鍋の口で蒸す、薄い米粉の皮 — カオ・クリアップ・パクモー
甘じょっぱい豚・塩漬け大根・落花生の具を、柔らかく白い半透明の皮が包んでいる。それが目印です。皮は鍋に張った布の上で、一枚ずつ直接蒸します。
広い鍋で湯が沸き、ぴんと張った布の下から蒸気が立ちのぼります。布の上に薄い白い生地を少し流し、おたまの背で丸く広げます。ふたをして約20秒。持ち上げると、生地は半透明の皮に変わっています。冷ました具を小さじ1ほど中央にのせ、へらで柔らかい皮を折りたたんで包みます。
これがカオ・クリアップ・パクモー(ข้าวเกรียบปากหม้อ)です。名前は、調理する場所である「鍋の口」を指しています。布の上で一枚ずつ蒸すという方法がこの料理の形をつくっています。蒸籠に皮を入れるのではなく、具は皮が蒸し上がってから包みます。もち米の団子でも、揚げたせんべいでもありません。
このレシピは、Wongnai Cookingに投稿されたMuthita Kaboundeeさんの一件の投稿をもとにしています。一人の家庭料理の作り方であり、出版社が検証したレシピではありません。編集部では試作していません。写真は各工程の動作を示しますが、分量・時間・温度・衛生・安全を保証するものではありません。タイのほかの料理はタイのページもご覧ください。
このレシピで元の投稿どおりにした点と、編集部が補った点
分量と調理の順序は、Muthita Kaboundeeさんの材料表と5つに分かれた作り方に従っています。補足が必要な点は次のとおりです。
- 胡椒: 材料表は挽いた胡椒大さじ2、作り方は粒胡椒を搗くと書かれ、色や種類の記載もありません。ここでは材料表の挽いた状態を採り、大さじ2をそのまま残しています。かなり多い量です。意図された形は、著者に確認できていません。
- ガーリックオイル: 材料表は大さじ3で、作り方では包みが受け皿にくっつかないようにするために使います。それ以上の配分は書かれていないので、具には加えません。
- 分量と時間: 投稿は1人分とされていますが、包みの個数、皮の直径、全体の所要時間は書かれていません。ここでも補いません。
- 鍋の準備: 手順では、火にかける前の冷たい鍋に水を入れ、布を張ります。これは編集部の安全上の並べ方で、投稿の語順とは異なります。
- 豚肉の温度: 手順5の温度計での確認は、投稿にはない編集部の安全上の追加です。日本の家庭向けの目安である「中心温度75°Cで1分間」を使っています。FoodSafety.govは豚ひき肉について71°Cを示し、食品用温度計で測るよう案内していますが、この二つは別の機関の数値であり、同じものとしては扱いません。
- 生で食べる添え物: 生野菜を洗うことと、生肉に使った道具と分けることも、日本の公的な食品安全の案内にもとづく編集部の追加です。
材料:皮、具、仕上げ

| --- | ---: | --- | | 米粉(แป้งข้าวจ้าว) | 100 g | 皮:生地の主体 | | タピオカ粉(แป้งมัน) | 40 g | 皮:米粉に混ぜる | | 水(น้ำเปล่า) | 220 ml | 皮:薄い生地にする | | 豚ひき肉(หมูสับ) | 50 g | 具:調味料を入れる前に火を通す | | 塩漬け大根・細かく刻む(ไชโป้วเค็มสับละเอียด) | 50 g | 具:塩味のもとで、食感にもなる | | 炒り落花生・挽く(ถั่วลิสงคั่วบด) | 70 g | 具:最後に混ぜる | | タイにんにく(กระเทียมไทย) | 大さじ2 | 具:搗いて香味のペーストにする | | エシャロット・細かく刻む(หอมแดงสับละเอียด) | 大さじ2 | 具:ペーストを炒めたあと、豚肉の前に入れる | | パクチーの根(รากผักชี) | 1本 | 具:搗いて香味のペーストにする | | 挽いた胡椒(พริกไทยบด) | 大さじ2 | 具:搗いて香味のペーストにする | | ナンプラー(น้ำปลาอย่างดี) | 大さじ1/2 | 具:味つけ | | パームシュガー(น้ำตาลปี๊ป) | 大さじ2 | 具:甘み | | 大豆油(น้ำมันถั่วเหลือง) | 大さじ3 | 具:炒め油 | | 炒めにんにく(กระเทียมเจียว) | 大さじ2 | 仕上げ:盛りつけた包みにかける | | ガーリックオイル(น้ำมันกระเทียมเจียว) | 大さじ3 | 仕上げ:包みが受け皿にくっつかないようにする | | レタス | 適量 | 添え物:生のまま | | パクチーの葉 | 適量 | 添え物:生のまま | | プリッキーヌ(พริกขี้หนู) | 適量 | 添え物:生のまま |
塩漬け大根、炒めにんにく、ガーリックオイルは、食用・調理用として売られている市販品を使います。大豆油とガーリックオイルは別の材料なので、混ぜないでください。レタス、パクチーの葉、プリッキーヌは、使う前に流水でよく洗います。
道具
- ふたつきの広口鍋
- 清潔な食品用の布(洗ってから使う、薄手の未漂白の綿モスリンなど)
- 蒸気と沸騰した鍋の熱に耐えると表示された調理用の固定具
- すり鉢とすりこぎ
- フライパンとへら
- 食品用温度計
- ボウルと泡立て器またはスプーン
- おたま
- 皮をすくうための食品用のへら
- 具を冷ます浅い皿
- 仕上がった包みを受ける盆または皿
- 清潔な包丁とまな板(生肉用と、生で食べるもの用は分ける)
固定具は製品の表示を確認し、熱と蒸気に耐える旨の表示がないものは使わないでください。鍋は決して密閉せず、手順9で作る縁のすき間を開けたままにし、ふたは軽くのせます。布が水に触れないようにし、余った端はコンロから離してください。蒸気でやけどをするおそれがあるので、ふたを開けるときは手や顔を近づけないでください。
選び方と代用
どの項目も、置き換えれば仕上がりは多少変わります。
| 材料 | 選び方 | 思い込まないこと |
|---|---|---|
| 米粉 | アジア食材店や製菓材料店で、混ぜ物のない米粉を探します。粒の細かいものが無難です | 製品によって違うため、どれでも同じになるとは言えません |
| タピオカ粉 | タピオカ粉(タピオカでんぷん)と名前で探します | じゃがいもでんぷんには替えないでください |
| 塩漬け大根 | タイ食材店で「ไชโป๊เค็ม」を探します | 甘く漬けた大根は使わないでください。日本のたくあんは製品によって違うので、塩味と甘さを確かめ、味が変わることを前提にしてください。量は50 gのままにします |
| タイにんにく | ふつうのにんにくでも代わりになります | 香りは同じになりません |
| パクチーの根 | 根つきのパクチーを買います | 葉や茎は香りが違います。根が手に入らないときは、葉を同等の代用とするより、入れないほうが安全です |
| ナンプラー | ナンプラーとして売られている魚醤を使います | 塩分も香りも製品で違います。しょうゆに黙って置き換えないでください |
| 落花生 | 無塩のものだと味の調整がしやすくなります | 塩味つきの落花生は、具に塩気を足すことになります |
この料理には落花生、ナンプラー(魚)、大豆油が入っています。炒めにんにくやガーリックオイルなどの市販品も、表示を確認してください。
作り方
具を先に炒めて冷まし、そのあとで皮を一枚ずつ蒸します。
手順15の盆への油塗りは、最初の皮を蒸す前に済ませておくと、仕上がった包みをすぐ置けます。具は冷ましてから包むので、具のほうを先に作ります。
塩漬け大根50 gを細かく刻みます。細切りではなく、みじん切りにします。

2. 香味を下ごしらえして、ペーストに搗く
タイにんにくの皮をむきます。

パクチーの根をきれいに洗います。

エシャロットを清潔なまな板で細かく刻み、手順4まで取り分けておきます。

すり鉢で、タイにんにく大さじ2、パクチーの根1本、挽いた胡椒大さじ2をペースト状になるまで搗きます。

3. 香味のペーストを炒める
フライパンに大豆油大さじ3を入れます。

搗いたペーストを油に加えます。

香りが立つまで炒めます。

4. エシャロットを加える
炒めたペーストに、細かく刻んだエシャロット大さじ2を加えます。

混ぜながら、香りが立つまで炒めます。

5. 豚肉にしっかり火を通す
豚ひき肉50 gをフライパンに加えます。生の豚肉と、それに触れた道具は、生で食べるものから離しておきます。

ほぐしながら混ぜ、ピンク色が残らなくなるまで炒めます。

清潔な食品用温度計で、肉の厚みのある部分を測ります。中心が75°Cで1分間保たれている必要があります。色だけでは、豚肉が安全だとは確認できません。

6. 味つけして、具が乾き始めるまで炒める
火の通った豚肉に、刻んだ塩漬け大根50 gを加えます。

パームシュガー大さじ2を加えます。

ナンプラー大さじ1/2を加えます。

弱火で混ぜながら約10分、具が乾き始めるまで炒めます。コンロによって火の通り方は違うので、時間だけでなく具の様子も見てください。

7. 落花生を混ぜる
挽いた炒り落花生70 gを具に加えます。

全体に混ぜます。

8. 具を冷ます
フライパンを火から下ろし、具を清潔な浅い皿に移します。

包む前に冷まします。

9. 布鍋を準備する
鍋が冷たく、火にかけていない状態で、水を鍋の約1/3まで入れます。

清潔な食品用の布を鍋の口にぴんと張って固定します。布は水に触れないようにします。

蒸気が逃げるよう、縁に約2 cmのすき間を残します。鍋は密閉しません。

湯を沸かします。

10. 生地を混ぜる
乾いたボウルに、米粉100 gとタピオカ粉40 gを合わせます。

水220 mlを注ぎます。

粉っぽさがなくなり、なめらかで薄い生地になるまで混ぜます。

11. 生地を流して一枚分を広げる
沸騰した鍋の上の布に、生地をおたま半分ほど流します。

おたまの背で、薄い円に広げます。

12. ふたをして蒸す
皮にふたをします。

約20秒蒸します。

手や顔を蒸気から離してふたを開けます。具をのせる前に、皮に火が通った様子かどうか確かめます。

13. 冷ました具をのせる
火が通った皮の中央に、冷ました具を小さじ1ほどのせます。

14. 具を包む
へらで皮の端をすくい、具を包むように折ります。具が包まれるまで、必要なだけ折ります。

15. 油を塗った盆に包みを移す
清潔な盆にガーリックオイルを塗り、包みがくっつかないようにします。ガーリックオイルは具には加えません。

へらで包みを盆に移します。残りの生地と具で、手順11〜15を繰り返します。

16. 仕上げて盛る
皿に並べた包みに、炒めにんにく大さじ2を散らします。

生の添え物に触れる前に、石けんで手を洗います。レタス、パクチーの葉、プリッキーヌは、飲用に適した流水でよく洗います。生の豚肉に触れた道具ではなく、清潔な包丁とまな板で用意してください。好みの量を、包みの横に添えます。

うまくいかないときの見直し
| 気づくこと | 確かめること | 対処 |
|---|---|---|
| 具がしょっぱすぎる | 塩漬け大根は製品によって塩気が違います | 次回は表示を確認し、小さく切った一片を味見してから使います。甘く漬けた大根には替えないでください。別の具になります |
| 約10分炒めても、具が湿っている | 時間はあくまで目安で、コンロによって違います | 弱火のまま、乾き始めるまで炒め続けます |
| 包むときに具がまだ温かい | 冷ます時間が足りていません | 浅い皿に広げて待ちます |
| 布がたるむ、または水に触れている | 布が緩んでいるか、水が多すぎます | 火を止め、鍋が冷めてから直します。熱い鍋の上で布を結び直さないでください |
| 縁から蒸気が出てこない | すき間が閉じているかもしれません | 火を止めて鍋が冷めるのを待ち、約2 cmのすき間を開け直します。鍋は絶対に密閉しないでください |
| 皮が厚い | 生地が多すぎるか、広げ方が足りません | おたま半分ほどにして、おたまの背で薄く広げます |
| 約20秒たっても、皮に火が通った様子がない | 時間は目安です | もう一度ふたをして、具をのせる前に確かめます |
| 包みが盆にくっつく | 盆の油が足りません | 続きの包みを置く前に、ガーリックオイルを塗り直します |
ほかの作り手の選び方 — 別枠で紹介
以下はほかの資料にある内容で、このレシピには含まれません。試作もしておらず、ここで使った分量と組み合わせてもいません。
| 違い | 出どころ | 内容 |
|---|---|---|
| 粉の配合 | KRUAは、米粉が主体の皮に、タピオカ粉、タオヤイモム粉、緑豆粉を混ぜる例を紹介しています | 柔らかさや弾力を調整するために、こうした配合が使われます |
| 蒸す時間 | BlackPianoのPantip投稿は、約40秒蒸します | 別の作り手の、別のレシピでの時間です |
| 折り方 | BlackPianoの投稿は、左右を具にかぶせて折ります | 包みの形づくりの一例です。ここでは折る回数を決めていません |
| 大根の下ごしらえ | 同じPantipのレシピを再掲したKapookのページは、塩漬け大根を洗って絞ります | Muthita Kaboundeeさんの作り方では求められておらず、味つけが変わります |
皮の配合を変えても、手順5の豚肉の確認は変わりません。皮を蒸す時間は、具が安全かどうかとは関係がありません。
タイの蒸し米粉皮の中で、この皿はどこに位置するか
タイの料理出版社KRUAは、伝統的なカオ・クリアップ・パクモーの具を、大根を炒めた甘じょっぱいものと説明しています。Muthita Kaboundeeさんのレシピも同じ発想で、豚肉、塩漬け大根、炒り落花生に、パームシュガーとナンプラーで味を整えています。
KRUAはさらに、布を張った鍋で蒸した皮にはいくつかの形があると説明しています。ก๋วยเตี๋ยวปากหม้อ(クイッティオ・パクモー)は名前がよく似ていますが、スープと一緒に食べます。ベトナムのバインクオン風の皮や広東の腸粉も、具や食べ方が違います。布で蒸すという方法だけでは料理を見分けられないので、具と食べ方もあわせて見てください。
BlackPianoのPantip投稿には、同じ種類の手仕事が記録されています。広口鍋に張った白い布、蒸気を逃がす縁のすき間、薄く広げた皮です。Kapookのページはこのレシピの再掲なので、二つを合わせて一つの出典として数え、独立した裏づけとはしていません。
この料理の古さや特定の発祥については、確認できなかったため、ここでは何も述べません。
よくある質問
パリッとした軽食ですか?
いいえ。このレシピは、甘じょっぱい具を、柔らかく白い半透明の蒸した皮で包んだものです。揚げたせんべいでも、もち米の団子でもありません。
いくつできますか?
わかりません。投稿は1人分とされていますが、包みの個数、皮の直径、全体の所要時間は書かれていません。お伝えできるのは、1枚あたり生地がおたま半分ほど、具が小さじ1ほどという分量です。
胡椒大さじ2は間違いでしょうか?
どちらとも確認できていません。投稿は挽いた胡椒大さじ2と書く一方、作り方では粒胡椒に触れていて、色や種類の記載もありません。書かれている形と量を黙って変えず、そのまま残しているので、胡椒の強く効いた具になると考えてください。
20秒蒸すだけで、豚肉に火は通りますか?
通りません。20秒は皮の時間で、具はすでに火を通してあります。豚肉の確認は、手順5の食品用温度計で行います。約10分の炒め時間も、具の見た目も、安全の証明にはなりません。
特別な鍋が必要ですか?
広口鍋、ふた、清潔な食品用の布、蒸気と熱に耐える旨が表示された固定具が必要です。固定具の表示を確認し、縁のすき間を開けたままにできる組み方にしてください。
タピオカ粉の代わりにじゃがいもでんぷんを使えますか?
おすすめしません。このレシピはタピオカ粉を使っており、じゃがいもでんぷんで同じ皮になるという根拠がありません。
残ったものを保存したり温め直したりできますか?
このレシピには保存や温め直しの案内がないので、時間も方法も示しません。塩漬け大根やガーリックオイルを自作する方法や、自作したガーリックオイルの保存も扱わないので、市販品を使ってください。







