」を探すより、鱈とにんにくを核にした親戚のような鍋が並んでいる、と見たほうが実態に近いのでしょう。

よくある質問

薄塩の鱈の切り身で作れますか?

作れますが、塩分は商品によって違います。塩抜きのあとに塩加減を確かめ、仕上がりも味を見て調整してください。風味や食感は、塩蔵鱈とまったく同じにはなりません。

じゃがいもは必須ですか?

すべての版に入るわけではありません。ここで追ったナバーラのレシピには入っていますが、Visit Navarraのレシピではじゃがいもは任意です。抜くと、鱈と唐辛子がより前に出ます。

前日にどこまで準備できますか?

塩抜きです。冷蔵庫で最低1日前から始め、厚い切り身ならもっと早く始めてください。

残りはどう保存しますか?

レシピの資料には保存期間が書かれていません。残りは早めに粗熱を取って冷蔵し、なるべく早く食べきってください。温め直すときは、全体がしっかり熱くなるまで加熱します。

スペイン料理のほかの料理もご覧ください。

主な参考リンク

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