コム(Cốm):若いもち米が、薄く柔らかな緑のフレークになるまで
コムは、炊いたご飯でも、揚げた菓子でも、色をつけた米製品でもありません。若く、まだ乳状のもち米の籾を加工して、薄く柔らかな緑色のフレークにしたものです。この記事は、ある生産者が語る工房での製法をたどります。家庭向けのレシピではなく、台所での試作もしていません。
コムは、完熟して乾いた白い米粒からは始まりません。出発点は、粒の中がまだ乳のような状態の若いもち米です。ランヴォン(Làng Vòng、Vong Village)の生産者の説明によると、穂から籾を落とし、選別して水で洗い、厚い鋳鉄鍋を使って炭火で焙煎します。そのあと冷まし、機械で籾殻を外し、機械で搗き、手でふるいます。この流れを繰り返して、粒を薄く柔らかな緑のフレークにしていきます。最後に、フレークを二層の葉で包みます。
この説明は、コムの生産者Thăng Quỳnhのウェブサイトに掲載された、phuonghxの記事によるものです。記事は職人Do Van Thangの言葉を引用しています。つまり生産者自身による説明であって、第三者の認証や科学的な調査ではありません。以下の工程はこの説明に沿っていて、書かれていない点は書かれていないままにしてあります。
ベトナムの公式観光サイトは、ランヴォンを「秋の精髄が息づく村」として紹介しています。コムを季節の食文化の一部として扱い、若い米のフレークそのものと、それを使ったバインコム(Bánh cốm)のような料理とを区別しています。ベトナムのほかの記事はベトナムのページからどうぞ。
名前にcốmがつく料理はいくつかあります。緑豆餡の菓子であるバインコム、豚肉を使うチャーコム(chả cốm)、蒸したもち米のシォイコム(xôi cốm)は、どれも別の食べ物です。この記事で扱うのは、味つけも具もない、フレークそのものだけです。緑豆も豚肉も蒸した米も出てきません。
分量・時間・回数:生産者の数字をどう読むか
生産者の記事には、工房での一例が出ています。若く乳状の籾およそ10kgから、完成したフレークがおよそ2kgできるというものです。これは工房でのおおよそのバッチの数字です。家庭の分量でも、保証された歩留まりでも、何人分という数字でもないので、縮小して使うことはできません。
同じ記事は、作業に少なくとも3〜4時間ほどかかると述べています。こちらも生産者のおおまかな説明で、標準化された総所要時間ではありません。家庭の台所での調理時間でもありません。
搗いてふるう回数も、一つには決まっていません。記事の本文は5〜7回と書いています。職人の言葉として引用された部分は5〜8回で、最後の仕上げの清掃にもおよそ3回と触れています。この仕上げの回数が主な回数に加わるのか、その内数なのかは分かりません。そのため、ここでは両方をそのまま並べ、一つの合計にはしません。生産者は、繰り返す回数は粒の熟し具合によって変わるとも述べています。
ほかに、VTC/CheckinVietnamの報道が、同じ村の別の家族の工程を伝えています。そちらでは搗き方の段階の分け方が違っています。家庭ごとに製法に違いがあるということです。その家族のやり方は、ここで紹介する工程には混ぜていません。
道具

- 穂を脱穀し、わらや空粒を選別するための設備
- 焙煎機
- 厚い鋳鉄鍋
- 焙煎の熱源としての炭
- 焙煎した籾を冷ますための台
- 籾殻を外す機械
- 搗くための機械
- 手ふるい
- 内側の包みに使うlá ráyの葉
- 外側の包みに使う蓮の葉
選び方と代用
使うのは、粒が若く乳状のうちに収穫した、もち米の品種Nếp cái hoa vàngです。秋の収穫が好まれていて、このお米は年に2回の作期で育てられます。これは全国共通の収穫カレンダーではなく、コムがいつ店頭に出るかの目安でもありません。
代用品は勧めません。ふつうのもち米、乾燥したフレーク、緑の着色料では、コムにはなりません。家庭のコンロ、手持ちの杵、家庭用のふるいを、焙煎機、籾殻を外す機械、搗く機械の代わりになるものとして示すこともしません。
葉の二層包み
生産者の説明では、順番は内側がlá ráy、外側が蓮の葉です。観光サイトの短い紹介は、包みについて少し違う書き方をしていて、蓮の葉とわらに触れています。この記事は生産者の二層の順番に従い、わらの結びは加えていません。
葉はあくまで包装材で、材料ではありません。lá ráyがどの植物にあたるのか、食品に触れても安全なのかは、この記事の資料からは分かりません。食べられるとほのめかすことも、野山で採ることを勧めることもしません。蓮の葉も食べません。内側の葉の画像は一般的な葉を示したもので、植物を特定する写真ではありません。
よくある混同
| 思いがちなこと | コムの実際 |
|---|---|
| 炊いたご飯、または蒸したご飯である | 若い籾を加工した薄いフレークで、炊いたご飯ではない |
| 緑色は着色料かパンダンの色である | ここで紹介する工程には、着色料もパンダンもほかの材料も加わらない |
| カリッとした揚げフレークである | 薄く柔らかいとされていて、揚げたものではない |
| バインコムやチャーコムと同じである | それらは別の料理で、これは何も加えていないフレークそのもの |
| 10kgから2kgという数字は家庭のレシピである | 工房のおおまかなバッチの数字で、家庭の分量でも保証された歩留まりでもない |
食べ方と、ほかのコム料理
基本の食べ物は、何も加えていないフレークです。生産者の記事には、バナナと一緒に食べる例が任意の組み合わせとして出てきます。バナナはコムの作り方には含まれず、必ず添えるものでもありません。
この名前を使う料理は、それぞれ別の材料をもつ別の食べ物です。バインコムには緑豆の餡があり、チャーコムには豚肉を使い、シォイコムは蒸したもち米です。ほかのベトナムのもち米料理とも違います。コムラム(cơm lam)は竹筒で炊いたもち米です。バインチュン(bánh chưng)は、旧正月のために、もち米を緑豆と豚肉とともに葉で包んだ料理です。バインチュンも葉で包みますが、材料も工程も、若い籾から作るフレークとは関係がありません。
この記事の資料には、保存できる期間、賞味期限、栄養、現在の価格、買える場所についての情報がありません。そのため、これらには触れていません。
よくある質問
コムは炊いたご飯ですか?
いいえ。若く乳状のもち米の籾を、脱穀し、焙煎し、籾殻を外し、搗き、ふるって、薄く柔らかな緑のフレークにしたものです。
家でも同じように作れますか?
ここで紹介したのは、生産者の工房での工程です。焙煎機、籾殻を外す機械、搗く機械を使います。生産者の記事には、家庭向けの道具、分量、温度、時間が書かれていないので、完全な家庭向けレシピにはなりません。この記事は台所での試作をしておらず、家庭での作り方は示しません。
何回搗くのですか?
一つの数字はありません。生産者の記事の本文は5〜7回です。職人の言葉として引用された部分は5〜8回で、仕上げの清掃におよそ3回と触れていますが、それが追加の回数なのか、主な回数の内数なのかは分かりません。生産者は、回数は粒の熟し具合によると述べています。別の家族についてのVTCの報道では、搗き方の段階の分け方がさらに違っています。
内側の葉も食べられますか?
葉は包装材としてしか説明されていません。この記事の資料からは、lá ráyがどの植物なのか、食べても安全か、食品に触れても安全かは分かりません。どちらの葉も食べ物ではなく包みとして扱い、野山で採ることもしないでください。
バナナは必要ですか?
いいえ。生産者の記事がバナナに触れているのは、任意の食べ合わせとしてだけです。コムの材料ではありません。
コムと秋が結びつくのはなぜですか?
観光サイトは、ランヴォンとコムを秋の食文化の一部として紹介していて、生産者も秋の収穫を好んでいます。ただし生産者は、年に2回の作期でこのお米を育てるとも述べているので、秋は好まれる時期であって、唯一の季節ではありません。



















