バナナの葉をほどく前の、塔形に包まれたベトナム中部のバイン・イット・ラーガイ
🌍ジャンルベトナム料理

バイン・イット・ラーガイの作り方|ビンディン名物、バナナの葉で包む黒いもち米の蒸し菓子

世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方

STEP 11 / 8

ラーガイを選んで洗う

手順1: ラーガイを選んで洗う

若すぎも老いすぎもしない大きめの葉を選びます。よく洗ってから、かたい茎と太い中央の葉脈を取り除きます。

STEP 22 / 8

葉をゆでてペーストにする

手順2: 葉をゆでてペーストにする

下ごしらえした葉を水で10〜15分、やわらかくなるまでゆで、ざるで水を切ります。

水を切った葉を細かく刻み、ブレンダーでなめらかで濃いペーストにします。

STEP 33 / 8

生地をこねて休ませる

手順3: 生地をこねて休ませる

大きなボウルに、もち米粉500g、生地用の砂糖150g、葉のペーストを入れます。均一になめらかな生地になり、手に付かなくなるまでこねます。そのまま約30分休ませます。

STEP 44 / 8

緑豆を浸水してゆでる

手順4: 緑豆を浸水してゆでる

皮むき割り緑豆200gを洗い、水に約4時間浸します。水を切り、指で豆を軽くつぶせるほど完全にやわらかくなるまで加熱します。

STEP 55 / 8

餡を作る

手順5: 餡を作る

火を通した豆と、餡用の砂糖150gをなめらかになるまでブレンダーにかけます。乾きすぎて回らないときは、水を少しずつ加えます。鍋に移し、弱火でかき混ぜながら水分を飛ばします。鍋底に水っぽい筋が残らず、ひとまとまりになれば火を止めて冷まします。冷めたら、成熟ココナッツの果肉の細切り200gを混ぜ込みます。

餡が冷めたら、生地と餡を同じ数のそれぞれ等分にし、餡は丸めておきます。

STEP 66 / 8

皮で餡を包む

手順6: 皮で餡を包む

生地の一つを手のひらで、厚みが均一になるよう丸く広げます。中央に丸めた餡を置き、縁を寄せて上げ、餡が見えないようにとじ目をしっかり押さえて閉じ、そっと丸めます。

STEP 77 / 8

バナナの葉をやわらかくして塔形に包む

手順7: バナナの葉をやわらかくして塔形に包む

バナナの葉を洗い、火にさっと通すか温めて、やわらかくしなやかになったら正方形に切ります。それぞれの葉の内側だけに油を薄く塗ります。餡入りの菓子を1個ずつ葉で包み、円錐、または先細りのピラミッド形に折ります。

STEP 88 / 8

蒸す

手順8: 蒸す

蒸し器の下の湯を沸かして蒸気が上がったら、包んだ菓子を蒸し台に並べ、ふたをします。約30分蒸します。蒸し器の湯が切れないようにしてください。葉がやわらかくなり、包み全体が中まで熱くなって、生地がまとまった皮になれば蒸し上がりです。熱い葉を開くときは、蒸気を浴びないよう顔から離して慎重に開けます。

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Ingredients

材料

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

9品目

材料

ラーガイ、もち米粉、砂糖、皮むき割り緑豆、成熟ココナッツの果肉、バナナの葉、塗り用の油
1回分の材料。生地用の葉と粉、餡用の緑豆とココナッツ、包み用のバナナの葉とわずかな油

これは1回分です。砂糖は生地と餡に分けて使うので、最初から別々のボウルに分けておいてください。

材料 分量 代替・備考
生のラーガイ(lá gai tươi) 500 g 生地用。黒に近い色と葉の香りのもと
もち米粉(bột nếp) 500 g 生地用。もちもちと伸びる生地の本体
グラニュー糖(đường cát)生地用 150 g 生地用。甘み
グラニュー糖(đường cát)餡用 150 g 餡用。甘み
皮むき割り緑豆(đậu xanh cà vỏ) 200 g 餡用。なめらかな土台
成熟ココナッツの果肉の細切り(dừa khô nạo sợi nhỏ) 200 g 餡用。食感とこく。冷めてから混ぜる
バナナの葉(lá chuối) 適量 包み用。やわらかくして正方形に切る
サラダ油などの無香の油(dầu ăn) 少々 葉の内側に薄く塗る分だけ
水 適量 葉の洗浄とゆで、豆の浸水と加熱、豆のペーストが乾きすぎるときののばし用
アレルギーとラベル

市販のココナッツ、もち米粉、緑豆は、ラベルでアレルゲンや共用設備の表示を確認してください。

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手に入りにくい材料の買い方

買い出しガイド

葉をほどくと現れる、ビンディンの黒くつやのある小さな菓子

このお菓子が守るもの

ラーガイともち米で黒く、もちもちとした皮。緑豆とココナッツの甘い餡。そして、小さな塔のような先細りの形に折ったバナナの葉の包み。

バナナの葉をそっとめくると、中の菓子はほとんど黒に近く、やわらかなつやをまとっています。よく伸びるもち米の皮をかみ切ると、緑豆と細切りココナッツの餡が現れます。ベトナム中部のビンディン(Bình Định)では、この小さな甘いお菓子が食事の締めに出されます。ベトナムの文化を紹介する記事には、熱いお茶と一緒に楽しむと書かれています。

bánh ít という名前が指すお菓子は一種類ではありません。たとえばバイン・イット・チャン(bánh ít trần)は、葉で包まずにむき出しのまま蒸す菓子で、えびと豚肉の塩味の餡を入れることもあります。この記事で扱うのは、そのうちのひとつ、バイン・イット・ラーガイ(bánh ít lá gai)です。生地にラーガイ(ramie の葉)を混ぜて色と香りをつけ、緑豆とココナッツの甘い餡を入れ、バナナの葉で包んで蒸します。塩味の餡や、葉で包まずに蒸すタイプはここでは混ぜません。

レシピは、ホーチミン市の経済・観光系の専門学校 CET が公開している、ひとつの版に沿っています。そのページは製菓の講師の名前を挙げ、材料の分量と手順をまとめて載せています。ただし何個できるかは書かれていないため、この記事でも収量・個数・何人分かは示しません。このレシピは、まだ台所での試作をしていません。とくに、ゆでた葉が生地に持ち込む水分の量、1個あたりの重さ、最終的にできる個数は未確認です。

CET のページとは、小さく違う点が2つあります。手順には「少しの」しょうがと一緒に葉をゆでるとありますが、材料表にしょうがの分量がないため、ここでは代わりも立てずに省いています。また油は、バナナの葉の内側に薄く塗るためだけに使い、生地には入れません。

同じ国のほかの料理は、ベトナムのページからどうぞ。


選び方と代用

ラーガイ(ramie の葉)はこのお菓子の核心で、ベトナムの外ではいちばん探しにくい材料です。ベトナムや東南アジアの食材店で「lá gai」と聞いてみてください。乾燥した粉末のラーガイもありますが、生葉500gを粉末に置き換える比率は確認できていませんので、重さをそろえて入れ替えることはできません。粉末を試すなら、この種の菓子に向けたメーカー自身の使い方が必要です。ヨモギなど色の似た葉で同じ仕上がりになるわけではありません。正体のわからない野草は絶対に使わないでください。

もち米粉は、まず「もち米粉(bột nếp)」と表示された粉を探します。日本のもち粉や白玉粉など、ほかのもち米系の粉は粒の細かさや吸水の度合いが違い、このレシピで同じように働くとは言えません。

緑豆は、皮をむいて割った緑豆(ムングダールとして売られることもあります)を使います。緑色の皮が付いた丸ごとの緑豆は状態が違い、作り方が変わってしまいます。

ココナッツは、成熟したココナッツの果肉を細く切ったものを使います。包装されたドライやデシケーテッドココナッツは水分量が違い、同じように使えるかは確認できていません。加糖のココナッツ製品は甘さも変わります。買う前にラベルを読んでください。

砂糖の150g+150gという分け方も配合の一部です。減らすと皮も餡も質感が変わり、別のレシピとして試し直す必要が出てきます。

バナナの葉は、アジア食材店の生または冷凍のものが包みに使えます。葉が破れたときにクッキングシートで形を保つことはできますが、葉の香りと見た目が失われるので、同等ではなく代案と考えてください。

道具

  • 大きな鍋とざる(葉をゆでて水を切る)
  • 包丁とまな板
  • ブレンダーまたはフードプロセッサー
  • 生地をこねる大きなボウル
  • 餡を弱火で乾かすための鍋やフライパン
  • 蒸し器(または蒸し台とふた付きの鍋)
  • 葉に油を塗る小さなはけ

失敗したときの対処:生地・餡・蒸し

このレシピでいちばん確かめられていないのは水分です。ゆでた葉のペーストが生地にどれだけ水を持ち込むかは分かっておらず、まだ台所で試作していないため、実測にもとづく直し方は示せません。

問題 考えられる原因 対処
生地がべたついて成形できない 葉のペーストに含まれる水分が、粉の吸える量より多い 粉を足して様子を見る、という当て推量はしないでください。水を切った葉とペーストの重さを記録しておくと、このレシピを確定させる手がかりになります。成形できないときは、このレシピをつぎはぎするより、材料と手順がすべて明示された別のレシピを選ぶほうが確実です
包むときに生地が割れる こね足りない、または厚みが不均一 なめらかで均一になるまでこね、丸く広げた生地の厚みを全体で同じにそろえる
餡がべたついてだれる 鍋での乾かし方が足りない 弱火に戻してかき混ぜ、冷ましたときに形を保つまで乾かす。ココナッツを混ぜるのは冷ましてから
餡が皮を突き破る 皮の一部が薄い、またはとじ目が閉じていない 丸く広げた生地の厚みを均一に保ち、丸める前にとじ目を強く押さえる
折るときに葉が破れる 葉のやわらかさが足りない 割れずに曲がるようになるまで、もう一度温める
葉が菓子にくっつく 葉に油を塗っていない 包む前に、葉の内側へ油を薄く塗る

蒸し時間の約30分は目安として示された時間で、中心温度は示されていません。葉の色だけでは火が通った証拠になりません。包み全体が中まで熱く、皮がまとまっていることを確かめてください。

保存

できれば蒸したてを食べてください。すぐに食べない分は手早く冷まして冷蔵庫に入れ、早めに食べきります。見た目・におい・手ざわりに違和感があるとき、少しでも不安があるときは、捨ててください。

冷蔵で10日もつという案内もありますが、包み方や温度の条件が示されていないため、ここでは採用しません。保存期間や再加熱の時間は確認できていないので、書きません。

地域や作り方による違い

蒸してから包む方法。SCOV の文化記事は、場所によっては葉で包まずに蒸し、あとから包んでバナナの葉の緑を保つと書いています。ビンディン省の地方紙は、トゥイフオック(Tuy Phước)にあるバー・ズー(Bà Dư)の作業場がこの方法で作っていると伝えています。葉をゆでて砂糖と粉と一緒につき、生地を約30分蒸して冷まし、切って、ココナッツを混ぜた緑豆の餡を入れ、火であぶってやわらかくしたバナナの葉で包む、という流れです。餡を入れる前に生地へ火を通すため、上のレシピに差し替えられる手順ではなく、別の作り方です。

ブレンダーではなく、つく方法。昔ながらの説明では、ゆでたラーガイをつき、もち米と砂糖も一緒につき合わせると書かれています。このレシピでは葉はブレンダー、生地はこねて作ります。

バイン・イット・チャンなど、ほかのバイン・イット。同じ名前でも、ラーガイを使わないものがあり、むき出しで蒸すものや塩味のものもあります。それらの餡や作り方を、この甘い葉包みのタイプと混ぜないでください。

バイン・ガイ。北部には、名前の似たバイン・ガイ(bánh gai)という菓子もあります。この記事では両者の細かい比較はしません。

甘さの調整。砂糖の150g+150gを変えると、皮と餡の両方の質感が変わります。減らすときは小さな調整ではなく、新しいレシピとして試してください。

ビンディンのバイン・イット・ラーガイ:お茶、祝い事、そして塔

バナナの葉の上でほどいたバイン・イット・ラーガイと、熱いお茶の入った茶碗
食後に熱いお茶と。ソースも飾りも添えない

バイン・イット・ラーガイは、ビンディンの名物として語られています。CET は、旧正月(テト)などのお祝い、結婚式、法事、そして宴席のあとの甘いものとして出されると記しています。SCOV の記事は、熱いお茶と一緒に食べるデザートだと述べています。甘い菓子で、つけだれなどはなく、そのまま食べます。

ビンディンの地方紙が引くよく知られた民謡は、おおよそこんな内容です。「バイン・イット・ラーガイが食べたければ、ビンディンの人のもとへ嫁ぐこと。道のりが長いのが怖いけれど」。この歌は、菓子とふるさとの省を強く結びつけています。

塔のような形にも、土地の意味づけがあります。SCOV の記事は、ピラミッド形の包みを、トゥイフオックに集まるチャム族の塔群に結びつけています。これは地域の象徴であり、人々がこの菓子を語るときの言い方であって、形の由来が証明されたわけではありません。同じ記事は名前についても一つの話を紹介しています。義母に持ち帰るため、菓子をほんの少しだけ買った女性の話です。これは伝説として語られているもので、名前の由来が確定したものではありません。

トゥイフオックを取材したビンディンの地方紙の記事は、この菓子が土地の手仕事でもあることも伝えています。技が受け継がれ、作る人たちのチームで工程を分け合っています。

よくある質問

バイン・イット・ラーガイとバイン・イット・チャンは同じものですか?

違います。bánh ít は広い名前です。バイン・イット・チャンはむき出しのまま蒸し、えびと豚肉の塩味の餡を入れることがあります。バイン・イット・ラーガイは、ラーガイで黒く染めた皮に、緑豆とココナッツの甘い餡を入れ、バナナの葉で包みます。この記事で扱うのはラーガイのタイプだけです。

ラーガイの代わりに何が使えますか?

同等の代用品は確認できていません。乾燥したラーガイの粉末は売られていますが、生葉500gの代わりに使う比率は確認できていないため、メーカー自身の使い方が必要です。ヨモギなどほかの葉では、同じ色や香りにはなりません。

何個できますか?

CET のレシピは収量を示しておらず、このレシピもまだ試作していないため、個数は示しません。生地と餡は、好きな大きさで同じ数に等分してください。

なぜしょうがを入れないのですか?

CET の手順には、少しのしょうがと一緒に葉をゆでるとありますが、材料表に分量がありません。確かな分量がないため、この版ではしょうがを完全に省いています。

包む前に蒸すこともありますか?

あります。SCOV の記事は、むき出しで蒸してから包み、葉の緑を保つ地域があると述べています。ビンディンの地方紙は、トゥイフオックの作業場が先に生地を蒸すと伝えています。このレシピは、包んでから蒸します。2つの方法は混ぜないでください。

何と一緒に食べますか?

熱いお茶です。ソースなしで、食事のあとの甘いものとして食べます。

主な参考リンク

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