炭火で焼いたボー・ヌーン・ラー・ロットを主役にした一皿
🌍ジャンルベトナム料理

ボー・ヌーン・ラー・ロットの作り方|牛肉をラー・ロットの葉で巻いて焼くベトナム料理

世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方

STEP 11 / 9

牛肉を用意し、脂身は取り分けておく

手順1: 牛肉を用意し、脂身は取り分けておく

牛肉600 gを細かく刻むか挽きます。豚の背脂150 gは、まだ塊のままにしておきます。脂身は先に湯通しするので、この段階では刻みません(手順4)。

STEP 22 / 9

葉を洗い、水気を取って選り分ける

手順2: 葉を洗い、水気を取って選り分ける

lá lốtを洗い、水気をよく取ります。大きくて熟し具合が中程度の、大きさのそろった破れていない葉を、巻き用に取り分けます。破れた葉や若い葉は別にして、具に刻み入れる分とします。

STEP 33 / 9

香味野菜と葉の切れ端を刻む

手順3: 香味野菜と葉の切れ端を刻む

レモングラス、にんにく、干しエシャロット、種を除いた唐辛子を細かく刻みます。破れた葉と若い葉も細かく刻みます。

STEP 44 / 9

脂身を湯通しして洗い、それから刻む

手順4: 脂身を湯通しして洗い、それから刻む

小鍋に水と豚の脂身の塊を入れ、白い米酒と干しエシャロットを少々加えます。さっと湯通しします。湯を捨てて脂身を洗い、そのあと細かく刻みます。

STEP 55 / 9

具を混ぜ、冷蔵庫で休ませる

手順5: 具を混ぜ、冷蔵庫で休ませる

ボウルに牛肉、刻んだ脂身、刻んだ葉、香味野菜を入れます。しょうゆ大さじ1、オイスターソース大さじ1、砂糖小さじ1、調味顆粒小さじ1、黒こしょう小さじ1、油大さじ1、砕いたローストピーナッツ大さじ1を加えます。五香粉を使うなら小さじ1/2を足します。よく混ぜます。

ボウルにふたかラップをして、冷蔵庫で約30分休ませます。次の作業に移る前に、手と生肉に使った道具を洗ってください。

STEP 66 / 9

葉で巻いて串に刺す

手順6: 葉で巻いて串に刺す

巻き用の葉を手のひらかまな板に置き、左右の端を内側に折ります。つやのない裏側を上にして、具をスプーン1杯ぶんのせます。光沢のある面が外側に出るように巻きます。竹串1本に、巻きを数個ずつ刺して留めます。

巻きの太さはそろえてください。太い巻きは、中心まで火が通るのに時間がかかります。

STEP 77 / 9

屋外で炭火焼きにする

手順7: 屋外で炭火焼きにする

炭火のグリルは、屋外の開けた場所に置きます。串を返しながら、両面を焼きます。葉が乾かないよう、焼きながら少量の油を軽く刷毛で塗ります。

網から下ろす前に、いちばん太い巻きの中心に温度計を差して確かめます。中心が75°Cになり、その状態で1分以上保たれるまで焼き続けてください。

STEP 88 / 9

青ねぎ油とピーナッツで仕上げ、食卓を整える

手順8: 青ねぎ油とピーナッツで仕上げ、食卓を整える

焼けた巻きを、清潔な皿に清潔な道具で移します。青ねぎ油を刷毛で塗り、砕いたローストピーナッツをさらに散らします。ライスペーパー、ゆでた米麺、生野菜、そしてmắm nêmかnước mắm chua ngọtのどちらか1種類のつけだれを添えて出します。

食卓では、ライスペーパーの上に巻きを1本のせ、青菜と米麺を添えて包み、たれにつけて食べます。

STEP 99 / 9

1本を切って中を見る

手順9: 1本を切って中を見る

巻きを1本、真ん中で切り、中の牛肉に火が通っているかを確かめます。葉が茶色くなったり焦げたりしていても、中心が焼けた証拠にはなりません。温度計で測り忘れた巻きがあれば、食べる前に確かめてください。

0 / 0
Ingredients

材料

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

25品目

材料

牛ひき肉、豚の背脂、lá lốtの葉、香味野菜と調味料を並べたところ
牛肉、豚の脂身、丸ごとの葉とちぎれた葉、香味野菜、計量した調味料、食卓に出す出来合いの薬味
材料 分量 代替・備考
牛ひき肉(thịt bò xay) 600 g 具の主役。ヒレ(thịt bò thăn)のようなやわらかい牛肉を細かく刻むか挽く
豚の背脂(mỡ thăn) 150 g 具をしっとりさせる。湯通しして洗ってからみじん切りにする
lá lốtの葉(Piper sarmentosum / Piper lolot) 適量 巻き用は大きめで熟し具合が中程度の葉。破れた葉や若い葉は具に刻み入れる
レモングラス(sả) 適量 具用。細かく刻む
にんにく(tỏi) 適量 具用。細かく刻む
干しエシャロット(hành khô) 適量 具用。細かく刻む
唐辛子(ớt) 適量 種を除いて細かく刻む。具用
しょうゆ(nước tương / xì dầu) 大さじ1 具の味つけ
オイスターソース(dầu hào) 大さじ1 具の味つけ
砂糖(đường) 小さじ1 具の味つけ
調味顆粒(hạt nêm) 小さじ1 具の味つけ
黒こしょう(挽いたもの、hạt tiêu xay) 小さじ1 具の味つけ
食用油(dầu ăn) 大さじ1 具に混ぜる
ローストピーナッツ(lạc / đậu phộng rang)砕いたもの 大さじ1 具に混ぜる
五香粉(ngũ vị hương) 小さじ1/2 任意。具に入れる
水 適量 脂身を湯通しする
白い米酒(rượu trắng) 少々 脂身を湯通しする湯に加える
干しエシャロット(hành khô) 少々 脂身を湯通しする湯に加える
食用油 少々 焼きながら巻きに塗る
青ねぎ油(mỡ hành)出来合いのもの 適量 焼き上がった巻きに塗る
ローストピーナッツ、砕いたもの 適量 仕上げに散らす
mắm nêm または nước mắm chua ngọt(出来合いのもの) 適量 つけだれはどちらか1種類。混ぜない
ライスペーパー(bánh tráng) 適量 食卓で包む
ゆでた米麺(bún) 適量 添える
生野菜(rau sống) 適量 添える
0 / 0

手に入りにくい材料の買い方

買い出しガイド

ボー・ヌーン・ラー・ロット:炭火の煙と、温まった緑の葉と、味つけした牛肉

この巻きが守るもの

味つけした牛ひき肉の具、光沢のある面を外に向けて巻いたlá lốtの葉、そして葉を香ばしくする炭火の熱。中の牛肉には必ず中心まで火を通します。葉が焦げているだけでは、中まで焼けたかどうかは分かりません。

2015年、VTVはホーチミン市のストリートフードを取り上げた番組で、トンドゥックタン通りを訪ねました。そこでは、牛ひき肉をlá lốtの葉で巻いたものが炭火で焼かれていました。焼き上がった巻きは、食卓でさらにライスペーパーに青菜や米麺と一緒に包み、mắm nêm(発酵魚のたれ)につけて食べます。この放送が伝えるのは、ある年のある通りの情景です。すべての屋台や家庭に当てはまる決まりではありません。それでも、煙の香る緑の葉、味のついた牛肉の具、みんなで自分の分を巻く食卓という、この料理の魅力はよく伝わってきます。

ボー・ヌーン・ラー・ロット(bò nướng lá lốt)は、レモングラス、にんにく、エシャロットで味つけした牛ひき肉をlá lốtの葉で巻いて焼く料理です。bò lá lốtやbò cuốn lá lốtと書かれることもあり、料理や葉を探すときは、この3つの名前で検索すると見つけやすくなります。この記事では、VnExpressに掲載された南部(Nam Bộ)式のレシピを1つ選んで紹介します。この料理を誰がいつ最初に作ったのかは、今回使った資料では確定できないため、推測では書きません。

初めて作る人がほぼ必ず迷うのは3つです。「ベテルの葉」と呼ばれるのはどの葉なのか。巻くとき、葉はどちらを向けるのか。葉で包んだひき肉に、どうやって火が通ったと確かめるのか。以下の節で順に答えます。ほかのベトナム料理はベトナムのレシピからもご覧いただけます。

台所での試作は未実施

世界ごはん紀行では、このレシピを台所で試作していません。分量と手順は採用したレシピに沿っていて、そこに食品安全のための追加を一点だけ加えています(後述)。

葉の話:lá lốt は噛むベテルの葉ではない

英語ではlá lốtを大ざっぱに「betel leaf(ベテルの葉)」と呼ぶことがありますが、この呼び名が取り違えのもとになります。Ton Duc Thang University(トンドゥックタン大学)薬学部は、ベトナムのlá lốtをPiper sarmentosumと同定し、ベトナム薬局方で使われる同義名としてPiper lolotを記録しています。USDA(米国農務省)の索引に載る解剖学的研究も、Piper sarmentosum(同義名 P. lolot)とPiper betleを、見た目の似た別種として扱っています。アレカの実や消石灰と一緒に噛む「ベテル・クイド」に使われる葉は、WHO/IARCによればPiper betleの葉です。

つまり、この料理に使うのはlá lốt、すなわちPiper sarmentosum / Piper lolotです。「betel leaf」とだけ書かれた葉は、噛むクイド用のPiper betleかもしれず、それは別の植物です。買う前に種を確かめてください。また、今回使った資料では、同じ仕上がりになる代用の葉は確認できていません。

採用したレシピと、その違い

採用したのは、VnExpressの「Cách làm bò nướng lá lốt kiểu Nam Bộ」(執筆:Bùi Thủy)です。牛ひき肉600 gと豚の背脂(mỡ thăn)150 gが土台になっています。このページには、脂身が巻きの乾燥を防ぐという説明があります。牛肉はヒレ(thịt bò thăn)のようなやわらかい部位を選び、刻むか挽くよう勧めています。ほかの選択肢として網脂(mỡ chài)にも触れていますが、分量が書かれているのはmỡ thănだけなので、この記事ではmỡ thănを使います。

ページの中には、1か所だけ食い違いがあります。材料のまとめにはmắm(魚醤)とある一方で、分量つきの手順ではnước tương(xì dầu)=しょうゆ大さじ1を使います。この記事は分量のある手順に従い、具に使う調味料はしょうゆだけで、魚醤は足しません。

レシピページに分量の書かれていないものもいくつかあります。葉、香味野菜、脂身をゆでるときの米酒とエシャロット、塗る油、仕上げのピーナッツ、青ねぎ油、つけだれです。青ねぎ油(mỡ hành)や2種類のたれの作り方も、ページには載っていません。そのため、ここでは出来合いの薬味として扱い、配合は作りません。

ページには4〜5人分、55分(約30分のマリネを含む)とあります。巻きの数、1本の大きさ、焼き時間、グリルの温度は書かれていません。人数と時間は、実測した収量ではなく、ページ自身の表記として受け取ってください。

ページでは、具を約30分休ませます。この記事では、その休ませる時間を冷蔵庫の中で過ごします。さらに、中心温度75°Cで1分以上という確認を加えます。どちらも、ひき肉料理についての厚生労働省の案内に基づくものです。案内では、ひき肉の内部に病原体が入っていることがあると注意しています。これは家庭の台所向けに加えた食品安全の確認で、ベトナムのレシピにある時間や温度ではありません。焼き時間に換算することもできません。


道具

  • 生肉用の包丁とまな板。盛り付け用の道具と皿は別に用意する
  • 脂身を湯通しする小鍋
  • ボウルと計量スプーン
  • 竹串(xiên tre)
  • 炭火のグリル(屋外の開けた場所で使う)
  • 刷毛(油を塗る用)
  • 巻きの中心を確かめる調理用温度計

選び方と代用:まず葉を探す

lá lốtは、風味と包み、両方を決める唯一の材料です。ほかの買い物より先に探してください。探すときの名前はlá lốt、Piper sarmentosum、Piper lolotです。店で「betel leaf」とだけ表示された葉は、種を確認してください。Piper betleはこの葉ではありません。ぶどうの葉やほかの葉は、この料理の代わりになりません。lá lốtが手に入らないときは、同じ名前で味の違う巻きを作るより、見送るほうが誠実です。

買うときは、巻き用に大きさのそろった、破れていない大きな葉を選びます。破れた葉や若い葉も、具に刻み入れるので無駄になりません。

調味顆粒(hạt nêm)は、いつも使っている鶏、豚、牛のどれでもかまいません。日本のだしとは別物です。しょうゆは製品によって違うので、小麦や大豆などのアレルゲンも含め、使うものの表示を確認してください。オイスターソースや出来合いのたれも同じです。

生の牛肉と豚の脂身は、使う直前まで冷蔵庫に入れておきます。生肉に使ったまな板や道具は、盛り付けに使うものと分けて扱ってください。

焼くときのトラブル対処

困りごと 考えられる原因 対処
具がぱさつく 脂身を入れていない、または焼くときに油を塗っていない 背脂150 gを具に入れたままにする。焼きながら葉に油を軽く塗る
片面だけ白っぽく、もう片面が焦げる 返していない 串を返して、両面を炭火に向ける
葉は黒いが中心が温度に届いていない 巻きの太さに対して火が強すぎる 中心が75°Cで1分以上になるまで焼き続ける。次回は巻きをやや細く、均一にする
巻きが硬くてぱさぱさになる 焼きすぎ 途中で温度を確かめ、安全な温度に届いたら火から下ろす。そこに届く前に止めてはいけない
巻くときに葉が裂ける 破れた葉や若い葉を巻き用に使った その葉は具に使い、巻き用には大きく破れていない葉を取っておく
焼いている途中で葉がほどける 左右の端を折っていない、または1本の串に刺した巻きが少ない 巻く前に左右の端を内側に折り、1本の串に数個の巻きをまとめて留める

レシピの範囲でできるアレンジ

  • 炭火の代わりにオーブンやエアフライヤーを使う方法です。代替としてどちらも挙げられていますが、時間や設定は示されていません。使うなら、中心75°Cで1分以上という温度計での確認だけを頼りにしてください。炭火の煙の香りは失われます。
  • 五香粉は小さじ1/2の任意です。入れなければ、レモングラスと葉の香りが前に出ます。
  • つけだれは、mắm nêmかnước mắm chua ngọtのどちらかを出します。2つを混ぜず、1種類を選んでください。
  • 破れた葉や若い葉は具に入れます。そうすれば、lá lốtの香りが外側だけでなく、中にも広がります。
  • 卓上には、ライスペーパー、米麺、生野菜をすべて出しても、食卓の好みに合わせてどれかを中心にしてもかまいません。青菜は手元にあるものから選びます。

食卓にて:屋台の一品であり、牛肉づくしのコースの一皿でもある

2015年のVTVの番組は、ボー・クオン・ラー・ロットをホーチミン市のなじみ深いストリートフードとして紹介しています。牛ひき肉に脂身、レモングラス、にんにく、干しエシャロット、調味料、砂糖、五香粉を合わせ、炭火で焼き、ライスペーパーで青菜、米麺と一緒に包んでmắm nêmで食べる、という説明です。採用したVnExpressのレシピは、つけだれにmắm nêmとnước mắm chua ngọtの2種類を挙げているので、必ずこれと決まったたれがあるわけではありません。

この料理は、海を越えても食べられています。2014年のSouthern Foodways Allianceのインタビューで、テキサス州ヒューストンにあるSaigon Pagolacの店長Jacklyn Phamさんは、「betel leaf」で巻いた牛肉をbò lá lốtと紹介しました。店の人気料理であること、そして特別な機会の食事とされる牛肉七品のコース(bò bảy món)の一皿であることが語られています。これはベトナム系アメリカ人のレストラン1軒の話であり、ベトナムのすべての家庭の様子を表すものではありません。それでも、同じ巻きがホーチミン市の路上にも、お祝いの食卓にもあることは伝わってきます。

よくある質問

「ベテルの葉」として売られている葉なら、何でも使えますか?

確かめずには使えません。この料理に使うのはlá lốt、つまりPiper sarmentosum(同義名 Piper lolot)です。噛むクイドのベテルの葉はPiper betleで、別種です。これは、下の参考文献に挙げたTon Duc Thang University、USDA、WHO/IARCの資料に基づきます。同じ仕上がりになる代用の葉は、これらの資料では確認できていません。

具に魚醤は入りますか?

この版では入れません。VnExpressの材料のまとめにはmắmとありますが、分量のある手順ではしょうゆ(nước tương)大さじ1を使います。この記事は分量のある手順に従い、具には魚醤を加えません。食卓のたれ(mắm nêmかnước mắm chua ngọt)が、それぞれの風味を添えます。

何本できますか?

レシピページには4〜5人分とありますが、巻きの数や大きさは書かれていません。本数は葉の大きさや具の量で変わるため、ここでは数字を示しません。

オーブンやエアフライヤーでも焼けますか?

採用したレシピは両方に触れていますが、時間も温度も示していません。試すときは温度計を使い、いちばん太い巻きの中心が75°Cで1分以上になるまで加熱してください。

30分休ませるとき、なぜ冷蔵庫に入れるのですか?

レシピでは具を約30分休ませます。この記事では、肉を冷蔵で保管し、二次汚染を避けるという厚生労働省の案内に沿って、冷蔵庫の中で休ませます。ひき肉料理の中心温度を75°Cとする根拠も、同じ案内です。

残ったら、どのくらい日持ちしますか?

今回使った資料には、焼いた巻きの保存期間も、冷凍や再加熱の案内もありません。そのため、この記事では日数を示しません。

主な参考リンク

レシピ一覧に戻る