骨付きの鶏肉と芋をクラントロとオレガノで煮たパナマのサンコチョ
🔪下準備20分
🔥調理1時間30分
🌍料理パナマ料理

サンコチョ・パナメーニョの作り方|パナマの鶏と芋、クラントロのスープ

約12分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 5

鶏肉に下味をつける(約10分)

手順1: 鶏肉に下味をつける(約10分)

鶏肉は水気をよく拭き取り、ボウルに入れます。すりおろしたにんにく、乾燥オレガノ、黒こしょう、塩小さじ1を加え、手で皮の下まですり込みましょう。オレガノとにんにくが全体に行き渡り、肉の表面がしっとりなじめば十分です。この間に、クラントロは葉を幅5mmほどに刻んで、飾り用に大さじ2ほど取り分けておきます。

STEP 22 / 5

鶏肉の表面を焼く(約8分)

手順2: 鶏肉の表面を焼く(約8分)

厚手の大鍋にサラダ油大さじ1を中火で熱し、鶏肉を皮目から並べます。動かさずに4分焼き、皮がきつね色になったら裏返して、さらに3〜4分焼きましょう。中まで火を通す必要はなく、表面に焼き色がつけば十分です。鍋底についた茶色いうまみは、次の工程でスープに溶かします。

STEP 33 / 5

玉ねぎと水を加えて鶏を煮る(約20分)

手順3: 玉ねぎと水を加えて鶏を煮る(約20分)

鍋に玉ねぎと水1.8Lを加え、木べらで鍋底のうまみをこそげます。強火で沸騰させ、灰色のアクをすくったら弱火に落とし、ふたをずらして20分煮ましょう。スープの表面が小さく揺れる程度の火加減を保ちます。親鶏の場合は、ここで1時間20分ほど煮て、肉に竹串が通るようになってから次へ進んでください。

STEP 44 / 5

さといもを加えて煮る(約45分)

手順4: さといもを加えて煮る(約45分)

さといもは皮をむき、大きめの一口大に切って鍋に加えます。弱めの中火で約45分煮ましょう。芋が水面から出ていたら、いつも2〜3cmほど沈んでいるように湯を足します。さといもの角が丸くなり、一部が崩れてスープにほんのりとろみがつけば、芋の煮上がりです。

STEP 55 / 5

クラントロを加えて仕上げる(約10分)

手順5: クラントロを加えて仕上げる(約10分)

芋がやわらかくなってから、幅5mmに刻んだクラントロ(飾り用を除く)を鍋に入れます。塩小さじ1と1/2を加えて味を見ながら、弱火で10分煮ましょう。最後に、いちばん大きな鶏肉の骨のきわに温度計を差し、中心が75℃以上になっているか確かめます。肉が骨からほろりと外れ、スープにハーブの香りが立てば完成です。

鶏肉は骨のまわりまで十分に加熱してください。米国の食品安全情報サイトFoodSafety.govは、鶏肉の安全な中心温度を74℃(165°F)以上としています。この記事では余裕をもって75℃を目安にしています。

さといもの皮をむくと、ぬめりで手がかゆくなることがあります。気になる人は手袋をするか、皮付きのまま5分ほどゆでてから、冷まして皮をむいてください。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

サンコチョの材料の骨付き鶏肉、さといも、パクチー、乾燥オレガノ、にんにく、玉ねぎ

旅行ブログ「アズ・ウィー・ソー・イット」に載っているパナマ市の家庭のレシピの分量を参考に、パナマ・アメリカで料理人が挙げた中部の定番の材料にしぼって整えた配合です。

6品目

鶏と下味

材料 分量 代替・備考
骨付き鶏もも肉 4本(約1.2kg) ぶつ切りにしてもらう。親鶏なら煮込み時間を延ばす
にんにく 3片 すりおろす
乾燥オレガノ 大さじ1
黒こしょう 小さじ1/2
塩 小さじ1 下味用
サラダ油 大さじ1
5品目

スープと芋

材料 分量 代替・備考
玉ねぎ 1個 2cm角
水 1.8L 鶏がかぶる量。減ったら足す
さといも 700g 現地のニャメ(ヤム芋)の代わり。皮をむいて大きめの一口大
クラントロ 1束(約20g) ノコギリコリアンダー。なければパクチー1束半
塩 小さじ1と1/2 仕上げに味を見て加える
コツ

パナマで使うニャメは、ヤマノイモの仲間の大きな芋です。日本の長いもも同じ仲間ですが、煮ると粘りが強く出ます。さといもを使うと、ほっくりした食感とスープに溶けるとろみの両方が出て、日本の台所ではいちばん扱いやすい代わりになります。

コツ

クラントロはパクチーより葉が細長く、縁がギザギザで、香りがずっと強いハーブです。日本では「ノコギリコリアンダー」や「パクチーファラン」の名で、アジア食材店や通販で手に入ることがあります。パクチーで代用するときは、クラントロの約1.5倍の量を使ってください。


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Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

パナマの田舎の台所では、まきの火にかけた大鍋がことこと鳴っています。中には、庭先で育った硬い鶏と、皮をむいたごつごつの芋。湯気からは、ギザギザの葉をもつハーブ、クラントロの青く強い香りが立ちのぼります。洗礼式の祝いにも、パーティーの翌朝にも、熱を出した日にも出てくる一杯。パナマでどこにでもある国民的なスープ、サンコチョ・パナメーニョ(sancocho panameño)です。

使う材料はとても少なく、鶏、芋、クラントロ、オレガノ、にんにく、玉ねぎ、塩だけ。固形スープの素も色づけの調味料も使いません。日本で手に入りにくいのは、ニャメという大きなヤム芋とクラントロの2つですが、さといもとパクチーで、現地の素朴な味にかなり近づけます。

祝いの席にも、二日酔いの朝にも

パナマの家庭の台所で大鍋のサンコチョを煮る様子

2019年、パナマ市の創設500年を記念して、パナマ運河博物館で「映画のようなサンコチョ」という短いドキュメンタリーが上映されました。パナマのテレビ局TVNがEFE通信の記事として伝えたところでは、制作した料理人のネプタリオ・カブレラとフィフィタ・ビチリは、ホテルの料理人、都会の主婦、田舎の女性の3人が作るサンコチョを撮りました。台所はコンロでも、まきの火でも、材料は変わりません。鶏、クラントロ、オレガノ、玉ねぎ、塩、ニャメです。

ビチリは、サンコチョは国を代表する料理であるべきではないと言いながら、こう続けます。「二日酔いのときに何を飲む?サンコチョ。パーティーのあとは?サンコチョ。洗礼式では?サンコチョ」。あまりに何度も食卓に出てくるので、いつのまにか国を象徴する料理になった、というわけです。カブレラは、熱や風邪で弱っているときに飲ませる「スープ」こそサンコチョの一部だと話しています。

豆知識

サンコチョの起源には、まだわからないことが多いそうです。同じ記事によると、ニャメがもともと南北アメリカにあったのか、アフリカから来た人々とともに伝わったのかには議論があります。カブレラは、最初のサンコチョは鶏ではなく牛肉だったかもしれないとも話しています。1519年のパナマ市創設のころ、鶏はスペイン人が薬のように扱う貴重なもので、牛肉は貧しい人々に回されていたからだといいます。

伝統の味を守るための「してはいけないこと」もはっきりしています。パナマの新聞パナマ・アメリカによると、料理人のナタナエル・マルティネスは、伝統的なサンコチョに必要なのは放し飼いの鶏、ニャメ、クラントロ、にんにく、玉ねぎだと話しています。とうもろこし、オトエ(さといもの仲間)、キャッサバを入れたら、それはもうパナマの定番のサンコチョではない。スープの素は使わず、「庭先の自然なスープ」にすること。しょうゆや色づけの調味料も入れないこと。そしてクラントロは、ニャメより先に入れないこと。

同じ記事は地域差にも触れています。チリキ県にはとうもろこしやオトエが入るサンコチョがあり、ボカス・デル・トーロ県には豚のしっぽやスペアリブで作るスープがあります。マルティネスによると、定番のサンコチョがよく作られるのはパナマ中部の県です。


ハーブを入れる順番がおいしさを分ける

鍋に刻んだクラントロを加えるタイミング

マルティネスが「クラントロはニャメより先に入れない」と言うのは、強い香りのハーブも長く煮ると香りが飛んでしまうからだと考えられます。この記事のレシピでも、芋がやわらかくなってからクラントロを入れ、最後に生の葉を散らしています。香りが二段階で重なり、パナマのサンコチョらしい青い香りがはっきり残ります。

コツ

オレガノは、スープに入れるのではなく鶏肉の下味にすり込みます。焼いたときに香りが立ち、そのまま煮汁に溶け出すので、乾燥オレガノでもハーブの香りが鶏肉の奥まで届きます。

コツ

スープの素を使わない分、塩の量が味を決めます。下味の塩は控えめにし、仕上げに小さじ1/2ずつ足しながら味を見てください。鶏と芋の甘みが感じられる手前で止めるのがちょうどよい加減です。

チリキ風や、親鶏で作る版

とうもろこしやキャッサバを加えたチリキ風のサンコチョ

パナマ西部のチリキ県のように、とうもろこしやオトエを加える作り方もあります。アズ・ウィー・ソー・イットのレシピでは、パナマ市の家庭の作り方として、芋類にオトエ、ニャメ、キャッサバ、青いプランテンを組み合わせ、とうもろこしの輪切りを最後の15分で加えています。日本で作るなら、さといもに冷凍のとうもろこしやじゃがいもを足すと、具だくさんのスープになります。

より伝統に近づけたいなら、親鶏(ひね鶏)を使ってください。パナマの伝統のサンコチョは、庭先で育った硬い鶏、ガジーナ・デ・パティオで作ります。肉は硬めですが、長く煮るほどスープに濃いうまみが出ます。親鶏は精肉店や通販で骨付きのぶつ切りが手に入ります。

食べ方

白いごはんを添えたサンコチョ・パナメーニョの完成写真
取り分けたクラントロを散らし、熱いうちに

深めの器に鶏肉とさといもを盛り、熱いスープをたっぷり注いで、取り分けておいたクラントロを散らします。日本の食卓では、白いごはんを添えて、スープをかけながら食べるのもおすすめです。

同じ名前の料理でも、国が変われば中身が変わります。コロンビアのサンコチョ・デ・ガジーナは、とうもろこしやキャッサバ、プランテンを入れる具だくさんの版で、パナマの料理人が「入れない」と言うものが主役です。中米の鶏の煮込みなら、グアテマラのホコンもあわせてどうぞ。

よくある質問

さといもとノコギリコリアンダー、乾燥オレガノを並べた写真

クラントロとパクチーは同じものですか?

別の植物ですが、香りはよく似ています。クラントロ(ノコギリコリアンダー)のほうが葉が硬く、香りが強いので、パクチーで代用するときは量を1.5倍に増やしてください。

鶏むね肉でも作れますか?

作れますが、骨付き肉のほうがスープにうまみが出ます。むね肉を使う場合は、手順3で15分煮たら取り出しておき、さといもが煮えたら戻して温めると、ぱさつきにくくなります。

作り置きできますか?

アズ・ウィー・ソー・イットは、時間がたつほど味がなじみ、冷凍もできると書いています。冷蔵や冷凍したものは、鍋で沸騰するまで温め直してください。保存日数のはっきりした目安は示せないので、早めに食べきりましょう。

辛い料理ですか?

辛くありません。唐辛子は入らず、クラントロとオレガノの香りが主役です。辛さがほしい人は、食卓で唐辛子のソースを少し足してください。

主な参考リンク

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