ビリヤニやプラオの香り高い皿が並んだ食卓を思い浮かべてください。その脇に、冷たいヨーグルトを入れた小鉢があります。ヨーグルトの中には、淡い金色の小さな粒が数えきれないほど沈み、どれもほんの少し膨らんでいます。ひと匙すくうたびに、米料理のスパイスを受け止めてやわらげてくれる。この小さな鉢が、ブーンディ・ライタ(बूंदी का रायता、boondi ka raita)です。
ブーンディ・ライタ ― 冷たいヨーグルトに休む、やわらかな小さな粒
ブーンディは、ふやけてもペーストにならない丸い粒のままにしてください。あとはプレーンヨーグルトの酸味、焙煎クミンの香り、慎重な塩加減に任せます。
ブーンディは、ベサン(ひよこ豆の粉、gram flour)を揚げた小さな粒です。ブーンディ・ライタでは、これを温水で戻して水を切り、チャートマサラ、焙煎クミン、赤唐辛子、香草で味をつけた、なめらかなヨーグルト(curd)に混ぜ込みます。「ブーンディ・サラダ」という呼び名のほか、Boondhi Raita、Dahi Boondhi、Dahi Bundi、Boondhi Ka Raita といった表記も見かけます。
この記事が従うのは、レシピサイト Dassana's Veg Recipes の定番の2人分レシピです。市販のプレーンなブーンディとコリアンダーを使い、柔らかく仕上げる作り方を選びました。分量は原典のカップとスプーンの表記のままにしてあります。世界ごはん紀行編集部では、このレシピを台所で試作していません。以下の作り方と分量は原典のものであり、編集部の試作結果ではありません。同じ国のほかの料理はインドのページにまとめています。
ブーンディ・ライタとは ― きゅうりのライタとの違い
ブーンディ・ライタは、新鮮な野菜ではなく食感で組み立てるライタです。原典では、ヨーグルト、揚げたベサンのブーンディ、スパイス、香草を合わせた北インドのライタとして紹介されています。きゅうりのライタは、おろしたり刻んだりしたきゅうりがかさと瑞々しさを生みます。ブーンディ・ライタにはきゅうりがまったく入りません。持ち味は粒そのもので、水分を吸ってやわらかく、ふっくらと育っていきます。
この料理の勘所は、粒が水分を欲しがる性質にあります。温水で短く戻すと、粒は丸い形のまま柔らかくなります。長く置きすぎると、原典によればペースト状にくずれてしまいます。ヨーグルトに混ぜたあとも粒は水分を吸い続けるので、あるレシピサイトは食べる直前に作るよう勧めています。ブーンディがいつ、どれだけ水を吸うか。このレシピの判断はほとんどそこに戻ってきます。
原典の著者は、ブーンディがほかのチャート料理にも使われると書いています。市販のプレーンなブーンディは、使いみちの多い常備品でもあります。ここでの役目はひとつ、ヨーグルトに小さくやわらかな粒を添えることです。
この料理に使える食材・調味料
道具
- ブーンディを戻すための蓋つきのボウル
- 水を温めるための小鍋、電子レンジ対応の容器、または電気ケトル
- ざる(目の細かいものだと小さな粒を水切りしやすい)
- 混ぜ用のボウル
- 泡立て器またはスプーン
選び方と代用
ブーンディ。 プレーンか塩味のものを使います。インド食材店では「boondi」の名で売られています。買うのは、甘いブーンディではなく、塩味系の揚げた豆粉の粒です。塩味のブーンディはすでに塩気があるので、チャートマサラと塩は味見をするまで控えめにします。マサラ味のブーンディも塩とスパイスを含むため、味見の原則はさらに大切です。製品によって違いがあるので、袋の原材料とアレルゲン表示も確認してください。
ヨーグルト。 無糖のプレーンな乳製品ヨーグルトで、新鮮で酸味が強すぎないものを使います。植物性ヨーグルトも使えます。ただし、植物性ヨーグルトは酸味ととろみが同じとは限らないので、味を見ながら調整し、ラベルでアレルゲンも確かめてください。
コリアンダーかミント。 刻んだコリアンダーの葉大さじ1〜2、またはミント大さじ1を使います。どちらか一方だけを使い、両方は入れません。この記事ではコリアンダーにしました。
任意のスパイス。 フェンネル(saunf)粉小さじ1/2とブラックペッパー粉小さじ1/4を加えてもかまいません。この記事の配合では両方とも入れません。使いたい場合は、調味の工程でほかのスパイスと一緒に加えます。
焙煎クミン。 焙煎クミン粉は、焙煎していない普通のクミン粉とは香りが違います。あるレシピの書き手は、家で焙煎して挽いたクミンの香りと、市販の未焙煎の粉の香りをわざわざ比べています。普通のクミン粉しかなくてもライタは作れますが、香ばしさは控えめになります。
チャートマサラ。 手元になければ、別のものを適当な量で代わりに入れることはしません。焙煎クミンと赤唐辛子だけで味を組み立て、塩は味を見て加減してください。
柔らかいか、カリカリか、塩気はどうか ― 食感と味の整え方
| 状態 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 粒がべたつく、ペースト状になる | 9〜12分より長く戻した、または強く押した | 戻し時間を範囲内に収め、軽く押すだけにする |
| ライタが水っぽい | 戻し水がヨーグルトに入った、または水切りが足りない | 戻し水は全量捨て、ブーンディを水切りしてから混ぜる |
| 固すぎる | ヨーグルトがとても固い、ブーンディが水分を吸い続ける | 水を少しずつ加えてのばし、味と固さを見ながら進める |
| 塩辛い | 塩味のブーンディ、チャートマサラ、足した塩が重なった | 次回は、ブーンディが塩味かを確かめ、チャートマサラは小さじ1/4から始め、塩は味見のあとだけ足す |
| 香りが弱い | 焙煎していないクミン粉 | 焙煎クミン粉を使う |
| もっと歯ごたえがほしい | 戻す作り方は柔らかい基本版 | 下のカリカリ版を試す |
一杯を変えるには
| 変え方 | やり方 | 変わること |
|---|---|---|
| 柔らかい版(このレシピ) | 温水で9〜12分戻し、水を切って軽く押す | ふっくら柔らかい粒がヨーグルトになじむ |
| カリカリ版 | 戻さずにそのままヨーグルトへ入れる(原典にある方法) | 粒に歯ごたえが残る。柔らかい版とは違う食感 |
| 塩味かプレーンか | 手に入るほうを選ぶ | 塩味のブーンディなら、チャートマサラと塩を控えめにして先に味見する |
| コリアンダーかミントか | コリアンダー大さじ1〜2、またはミント大さじ1 | 香草はどちらか一方だけ |
| スパイスの組み立て | 任意のフェンネル粉小さじ1/2、ブラックペッパー小さじ1/4を加える。辛さは好みで調整 | フェンネルは甘く爽やかな香り、ブラックペッパーは辛味が増す |
ブーンディ・ライタの味つけは、ほかの家庭のレシピではまた違います。乾燥ミントと任意の青唐辛子を使い、混ぜたあとにしばらく休ませるもの。ブーンディを戻す時間をもっと短くして、作ったらすぐ食べるよう勧めるもの。どれも分量が別のレシピです。このレシピを調整したものではなく、よその家の別バージョンとして受け取ってください。
食べ方 ― 米料理や詰め物パンに添える冷たい副菜

参考にしたレシピの記述は、役割について一致しています。ブーンディ・ライタは副菜で、ビリヤニやプラオなどの米料理や、具入りのパラータに添えて出します。あるレシピサイトは、プラオやパラータに添える薬味のようなものとして紹介しています。ご飯に混ぜず、別の小鉢で出すと、冷たいヨーグルトと柔らかい粒が、ひと匙ごとにはっきり感じられます。
どのレシピでも、市販のブーンディから始めるのが一般的です。ある書き手は、パンジャブ料理に根ざした家庭の食卓を思い出して書いています。ブーンディは、余ったベサンの生地から家で作ることもあれば、ニューデリーのパン屋で買うこともあり、ライタだけでなくおやつとしても食べたそうです。これは一つの家庭の記憶であり、パンジャブのすべての家庭の様子ではありません。このレシピでは、できあいのブーンディを使います。
原典の著者は、名前はヒンディー語の boond(水のしずく)に由来すると説明しています。小さな丸い粒にはよく合う説明です。ただし、これは言語資料ではなくレシピの書き手の説明なので、著者の見方として受け取ってください。この料理の起源や歴史は、ここで参考にした資料では扱われていません。
衛生・保存・アレルギー
ブーンディ・ライタは加熱しません。作る前に手、器具、調理台を清潔にし、コリアンダーは流水で洗ってから刻んでください。作ったライタは、2時間以内に冷蔵庫へ入れます。気温が32°Cを超えるときは1時間以内です。冷蔵庫は4°C以下に保ちます。これは米国政府の食品安全情報サイトFoodSafety.govが示す家庭向けの目安で、インドに特化した決まりではありません。「冷たいままか室温で」食べる料理だからといって、鉢を長く出しておいてよいわけではありません。
残ったとき。 すぐに食べない分は冷蔵庫に入れてください。原典の著者は、当日中に、遅くとも翌日までに冷蔵保存したものを食べるよう勧めています。これは作者による品質面の助言です。ブーンディは置いておくあいだも水分を吸い続け、粒がさらに柔らかくなって食感が変わります。いちばんおいしいのは作ってすぐです。
アレルギー。 標準のレシピには乳製品(ヨーグルト)が含まれます。ブーンディはベサン(ひよこ豆の粉)から作られます。市販のブーンディ、チャートマサラ、植物性ヨーグルトは製品によって違うので、ラベルでアレルゲンを確認してください。
よくある質問
ブーンディはどれくらい戻しますか?
温水で蓋をして9〜12分です。それより長いと、原典の注意どおり、粒がペースト状にくずれることがあります。戻したら水を切って捨て、軽く押してください。
戻さずに作れますか?
作れます。原典には、戻さずにそのままヨーグルトへ入れる方法があり、歯ごたえが残ります。このレシピの柔らかい版とは食感が違います。
塩味のブーンディしかありません。塩はどれくらい足しますか?
先にスパイスを混ぜ、味を見てから、必要なら塩を足します。塩味のブーンディもチャートマサラも塩気を持ち込むので、このレシピでは塩を決まった量ではなく「適量(as required)」としています。
何に添えますか?
ビリヤニやプラオなどの米料理や、具入りのパラータに添えます。冷たい副菜として、別の小鉢で出してください。
翌日まで置けますか?
原典の著者は、当日中に、遅くとも翌日までに冷蔵保存したものを食べるよう勧めています。安全面では、作ってから2時間以内(32°C超なら1時間以内)に、4°C以下の冷蔵庫に入れてください。ブーンディは置くあいだも柔らかくなり続けるので、食感は作ってすぐがいちばんです。














