メー・スン・フエ:外は胡麻、中は落花生、その間にもちもち
上下に炒った胡麻、中に薄皮をむいた炒り落花生、そして蜜色になるまでだけ煮つめた糖液。これはメー・スンのもちもちタイプです。薄くガラスのように透明なミラー型や、ライスウエハースを使うカリカリ型ではありません。
メー・スン(mè xửng)は、ベトナム中部の古都フエと深く結びついた胡麻のお菓子です。2024年のViệt Nam Newsの特集では、フエの菓子職人が、厚さ約3cmのもちもちしたタイプと、薄く透明な「ミラー」タイプを主な姿として語っています。同じ特集は、メー・スンをフエの名物として、贈り物やお土産に買われ、蓮の香りをつけたお茶と味わうものと紹介しています。
この記事で作るのは、もちもちタイプの家庭版の一つです。配合は、2019年にベトナムを訪れたあと自分の台所でこのお菓子を再現したレシピ開発者のHerman Huangによるもので、Kat LieuがModern Asian Bakingで公開しました。あくまで一人の料理人による家庭での再現であり、フエの工房や工場の配合ではありません。フエの作り手それぞれのレシピとは違っている可能性があります。世界ごはん紀行編集部では、このレシピを台所で試作していません。
作り方は短いものの、熱い糖液を扱います。始める前に一度最後まで読んでおいてください。同じ国のほかの料理はベトナムのレシピからどうぞ。
もちもち、ミラー、カリカリ:これはどのメー・スンか
メー・スンは、ひとつに決まったお菓子ではありません。旅行サイトのGoVietnamは、もちもち(dẻo)タイプ、改良型のもちもちタイプ、カリカリ(giòn)タイプを区別しています。全体としては、胡麻、麦芽シロップ(mạch nha)、砂糖を土台にしたお菓子で、落花生を加える作り手もいる、と説明しています。Sovaba Travelも、もちもち、カリカリ、ミラーの三つに分けています。どちらの旅行サイトも、お茶と一緒に食べることを勧めています。
| タイプ | 説明のされ方 | このレシピでは |
|---|---|---|
| もちもち(dẻo) | 厚みのあるやわらかなもちもちの菓子。Việt Nam Newsは厚さ約3cmと紹介 | 落花生入りで、ここで作るタイプです |
| ミラー | 薄くて透明 | 扱いません。糖液も厚みも別の設計が必要です |
| カリカリ(giòn) | ライスウエハースを添えて、カリッとした食感にする | 扱いません。食感も作り方も別です |
ここで使う家庭レシピには、麦芽シロップ、ライスウエハース、しょうがは入りません。ほかの作り手の配合には入っているかもしれません。違うタイプの材料を一つの鍋に混ぜても、どのタイプも忠実には再現できないため、この記事ではもちもちタイプの一つの配合だけに絞ります。
道具
- オーブン
- 天板(胡麻と落花生を別々に炒るため)
- ミトン
- 焼き型(写真ではパウンド型を使っています)
- クッキングシート
- 刷毛
- でんぷん液用の小さなボウルと、泡立て器またはスプーン
- 小鍋
- 耐熱ヘラ
- レモン汁とバニラ用の小さなスプーン
- 清潔な包丁とまな板
選び方と代用
- 胡麻: 炒っていない生の白胡麻を選びます。胡麻はオーブンで炒るので、炒り胡麻を使うと二度炒ることになります。黒胡麻でも作れますが、色と香りが変わります。
- 落花生: 薄皮つきで、塩をつけていない生の殻むき落花生が、この作り方に合います。炒ってから皮をむくためです。
- タピオカでんぷん: キャッサバでんぷんの名前でも売られています。片栗粉(じゃがいもでんぷん)が同じ食感になることは確認されていないため、代用品としては使いません。
- 油: 糖液にも型にも、香りの弱い植物油が使いやすいでしょう。
- ほかのナッツ: 別のナッツに替えると、フエの落花生入りのタイプから離れます。ナッツアレルギーのある方にも安全になるわけではありません。
- 温度計: 必須ではありません。糖液が蜜色になるのを目で見て判断します。
うまくいかないときは
このレシピが示す目安は、炒る温度と時間、糖液の蜜色、各材料を加えたあとの約1分の混ぜ方、そして4時間の冷却だけです。糖液の温度、型の大きさ、仕上がりの食感の測定値は示されていません。そのため、確かめられた対処法のない問題もあります。
| 見えること | 考えられる理由 | 対処 |
|---|---|---|
| 胡麻や落花生がすぐ濃い色になる | オーブンやナッツの大きさで焼け方が違う | よく見て、焦げる前に取り出す。香ばしい香りと金色が目安 |
| 落花生の薄皮がむきにくい、熱くて触れない | 落花生がまだ冷めていない | 十分に冷ましてからむく |
| 糖液が蜜色より濃くなった | 色の目安を過ぎて煮てしまった | 止める目安は蜜色だけ。次回は色の変化をより注意深く見る |
| でんぷんがダマになる | でんぷん液がなめらかになるまで混ぜていない | 糖液ができあがる前に、でんぷんと水を完全になめらかになるまで混ぜておく |
| やわらかすぎて切れない、または固すぎる | このレシピからは分からない | 確かめられた直し方はありません。安易に再加熱するより、糖液の温度と水分量を測る別の試作が必要です |
食べ方:フエのようにお茶と一緒に

Việt Nam Newsは、フエのメー・スンを、贈り物やお土産として、蓮の花で香りをつけた蓮茶とともに味わうものと紹介しています。GoVietnamは緑茶を勧めています。蓮の香りのお茶が手に入りにくければ、ふつうの緑茶を添えるだけでも十分です。お茶はあくまで任意で、菓子そのものには加えません。
アレンジ(基本のレシピとは分けて)
- ミラー型: 薄くて透明なタイプです。専用の糖液と厚みが必要で、このレシピを薄く広げただけでは作れません。
- カリカリ型: ライスウエハースを添えるタイプです。食感も作り方も、もちもちタイプとは違います。
- しょうがの香り: 作り手によってはしょうがを入れる配合もあります。このレシピには含まれておらず、ここでは加えません。
- ほかのナッツ: 理屈の上では可能ですが、フエの落花生入りのタイプから離れます。
- お茶を添える: 食卓での任意の楽しみ方で、菓子の配合は変わりません。
よくある質問
ミラー型のメー・スンとは何が違いますか?
Việt Nam Newsの特集でフエの作り手が語るところでは、もちもちタイプは厚さ約3cmで、ミラー型は薄く透明です。このレシピで作るのはもちもちタイプだけです。ミラー型には、別の糖液と厚みが必要になります。
タピオカでんぷんの代わりに片栗粉は使えますか?
同じ食感になることは確認されていないため、この記事ではおすすめしません。このレシピで使っているのは、キャッサバでんぷんの名前でも売られているタピオカでんぷんです。
落花生や胡麻なしでも作れますか?
この配合からは答えられません。胡麻と落花生はこの菓子の中心で、抜いてしまえば別のお菓子になり、裏づけのある作り方もありません。落花生や胡麻のアレルギーがある方は、このお菓子を食べないでください。
何個できますか?
このレシピには収量も型の大きさも示されていないため、個数は書けません。分量の調整や換算も行っていません。
どのくらい日持ちしますか?
このレシピには保存方法も保存期間も示されておらず、この記事でもお伝えできません。作り方の中の4時間の冷却は固まるまでの時間で、日持ちの目安ではありません。常温で保存して安全かどうかは確認されていません。
糖液は何度まで煮つめますか?
温度は示されていません。目安は糖液が蜜色になることだけで、温度計で狙う数値はありません。
どのくらい時間がかかりますか?
公開されているレシピの表示は、下準備15分、調理20分、置いておく時間4時間で、合計4時間35分です。これは表示されている時間で、実測した時間ではありません。




































