バナナリーフを開いて、タマリンドで焼いたサワラにバジルと赤と緑の唐辛子を散らした東ティモールのイカン・サブコ
🔪下準備50分
🔥調理15分
🌍料理東ティモール料理

イカン・サブコの作り方|東ティモールのサワラのタマリンド焼き

約13分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 6

サワラにタマリンドの下味をつける

手順1: サワラにタマリンドの下味をつける

ボウルにタマリンドペースト大さじ2、カラマンシー果汁大さじ2、塩小さじ1/2、黒こしょう少々を入れて混ぜます。サワラの切り身の水気をキッチンペーパーでふき、ボウルに入れて両面にたれをまんべんなく塗ります。ラップをして冷蔵庫に入れ、30〜45分漬けます。たれが身になじみ、表面がうっすら茶色に色づけば十分です。

STEP 22 / 6

ブドゥを作る

手順2: ブドゥを作る

トマトは1cm角に切り、紫玉ねぎは薄切りにします。ミントの葉は粗く刻み、唐辛子は種を除いて細かく刻みます。ボウルにすべて入れ、ライム果汁大さじ1と塩小さじ1/4を加えて混ぜます。冷蔵庫で15分ほど置くと、トマトから汁が出て、玉ねぎの辛みがやわらぎ、味がまとまります。

STEP 33 / 6

バナナリーフをやわらかくする

手順3: バナナリーフをやわらかくする

解凍したバナナリーフを、ぬれ布巾で表と裏をふきます。ガスの火から10cmほど離して、葉の表面を1か所につき5秒ほどずつ、全体で1分ほどかけてさっとあぶります。葉の色が鮮やかな緑に変わり、しなやかに曲がるようになれば準備完了です。こうすると、包むときに葉が裂けません。25cm角に切りそろえておきます。

STEP 44 / 6

バナナリーフで包む

手順4: バナナリーフで包む

バナナリーフの中央にバジルを2〜3枚のせ、その上にサワラを皮を上にして置きます。ボウルに残ったたれを上から塗り、葉の手前と奥を折って重ね、左右を下に折り込んで長方形に包みます。4つ包むのに5分ほどかかります。ほどけそうなときは、つまようじで留めます。

STEP 55 / 6

グリルパンで焼く

手順5: グリルパンで焼く

グリルパンを中火で2分ほど熱し、包みを合わせ目を下にして並べます。中火のまま6分焼き、裏返してさらに5〜6分焼きます。葉に焼き色がついて、ところどころ茶色く焦げ、包みの中からぷつぷつと汁の煮える音がしてきます。1つ開いて、身のいちばん厚い部分に竹串を刺し、中まで白く不透明になり、身が簡単にほぐれれば焼き上がりです。

STEP 66 / 6

バジルと唐辛子を散らして仕上げる

手順6: バジルと唐辛子を散らして仕上げる

包みを皿にのせ、はさみで葉の上側を切り開きます。身の表面がこんがりと茶色く色づき、湯気が立っているうちに、残りのバジルをちぎって散らし、赤と青の唐辛子を薄い輪切りにしてのせます。ここまで1〜2分ですませ、白いご飯とブドゥを添えて熱いうちに出します。

タマリンドのたれは、皮のついた面より身の面によくしみ込みます。漬け込みは45分までにしてください。長く漬けすぎると、酸で身の表面が白く締まり、焼き上がりがぱさつきやすくなります。

魚焼きグリルを使う場合は、包みを網にのせて中火で10〜12分焼きます。葉が焦げすぎるようなら、上にアルミホイルをかぶせてください。フライパンでも、ふたをして中火で同じように焼けます。

バナナリーフをあぶるときは、葉に火が移らないよう、火から離して手早く動かしてください。焼き上がった包みの中は熱い蒸気がこもっているので、葉を開くときは顔を近づけず、はさみやトングを使いましょう。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

イカン・サブコの材料のサワラの切り身、タマリンドペースト、カラマンシー果汁、バナナリーフ、バジル、唐辛子とブドゥの材料のトマト、紫玉ねぎ、ミント、ライム

8品目

魚と漬け込み

材料 分量 代替・備考
サワラの切り身 4切れ(1切れ80〜100g) サバ、ブリ、タラでも可
タマリンドペースト 大さじ2 ブロックの場合は30gをお湯でもどす
カラマンシー果汁 大さじ2 ライム果汁でも可
塩 小さじ1/2 —
黒こしょう 少々 —
バナナリーフ 25cm角を4枚 冷凍品は解凍する。アルミホイルでも可
バジル 10枚 —
赤唐辛子・青唐辛子 各1本 好みで
6品目

ブドゥ(トマトとミントのソース)

材料 分量 代替・備考
トマト 1個(150g) ミニトマト10個でも可
紫玉ねぎ 1/4個 玉ねぎでも可
ミント 10枚 —
ライム果汁 大さじ1 レモン果汁でも可
赤唐辛子 1/2本 好みで
塩 小さじ1/4 —
注意

唐辛子を刻んだあとは、手で目や顔をこすらないでください。辛さに弱い人は、種とわたを取り除くと辛みがやわらぎます。魚にアレルギーのある人は、この料理を避けてください。


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Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

夕方、海沿いの食堂の炭火から、葉の焦げる香ばしい煙が上がります。網の上に並んでいるのは、バナナの葉で包んだ魚の切り身。葉を開くと、タマリンドの甘酸っぱい香りがふわりと立ち、焼けた魚の身の上にバジルと青と赤の唐辛子が散らされます。東南アジアの島国、東ティモール(ティモール・レステ)の魚料理イカン・サブコ(Ikan Sabuko)です。

島の海辺で、タマリンドの魚を焼く

東ティモールの海辺の食堂で、バナナリーフに包んだ魚を炭火の網で焼いている様子

東ティモールは、インドネシアのすぐ東、ティモール島の東半分を占める国です。首都ディリは海に面した町で、東ティモール政府観光局は、その日にとれた魚介を焼いて冷たい飲み物と出す海を望む食堂や、にぎやかな道ばたの屋台を、この町の食の楽しみとして紹介しています。観光局が伝統料理の一つに挙げているのが、タマリンドとバジルで焼く魚、イカン・サブコです。「イカン」はインドネシア語やマレー語で魚のこと。サバの仲間のサワラ(英語でスパニッシュ・マッケレル)をタマリンドに漬け、バジルと唐辛子を合わせて焼くのが基本の形です。

東ティモールの食は、長くポルトガルの植民地だった歴史と、隣のインドネシアをはじめとする周辺の国々の影響を受けています。イカン・サブコを紹介する料理ブログ「Am Carmen's Kitchen」は、サバ類がポルトガルの料理でもおなじみの魚であることにふれ、この料理にポルトガルの風味の名残を見ています。タマリンドの酸味、唐辛子の辛さ、バジルの香りという組み合わせは、東南アジアの島らしい味です。

豆知識

オーストラリアの食メディアSBS Foodで、東ティモールのシェフ、セザール・ガイオさんは、この国では薪で料理することが暮らしそのものだと語っています。記事では、バナナの葉で包んだ魚の切り身を網で焼く「イカン・サボコ」が、ヤシの葉で編んだ袋で炊くご飯「カトゥパ」と一緒に出されることが多いと紹介されています。綴りは「サブコ」と「サボコ」の両方が使われます。

焼いた魚に添えるのが、ブドゥ(budu)と呼ばれるソースです。トマト、ミント、ライム、紫玉ねぎを合わせた生のソースで、焼き魚のこってりした脂をさっぱりと受け止めます。同じSBSの記事では、塩、ライム果汁、にんにく、唐辛子で作る「ブドゥ・アイ・マナス」という辛い漬け物も、焼き物の皿に欠かせないものとして紹介されています。東ティモールの人は唐辛子なしでは生きられない、とガイオさんは笑います。


日本の台所で作るときに知っておきたいこと

日本で手に入るサワラの切り身、タマリンドペースト、カラマンシー果汁、冷凍のバナナリーフ、バジル、赤と緑の唐辛子

うれしいことに、イカン・サブコの主役の魚は日本でも手に入ります。東ティモールで使うサワラの仲間は、日本のスーパーにも並ぶサワラの切り身で代用できます。Am Carmen's Kitchenのレシピも、地元の市場で手に入る魚を使えばよいとしているので、サバ、ブリ、タラの切り身でもかまいません。この記事では、このレシピの漬け込みと焼き方を基本に、日本の台所で手に入りやすいバナナリーフで包んで焼く形にしています。

タマリンドは、マメ科の木になるさやの中の果肉で、梅干しに似た甘酸っぱさがあります。アジア食材店や通販で、そのまま使えるペーストと、種と筋ごと固めたブロックが売られています。手軽なのはペーストです。ブロックを使う場合は、お湯でもどして種と筋をこして使います。

コツ

カラマンシーはフィリピンなどで使う小さな柑橘で、果汁が瓶入りで売られています。手に入らなければ、ライム果汁、すだち、かぼすの果汁でも、さわやかな酸味がよく合います。

バナナリーフは、アジア食材店や通販で冷凍のものが手に入ります。葉で包むと魚が蒸し焼きになり、しっとり焼き上がるうえ、葉の焦げる香りが移ります。手に入らないときは、アルミホイルで包んで焼いてもかまいません。Am Carmen's Kitchenのレシピでは、アルミホイルとターメリックの葉で包んで焼いています。


甘酸っぱい魚と、さっぱりしたブドゥ

白いご飯、バナナリーフにのったイカン・サブコ、赤いブドゥを並べた一皿
白いご飯とブドゥを添えて

焼き上がったイカン・サブコは、タマリンドの酸味が魚の脂を引き締め、甘酸っぱくて香ばしい味になっています。そこにトマトとミントのブドゥをのせると、口の中がさっぱりして、次のひと口が進みます。辛いのが好きなら、唐辛子を多めにのせてください。

ご飯と一緒に食べるのが基本です。東ティモールには、トウモロコシ、豆、かぼちゃを煮た「バタール・ダアン」という素朴な料理もあり、観光局はこれも伝統料理の一つに挙げています。日本でなら、かぼちゃの煮物を添えると、島の食卓に近い組み合わせになります。同じように魚を焼く東南アジアの料理なら、マレーシアのイカン・バカールや、バリ島のサテ・リリットと食べ比べるのも楽しいものです。

豆知識

ブドゥという名前は、マレー半島では発酵させた魚醤を指すこともあります。Am Carmen's Kitchenでは、カタクチイワシの発酵ソースにカラマンシー果汁と唐辛子、紫玉ねぎを合わせたものをブドゥとして紹介しています。東ティモールのブドゥは、トマトとミントで作る生のソースとして紹介されることが多いので、この記事ではそちらを作っています。

アレンジの楽しみ方

バナナリーフを使わずに、アルミホイルで包んで焼いたサバのイカン・サブコ

サワラのかわりに、脂ののったサバの切り身で作ると、タマリンドの酸味が脂とよく合い、こってりした味わいになります。アルミホイルで包んで魚焼きグリルで焼けば、バナナリーフがなくても手軽に作れます。ホイルの内側にバジルを敷くと、香りがよく移ります。

たれにすりおろしたにんにく1片分を加えると、香りの強い仕上がりになります。炭火でバーベキューをするときは、包みを網にのせて、ときどき返しながら焼いてください。葉が真っ黒に焦げても、中の魚は蒸し焼きになっています。

よくある質問

焼いたイカン・サブコの身をほぐして保存容器に入れ、冷蔵する様子

タマリンドペーストの代わりになるものはありますか?

梅干しを裏ごしした梅肉大さじ1に、砂糖小さじ1を合わせると、甘酸っぱさの方向が近くなります。ただし梅肉は塩分が強いので、塩は入れずに作ってください。黒酢大さじ1と砂糖小さじ1でも、酸味と甘みのある下味になります。

骨付きの魚でも作れますか?

作れます。小ぶりの魚を丸ごと使う場合は、身の厚い部分に2〜3本切り込みを入れてたれをしみ込ませ、焼き時間を片面8分ほどに延ばして、骨のまわりまで火が通ったことを確かめてください。

作り置きはできますか?

焼いた魚は、粗熱が取れたら保存容器に入れて冷蔵し、翌日までに食べきってください。ブドゥはトマトから水分が出るので、作った当日に食べるのがおすすめです。温め直すときは、電子レンジで加熱しすぎると身がかたくなるので、短めにしてください。

主な参考リンク

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