クン・ソーロン:細い米麺をまとったエビを、黄金色に揚げる
コリアンダーの根、にんにく、胡椒、塩で味をつけたエビを、薄くパリッとした米麺の衣で包んで火を通し、辛口のチリソースを添えます。材料が少ないぶん、ひとつひとつが味を左右します。
細く白い米麺が、エビの曲線にくるりと巻きつき、熱い油の中で淡い色から黄金色に変わっていきます。クン・ソーロン(กุ้งโสร่ง)は、味つけしたエビを細い米麺で巻いて揚げ、ディップ用のチリソースを添えて食べるタイの料理です。タイのレシピサイトも英語圏のレシピ作者も、軽食や前菜として紹介しています。
魅力は二層のコントラストです。麺は軽くパリッとした衣になり、その中のエビには、コリアンダーの根とにんにくで味がついています。ローマ字表記は一定せず、goong sarong、kung sarong のどちらも見かけます。また Kapook Cooking の記事では、タイ語名が กุ้งสร่ง と綴られています。
この記事は、タイの調味料メーカー ThaiTheparos PLC の Golden Mountain Sauce がレシピページで公開している、クン・ソーロンの一つのレシピに沿って書いています。分量は2〜4人分。生のエビ7〜8尾、コリアンダーの根、にんにく、胡椒、塩、すでにゆでた細い米麺2カップ、揚げ油、ディップ用の辛口チリソースを使います。作り方は短く、約5分下味をつけて巻き、巻いたものを乾かし、中火で火が通って色よくなるまで揚げ、油を切って供します。世界ごはん紀行では、このレシピを台所で試作していません。2〜4人分という量は、レシピに添えられている収量であり、実測した結果ではありません。
準備の細部には、編集部が決めた部分があります。Golden Mountain のページが指定していないためです。コリアンダーの根とにんにくをすり鉢でつぶすこと、胡椒を挽いたものを使うこと(種類は指定がないので、名前は挙げません)、殻をむいて背わたを取り、尾を残した生エビを使うこと、5分の下味と表面の乾燥をどちらも冷蔵庫の中で行うこと。この最後の点は、米国FDAの魚介類の一般的な取り扱い指針に従っています。ページには、油の温度、揚げ時間、乾燥時間、エビの大きさ、乾麺の重さの記載がなく、この記事でもそれらの数字は示しません。
もう一点あります。Golden Mountain の材料欄には同社の特辛チリソースがディップとして挙げられていますが、作り方の欄には別の製品である Sriracha Panich が書かれています。両者が一致しないため、この記事では「辛口のチリソース」とだけ書き、どちらかの製品を再現しているとは言いません。同じ国のほかの料理はタイのページをご覧ください。
この料理に使える食材・調味料
選び方と代用
- エビ: 新鮮な生のエビを使います。大きめのほうが巻きやすいかもしれません。
- 米麺: すでにゆでた細い米麺(เส้นหมี่)を使います。日本のビーフンは近い候補ですが、太さやゆでたあとの弾力は商品によって違うため、巻き心地や揚がり方が少し変わることがあります。乾麺を買った場合は、先にゆでて水を切り、ゆで上がった麺を2カップ分量ってください。
- 卵麺: このレシピでは細い米麺を使います。
- コリアンダーの根: 生のコリアンダーの根を使います。
- ディップ: 辛口のチリソースを選びます。スイートチリソース、梅ソース、マヨネーズ系のディップは味が変わるため、ここでは使いません。
道具
特別な道具は必要ありません。 ふだんの揚げ物ができる道具で足ります。
- すり鉢とすりこぎ:香味材をつぶす
- 浅いボウル:下味をつける
- バットに渡す網:冷蔵庫で乾かす
- 中華鍋または深めの鍋:揚げる
- 網じゃくしまたは穴あきお玉
- 料理用温度計(あれば):エビの火通りの確認用
生エビの安全な扱い
以下は、米国FDAの魚介類の選び方・扱い方に関する一般的な指針に沿ったもので、Golden Mountain のレシピそのものにある内容ではありません。
- 生のエビは冷蔵し、冷凍のエビは室温に出しっぱなしにせず、安全な方法で解凍します。
- 生のエビに触れた手や道具は洗います。生のエビは、加熱済みのものや、そのまま食べるもの(仕上がった揚げエビやチリソースを含む)から離しておきます。
- 魚介は中までしっかり加熱します。FDAがほとんどの魚介に示す一般的な目安は145°Fで、エビの場合は身が締まり、真珠のような光沢のある不透明な状態になることが目安です。衣が黄金色でも、中のエビに火が通っている証拠にはなりません。確認し、迷うときは料理用温度計を使ってください。この目安はエビの身についてのもので、油の温度や揚げ時間ではありません。
- 下味をつけた生のエビを、味見のために口に入れないでください。
- 揚げ物は、お使いの調理器具の取扱説明に従い、熱い油に水がしたたらないようにします。水が入ると油がはねます。
うまくいかないとき
| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| エビを入れると油が激しくはねる | 麺の表面に水分がある、またはバットから水がしたたっている | 冷蔵庫の網の上でもう少し乾かし、1本ずつ持ち上げて、油に何もしたたらないようにする |
| 衣は黄金色なのに、エビに火が通っていないかもしれない | 色づきのほうが、火通りより先に進む | 色で判断せず、中火で揚げ続ける。身が締まり、真珠のような光沢のある不透明な状態になっているか確認し、温度計も使う |
| 巻くときに麺がかたまる、ちぎれる | ゆでた麺がくっついている、または水気が多い | 始める前に麺をほぐしてよく水気を切り、数本ずつ取って巻く |
| ディップが辛くなく甘い | スイートチリソースを使った | 別の味になる。次回は辛口のチリソースを選ぶ |
名前と巻き姿
Kapook Cooking と Wok and Skillet はどちらも、料理名を形から説明しています。エビに巻かれた麺を、布を巻いて着る衣類のソーロン(โสร่ง)に見立てたというものです。Kapook はさらに、エビ版は、肉を麺で巻く「ソーロン」系の軽食から発展したと述べています。これは料理の見た目と、現代の食べ物メディアが捉える系譜の説明であり、名前の由来が記録で確かめられているという意味ではありません。
豚肉の料理にまつわる、もっと古めかしい話もあります。スワンドゥシット大学の家政学部(School of Culinary Arts)は、細い麺で豚肉を成形して包む「ムー・ソーロン」を解説し、交易船で伝わったという説明と、のちに鶏肉へ展開したことを紹介しています。ただし、これは豚の料理についての話です。エビ版がいつ、どこで、誰によって初めて作られたかは、これでは分かりません。そのため、クン・ソーロンに発祥の年代、考案者、地域は結びつけません。私たちが見つけた資料は、地域ごとの違いを比べられる形ではなく、タイ料理一般として紹介していました。
よくある質問
クン・ソーロン、グン・ソーロン、กุ้งโสร่ง は同じ料理ですか?
はい、同じです。kung と goong は กุ้ง(エビ)の2つのローマ字表記で、タイ語名は กุ้งสร่ง とも書かれます。いずれも、エビに麺を巻いて揚げた料理を指します。
乾燥の米麺を、袋から出してそのまま巻いてもよいですか?
いいえ。このレシピは、すでにゆでた米麺を使います。乾麺は先にゆでて水を切ってください。レシピはゆでた麺2カップとしか書いておらず、乾麺の重さは示されていないため、換算は示しません。
卵麺で代用できますか?
Kapook のように生の卵麺を認めるレシピもありますが、そのレシピは分量も異なり、卵も加えます。この記事は、細い米麺で通します。
どのチリソースを添えればよいですか?
辛口のチリソースです。Golden Mountain のページは、材料欄では同社の特辛チリソース、作り方では別の製品 Sriracha Panich を挙げているため、どちらのブランドにも結びつけません。スイートチリソースやマヨネーズ系のディップはほかのレシピに出てきますが、仕上がりの味は変わります。
巻いたエビを、カウンターではなく冷蔵庫で乾かすのはなぜですか?
レシピには「乾かす」とあるだけで、場所も時間も書かれていません。冷蔵庫の網の上で乾かすのは、生の魚介を冷たく保つという一般的な指針に沿った、編集部の選択です。表面が乾いていれば、熱い油に入る水分も減ります。
クン・ソーロンはタイのどこが発祥ですか?
私たちが見つけた資料では、エビ版の発祥地域も年代も確かめられませんでした。スワンドゥシット大学が公開している歴史の説明は、エビではなく豚のソーロンについてのものです。













