ナシ・テンポン、すりたてのサンバルと温かいご飯
温かい白いご飯、食べる直前にすった赤いサンバル、辛さをやわらげる素朴な野菜、そして揚げもの。主役の食材には火を通しますが、サンバルは火を通さないので、洗うことと、生の鶏肉に触れたものから離すことが大切です。
葉の上に温かいご飯がのり、すり鉢から出たばかりの赤いサンバルがひとさじ添えられている。そんな光景を思い浮かべてください。インドネシア政府の観光公式サイトは、ナシ・テンポン(セゴ・テンポンとも書きます)を、東ジャワ州バニュワンギの料理で、オシン人と結びついたものとして紹介しています。温かいご飯と、すりたてのサンバルが日々の食事の中心で、添えるおかずは店ごとに違う、という説明です。
つまり、地域全体で決まった一つの配合があるわけではありません。この記事では、Rasa Sayangeに掲載されたRudy Choirudinさんのレシピ「Nasi Tempong Banyuwangi」を一例として使います。鶏肉・豆腐・テンペを味つけした薄いココナッツミルクで煮てから、熱い油で揚げます。これをご飯、湯通しした野菜、きゅうり、ケマンギ、揚げた塩魚、サンバルと一緒に盛りつけます。
レシピには4人分、準備15分、調理45分と書かれています。これはレシピの筆者が示した数字で、私たちが計ったものではありません。インドネシア語の計量スプーン(sdm・sdt)は、以下では大さじ・小さじで表します。
私たちはこの配合で実際に調理しておらず、温度の測定、酸度や保存の試験もしていません。鶏肉の74°Cの確認は、作る方が温度計で行っていただく項目であり、私たちが記録した結果ではありません。
この記事での、2つの編集上の判断
レシピの文章には曖昧な箇所が2つあり、それぞれ1通りの読み方を選びました。これは編集部の判断で、筆者がこの内部の順序を指定したわけではありません。
- 油について: 1行目には最初の2つの材料グループを煮ると書かれ、油250mlは2つ目のグループに入っています。ところが材料欄ではこの油が揚げ用と示され、次の工程でも揚げ油を熱します。そのため、煮る鍋には入れません。
- サンバルについて: 文章には、サンバルの材料をすべてすると書かれている一方、あとから果汁とトマトを足すとも書かれています。そこで、トマトと果汁を取り分けておき、ベースをすってからトマトを加え、最後に果汁を加えます。
この料理に使える食材・調味料
道具
- 煮込み用の鍋
- 揚げるための別のフライパン
- 網じゃくし
- 調理用温度計
- すり鉢とすりこぎ(cobek)
- 清潔な浅い皿
- 生の鶏肉用の包丁とまな板(共用する場合は洗ってから使う)
- ピンチュク(葉を折って作る盛りつけ用の包み)用の葉(必要に応じて)。バナナの葉など、食品に使えるもの
- 葉を留めるリディ(lidi)のピン(必要に応じて)。食品に使えるもの
選び方と代用
できるだけ、食用として売られている製品をインドネシア語の名前で探してください。見つからない材料は代用もできますが、同等のものではなく、別の一皿になります。代用はいずれも試していないので、換算の分量は示しません。
| 材料 | 選び方 | 代えた場合 |
|---|---|---|
| トマト(tomat keriting/ranti) | 食品として売られているトマトだけを使う。同じ名前の野草や果実は選ばない | 一般的なトマトでは酸味と食感が変わる |
| ケマンギ | 食用として売られているハーブ。できればケマンギと表示されたもの | 別のバジルでは香りが変わる。同じ植物と思い込まない |
| ライム(jeruk limau/sambal) | 食用として売られている柑橘 | ほかの柑橘では香りと酸味が変わる |
| サラムの葉(daun salam) | 食用のインドネシア産サラムの葉 | ローリエと同じものとは考えない |
| テラシ | 加熱済みで、そのまま食べられると表示されたもの | 未加熱のテラシをこのサンバルに混ぜない。自分で発酵させない |
| 塩魚(ikan asin bulu) | 食用で、すでに揚げてある塩魚 | ほかの魚では食感と風味が変わる。このために家庭で魚を塩漬けにしたり発酵させたりしない |
うまくいかないときは
| 困りごと | 対処 |
|---|---|
| 煮汁は半分になり鶏肉も黄色いが、火が通ったか自信がない | 見た目では判断できません。揚げたあと、いちばん厚い部分を温度計で確認します |
| 鶏肉が74°C未満だった | 骨にプローブを当てないようにして、さらに加熱し、もう一度測ります |
| 煮たあと、すぐに揚げられない | 手順2の範囲内で、浅い容器に入れて速やかに冷まし、冷蔵庫に入れます |
| テラシの表示に、そのまま食べられると書かれていない | この非加熱のサンバルには加えません。表示で確かめられる製品を探してください |
| ranti種のトマト、ケマンギ、柑橘が手に入らない | 食品として売られているものから選び、風味が変わることを覚悟してください。足りないからといって野草を採らないでください |
| 食卓の誰かにサンバルが辛すぎる | 皿のほかの部分は変えず、その人のサンバルの量を減らします |
アレンジの考え方
以下は編集部の提案で、試作したものではなく、上の分量は変えません。
- 食卓でサンバルを少なめに: 辛さが得意でない人には、サンバルを少なめにすくって出します。
- おかずを変える: 観光公式サイトによると、おかずは店ごとに違います。この記事の4種類のおかずは、唯一の正解ではなく、一例として受け止めてください。
- 1人分ずつ組み立てる: 揚げものと野菜を先に仕上げ、食べる人の準備ができたところから1人分ずつ盛ると、ご飯が温かいままです。
- 盛りつけの器を変える: 食品に使える葉が見つからなければ、清潔な皿を使います。自分で摘んだ葉は使わないでください。
バニュワンギ、オシン人、そして辛さにちなんだ名前
インドネシア政府の観光公式サイトは、ナシ・テンポンをバニュワンギの料理とし、オシン人の食文化と結びつけています。その説明の中心は、温かいご飯とサンバル・ダダック(作り置かずにその場ですりつぶすサンバル)で、日常の食事として位置づけられています。おかずは店ごとに違うため、各地のナシ・テンポンに共通するのは、すりたてのサンバルと温かいご飯です。
同じサイトは、名前の由来を、唐辛子の刺激を平手打ち(tampar)にたとえて説明しています。印象的な説明ですが、定説として扱わず、このサイトの説明として紹介するにとどめます。創始の年代や起源の物語も、ここでは示しません。
同じインドネシアの料理は、インドネシア料理のレシピもご覧ください。
よくある質問
ご飯150gは、炊く前の量ですか、炊いた後の量ですか?
炊いた後の量です。元のレシピは、ピンチュク1つにつき、温かい炊いたご飯(nasi hangat)150gと指定しています。
揚げ油250mlは、ココナッツミルクに入れますか?
この記事では入れません。材料欄では油が揚げ用と示され、次の工程でも揚げるために熱するので、別にしています。これは曖昧な1行についての私たちの読み方で、筆者の明確な指示ではありません。
火を通さないサンバルは安全ですか?
このサンバルは試していないので、安全性は保証できません。かわりに、取り扱いの要点を守ってください。野菜類は流水で洗う、ライムの皮を洗う、加熱済みでそのまま食べられるテラシを使う、生の鶏肉やそれに触れたものから離す、食べる直前にすりつぶす、の5点です。
サンバルや、ほかの料理を作り置きできますか?
サンバルは食べる直前にするもので、サンバルにも、炊いたご飯やおかずにも、作り置きの期間は示していません。加熱した食品を取っておく場合は、浅い容器で速やかに冷まし、ふたをして、2時間以内(32°C超なら1時間以内)に冷蔵庫に入れ、冷蔵庫は4°C以下に保ちます。これは一般的な目安であり、このサンバルの保存期間ではありません。
ケマンギはタイ・バジルと同じですか?
同じものとは考えません。できれば食用として売られているケマンギを買ってください。ほかのバジルを使う場合は、香りが変わります。
準備15分、調理45分という時間はあてになりますか?
レシピの筆者が示した準備時間と調理時間で、私たちは計っていません。時計ではなく、作り方に書いた見た目の目安と、鶏肉の温度計の数値で判断してください。
























