ボット・チエン:蒸した米粉ケーキを、卵でまとめて黄金色に焼く
各ピースの外側はこんがり黄金色、中はやわらかく弾力があること。卵は生の部分が残らないまで火を通すこと。そして甘酸っぱい醤油だれを別添えにすること。
サイゴンの路地の午後。熱した鉄板で小さな米粉ケーキがじゅうじゅうと音を立て、溶き卵が流し込まれ、客は低い腰掛けに座って皿を待ちます。VnExpressが伝える屋台の店主Kim Ngọcさんは、1974年から同じ路地でボット・チエンを売り続けていて、午後のおやつ時には客が集まるそうです。
バイン・ボット・チエン、略してボット・チエンは「粉を揚げたもの」に見えますが、ケーキは二度火を通します。まず米粉の生地を加熱し、蒸して固い塊にします。冷ましてから切って焼くのはそのあとです。Báo Thanh Niênはその仕上がりを、外は香ばしくカリッと、中はやわらかくもちもちで、卵と酢入りの醤油だれで食べると伝えています。ホーチミン市(旧サイゴン)の屋台料理で、名前が似ていてもバイン・ボット・ロックとは別の料理です。
ここで紹介するのは、ホーチミン市で育ったMai(MM Bon Appétit)が、放課後の屋台のおやつとして思い出すバイン・ボット・チエンの家庭版です。米粉に少量のタピオカでんぷんを合わせ、切ったケーキに醤油で下味をつけ、卵、生の大根(または青パパイヤ)、にんじん、青ねぎ、黒酢のたれを合わせます。
公開されている元のレシピを、2人分のまま再現しています。この記事のための試作はしていません。蒸したケーキが何個に切れるかは元のレシピに書かれていないため、個数は示しません。
道具
- ボウルと泡立て器
- 小鍋
- 鍋底と側面をこそげられる丈夫なへら
- 蒸し器に入る浅い耐熱の型または皿
- 刷毛
- ふた付きの蒸し器
- まな板と包丁
- フライパンまたは平らな鉄板、返すためのへら
- たれと薬味用の小さなボウル
選び方と代用
- 米粉:ふつうの、もち米ではない米粉を使います。もち米粉(餅粉)は別の製品で、このケーキには使いません。
- タピオカでんぷん:タピオカでんぷん(bột năng)を使います。ほかのでんぷんを同じものとは扱いません。
- 黒酢:たれには黒酢が向いています。手に入らなければ米酢で代用できますが、風味は変わります。
- 大根か青パパイヤ:どちらかを使います。日本では大根のほうが手に入りやすいでしょう。ただし味も食感も青パパイヤと同じではありません。どちらか一方だけを使います。
- 醤油:塩気は製品によって違うので、出す前にたれの味を見てください。
- アレルゲン:卵と大豆(醤油)を含みます。醤油には小麦を含むものがあるため、グルテンフリーとは考えないでください。醤油、米粉、タピオカでんぷんのラベルを、同じ工場で作られている旨の表示も含めて確かめてください。
うまくいかないとき
| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 小鍋の生地が底にくっつく、焦げる | 火が強い、または混ぜ続けていない | 中弱火を保ち、鍋底と側面をこそげながら休まず混ぜる。焦げた層は混ぜ込まない |
| 蒸したケーキを切ると崩れる | 熱いうちに切った | 乾燥しないようおおいをして、手で触れる程度に冷めてから切る |
| 外側が硬くなる | 焼きすぎ、または一度にたくさん焼いた | 一人分ずつ焼き、両面がきつね色になったら止める。目安は4〜5分 |
| 卵が生っぽい | 加熱が足りない | 中弱火のまま、生の卵が残らなくなるまで火を通してから盛る |
| たれが塩辛い、または酸っぱすぎる | 醤油や酢の製品による違い | 味を見て調整する。黒酢の代わりに米酢を使うと風味が変わる |
元のレシピには蒸し器がない場合の代わりの方法が書かれていないので、ここでも示しません。
アレンジ
- 青パパイヤで作る:大根の代わりに青パパイヤも元のレシピに載っています。味と食感は変わります。
- 米酢で作る:黒酢が手に入らないときの代用として、元のレシピが認めています。風味は変わります。
- チリを添える:食卓でチリソースかチリオイルを加えます。
- 市販の米粉ケーキを使う:元のレシピには、アジア食材店でボット・チエン用の既製品のブロックが見つかれば、ケーキ作りを省いてもよいとあります。ただしそのブロックとこの自家製の分量との対応は元のレシピからはっきりしないため、卵や下味の分量の換算は示しません。上の分量は、自家製のケーキを使う場合のものです。
- 屋台の工夫:VnExpressとThanh Niênが伝えるサイゴンの屋台では、揚げ豚脂や漬物を加えることがあります。この家庭版には含まれず、分量も示しません。
潮州にゆかりのある軽食が、サイゴンで根づくまで
VnExpressは、ボット・チエンを潮州(チャオチョウ)系の華人にゆかりのある料理として紹介していますが、サイゴンにいつ伝わったかははっきりしないとも書いています。
VnExpressはボット・チエンを潮州(チャオチョウ)系の料理として紹介しつつ、サイゴンに入った時期は明確でないとしています。Báo Thanh Niênは、華人系(Hoa)の屋台料理で、ホーチミン市の日々の食事の一部になっていると伝えています。ベトナムのほかの料理はベトナムのページからどうぞ。
味付けは屋台ごとに違います。VnExpressの記事では、潮州式の食べ方は少量の酢を加えた醤油で、細切りの青パパイヤやにんじんの漬物は添えません。一方サイゴンの屋台は、卵、青ねぎ、揚げ豚脂、甘みのある濃い醤油だれ、チリ、漬物を添えると書かれています。Thanh Niênは卵と酢入りの醤油だれを挙げ、店によって大根の漬物やほかの漬物、揚げ豚脂を加えるとしています。これらは特定の屋台の例であって、市全体の決まりではありません。この家庭版はその範囲のなかにあり、黒酢の醤油だれ、生の大根とにんじん、青ねぎで仕上げます。
よくある質問
ボット・チエンとは何ですか?
米粉の生地を加熱して固い塊に蒸し、小さく切って黄金色に焼き、卵で仕上げるサイゴンの屋台軽食です。ふつうは醤油ベースのたれと野菜を添えます。
バイン・ボット・ロックと同じですか?
いいえ。名前は似ていますが、別の料理です。ボット・チエンは、蒸した米粉のケーキを切って、卵と一緒に焼きます。
もち米粉は使えますか?
このレシピはもち米ではない米粉を使います。もち米粉は別の製品で、ここでは代わりになりません。
グルテンフリーですか?
そう考えないでください。米粉とタピオカでんぷんが土台ですが、醤油には小麦を含むものがあります。使うすべての製品のラベルを確かめてください。
作り置きできますか?
元のレシピには保存や温め直しの説明がないので、ここでも案内しません。一人分ずつ焼いてすぐ食べるレシピです。















