豚肉と木耳を詰めた苦瓜を、澄んだ汁とともに盛った南部ベトナムのスープ
🌍ジャンルベトナム料理

カイン・コークア(苦瓜の肉詰めスープ)の作り方|南部ベトナムの澄んだ家庭料理

世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方

STEP 11 / 8

苦瓜の種を取る

手順1: 苦瓜の種を取る

苦瓜4本を洗います。それぞれに縦に1本だけ切れ目を入れ、両側がつながったままで苦瓜の形を保ちます。小さなスプーンで種とやわらかい白いわたをかき出します。

STEP 22 / 8

木耳を戻して刻む

手順2: 木耳を戻して刻む

木耳4枚を水に浸してやわらかくします。乾燥品は袋の表示に従ってください。よく洗ってから、細かく刻みます。

STEP 33 / 8

豚肉に下味をつける

手順3: 豚肉に下味をつける

生肉用のまな板で、豚肉150gを包丁で細かくたたきます。洗わないでください。ボウルに入れてこしょうと魚醤を少々混ぜ、冷蔵庫で30分置きます。

STEP 44 / 8

具を混ぜる

手順4: 具を混ぜる

青ねぎと香菜を刻み、半量を仕上げ用に取り分けます。下味をつけた豚肉に、刻んだ木耳と香味野菜の残り半量を加え、塩、こしょう、魚醤を少々入れてよく混ぜます。生の具は味見しないでください。

STEP 55 / 8

苦瓜に詰める

手順5: 苦瓜に詰める

具を4等分します。1本ずつ苦瓜の空洞に押し込み、切れ目に沿って隙間を埋めます。生の具に触れたあとは、手と道具を洗ってください。

STEP 66 / 8

ふたをせずに煮て、アクを取る

手順6: ふたをせずに煮て、アクを取る

鍋に水1.5Lと塩少々を入れ、沸騰させてから苦瓜を入れます。再び沸いたら中火に落とします。ふたはせず、浮いてくる泡を取り除きます。苦瓜が形を保ったままやわらかくなるまで煮ます。

STEP 77 / 8

具の火通りを確かめ、汁の味を調える

手順7: 具の火通りを確かめ、汁の味を調える

苦瓜を1本取り出し、具のいちばん厚い部分の中心に食品用温度計を差します。71.1°C(160°F)に達していなければなりません。具が白くしまって見えても、それは安全の証拠にはなりません。温度に届いていなければ鍋に戻して煮続け、もう一度測ります。具に火が通ってから、魚醤、塩、こしょうで汁の味を少しずつ調えます。火は弱めに保ち、汁を澄んだままにします。

STEP 88 / 8

香味野菜を添えて盛る

手順8: 香味野菜を添えて盛る

火を止めて、残りの青ねぎと香菜を仕上げに加えます。火を止めるときに鍋に入れてもよいですし、盛った器に散らしてもかまいません。器ごとに苦瓜を1本、澄んだ汁をたっぷりよそい、蒸したご飯を添えます。

---

0 / 0
Ingredients

材料

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

9品目

材料

苦瓜4本、豚肉150g、木耳、青ねぎ、香菜、魚醤、塩、こしょう、水を並べた材料
丸ごとの苦瓜4本、豚肉、木耳、香味野菜、調味料、水
材料 分量 代替・備考
苦瓜(コークア/ムオン・ダン) 中4本 丸ごと使い、種を取って詰める
豚肉(脂が少し入った肩肉など。ベトナム語でthịt nạc dăm) 150g 具にする。包丁で細かくたたく
木耳(ナム・メオ) 4枚 刻んで具に混ぜ、歯ごたえを出す
青ねぎ(ホン・ラー) 適量 半量は刻んで具に、半量は仕上げに
香菜(ンゴー) 適量 半量は刻んで具に、半量は仕上げに
黒こしょう(ティエウ) 少々 下味、具、仕上げの味つけに
魚醤(ヌオックマム) 少々 下味、具、仕上げの味つけに
塩(ムオイ) 少々 煮る湯、具、仕上げの味つけに
水 1.5L 汁になる

具の味つけは控えめにして、汁の味は具に火が通ってから整えます。蒸した白いご飯を添えて食べます。

アレルギーと取り扱い

魚醤は魚から作られています。食卓に魚アレルギーの方がいる場合は表示を確認してください。ほかの材料も、商品の表示を確認します。生の豚肉は洗わないでください。生肉用のまな板と包丁は別に用意し、触れたあとは手、道具、作業台を洗います。

0 / 0

手に入りにくい材料の買い方

買い出しガイド

カイン・コークア:澄んだ汁、やわらかな緑の苦瓜、ほのかな苦味

この鍋が守るもの

目指すのは3つ、それぞれ別のことです。汁が澄んでいること、苦瓜がやわらかいのに形を保っていること、そして豚肉の具にしっかり火が通っていること。ほのかな苦味はこの料理の一部で、取り除くべき欠点ではありません。

苦瓜に縦に1本だけ切れ目を入れ、両側がつながったまま、小さなスプーンで種と白いわたをかき出します。できた空洞に詰めるのは、細かくたたいた豚肉に、刻んだ木耳、青ねぎ、香菜を混ぜた具。詰めた苦瓜は塩を入れた沸騰湯に入れ、ふたをせずにやわらかくなるまで煮ます。これがベトナム南部の家庭のスープ、カイン・コークア・ゾン・ティット(canh khổ qua dồn thịt)です。コークア・ニョイ・ティット(khổ qua nhồi thịt)とも呼ばれます。

ここで紹介するのは、ひとつの版に絞ったレシピです。南部の家庭料理書『Nấu ăn gia đình – Miền Nam』(著者 Đỗ Kim Trung、Nhà xuất bản Phụ Nữ)の「KHỔ QUA DỒN THỊT」の項にならっています。4人分で、中くらいの苦瓜4本、豚肉150g、木耳4枚、水1.5Lを使います。この本には、香味野菜、塩、こしょう、魚醤の分量も煮込み時間も書かれていません。そのため、他のレシピの数字を借りずに、以下では「適量」「やわらかくなるまで」としています。本が示す仕上がりは、澄んでほんのり塩味のスープ、ほのかな苦味、緑色のままやわらかく崩れない苦瓜、そして白くしまって火の通った具です。

本の手順には、安全のために3か所手を加えました。30分の下味は冷蔵庫の中で行い、具の火通りは食品用温度計で71.1°C(160°F)に達したことを確かめます。これは米国食品医薬品局(FDA)の案内に沿ったものです。本にある生の豚肉を洗う工程は省きました。米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)が、生肉を洗うと汚染を広げるおそれがあると案内しているためです。なお、このレシピは世界ごはん紀行の台所での試作はしていません。


南部のテトの汁物、名前に願いを込めて

苦瓜は、ベトナム南部ではコークア(khổ qua)、ほかの地域ではムオン・ダン(mướp đắng)と呼ばれます。VnExpressの記事で文化研究者のグエン・タイン・ロイ(Nguyễn Thanh Lợi)さんは、南部ではカイン・コークアがテト(旧正月)のお供えや家族の食卓に並ぶこと、そして名前が願いとして読まれることを説明しています。khổは苦しみ、quaは過ぎ去るという意味で、去年の苦労が過ぎて、よい年が来るようにという願いです。この習慣がいつ始まったのかは正確にはわからないと、同じ研究者は述べています。そのため、広く語られている解釈として受け止めるのが妥当で、確かな起源でも、どの家庭でも守られる決まりでもありません。

ベトナム国外在住ベトナム人国家委員会の記事も、カイン・コークア・ゾン・ティットを南部のテトの食卓の中心的な料理として挙げています。苦瓜の苦味、豚肉のこく、木耳の歯ごたえ、澄んだ汁という、おなじみの取り合わせが紹介されています。料理書では、蒸したご飯と一緒に食べるシンプルなスープとして出てきます。ほかの料理も見てみたい方は、世界ごはん紀行のベトナム料理をどうぞ。


道具

  • 包丁
  • まな板2枚(生の豚肉用と野菜用)
  • 苦瓜の種を取る小さなスプーン
  • ボウル
  • 水1.5Lと苦瓜4本が入る大きさの鍋
  • 浅いおたま、またはアク取り
  • 瞬間読み取り式の食品用温度計

選び方と代用

苦瓜。 中くらいで大きさの揃った4本を選ぶと、火の通りが揃います。苦味や太さは1本ずつ違います。ゴーヤとして売られている苦瓜で作れます。苦味がこの料理の持ち味なので、別の瓜に替えないでください。

豚肉。 包丁でたたくと、しっかりした粗めの食感の具になります。市販の豚ひき肉は手間が省けますが、食感は変わります。使う場合は豚肉だけのものにしてください。

木耳。 手に入りやすいのは乾燥品です。袋の表示どおりに戻してください。分量は4枚のままにして、重さには換算しません。

魚醤。 第一候補はベトナムのヌオックマムです。タイのナンプラーも同じ役割をしますが、塩気と香りが違うので、少しずつ加えてください。

香菜。 苦手なら入れなくてもかまいません。仕上がりの香りは変わります。

種の取り方。 縦に切れ目を入れる代わりに、片方の端を切り落として、小さなスプーンの柄で種を押し出す方法もあります。苦瓜が筒のまま閉じた形になります。切れ目を入れるほうが詰めやすい方法です。


濁る、崩れる、火が通らない——鍋の様子の読み方

見た目 考えられる原因 対処
汁が濁る 泡を取らなかった、または強く沸かしすぎた 火を弱めてゆるやかに煮、泡を取り続けます。濁りだけでは具に火が通ったかどうかはわからないので、温度計で確かめます
苦瓜が崩れる 煮すぎ、または苦瓜が小さめだった 次回は苦瓜をこまめに見て、時計ではなく手ざわりと形を頼りに、やわらかいまま形が保たれた時点で止めます
具が71.1°C(160°F)に届いていない 加熱が足りない 煮立てすぎない鍋に戻し、もう一度温度計で測ります
味がぼんやりする 味つけを控えめにした 具に火が通ってから、魚醤か塩を汁に少しずつ足します
思ったより苦い 苦瓜によって苦味が違う ほのかな苦味は料理の一部です。蒸したご飯と一緒にどうぞ

ほかの作り方もあります

カイン・コークアはいろいろな作り方があり、公開されているレシピも違います。VnExpress InternationalのBui Thuyさんのレシピは、豚肉に少量の魚を混ぜ、砂糖や顆粒だしを含む計量した調味料を加えます。塩水に浸すこと、下ゆですること、青ねぎで苦瓜を縛ることも、任意の手順として提案しています。Food Network KitchenのSusan Vuさんのレシピは、苦瓜を横に切って輪切りにし、豚肉、春雨、木耳、干しえびを詰め、独自の煮込み時間を示しています。これらは別のレシピで、材料、分量、時間はここでは使っていません。

よくある質問

先に苦味を抜いたほうがいいですか?

料理書の作り方では抜きません。苦味は料理の一部だからです。VnExpress Internationalの版など、塩水に浸したり下ゆでしたりするレシピもあります。試す場合は、このレシピの一部ではなく、別の版として扱ってください。

木耳4枚は何グラムですか?

料理書は個数だけを示していて、乾燥か戻したあとかも書かれていません。そのため、ここでもグラム数は示しません。4枚用意し、乾燥品なら袋の表示に従って戻してください。

どのくらい煮ますか?

料理書には煮込み時間が書かれていません。苦瓜がやわらかく、形が保たれるまで煮て、具の中心が71.1°C(160°F)に達したことを温度計で確かめてください。これはFDAが挽き肉に示す最低温度です。FDAは、色や食感だけでは肉が安全かどうかわからないとも述べています。

なぜ豚肉を洗わないのですか?

料理書には生肉を洗う工程がありますが、USDA食品安全検査局は、豚肉を洗うと水しぶきでシンクや周りに細菌が広がるおそれがあるとして、洗わないよう案内しています。安全にするのは、しっかりした加熱と、清潔な手、道具、作業台です。

作り置きできますか?

このレシピの参考にした資料には、保存や温め直しの案内がありません。そのため、保存できる日数は示しません。残った料理の扱いは、お住まいの地域の食品安全機関の案内に従ってください。

主な参考リンク

レシピ一覧に戻る