黄金色の衣をまとい、割った断面に生ハム入りのクリーミーなベシャメルが見えるハモン・クロケタス
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ハモン・クロケタスの作り方|生ハム入りベシャメルのスペイン風コロッケ

約14分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 8

ハムを刻み、ルーを作る

手順1: ハムを刻み、ルーを作る

jamón 200gを細かい角切りにします。冷蔵庫から出したばかりのほうが、脂が締まっていて切りやすくなります。手とまな板を清潔に保ち、切ったハムはボウルに入れて脇に置いておきます。

鍋にバターを入れて弱火で溶かし、小麦粉を加えて絶えず混ぜます。弱火のまま、粉っぽいにおいが消えてほんのり香ばしいにおいになるまで火を通します。時間ではなく、においと質感で判断してください。色づけてはいけません。

STEP 22 / 8

牛乳とハムのだしを加え、ベシャメルを煮詰める

手順2: 牛乳とハムのだしを加え、ベシャメルを煮詰める

牛乳とハムのだしを少しずつ加え、そのたびにだまを泡立て器でなくします。火は弱火のまま、鍋底を絶えずこそげて焦げつきを防ぎます。小麦粉によって水分の吸い方は違うので、牛乳を全部入れる前にかなり固くなったとしても、慌てず静かに続けます。液体を調整するのは必要なときだけです。

なめらかで厚みが出るまで、静かに煮ます。ゴムべらで鍋底をなぞった跡がすぐには埋まらず、すくって落とした塊が形を保つのが目安です。

STEP 33 / 8

ハムを混ぜ、味を整える

手順3: ハムを混ぜ、味を整える

煮詰めたベシャメルに刻んだハムを加え、全体に均一になるまで混ぜます。ナツメグをひとつまみ加えたら、塩を足す前に必ず味見をします。冷めた生地は、熱いときより塩辛く感じやすくなります。塩は足すとしても、ほんの少しずつです。

STEP 44 / 8

薄く広げて冷蔵庫で冷やす

手順4: 薄く広げて冷蔵庫で冷やす

生地を浅い容器に均一に薄く広げ、表面をならします。表面にぴったりラップを貼りつけて、膜ができるのを防ぎ、冷蔵庫に入れます。RTVEのレシピでは12〜24時間休ませます。実際に固まるまでの時間は、冷蔵庫の状態と生地の厚みで変わります。

生地を室温に長く出したままにしてはいけません。とくに一晩放置は厳禁です。火を通した乳製品の生地ですから、冷蔵庫に置いてください。

STEP 55 / 8

小さな楕円に成形する

手順5: 小さな楕円に成形する

冷やした生地を同じ量ずつ取り、清潔な手で小さな楕円に整えます。大きさをそろえると、揚がり方がそろいます。作業中に生地がゆるんだら、しばらく冷蔵庫に戻してください。

STEP 66 / 8

卵とパン粉の衣をつける

手順6: 卵とパン粉の衣をつける

楕円を溶き卵にくぐらせ、細かいパン粉をまぶして全体を覆います。ひびや薄いところには、パン粉を足して補い、中身が見えないようにします。揚げる前に小麦粉をはたくレシピもありますが、この記事は卵とパン粉だけです。衣をつけたクロケタスをもう一度冷やしてから揚げると、形が崩れにくくなります。

STEP 77 / 8

少量ずつ揚げる

手順7: 少量ずつ揚げる

RTVEのレシピは油の温度を示していません。参考になるのは、La Vanguardia紙に載った別の料理家のレシピで、こちらは180°Cで揚げています。ただしそのレシピは生クリームとゼラチンを使う別物なので、180°Cはあくまで出発点として、鍋とクロケタスの大きさに合わせて調整してください。

クロケタスが浸かるくらいの油を温め、温度計で確認します。まず1個だけ揚げ、衣の色づき方と形の保ち方を見ます。そのあとは鍋に詰め込まず、数個ずつ、鍋底につかないように返しながら、均一にきつね色になるまで揚げます。色だけでは中まで温まっているか分かりません。1個割って、中心が熱くなっているか確かめてください。

STEP 88 / 8

油を切り、少し休ませて供する

手順8: 油を切り、少し休ませて供する

網に上げて余分な油を切り、少し休ませます。中のベシャメルは非常に熱く、口の中をやけどするおそれがあります。小皿に盛り、ほかの料理と分け合うタパスとして出します。

生地は手で触って判断します。冷やした生地の小片を取り、形を保てるかを先に確かめます。ゆるいまま成形すると、揚げ油の中で崩れる原因になります。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

小麦粉、バター、牛乳、生ハム、卵、パン粉などクロケタスの材料
ベシャメルの材料、ハムとだし、衣の材料を先にそろえておく

分量はRTVEのレシピを、ひとつの配合として通しています。ほかのスペインのレシピは小麦粉・バター・ハムの割合が違うので、混ぜて使わないでください。RTVEはこの分量でできる個数を示しておらず、成形する大きさでも変わるため、この記事でも個数は決めていません。

7品目

ベシャメルとハム

材料 分量 代替・備考
無塩バター 110g ルーの油脂。無塩のほうが最後の塩加減を調整しやすい
小麦粉 110g ベシャメルに濃度をつけ、冷やしたときに成形できる固さにする
牛乳(成分無調整) 1L ベシャメルの液体。低脂肪乳ではコクが変わる
生ハム(RTVEはjamón de bellota) 200g 風味の中心。細かい角切りにする
ハムのだし(caldo de jamón) 50ml ハムの風味に深みを足す。塩気を確認する
塩 最後に少々 ハムとだしがすでに塩辛いので、味見してからごく少量ずつ
ナツメグ ひとつまみ 香りづけ程度。主張させない
3品目

衣と揚げ油

材料 分量 代替・備考
卵(溶きほぐす) 2〜3個が目安 パン粉をつなぐ。RTVEは個数を示しておらず、クロケタスの大きさと数で変わる
細かいパン粉 適量 衣。細かいほうが薄く均一につく
エキストラバージンオリーブオイルまたはくせのない揚げ油 クロケタスが浸かる量 揚げ用
アレルギーについて

このクロケタスには小麦・乳・卵が含まれます。ハム、ハムのだし、パン粉の表示を確認し、代替品を使う場合も原材料と、同じ設備で作られた食品への注意書きを読んでください。

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材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

小皿から揚げたてをひとつ取って、そのまま割ってみます。薄いパン粉の衣がさくっと崩れ、中からなめらかで厚みのあるクリームが現れます。ところどころに、ピンク色の小さなハムの粒。外はかりっと、中はとろり。このコントラストを狙うのが、スペインのテレビ局RTVEが紹介するハモン・クロケタス(croquetas de jamón)のレシピで、スペインの食卓でハム入りのクロケタスがおなじみの存在になっている理由もここにあります。

外はさくっと、中はハム香るベシャメル

このクロケタスで残したいもの

薄くて軽い衣の中に、形は保つのに舌の上ではやわらかくとろけるベシャメル。その全体に、刻んだ生ハムの粒が散っている状態です。

ハモン・クロケタスは、生ハム(jamón)を混ぜたベシャメルを小さな楕円に整え、卵とパン粉をつけて揚げた料理です。スペイン政府観光局のSpain.infoは、クロケタスをスペインで人気のタパスのひとつに挙げ、ハム入りをもっとも伝統的な型と紹介しています。ただし具は地方や店によって変わるため、全国共通の決まった配合があるわけではありません。この記事では、RTVEのレシピをひとつの基準にして話を進めます。

クロケタスが活躍するのは、小皿(タパス)や大皿(ラシオン)を何品か頼み、飲み物を片手に分け合う食べ方の中です。ひとつずつつまむのにちょうどいい大きさで、家で再現するうえで大事なのは二つだけ。ちょうどいい厚みに煮詰めたベシャメルを、成形できるまでしっかり冷やすこと、そして、ハムとだしがすでに塩気を持っているので塩を足しすぎないことです。

思いつきでは作れず、段取りが要る料理

RTVEのレシピでは、生地を冷蔵庫で12〜24時間休ませます。手を動かすのは2回に分かれます。1日目にベシャメルを作り、寝かせたあとで成形・衣付け・揚げ作業をします。


道具

  • 包丁とまな板
  • 底が厚い中くらいの鍋(ベシャメル用)
  • 泡立て器と、耐熱のゴムべらまたは木べら
  • 生地を冷やす浅い容器
  • 食品用ラップ
  • 成形したクロケタスを置くバット
  • 卵とパン粉用の浅いボウル2つ
  • 揚げ用の深くて安定した鍋
  • 揚げ物用の温度計
  • 網じゃくし
  • バットに置く網

ハム・だし・衣・油の選び方

ハム。 RTVEのレシピが指定するのは、ハモン・イベリコ・デ・ベジョータ(jamón ibérico de bellota)の系統にあたる jamón de bellota です。スペインの外では、ハモン・セラーノ(jamón serrano)のほうが手に入りやすく、現実的な代用になりますが、別の製品です。脂、塩気、熟成の香り、そして値段も違うので、同じハムとして扱わないでください。ほかの生ハムを使う場合は、加熱調理に向くかどうかを商品の表示で確かめてください。

ハムのだし。 50mlのだしは、ハムの風味に厚みを出す役目です。なければ、同量の牛乳に置き換えられます。その分、肉の風味と塩気は控えめになります。市販のだしを使うときは塩分を確認してください。

パン粉。 薄く均一な衣にするなら細かいものがおすすめです。日本のパンコのように粗いパン粉でも作れますが、衣の食感は変わります。

油。 RTVEはオリーブオイルを使っています。菜種油のようなくせのない精製油も代わりになりますが、仕上がりの香りは油で変わります。


破裂する、流れ出す、塩辛いとき

油の中で割れたり、中身が流れ出したりするのは、たいてい生地の冷え不足、衣の穴、油温の低下のどれかです。揚げる前の確認で、ほとんどは防げます。

困りごと 確認すること 直し方
油の中で割れる、破裂する 生地の冷え不足、衣のすき間、油温の低下 成形したものをもう一度冷やし、パン粉で全体を均一に覆い、一度に揚げる数を減らす
中身が流れ出す ベシャメルの煮詰めが足りない 冷やした生地の小片を先に試す。形を保たないなら揚げず、鍋に戻してさらに煮詰め、もう一度冷やす。生の小麦粉を後から練り込むと、粉っぽい味が残るので避ける
塩辛い ハムとだしの塩分は商品でかなり違う ベシャメルを仕上げる前に味見し、足す塩は最小限にする。冷めると塩辛く感じることも考える
中が温まる前に衣が濃くなる 油が高温すぎる 温度計を見ながら火を弱める。色ではなく、割って中心を確認する

アレンジ

ここに挙げるのは、それぞれ独立した方向で、上のレシピの分量は変えません。

  • ベジョータではなくセラーノで。 手に入りやすい代わりに、塩気、脂、熟成の香りが違います。
  • ハムのだしを牛乳に。 50mlのだしを同量の牛乳に替えると、ハムの奥行きが控えめな簡単版になります。
  • 小さな丸い一口サイズに。 生地を小さく丸めて一口タパスにします。大きさが変わるので揚げ時間を調整してください。
  • ほかの具で。 Spain.infoは、きのこ、カニ、イカ、エビ、タラ、風味の強いチーズなどの具を挙げており、鶏肉のものも一般的です。これらは別のレシピとして扱い、このレシピの材料を入れ替えるものではありません。
  • オリーブオイルか、くせのない油か。 オリーブオイルと菜種油のような精製油とでは、仕上がりの香りがはっきり違います。

タパスの中のクロケタス

Spain.infoはクロケタスをスペインで愛されるタパスに数え、そのなかでもハム入りをもっとも伝統的と位置づけています。一方で同じ資料は、具が地方や店ごとに違うことも示しており、クロケタスは固定されたひとつのレシピというより、ひとつのファミリーと考えたほうが実情に合います。衣でさえ一様ではなく、小麦粉・卵・パン粉をつける人もいれば、卵とパン粉だけの人もいます。

どの型にも共通するのは、かりっとした衣となめらかなクリームの対比と、食べる場面です。外で小皿をつまみ歩く「tapear」や、卓を囲んでラシオンを分け合うときに、飲み物のそばでひとつずつ口に運ぶ。家でも、トルティージャ・エスパニョーラのようなほかのスペイン料理と並べたり、パエリア・バレンシアーナやコシード・マドリレーニョの前の一品にしたりできます。

よくある質問

ハモン・セラーノでも作れますか?

作れます。RTVEのレシピにあるjamón de bellotaの現実的な代用になりますが、塩気、脂、熟成の香りは変わります。塩を足す前に、ベシャメルの味見をしてください。

パン粉は何でもいいですか?

作れますが、このレシピが目指す薄く均一な衣には、細かいパン粉が合います。パンコのような粗いパン粉では、衣がより固く、ざらっとした食感になります。

生地を一晩冷やしてもいいですか?

大丈夫です。RTVEのレシピも、浅い容器に広げて表面にラップを密着させた生地を、冷蔵庫で12〜24時間休ませます。室温で一晩置くのはやめてください。

油の温度はどのくらいにしますか?

RTVEは温度を指定していません。La Vanguardiaに載った別の料理家のレシピが180°Cで揚げているので、それを目安にして、まず1個で試し、鍋とクロケタスの大きさに合わせて調整してください。

何個できますか?

元のレシピは個数を示していませんし、成形する大きさで変わります。個数を合わせるより、ひとつひとつの量をそろえるほうが、均一に揚げるうえでは大切です。

主な参考リンク

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