チャオトム|粗いエビのすり身と淡いサトウキビ、すべてを包む一枚の葉
エビのすり身は、なめらかにせず粗いままにします。先に蒸し器で固め、そのあとグリルでジュッと音を立てて、ところどころに焼き色をつけます。食卓では、すり身を棒から外し、柔らかなレタスにハーブと一緒にのせて、nước chấmにつけて食べます。
焼き色のついたエビの棒が、大皿の真ん中に並んでいます。そのそばには、柔らかなレタス、コリアンダー、ミント、赤しそ(tía tô)の枝、そして皆で使うたれの器。それぞれが棒からエビを切り分け、細長い一片をハーブと一緒に葉でくるんで、たれにつけます。ベトナム料理研究家のアンドレア・グエン(Andrea Nguyen)さんは、Viet World Kitchenで、チャオトムをベトナムの前菜であり、友人と分け合うパーティー料理だと紹介しています。
作り方は、彼女が公開しているレシピに沿っています。エビを刻み、調味料と一緒にフードプロセッサーにかけて、粗いすり身にします。それをサトウキビの棒に押しつけて数分蒸し、最後にグリルで焼きます。できあがりは12本で、4〜6人分の軽食・前菜にちょうどよい量です。主菜として食べる量ではありません。なお、世界ごはん紀行でこのレシピ全体を台所で試作したわけではありません。
ベトナム語の名前はChạo tômで、ダイアクリティカルマークを省いてchao tomと書かれることも多い料理です。アンドレア・グエンさんの英語タイトルは「Grilled Shrimp on Sugarcane」です。
材料(12本分)

| --- | --- | --- | | 中サイズのむきエビ(背わた取り済み)(tôm) | 1ポンド(正味13オンス) | すり身の主役。殻をむき背わたを取った状態で13オンスを使う | | 塩(エビを洗う用) | たっぷり | エビにまぶして、すぐに洗い流す。すり身の塩には数えない | | 塩(すり身用) | 小さじ1/4強 | すり身の味つけ。洗う用の塩とは別に量る | | コーンスターチ | 小さじ2 | エビと一緒にフードプロセッサーにかける | | パームシュガー | 小さじ2(しっかり詰めて) | 細かく砕いてから量る | | 黒こしょう | 小さじ1/4強 | 挽きたてがよい | | ナンプラー(fish sauce) | 小さじ2 | すり身の味つけ | | 卵(L) | 1個(軽く溶く) | 全卵。フードプロセッサーに入れる前に溶いておく | | にんにく | 2かけ | みじん切りにしてから、つぶしてペースト状にする | | エシャロット | 大さじ2(みじん切り) | すり身の香味 | | キャノーラ油(すり身用) | 大さじ1 | フードプロセッサーにかけたあと、すり身に混ぜる | | 缶入りサトウキビ | 1缶(20オンス) | 3〜4節から棒を12本切る。缶の中身を全部使うわけではない | | キャノーラ油(外側用) | 大さじ1〜2 | 蒸し器のクッキングシートに塗り、焼く前にエビの部分にも薄く塗る。すり身用の油とは別にしておく。使い切らないこともある | | 柔らかい葉のレタス(赤リーフ、グリーンリーフ、バターレタスなど) | 小1株 | 食卓で包む葉 | | コリアンダー | 8〜12枝 | 包むときのハーブ | | ミント | 8〜12枝 | 包むときのハーブ | | 赤しそ(tía tô) | 8〜12枝 | 包むときのハーブ | | nước chấm(ヌクチャム) | 調製済みで3/4カップ | つけだれ。始める前に作っておく |
道具
- ざる
- キッチンペーパー
- 包丁とまな板
- フードプロセッサー
- ボウルと、かぶせるもの
- 計量スプーン(すり身を分けるための大さじを含む)
- 手を濡らすための水を入れた小さな器
- 蒸し器(トレイつき)と、敷くクッキングシート
- 蒸し器用の水を入れる鍋
- 蒸した棒をのせる皿
- グリル
- 盛りつけ用の大皿と、皆で使うたれの器
選び方と代用
買い物の前に決めておきたいことです。
- エビ: すでに殻をむき背わたを取ったエビ13オンスから始めます。殻つきのエビから始める場合の重さの目安はありません。
- 砂糖: パームシュガーを使い、細かく砕いてから量ります。代わりにライトブラウンシュガーも使えます。
- 油脂: 刻んだ豚の背脂も使えますが、ここではキャノーラ油大さじ1を使い、豚の脂やベーコンは加えません。
- サトウキビ: 棒は20オンス缶のサトウキビから作ります。3〜4節を縦に切り、直径1/4〜1/2インチの棒にします。棒の長さは、節に合わせて切ってください。サトウキビは代用しません。
- ハーブ: コリアンダーとミントに、3つめのハーブとして赤しそ(tía tô)を使います。
- たれ: すでに作ってあるnước chấmを3/4カップ用意します。
作り方|粗いすり身、短く蒸して、グリルで焼く
すり身を作って休ませます。休ませている間に、サトウキビを切り、食卓の用意と蒸し器の準備をします。食卓の用意と蒸し器の準備は、どちらを先にしてもかまいません。そのあとで、成形、蒸し、グリル、盛りつけへと進みます。
むきエビをざるに入れ、たっぷりの塩をまぶして混ぜます。すぐにたっぷりの冷水で洗い流し、水気をよく切って、キッチンペーパーで押さえて拭きます。この洗う用の塩は量らず、すり身の塩にも数えません。すり身用の塩は、次の工程で別に量って使います。

2. 粗いすり身にする
エビを粗く刻みます。フードプロセッサーにエビと、すり身用の塩小さじ1/4強、コーンスターチ、パームシュガー、黒こしょう、ナンプラーを入れます。軽く溶いた卵、にんにくのペースト、みじん切りのエシャロットも加えます。ふたを閉めて、粗いすり身になったところで止めます。まだ粒感が残っているくらいが目安です。なめらかなムースになるまで回さないでください。

3. 油を混ぜて休ませる
すり身をボウルに移し、すり身用のキャノーラ油大さじ1を混ぜます。ボウルに覆いをして、15〜30分置いておきます。休ませるうちに、すり身が締まってきます。

4. サトウキビの棒を12本切る
缶のサトウキビから3〜4節を取り出します。縦に切って、直径1/4〜1/2インチの棒を12本にします。キッチンペーパーで水気を押さえて拭きます。必要なのはこの12本だけなので、缶の残りは別の用途に回せます。

5. レタス、ハーブ、たれを並べる
レタス、コリアンダー、ミント、赤しそを皿に並べます。調製済みのnước chấmは、皆で使う器に注いでおきます。次の工程の蒸し器の準備の前でも後でもかまいません。

6. 蒸し器を準備する
蒸し器のトレイにクッキングシートを敷き、外側用の油を少し使って薄く塗ります。蒸し器の鍋には、沸騰させて蒸せるように水を入れます。外側用の油の残りは、グリルのために取っておきます。

7. すり身を棒に巻きつける
手元に水を入れた器を置きます。片手を濡らし、その手のひらにすり身を大さじ2のせます。直径約2 1/2インチ、厚さ1/4インチ強の円形に広げます。サトウキビの棒を真ん中に横向きにのせ、両端を外に出したまま手を閉じて、すり身を棒のまわりに押しつけます。乾いたほうの手で棒を持って回しながら、濡れた手で表面を軽くたたいてなめらかに整えます。これを繰り返して12本作ります。

8. 短く蒸して固める
沸騰した湯の上で3〜4分蒸します。すり身が不透明になって少しふくらみ、ちょうど火が通ったくらいが目安です。12本が1段のトレイに収まらなくてもかまいません。必要なら数回に分けて蒸します。蒸した棒は皿に移して冷まします。この時間と見た目は調理の目安で、確かめられた食品安全上の温度ではありません。

9. 中強火のグリルで焼く
グリルを中強火に予熱します。それぞれの棒のエビの部分に、残りの外側用の油を薄く塗ります。頻繁に返しながら6〜8分焼き、すり身がジュッと音を立て、ところどころに焼き色がつくまで焼きます。そのあと、大皿に移します。この時間も調理の目安で、中心温度の基準や安全の保証ではありません。

10. 切って、包んで、つける
それぞれの棒のエビのすり身の部分を、縦に3か所切ります。4本の細長い帯になります。切るのはすり身だけで、サトウキビを短く切ってはいけません。帯を棒から外し、少しずつレタスの葉にハーブと一緒にのせて包み、nước chấmにつけて食べます。

途中でつまずいたときは
| 見た目の様子 | 確認すること | 対処 |
|---|---|---|
| すり身がなめらかで、ムースのよう | フードプロセッサーの回しすぎ | 次回は粗いすり身になったらすぐに止める。このレシピは粗さをねらっている |
| 油を混ぜた直後で、すり身がやわらかい | 休ませる工程 | 覆いをして15〜30分しっかり置く。休ませる間に締まってくる |
| 成形中に、すり身が手のひらにくっつく | 手が濡れているか | すり身を持つほうの手を濡らす。もう片方の手は乾いたままにして、棒を持って回す |
| サトウキビが滑って、すり身がつかない | 棒の水分 | 切った棒をキッチンペーパーで拭いてから成形する |
| 3〜4分蒸しても、まだ不透明でもふくらんでもいない | レシピにある見た目の目安 | 時間だけでなく、「不透明で、少しふくらみ、ちょうど火が通った」状態を目安にする。これは調理の目安で、安全を確かめる方法ではない |
| 蒸し器に棒を並べるとぎゅうぎゅうになる | トレイの大きさ | 数回に分けて蒸す。12本は仕上がりの本数で、1段のトレイの大きさではない |
同じ料理の、ほかの公開レシピ
チャオトムは、さまざまな料理家が自分のレシピを公開していて、配合はかなり違います。上のレシピはアンドレア・グエンさんの版だけに沿っています。ほかの版は比べるのに役立ちますが、材料や作り方はこのレシピには入れていません。
- ヘレン・レ(Helen's Recipes)は、むきエビ500g、お好みでジョーソン(giò sống、ベトナムの豚肉のすり身)とねぎを使います。ナンプラー以外の調味料の多くは量が示されていません。混ぜたたねをボウルに約20回投げつけます。サトウキビに成形したあとは、揚げるか、短く蒸してからグリルするかの2通りが示されています。
- シェフのチン・トゥアン・クオン(Trịnh Tuấn Cường)、Viet Nam Newsは、4人分のレシピで、エビ1kg(「raw meat only」と表記)を使います。ディル、唐辛子、豚肉、卵白も入ります。たねをなめらかになるまで混ぜ、60〜80gずつに分けて10分休ませ、炭火で黄金色に焼きます。
- マイ・ファム(Mai Pham、米国料理学院〔The Culinary Institute of America〕)も別の版を公開していますが、豚の脂や卵白の分量と入れ方がはっきりしません。このレシピでは参考にしていません。
この料理の出どころ
アンドレア・グエンさんは、チャオトムを中央ベトナムの名物であり、ベトナムの伝統的な軽食・パーティー料理だと説明しています。ヘレン・レさんのレシピのページも、この料理を前菜として中央ベトナムに分類し、Viet Nam Newsはシェフ・クオンさんの版を中央ベトナム発のものとして紹介しています。いずれも、それぞれが自分のレシピについて述べたものです。決まった唯一の配合を示したり、記録に残る由来の話を挙げたりしているものはないので、この記事でもそうした話は足していません。
アンドレア・グエンさんによれば、サトウキビには2つの役割があります。1つは串として使うこと。もう1つは、エビを外したあとの棒そのものから、甘い汁を味わえることです。彼女はViet World Kitchenの創設者・編集者で、ご自身を著者、フリーランスライター、編集者、料理講師、コンサルタントと紹介しています。同じ国のほかの料理はベトナムのページからどうぞ。
よくある質問
何人分ですか?
12本分で、軽食・前菜として4〜6人分です。主菜としての量には分けられていません。
グリルの前に蒸すのはなぜですか?
アンドレア・グエンさんの作り方では、短く蒸すことで、すり身が棒にしっかり固まります。そのあとグリルで、ジュッと音を立てて焼き色をつけます。
竹串やレモングラスをサトウキビの代わりにしてもいいですか?
このレシピは、缶入りサトウキビから切った棒だけを前提にしていて、代わりになるものは示されていません。サトウキビの甘さも、この料理の食べ方の一部です。
サトウキビも食べるのですか?
サトウキビは串の役目をします。エビのすり身を外したあとで、アンドレア・グエンさんが書いているように、甘い汁を味わうこともできます。
nước chấmはどう作りますか?
エビのレシピでは、調製済みのNuoc Chamを3/4カップ使うと書かれていて、たれの配合は示されていません。アンドレア・グエンさんはViet World Kitchenに別のNước Chấmのレシピを載せていて、下の参考文献に挙げています。
蒸す時間と焼く時間で、エビに安全に火が通ると言えますか?
言えません。蒸す3〜4分と焼く6〜8分は、見た目の目安と合わせた、レシピの調理の案内です。測った中心温度でも、食品安全の保証でもありません。







