ブン・ダウ・マムトム:やわらかな麺とカリッとした豆腐、そして一皿を決めるたれ
生でやわらかいブン。外はカリッと、中はやわらかい豆腐。涼しげなハーブときゅうり。そして、別の器に入れた、泡立てた香りの強いえびペーストのたれ。主役はこのたれです。
ハノイのお昼どき、ブン・ダウの屋台には人だかりができます。ハノイの料理を紹介するMyHanoiの特集は、その情景を伝えています。揚げ豆腐を焼くフライパン、白い米麺(ブン)を入れたかご、束ねたハーブ、えびペースト(マムトム)の壺、そして低いプラスチックの椅子に座る客たち。豆腐は熱い油から黄金色で上がり、麺とハーブの横に盆で並べられ、みんなが同じ香りの強いたれにつけて食べます。
料理名は、この一皿の三つの部分をそのまま並べています。ブン(bún)は米のそうめん状の麺、đậu は豆腐、mắm tôm は発酵させたえびペーストです。スープはありません。麺料理ではなく盛り合わせで、全体をまとめるのはたれです。やわらかい生の麺と豆腐の中のやわらかさ、揚げた表面のカリッとした食感、生のハーブときゅうり、そしてすべての一口をつなぐ濃縮された発酵のたれ。この対比こそが要点です。
このレシピは、Bùi Thủy が VnExpress Cooking に載せたハノイ風の一皿に従っています。豆腐に、ゆでた豚すね肉と揚げたチャーコムを加える形で、4〜6人分とされています。安全のために一点だけ変えました。豚肉の火通りは、時間やゆで汁の色ではなく、厚生労働省の示す考え方に従って中心温度で判断します。
このレシピは、世界ごはん紀行編集部では調理検証をしていません。分量と手順の順序は上で紹介したレシピに基づき、豚肉の火通りの確認とえびペーストの扱いは、この記事で説明するとおりに調整しています。
同じ国のほかの料理は、ベトナムのページでも紹介しています。
屋台の盆から一皿の盛り合わせへ — ハノイのブン・ダウ
ブン・ダウ・マムトムは、ハノイと北部ベトナムに結びついた料理です。ハノイ食品安全情報ポータルの文化記事は、以前の素朴な形を紹介しています。生のブン・ラー(米麺を平たいシート状に押し固めて、四角く切り分けたもの)、揚げ豆腐、マムトムを、移動する行商人が売っていたという話です。同じ記事は、ハノイ以外から来た行商人がこの料理をベトナムのほかの地域へ運んだことや、昔ながらの屋台の盆と、近年のもっと多彩なレストランの盛り合わせとの違いにも触れています。ただし、これは都市のポータルが語る説明であり、年代が確かめられた歴史記録ではないため、ここでは成立年を示しません。
VnExpress Cooking も、昔と今を同じように対比しています。ハノイのブン・ダウの昔と今を取り上げた特集は、以前の形を「ブンに揚げ豆腐と泡立てたマムトム」と述べ、特徴的なハーブとしてキンザイ(kinh giới、ベトナムバーム)を挙げています。のちの盛り合わせには、豚すね肉、揚げたチャーコム、内臓、ネム(揚げ春巻き)などが加わります。このレシピは、そうした充実した現在の盛り合わせのひとつです。豚肉とチャーコムの分量がはっきり書かれているので選びました。ブンと豆腐とマムトムだけの素朴な形は、このレシピを小さくしたものではなく、料理の別の、より軽い出し方です。
MyHanoi の特集には、ハノイの盆に並ぶハーブとして、キンザイ、ミント、ベトナムコリアンダー、しそが挙がっています。このレシピで使うのは、キンザイとしそです。
ほかのベトナムの米麺料理は、仕組みが違います。同じハノイのブン・チャーは、ブンに網焼きの豚肉と専用のつけだれを合わせます。ブン・ティット・ヌオンは、焼いた豚肉をのせた米麺のボウルです。中部ベトナムのブン・ボー・フエは、麺のスープです。ブン・ダウには、スープも網焼きもありません。あるのは揚げ豆腐と、えびペーストのたれです。
所要時間について
VnExpress のページには50分と書かれていますが、この記事では合計時間として使いません。豚すね肉は部位の大きさが一定ではなく、豚肉は決まった時間ではなく中心が安全な温度に達するまで加熱します。さらにレシピでは、氷水で冷やしたあと、薄切りにする前に冷蔵庫で数時間置く手順があります。一日の段取りは、豚肉を軸に組んでください。
道具
- 別々のまな板:生の豚肉用と、ハーブや加熱済みの食品用
- よく切れる包丁
- 食品用のたこ糸
- 巻いた豚すね肉が入る大きさの鍋
- 食品用の即時温度計
- 清潔なトング
- 氷水用の清潔なボウル
- 豆腐の水気を押さえる清潔な布
- フライパン
- 菜箸またはフライ返し
- 油きりの網
- たれ用の小さなボウルとスプーンか泡立て器
- 計量スプーン
- キッチンスケール
- 盛り合わせ用の大皿と、別添えのたれ用の器
- 冷蔵庫
選び方と代用
生のブン。このレシピの800gは、乾麺ではなく生のそのまま食べられるブンの量です。ベトナムやアジアの食材店で探してください。乾燥の米麺は食感が違い、800gの乾麺では盛り合わせに必要な量をはるかに超えてしまいます。乾麺しか手に入らないときは、袋の表示どおりにゆで、その袋に書かれたゆで上がりの量を目安に分量を決めます。同じ重さで置き換えるのではなく、自分で行う調整として扱ってください。
豆腐。豆腐は枚数(bìa)で数えられ、重さや大きさは決まっていません。スーパーの豆腐は大きさがまちまちなので、8切れは市販のパック8個という意味ではありません。小さめの板状に切った豆腐を8枚用意するつもりでいてください。
豚すね肉。皮付きで骨なしの豚すね肉(ベトナム語でchân giò)を頼みます。脂の少ないロースとは別の部位で、皮も薄切りにしたときの食感の一部です。
チャーコム。青い若い米(cốm)の粒が混ざった豚肉のパティです。レストランの盛り合わせに加わることのある揚げ春巻きのネム・ザン(nem rán)とは別物です。袋入りや冷凍のチャーコムを買うときは、表示にある扱い方と加熱の方法に従い、原材料も確認してください。
マムトム。発酵えびペーストが、この料理の核心です。魚醤でも、マムネム(mắm nêm)でも、干しえびや粉末のえびでもなく、どれも代用になりません。このレシピのたれは加熱せずに混ぜて出すので、製造元が低温殺菌済みでそのまま食べられると表示した未開封の瓶を選び、その製品自身の説明に従ってください。具体的な製品の例と保存方法は、「食品の安全と残り物」の節で触れます。瓶の表示がそのまま使えることをはっきり示していなければ、この加熱しないたれには使わないでください。
白い蒸留酒。透明な蒸留酒を使います。日本酒のことだと思い込まないでください。
ハーブ。このレシピのハーブはキンザイ(ベトナムバーム)としそです。キンザイが見つからなければ、盛り合わせの味は変わります。ハノイの盆にはミントやベトナムコリアンダーも並びますが、それは料理の変更であって、このレシピの一部ではありません。
うまくいかないとき
| 問題 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 豆腐がフライパンにくっつく、または破れる | 表面が濡れていた、または最初の面が固まる前に動かした | 豆腐の水気をよく押さえ、下の面がきつね色になってから返す |
| 食べるころには豆腐がやわらかくなっている | 早く揚げすぎた | 食べる直前の最後に揚げ、皿ではなく網にのせて油を切る |
| 豚肉の中心が75°Cに達していない | 巻いた肉が厚い。ゆで時間は一定ではない | ゆでを続け、いちばん厚い中心をもう一度測り、75°Cが1分以上続くまで確かめる |
| 切るときに豚肉が崩れる | 冷え方が足りない | 固くなるまで冷蔵庫に戻し、よく切れる包丁で切る |
| 生のブンが手に入らない | 専門店向けの食材 | 乾燥の米麺を、袋の表示どおりにゆでて使う。分量は袋に書かれたゆで上がりの量を目安に判断する。食感は変わる |
| マムトムの表示に、そのまま食べられるとは書かれていない | 加熱して使う製品である | この加熱しないたれには使わない。低温殺菌済みで、そのまま食べられると表示された瓶を探す |
範囲内でのアレンジ
- ラードか油。豆腐とチャーコムを揚げるには、どちらも使えます。
- ライムかキンカン。たれの柑橘は、どちらでもかまいません。
- ハノイの素朴な形。VnExpress もハノイ食品安全ポータルも、ブン、揚げ豆腐、マムトムだけの昔の盛り合わせを紹介しています。料理をより軽く出す方法で、豚肉とチャーコムを省き、たれは残します。
- レストランの追加の具。盛り合わせによっては、ネム・ザン(揚げ春巻き)や豚の内臓が加わります。これらの分量はここに示されていないので、このレシピには含みません。
- 別のたれ。VnExpress は、マムトムを食べない人が、甘酸っぱい魚醤のたれを選ぶことがあると述べています。それは別のたれで、この料理を特徴づける組み合わせが変わるため、このレシピの中での代用ではありません。
食品の安全と残り物
厚生労働省は、食中毒を防ぐ家庭での6つのポイントを示しています。このレシピでは、それを手順ごとに当てはめることができます。
- 買うとき。日付を確認し、豚肉は冷たいまま持ち帰ります。
- 保存するとき。冷蔵が必要なものはすぐに冷蔵庫に入れ、生の豚肉とその汁は漏れないようにします。家庭用冷蔵庫は10°C以下にします。
- 下ごしらえのとき。手を洗い、生の豚肉に使ったまな板、包丁、汁を、ハーブ、麺、豆腐、加熱済みの食品から離します。
- 加熱するとき。豚肉は中心が75°Cに達して1分以上保たれるまで加熱します。生の豚肉を含むチャーコムにも同じ確認を行うか、パッケージの表示に従います。
- 出すとき。清潔な道具と食器を使い、長く室温に置かないようにします。
- 残り物。清潔で浅い容器に入れ、すばやく冷まして冷蔵庫に入れます。食べる前にしっかり再加熱し、少しでも不安があるものは捨てます。
えびペースト自体は、買った瓶の表示に従ってください。TrungThành の製品ページには、その製品について、直射日光と高温を避け、開封後はキャップをしっかり閉めて20〜25°Cで保存するよう書かれています。この指示はその製品だけのもので、ほかのブランドには当てはまりません。
よくある質問
ブン・ダウ・マムトムは麺のスープですか?
いいえ。生の米麺、揚げ豆腐、そしてこのレシピでは豚肉とチャーコムを、えびペーストのたれで食べる盛り合わせで、スープはありません。ベトナムの麺のスープなら、中部ベトナムのブン・ボー・フエがありますが、まったく別の料理です。
「1/2〜1スプーン」の砂糖は、どれくらいですか?
ベトナム語のレシピは、砂糖を「thìa(スプーン)」で量っていて、大きさは書いていません。一方、マムトムは thìa canh(大さじ)、蒸留酒は thìa cà phê(小さじ)で量っています。推測で決めず、この記事では元の表記を残しました。この範囲を目安にして、たれは味を見ながら調整してください。
なぜ時間ではなく温度計を使うのですか?
公開されているレシピは、豚肉を15〜20分ゆで、串を刺して赤い汁が出ないことを確かめるとしています。どちらも安全の確認としては頼りにならず、すね肉の大きさもまちまちです。厚生労働省は、豚肉について、中心温度75°Cで1分以上(またはそれと同等の加熱方法)を示しているので、この記事ではそれを使います。
ライム、蒸留酒、熱い油でえびペーストは安全になりますか?
いいえ。元のレシピのページには、蒸留酒と熱い油がペーストの細菌を減らす助けになると書かれていますが、この記事ではその主張を根拠にしていません。これらは味付けです。たれは加熱しないので、製造元が低温殺菌済みでそのまま食べられると表示した瓶を使い、その説明に従ってください。
唐辛子はどこに入れますか?
レシピには生の唐辛子が材料として挙がっていますが、分量も、入れる場所も書かれていません。この記事では、好みの量をたれに加えます。この入れ方は編集上の判断です。
チャーコムとネム・ザンは同じものですか?
いいえ。チャーコムは、青い若い米の粒が混ざった豚肉のパティです。ネム・ザンは、揚げ春巻きです。レストランの盛り合わせには両方入っていることもありますが、このレシピで使うのはチャーコムだけです。
豚肉なしで作れますか?
ハノイの昔の形は、ブンと揚げ豆腐とマムトムだけです。豚すね肉とチャーコムを省けば、その形に近づきます。ただし、たれはえびから作られているので、この料理はベジタリアン向けではありません。

















