焼き色のついたガランティタの柔らかな断面と、クミンとハリッサを添えたバゲットサンド
🔪下準備15分
🔥調理1時間15分
🌍料理アルジェリア料理

ガランティタの作り方|アルジェリアの豆のフランをパンに挟む

約15分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 5

粉に水を少しずつ混ぜる

手順1: 粉に水を少しずつ混ぜる

所要5分、火は使いません。ヒヨコ豆粉250gをボウルに入れ、水1,000mlのうち250mlを3回ほどに分けて注ぎ、そのつど泡立て器で混ぜます。底や側面の粉も混ぜ込んで、乾いた粉の塊が残らないなめらかな状態にしましょう。液体は少しずつ加えるのがここでの要点です。続けて残りの水750mlを少しずつ加えます。分量外の水や粉は足しません。

STEP 22 / 5

卵と調味料を合わせる

手順2: 卵と調味料を合わせる

所要3分、火は使いません。別の器で卵2個を溶き、塩小さじ1、クミン小さじ1、植物油60mlを混ぜてから、粉と水のボウルへ加えます。卵の筋や油の大きなかたまりが残らなくなるまで、泡立て器を動かしてください。出来上がりは薄いクリーム色で、泡立て器から連続して流れ落ちるほどさらさらです。生の生地は味見しないでください。

STEP 33 / 5

型を用意して生地を流す

手順3: 型を用意して生地を流す

所要5〜7分です。オーブンを180℃に予熱し、予熱時間は機種の表示に従います。22×33cmのオーブン対応耐熱皿の底と側面に、油5mlを塗ります。待っている間に粉は底へ沈むので、底から混ぜ直し、全体が均一でさらさらの状態になってから皿へ流しましょう。この皿での生地の厚さはおおむね2cmが目安ですが、皿の内寸によって変わります。熱くなった庫内へ置く前に注ぐ作業を終え、皿は水平に持って運びます。

STEP 44 / 5

表面が色づき中心が固まるまで焼く

手順4: 表面が色づき中心が固まるまで焼く

180℃のオーブンの中段で、60〜75分を目安に焼きます。60分で様子を見て、足りなければ5〜10分ずつ追加してください。焼き上がりの姿は、表面が黄金色で、周囲が固まり、中心に液体の波が出ない状態です。中心が液状でないことを必ず確かめます。中心は柔らかくても構いませんが、取り分けたときに生地が流れ出すなら焼成不足です。卵料理として、中心は温度計で71℃以上を確認します。焼き色だけを安全の目安にはしないでください。表面だけ先に濃くなるときは、アルミホイルをふんわりかぶせて焼き続けます。このとき発熱部には触れさせません。

STEP 55 / 5

温かいうちに切り分ける

手順5: 温かいうちに切り分ける

焼き上がってから5分置いて、取り分けます。熱い皿には素手で触れず、調理用ミトンを使ってください。まず6人分に分け、さらにパンに挟みやすい約5〜7cm幅の切り身にします。へらは底まで入れてすくい、仕上げのクミン小さじ1/2を6人分へ分けて振ります。柔らかい切り身を一枚板のように無理に持ち上げようとしなくて大丈夫です。多少崩れたものは皿に取って食べられます。フランの中は柔らかなまま、焼き面は軽く色づいている。それが目指す姿です。

焼く前に小さな粉の塊が残っていたら、泡立て器でほぐします。ほぐしにくい塊だけは目の細かいざるで除きましょう。ただし、粉を大きく捨てて分量が変わるほどの塊なら、混ぜ直してください。表面の泡と乾いた粉の塊は別物です。さらさらの粘度そのものは、直さなくてかまいません。

固く乾いた仕上がりになったときは、焼き過ぎや広すぎる型が原因かもしれません。焼いた後に水を注いでも、元のフランには戻りません。次回は規定の型と分量へ戻し、60分から中心の状態を確かめて、そこで焼くのを止めます。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

買い出しでは、まず粉を探します。未焙煎のヒヨコ豆粉で、調味料を混ぜていないものを選んでください。菓子用の焙煎粉とは別物です。原材料表示でヒヨコ豆由来の粉であることを確かめ、揚げ物用の味付きミックスは避けます。水煮豆を潰したものは水分と粒が残るので、この分量の粉とそのまま交換することはできません。型は22×33cm、深さ4cm以上のオーブン対応皿を用意し、庫内に収まるかを先に見ておきましょう。

7品目

フランの生地

材料 分量 代替・備考
ヒヨコ豆粉 250g 未焙煎・無調味の粉。小麦粉や水煮豆への同量置換はしない
水 1,000ml 牛乳入りにするなら、水780mlと牛乳220mlに分ける
卵 2個(殻を除いて約100g) 基本配合では省かない。卵なしの別配合は食感と焼き方が変わる
植物油 60ml 香りの弱い油。オリーブ油でも作れるが香味が加わる
塩 小さじ1(約6g) パンやハリッサの塩気を考え、焼いた後に足す場合は一皿ずつ
クミンパウダー 小さじ1(約2g) 粒ではなく粉を使う
型に塗る植物油 小さじ1(5ml) 生地の油とは別に用意する
3品目

パンに挟むときの材料

材料 分量 代替・備考
バゲット 360g(1人60g) 6等分する。柔らかなパンでも挟めるが、外皮の歯触りは変わる
ハリッサ 小さじ3(約15g) 1人小さじ1/2から。辛さや塩気は製品ごとに異なる
仕上げのクミンパウダー 小さじ1/2(約1g) 6人分へ分けて振る

道具は、泡立て器、計量器、2L以上のボウル、耐熱皿、オーブン、取り分け用のへらです。豆粉は輸入食材を扱う店や通販で、「ヒヨコ豆粉」という一般名から探してみてください。クミンは粉で用意し、ハリッサは辛さと原材料表示を見て選びます。専用の焼き機は要りませんが、電子レンジだけで同じ焼き面ができるとは言えません。

コツ

同じ量でも小さな皿へ全量を入れると、生地が厚くなって中心が固まるまで長くかかります。皿を替えるときは、容量とオーブン対応の表示を確かめ、生地をふちまで注がないでください。22×33cmを基準にして、時間だけでなく中心の状態を見て仕上がりを確かめます。

注意

基本のフランには卵、パンには小麦が含まれ、牛乳入りに変えると乳も入ります。ヒヨコ豆やハリッサの原材料も、食べる人が避けている材料に合わせて確認してください。生の粉と卵を混ぜた生地は味見をしないこと。調理後の食品や器具に生地が触れないようにし、手・器具・作業台を洗います。

ヒヨコ豆粉、水、卵2個、植物油、塩、クミンと、仕上げ用のバゲットとハリッサ
豆粉を主材料にしたフランと、パンに挟むための材料
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栄養情報 1人分の目安
275kcal
エネルギー
11.3g
タンパク質
14.5g
脂質
24.3g
炭水化物
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

湯気の立つ四角い切り身を、割ったバゲットの間へすべり込ませます。そこへクミンをぱらりと振り、ハリッサをひと塗り。かじると、パンの外皮がぱりっと鳴って、中から温かな豆のフランがとろりと崩れてくる。アルジェリアで食べられるガランティタ(garantita、別名karantika)は、ヒヨコ豆粉で作る塩味の焼き料理です。表面は軽く色づき、中は柔らかいまま。この対照が、パンの歯触りと出会うところにおいしさがあります。

生地に肉も小麦粉も使いません。主材料はヒヨコ豆粉、水、卵、油で、焼く前の生地はさらさらのまま、液体に近い状態です。水の多いこの生地がオーブンの中で固まり、乾いたパンケーキではなく柔らかいフランになります。日本の台所での難所は二つあって、専用の豆粉を用意すること、そして中が液状のまま焼き上がりにしないこと。ここでは家庭向けに調整した6人分の配合を使い、180℃で60〜75分焼きます。準備は15分、合計で約90分が目安です。

地域で名前が変わる、アルジェリアの食卓

この料理は、土地によって変わる呼び名で知られています。中部ではgarantita、西部のオラン周辺ではkarantikaやkaran、ほかにcalentica、kalentikaなどの表記もあります。別々の料理というより、ヒヨコ豆粉の焼き料理を共有する呼び名の幅と見るほうがしっくりきます。オランは、この料理の屋台や街角の食事と結びつけて語られる都市です。ただ、名前の違いだけから厳密な県境や、すべての家庭に共通する作法、発祥の年までは言い切れません。

食べ方も街角と家庭で違います。バゲットに挟むほか、温かい四角い切り身を皿に盛り、サラダと一緒に食べる方法もあります。料理家のZikaが語るアンナバ(旧称ボーヌ)の家庭の記憶では、calenticaは前菜、つまり食前の一皿として作られていたそうです。これはZikaの家庭史であり、アンナバ全体の今の食習慣を示すものではありません。それでも、同じ粉の料理がパンで携帯する食事にも、皿で出す家庭の前菜にも姿を変えることは伝わってきます。

配合も家庭ごとに違います。卵も牛乳も入れない簡素な配合があり、卵を加える配合があり、牛乳で水の一部を置き換える配合もあります。卵が入るとフランらしいまとまりが出て、牛乳が入ると乳の風味が加わります。街の名前だけで卵の有無が決まるわけではなく、家庭ごとの配合が残っているのです。日本で作る基本配合は卵2個入り・牛乳なしにして、牛乳入りの変更は後の表で別に示します。

豆知識

家庭の料理を伝える人の記録も、いくつかあります。料理ブログの書き手nadiyadelは、トレムセンの街角の売り手から教わったレシピとして、豆粉250g・水1L・卵1個の配合を公開しています。一方、Amour de cuisineのSoulefは、叔母Djamilaから受け継いだ卵と牛乳入りの配合を公開しています。いずれも書き手自身が記した来歴で、同じ呼び名の料理に複数の家庭配合があることがよく分かる例です。

ガランティタの切り身とバゲット、クミン、ハリッサを並べた食卓
パンに挟む食べ方と、皿で食べる食べ方を並べる

パンに挟む食べ方と、家庭で変えられること

バゲット360gを6等分し、横に切れ目を入れます。切る作業は約2分です。1人分につきハリッサ小さじ1/2を薄く塗り、温かなフランを挟みます。口に入れると、フランの淡い味、クミンの香り、唐辛子の辛さ、パンの外皮の歯触りが、それぞれ別々に感じられるはずです。辛さに慣れていない人は、ハリッサを塗らずに別皿へ取り、焼いたフランを先に味わってください。ハリッサは別添えでも十分に楽しめます。

バゲットの切れ目にガランティタの切り身と薄く塗ったハリッサを挟む手元
辛さを控えたい人は、ハリッサを別添えにする

配合と食べ方を変える5つの方法

変え方 具体的な変更 味・食感や注意
牛乳入りの家庭配合 水1,000mlを水780ml+牛乳220mlにする 乳の風味が加わる。卵と粉の量は同じ、乳を避ける必要がある人には使わない
オリーブ油で作る 植物油60mlを同量のオリーブ油にする 油の香味が加わる。型に塗る油は別に5ml
辛味なしで出す ハリッサを塗らず、クミンだけを添える 基本のフラン自体に唐辛子は入っていない
皿の前菜にする パンを使わずフランを小さな切り身で出す 温かな豆の柔らかさを直接味わう。サラダを添えてもよい
アンナバの家庭例を試す 生地にディジョンマスタード大さじ1を加える 料理家Zikaが紹介する家庭例。マスタードの原材料とアレルギーも確認する

パンも自分で焼きたいなら、アルジェリアのセモリナ平焼きパンであるケスラが候補になります。街角のガランティタの標準のパンと言い切るものではなく、家で添えるパンの選択肢のひとつです。別の北アフリカの温かい豆料理を知りたいときは、チュニジアのラブラビへどうぞ。豆粉を焼くこの料理と違って、ラブラビは豆をスープにする料理です。皿で食べる前菜としてガランティタを出す日の、次の一品にもなります。

保存と温め直し

食べない分は、パンへ挟まずフランだけを清潔な浅い容器へ分けます。浅い容器で速やかに冷蔵してください。室温に置く時間は2時間以内、周囲が32℃を超えるなら1時間以内です。冷蔵庫は4℃以下が目安で、この料理は翌日〜2日以内に食べるのが、家庭向けの保守的な目安です。FoodSafety.govの一般表では卵入りの焼き料理は3〜4日とされていますが、ここではそれより短く設定した編集上の目安で、実測で保証したものではありません。

注意

温め直すときは、中心が74℃以上になっていることを確かめます。電子レンジなら途中で向きを変えて、冷たい箇所が残らないようにしてください。オーブンでの温め直しは、料理家の目安が160〜170℃で、この場合も時間だけでなく中心温度を確認します。長く室温に置いたものは、再加熱すれば必ず安全になるわけではありません。冷蔵の前に、完全に冷えるまで何時間も台所で待つのもやめましょう。

よくある質問

ヒヨコ豆粉を小麦粉や水煮豆に替えられますか?

この分量は、ヒヨコ豆粉を主材料にしたものです。小麦粉、米粉、水煮豆へ同量で置き換える作り方はご案内できません。豆粉の風味と、水分の多いフランの食感を保つには、主材料は豆の粉で用意してください。焙煎した菓子用の粉も、未焙煎と同じ仕上がりになるとは限りません。

卵を入れない配合もありますか?

粉・水・油・塩だけで作る家庭配合も、実際に紹介されています。ただ、このレシピの卵2個を抜くだけで、同じ焼き時間やまとまりになるわけではありません。卵を避ける必要があるなら、卵なしとして分量と工程が確かめられた別のレシピを選んでください。

中心が流れるのに表面だけ色づきました

中心の生地が流れるなら、そのまま出さずに、180℃で5〜10分ずつ追加して中心を確かめます。表面の色が濃いときは、アルミホイルをふんわりかぶせてください。発熱部には触れさせません。焼き色と火通りは別です。柔らかく固まったフランと、未加熱の液体は違うものなので、中心が71℃以上になっているかも確認しましょう。次回に向けては、厚く注ぎすぎた型、予熱不足、オーブンの実際の温度差を見直す点にできます。

冷凍しても同じ食感になりますか?

料理家Soulefは、解凍後にざらつく可能性を挙げていて、冷凍を積極的には勧めていません。冷凍は安全な保存期間の保証にもならないので、初回は食べ切れる量を作るのがよいでしょう。保存条件は前の節にあるとおりで、冷蔵なら翌日〜2日以内に食べる目安です。

焼き色のついた表面の下に、流れ出さず柔らかくまとまったガランティタの断面
固く乾かさず、液状の生地を残さないことが焼き上がりの目安

栄養情報はフラン全量の概算で、パン、ハリッサ、仕上げのクミンは含みません。豆粉250g、卵の可食部100g、油の合計65mlから算出していて、製品や型に残る油によって変わります。6等分した1人分は、約275kcal、たんぱく質約11g、脂質約15g、炭水化物約24gが目安です。牛乳入りへ変える場合は、基本配合とは栄養値が変わります。

主な参考リンク

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