ラワールは刻むことから始まる:豚肉、レバー、青パラミツ、ココナッツ
材料はそれぞれ別々に準備し、最後の数工程で合わせます。このレシピは世界ごはん紀行編集部では試作していないため、自分たちで作った味や食感についての記述はありません。豚肉、豚皮、レバーには、必ず調理用の温度計を使ってください。
Wil and Wayan's Bali Kitchen に載っているWayanのラワールのレシピは、導入で mebat(メバット)に触れています。人々が話をしながら、肉や香辛料を細かく刻む共同作業のことです。この説明は著者自身のレシピと経験にもとづくもので、バリ島のすべての家庭の姿だとは受け取っていません。それでも、この料理に入っていく入口としてはよい話です。このレシピの作業の多くが、包丁とまな板の上で進むからです。
ラワールは、ひとつに決まったレシピのある料理ではありません。同じページには、さまざまな種類の肉で作れるとあります。インドネシア観光省の公式サイト Indonesia Travel も、地域による違いと、赤いラワール・白いラワールという区別を紹介しています。この記事で扱うのは ひとつの型だけです。Wayanの6人分のレシピで、皮つき豚バラ肉、豚レバー、缶詰の青パラミツ、ココナッツ半個、加熱したスパイスペースト base genep(ベース・グネップ)、炒めた sambal embe(サンバル・ウンベ)を使います。血は入りません。インドネシアのほかの料理はインドネシアのページでも紹介しています。
Wayanのレシピに編集部が加えた点
材料と作業の順序はWayanのレシピに従っています。次の点は編集部が補ったり解釈したりしたものです。
- ブイヨン: 材料欄には固形ブイヨン1/2個と水1カップがありますが、手順にはどこへ入れるかが書かれていません。そこで、同じ1カップの水にブイヨンを溶かし、豚肉を煮るのに使います。2杯目のカップはありません。
- 中心温度: Wayanの手順では、豚肉を「数分」炒め、レバーはグリドルかグリルで焼くだけです。ここでは厚生労働省の通知にもとづき、豚肉・豚皮・レバーそれぞれで 中心が75°C以上に1分以上保たれていることの確認を加えています。Wayanのレシピにはない手順です。
- 洗い方: 仕上げに加える生のカフィアライムの葉と、加熱しない白いココナッツは、Wayanの手順どおり生のままにします。そのうえで、葉は流水で洗って完全に水気をふき取ること、白いココナッツの身はおろす前に軽くすすぐことを加えています。
- 「brown skin」: Wayanの手順は、ココナッツを褐色になるまで焼き、「brown skin を切り取り、砕いて炒める」としていますが、この語の定義はありません。Wikipedia には、白い果肉を覆う厚さ約0.2mmの薄い褐色の種皮があると書かれています。ここでは「brown skin」を、果肉側にある薄い褐色の表面と読んでいます。これは編集部の解釈です。Wikipedia は、この種皮を食べて安全だとは述べていません。硬い殻と外皮は、決して食べ物ではありません。
- 量の記載がないもの: 缶の大きさ、カップの規格、皮の重さ、油と塩の量はレシピに書かれていません。推測も換算もしていません。
この料理に使える食材・調味料
選び方と代用
缶詰の青パラミツ、ガランガル、kencur、キャンドルナッツ、カフィアライムの葉、シュリンプペーストは、アジア食材店か通販で探すことになりそうな材料です。検索するときは、こうした一般名で探してください。
- kencur: この名前で探し、商品のラベルを確かめます。ほかの植物名で置き換えない理由は、よくある質問に書きました。
- 根茎: 4種類はそれぞれ別に準備します。互いに入れ替えられるものとしては扱っていません。1つでも別のものに替えれば、別のバージョンになり、味も変わります。
- 青パラミツ: 缶詰の青パラミツを選び、手に入る大きさのものを2缶用意します。
- 野菜ブイヨン: ラベルの原材料とアレルゲンを確認してください。
- アレルゲン: このレシピにはシュリンプペーストとごまが入っています。
道具
- 細かく刻むための、重みのある包丁か中華包丁
- 丈夫なすり鉢とすりこぎ、またはフードプロセッサー
- 先の細いプローブつきの、清潔な調理用温度計
- 生の豚肉とレバー専用のまな板、包丁、トング、皿
- 野菜用と調理済みの食品用に、清潔なまな板と包丁を別に用意
- 豚肉を炒める中華鍋
- レバーとココナッツを焼くグリドルかグリル
- 皮とパラミツ用に、別々の鍋
- ベース・グネップ、ココナッツ、サンバル用に、別々のフライパン
- ざる、注ぎ口のある容器、おろし器
- 清潔なボウル、皿、バットと、大きな混ぜ用ボウル1つ
生の肉・レバーと安全な加熱
厚生労働省は、豚肉(内臓を含む)と豚レバーは中心までしっかり加熱するよう求めています。病原微生物は、中心が75°C以上で1分以上加熱されると死滅するとしています。ここではその基準を、豚肉、分けた皮、レバーに当てはめます。それぞれを清潔な温度計で測ってください。色、加熱時間、写真では安全の証明になりません。
生の肉や内臓に使った道具は、調理済みの食品や生の野菜に触れないようにします。生の肉や内臓に触ったあとは手を洗います。生の肉を冷蔵庫に入れるときは、汁がほかの食品に落ちないようにしてください。
厚生労働省の通知は飲食店向けに書かれていて、ここでは家庭の調理に安全上の補足として当てはめています。FoodSafety.gov の最低温度の表には、豚肉の塊とひき肉が載っていますが、豚レバーに限った基準ではありません。そのため、豚レバーを名指しで挙げている厚生労働省の通知を使っています。
うまくいかないときは
| 困りごと | 確認すること | 対処 |
|---|---|---|
| 豚肉、皮、レバーが 75°Cを1分間保てない | 豚肉の山の中心、皮の最も厚い部分、レバーの最も厚い一切れ | 加熱を続けて、もう一度測る。色や経過時間では、この確認の代わりにならない |
| ブイヨンをもっと足したくなる | このレシピの水は1カップで、その中に固形ブイヨン1/2個を溶かしている | 2杯目の1カップをレシピに足さない |
| ベース・グネップが焦げつきそう | フライパンの火の強さ | 火を弱め、焦がさずに中まで火が通るまで混ぜ続ける |
| ココナッツのどの部分を使うかわからない | 硬い殻か外皮か、白い身に付いた薄い褐色の表面か | 使うのは薄い褐色の表面と白い身だけ。硬い殻や外皮は、砕いたり食べたりしない |
| 次の具材の準備ができたのに、サンバルの前の具材が油に残っている | フライパンには、1回に1種類の具材だけを入れる | 前の具材をボウルに上げてから、次を入れる |
| 合わせるときに、生肉用の道具が一番手近にある | 調理済みの食品と生の野菜に使う道具 | 清潔な道具を使う。生肉用の道具を、調理済みの食品、ライムの葉、ココナッツに触れさせない |
| 仕上がったラワールの味が足りない | 塩は量が決まっていない | 塩を少し足して、もう一度和える |
ほかのラワールとの違い
ラワールには、ほかのレシピもあります。ただし、この記事のレシピには混ぜていません。それぞれ別のレシピが必要になるからです。
| 種類 | 紹介している資料 | このレシピとの関係 |
|---|---|---|
| ほかの肉のラワール | Wil and Wayan's Bali Kitchen が、ラワールの幅広さに触れている | この記事で使うのは、豚バラ肉、皮、レバーだけ |
| 赤いラワールと白いラワール | Indonesia Travel が、この区別を紹介している | 文化的な背景としてだけ触れる。このレシピの呼び名ではない |
| ラワール・ナンカ(青パラミツのラワール) | Budaya Bali が、別の例として挙げている | 別のレシピなので、分量も手順も使っていない |
| 血を使った赤いラワール(lawar merah) | Journal of Ethnic Foods の Prastowo らの総説に載っている | このレシピに血は入らない |
Wayanのレシピは、ラワールをご飯と sayur urab と一緒に供することを勧めています。これらは付け合わせとして別に添え、材料としては扱いません。
ラワールをもう少し広い文脈で
Indonesia Travel は、ラワールをバリ島の料理として紹介し、地域による違いに触れています。Budaya Bali は、パラミツを中心にした別のレシピも成り立つことを示しています。Prastowo らによるインドネシアの内臓料理の総説には、lawar merah の項目があり、料理を共同で作る nglawar(ングラワール)にも触れています。Wayanのページは、mebat を、一緒に刻みながら話すことだと、自分の言葉で説明しています。
これらの資料から見えてくるのは、さまざまな形があり、多くの場合、共同作業と結びついている料理だということです。ただし、この豚肉とパラミツのレシピ自体の歴史を裏付けるものではありません。総説も、Wayanのレシピを試して確かめたものではありません。ラワールの起源や、宗教的・儀礼的な意味のすべてについても、この記事では何も断定していません。
よくある質問
青パラミツ2缶は、何グラムですか?
Wayanのレシピには缶の大きさも重さも書かれておらず、編集部でも推測していません。手に入る大きさの青パラミツを2缶使ってください。
kencur の代わりには何が使えますか?
同等のものは挙げていません。Wayanのレシピのコメント欄では、読者の1人が、kencur を「lesser galangal」と同じものとみなすことに異論を唱え、Kaempferia galanga や sand ginger に触れています。それに対するサイト側の返信は、店では kencur と呼んで尋ねること、ときに white ginger とも呼ばれることを述べています。これでは植物の正体が決まらないため、kencur という名前のままにしています。ほかのものを使う場合は、別のバージョンになると考えてください。
赤いラワールと同じものですか?
違います。Indonesia Travel は赤いラワールと白いラワールを区別していて、Prastowo らの総説は、血を使った lawar merah を挙げています。このレシピには血は入りません。それらの種類は、比較のために触れているだけです。
レバーは何分焼けばいいですか?
決まった時間は示していません。Wayanの手順は、グリドルかグリルで火が通るまで焼くとしていて、編集部は中心温度の確認を加えました。最も厚い一切れを測り、中心が75°C以上で1分以上保たれていることを確かめてください。表面に焼き色が付いていても、中心まで火が通った証拠にはなりません。
ライムの葉と白いココナッツは、なぜ生のままなのですか?
Wayanの手順は、これらを火を通さずに仕上げの混ぜたものに加えています。ここでは加熱するバージョンに変えず、その仕上げを守りました。そのうえで編集部が、葉を洗って乾かすこと、ココナッツの身を軽くすすぐことを加えています。これらは編集部が加えた取り扱いで、安全を保証するものではありません。豚肉、皮、レバー、パラミツは、いずれも火を通してから加えます。
ココナッツの「brown skin」とは、具体的に何のことですか?
Wayanの手順に、この語の定義はありません。編集部は、果肉側にある薄い褐色の表面と読んでいます。厚さ約0.2mmの種皮があるという Wikipedia の記述に沿った読み方です。これは編集部の解釈で、Wikipedia は種皮を食べても安全だとは述べていません。この解釈のもとでは、硬い殻と外皮は食べ物として使いません。
ご飯や sayur urab は、ラワールに混ぜますか?
混ぜません。Wayanのレシピは、これらを添えて供することを勧めているので、別に添えてください。この記事に、sayur urab の別のレシピはありません。



























































































