アワラペーストで橙色に煮込んだブイヨン・ダワラと白飯
🌍料理フランス領ギアナ料理

ブイヨン・ダワラの作り方|アワラのペーストと燻製肉を煮込むフランス領ギアナの復活祭料理

約15分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 9

前夜に豚尾の塩抜きをする

手順1: 前夜に豚尾の塩抜きをする

塩漬け豚尾200gをボウルに入れ、かぶるくらいの水を注いで、冷蔵庫に一晩置きます。室温には置かないでください。翌日、浸けた水を捨て、豚尾をすすいで食べやすい大きさに切ります。

STEP 22 / 9

アワラペーストを溶き、豚尾を入れる

手順2: アワラペーストを溶き、豚尾を入れる

大鍋でアワラペースト2kgと水1.5Lをなめらかになるまで混ぜ、塩抜きした豚尾を加えます。

STEP 33 / 9

約1時間30分煮てから燻製豚バラを加える

手順3: 約1時間30分煮てから燻製豚バラを加える

中火で約1時間30分煮ます。濃いペーストは鍋底に張りつきやすいので、ときどき鍋底から混ぜてください。この煮込みが終わるころに燻製豚バラ200gを入れます。90分がさらに加わるわけではなく、豚バラを入れたら、そのまま野菜に進みます。

STEP 44 / 9

野菜を下ごしらえする

手順4: 野菜を下ごしらえする

- 食用の長形ユウガオ類(concombre longe):皮をむき、種を除いて中くらいに切る。

- とげのある小型ウリ(concombre piquant):ナイフでとげをこすり落とし、四つ割りにして種を除き、すすぐ。

- 白キャベツ:ざく切りにする。

- なす:四つ割りにしてから中くらいに切る。

- さやいんげん:両端を落とす。

- ほうれん草:洗って水気をよく切り、帯状に切る。

さやいんげんとほうれん草は、あとで鍋に入れるので別にしておきます。

STEP 55 / 9

最初の野菜の組を入れる

手順5: 最初の野菜の組を入れる

キャベツ、なす、長形ユウガオ類、とげのある小型ウリを鍋に加えます。中火で約30分、ときどき混ぜながら煮ます。

STEP 66 / 9

さやいんげんを加える

手順6: さやいんげんを加える

さやいんげんを加えて混ぜ、さらに約30分煮ます。

STEP 77 / 9

ほうれん草を入れて弱火で煮る

手順7: ほうれん草を入れて弱火で煮る

火を弱火にし、ほうれん草を加えて30〜40分、野菜が十分に柔らかくなるまで煮ます。ここでも、ときどき鍋底から混ぜてください。

STEP 88 / 9

燻製鶏と燻製魚で仕上げる

手順8: 燻製鶏と燻製魚で仕上げる

燻製鶏1kgと燻製魚1kgを加えます。任意のブカネ豚バラ500gを使う場合は、ここで入れます。くずさないようにそっと混ぜ込み、弱火で約20分煮ます。燻製品のラベルに従い、加熱が必要な製品ならしっかり火を通してください(下の注意を参照)。

STEP 99 / 9

熱いうちに白飯と出す

手順9: 熱いうちに白飯と出す

熱いブイヨンを、白飯を添えて出します。

野菜の火の通りは、時間よりも食感で見分けてください。時間はあくまで目安です。燻製魚を入れてからは、くずれやすいので強く混ぜないでください。

このレシピには魚と豚肉が入ります。基本版に甲殻類は入りませんが、燻製品や加工品のラベルで、アレルゲンや同じ工場で扱う原料の表示を確認してください。

燻製だからといって、加熱せずに食べられるとは限りません。製品の表示、とくに加熱の指示に従ってください。厚生労働省の家庭での食中毒予防の一般的な案内では、食品の中心を75°Cで1分以上加熱するとされています。これはレシピの温度ではなく、手順8の約20分でそこに達する保証でもありません。実際に確かめてください。

塩抜きも長い煮込みも、料理を長持ちさせるものではありません。同じ案内にならって、残りは浅い容器に小分けして早く冷まし、冷蔵し、食べる前に十分に(75°C以上を目安に)再加熱してください。この料理固有の保存期間は示せません。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

アワラペースト、塩漬け豚尾、燻製肉、野菜を並べた材料一式
家庭レシピの材料一式。任意の燻製豚バラ500gは省いてあります
6品目

ベースになるもの

材料 分量 代替・備考
アワラペースト(pâte d'awara) 2 kg 味と橙色の核。代わりになるものは見つかっていません
水 1.5 L 鍋の中でペーストを溶く
塩漬け豚尾(queue de cochon salée) 200 g 前夜から冷蔵庫で塩抜きする
豚尾の塩抜き用の水 かぶる量 上の1.5 Lとは別。浸したあとは捨てる
翌日のすすぎ用の水 適量 上の1.5 Lとは別
燻製豚バラ(poitrine de porc fumée, gros lard) 200 g 必須。最初の煮込みのあとに加える
6品目

野菜

材料 分量 代替・備考
白キャベツ(chou blanc) 300 g ざく切り。最初の野菜の組に入れる
なす(aubergine) 300 g 四つ割りにしてから中くらいの大きさに切る。最初の組
食用の長形ユウガオ類(concombre longe) 300 g 皮をむき、種を除いて中くらいに切る。最初の組
とげのある小型ウリ(concombre piquant) 300 g とげをこすり落とし、四つ割りにして種を除き、すすぐ。最初の組
さやいんげん(haricots verts) 300 g 両端を落とす。最初の組から約30分後に加える
ほうれん草(épinards) 1 kg 洗って水気を切り、帯状に切る。野菜の最後に加える
4品目

仕上げと盛り付け

材料 分量 代替・備考
燻製鶏(poulet boucané) 1 kg 終盤に加える
燻製魚(poisson boucané) 1 kg 終盤に加える
燻製豚バラ(poitrine de porc boucané) 500 g(任意) この記事の基本版では省きます。上の必須の200gとは別の材料です
炊いた白飯(riz blanc) 適量(任意) 熱いブイヨンに添える

大鍋1回分の分量です。塩・こしょう・香草・甲殻類や貝類はこのレシピに含まれないので、加えません。

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材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

ブイヨン・ダワラ:復活祭の家族を支える橙色の鍋

豆知識

この鍋で守りたいのは、アワラの果肉の深い橙色、長くじっくり煮る時間、塩漬けや燻製の肉の旨み、そしてたっぷりの野菜です。材料はそれぞれ入れるタイミングが決まっているので、分量と同じくらい順番が大切です。

フランス領ギアナのレシピサイト「Ti Molokoy」を書くサブリナ・フランソワ=ヴァンサンさんは、家族の復活祭をこう振り返っています。実を集め、果肉から汁を取り、その液を大鍋に入れて薪火で一晩煮る。朝になったら燻製肉を加え、甲殻類や貝類は別の鍋で煮る。そして昼に、家族みんなで食卓を囲む。これはあくまでこの家族の記憶で、すべての家庭の決まりではありません。それでも、時間と大きな鍋と分け合う人を必要とする料理だということは伝わってきます。

ブイヨン・ダワラは、現地のクレオール語で bouyon wara と呼ばれます。主役は、アワラヤシ(Astrocaryum vulgare)の果肉です。熟した実は橙色で、果肉は生で食べたり、このクレオール風のブイヨンに使ったりします。フランスの公式観光サイト France.fr は、アワラの果肉で作るブイヨンを、フランス領ギアナの典型的でよく知られた料理の一つに挙げています。

同じ筆者によると、いまはペーストを買ったり家族から分けてもらったりして、ふつうの家庭用コンロで煮ることもあるそうです。このあとのレシピは、筆者が公開している家庭版の分量、順番、時間をそのまま写したものです。一つの家庭のレシピであって、唯一の正解ではありません。


選び方と代用

二つの「きゅうり」は、ふつうのきゅうりではありません。 concombre piquant と concombre longe は、直訳すると「辛いきゅうり」「長いきゅうり」に見えますが、どちらの読み方も当たっていません。

  • concombre piquant:レシピ筆者は Cucumis anguria と同定しています。表面に小さなとげのある小さな果実です。piquant はこのとげを指す言葉で、辛さや唐辛子のことではありません。この料理が辛くなるわけでもありません。ナイフでとげをこすり落とし、四つ割りにして種を取り、すすいでください。
  • concombre longe:学名 Lagenaria siceraria、英名 bottle gourd(日本名ではユウガオ)で、食用の長形ユウガオ類にあたります。ただし、日本で売られているユウガオ類が同じ品種で、同じ食感だという保証はありません。皮をむいて種を除きます。

どちらも、300gのふつうのきゅうりに黙って置き換えるのはやめてください。別の鍋になってしまいます。

アワラペーストには代わりがありません。 風味と色の両方を担っていて、根拠のある代用品は見つかっていません。フランス領ギアナの外でアワラペースト、燻製鶏、燻製魚をどこで買えるかは確認できていないので、店や商品は挙げません。ペーストが見つからないときは、工夫して代用するより、手に入るまで待つほうがよいでしょう。

boucané は「燻製にした」という意味です。 燻製鶏はローストチキンとは別のものです。何を買う場合も、ラベルで「加熱してから食べる」製品かどうかとアレルゲンを確認してください。

ほうれん草(épinards)を使います。現地で使われるすべての葉物と同じだとは言えません。

道具

鍋の底から混ぜられる大きくて厚手の鍋が要ります。

  • 大きな厚底鍋:ペースト、肉、魚、野菜がすべて入り、混ぜる余裕も残る大きさ
  • 鍋底まで届く木べらか耐熱ヘラ
  • 豚尾を一晩浸けるボウル
  • 包丁とまな板

このレシピはふたをしない通常の鍋で煮る前提で、圧力鍋用には書き換えていません。

うまくいかないとき

鍋底の焦げつきや塩辛さが気になるときは、底から混ぜることと前夜の塩抜きを確認してください。

困りごと 考えられる原因 戻し方
鍋底が焦げつきそう 濃いペーストが底に溜まっている 長い煮込みのあいだ、原典のとおりときどき鍋底から混ぜる
塩辛い 豚尾の塩抜きが足りない かぶる量の水に冷蔵庫で一晩浸し、水を捨ててすすぐ。原典に塩加減の調整はないので、塩を足す前提にしない
野菜がまだ硬い 時間は目安であって保証ではない 食感で判断する。手順8の前に、なす、ウリ類、青菜が十分柔らかくなっているようにする
魚がくずれる 入れたあとに強く混ぜた そっと混ぜ込み、火は弱火のままにする
燻製肉に火が通っているかわからない 製品によって違う ラベルに従う。加熱が必要なら中心まで熱くする

原典の範囲での変え方

  • 任意の豚バラを省く。 原典は燻製豚バラ(boucané)500gを任意としていて、この基本版では省いています。手順3の燻製豚バラ200gは別の必須材料なので、残します。
  • 家庭用コンロで作る。 筆者の家族の記憶では薪火で一晩ですが、公開されている版は家庭用コンロです。
  • 甲殻類や貝類を別鍋で。 筆者の家族は、甲殻類や貝類を別の鍋で煮ていたそうです。これは別の家庭の習慣で、このレシピの材料表には入りません。
  • アワラがなければ、ブイヨン・ダワラにならない。 ペーストの根拠ある代用品がないので、この記事では代用を勧めません。

復活祭、家族、共同体

ギアナ大学(Université de Guyane)は、ブイヨン・ダワラを、復活祭のころに用意され、家族や共同体を結びつける料理として紹介しています。アワラヤシを研究する同大学のWARAプロジェクトは、この料理の作り方や周りの習わしを記録しています。復活祭との結びつきが強いからといって、ほかの時期に食べないとは限りません。ただ、資料はそこまでは述べていません。

IRD(フランス開発研究所)の資料庫にある、フランス領ギアナのボニ(Boni)の人びとの植物利用の記録には、Astrocaryum vulgare の現地名として Awara が挙がっています。熟した実が橙色であること、果肉を生で食べるか、クレオール風のブイヨン・ダワラに使うことも記されています。ギアナ観光局の郷土の味の案内は、この料理をアワラの実を使うクレオール料理の一つとして紹介し、米と生・塩漬け・燻製の肉や魚がギアナの食卓によく並ぶと説明しています。France.fr は、フランス領ギアナの料理を複数の大陸の影響を受けたものとして紹介していますが、これは料理全体についての一般的な説明で、この鍋の由来を語るものではありません。

名前の由来も、考案者も、単一の歴史的な起源も、これらの資料では確かめられていません。そのため、この記事では何も断定しません。家庭ごとに違うのは、果実から汁を取る方法、薪火か家庭用コンロか、どんな燻製肉や野菜を入れるか、甲殻類や貝類を加えるかどうかです。ギアナ地域のほかの鍋と比べてみたいときは、ガイアナのメテムギーと、祝いの席のスリナムのポムもどうぞ。

よくある質問

アワラとは何ですか?

アワラヤシ(Astrocaryum vulgare)の実です。熟すと橙色になり、その果肉がブイヨンに使われます。この記事ではアワラペーストの形で使います。

何人分ですか?

原典のレシピは人数の欄が空欄なので、人数は示していません。大鍋1回分の分量と考えてください。

どのくらい時間がかかりますか?

原典は準備40分、調理3.5時間としています。個々の工程(約1時間30分、約30分、約30分、30〜40分、約20分)を足すと、約3時間20〜30分です。豚尾の塩抜きは前夜に、別に済ませておきます。

concombre piquant は辛いのですか?

辛くありません。piquant は小さな Cucumis anguria の実に生えているとげのことで、調理前にこすり落とします。唐辛子のことではありません。

えびやかにを入れますか?

このレシピでは入れません。筆者の家族は甲殻類や貝類を別鍋で煮ていたそうですが、公開されているレシピには含まれていません。

アワラペーストの代わりになるものはありますか?

根拠のある代用品は見つかっていないので、勧められるものはありません。

圧力鍋は使えますか?

原典の器具欄には出てきますが、圧力の設定は書かれていません。作り方はふたをしない鍋のためのもので、この記事もその形で紹介しています。

残りは保存できますか?

レシピに保存の案内はありません。一般的な家庭の食品衛生に従い、浅い容器に小分けして早く冷まし、冷蔵し、十分に再加熱してください。この料理について示せる保存期間はありません。

主な参考リンク

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