ラトビアのライ麦パンを、酸味のあるベリーとクリームの層に
ライ麦パンの穀物の深み、ベリーの酸味、甘いクリームの丸み。この3つを混ぜずに残します。クリームは層の間に入れず、最後に上へのせます。
透明なグラスを思い浮かべてください。側面からは、濃い色の粗いライ麦パン粉と深い赤のベリーが縞になって見え、最後に白いホイップクリームがこんもりとのります。これがルプマイゼス・カールトユムス(rupjmaizes kārtojums)です。ラトビアについて書かれた英語のガイドは、ライ麦パン粉、ホイップクリーム、ベリーのジャムを重ねる層状のデザートとして紹介しています。
材料は身近なものばかりです。焼く工程はなく、この版ではパンも炒りません。やることはおろす、攪拌する、重ねる、泡立てる。あとは冷蔵庫が仕上げてくれます。同じ食卓の料理をもっと知りたい方は、ラトビアのレシピもご覧ください。
このレシピのもとにした版について
ここで紹介するのは、Latvijas Maiznieksのサイトに掲載された1つの版(Delfi Tastyの出典と明記されています)です。材料、割合、作業の順序、2時間の冷却は掲載どおりに残しました。そのページには実用上の細部が書かれていないため、いくつかの目安を補っています。このレシピは試作して確かめたものではなく、補った値は試作で確かめた数ではなく目安です。
| 項目 | 掲載されている版 | ここで使う目安 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 人数 | 記載なし | 小さめのデザートグラス約4個分 | 8人分(Rimi、Piegalda)や6人分(Lindas Virtuve)と明記された別のレシピの1人分と比べた値 |
| glāze(グラス)の大きさ | 記載なし | 200〜250 ml | Zeltene.lvとEdieni.lvのラトビアの計量の解説 |
| シナモン | 分量の記載なし | 小さじ1〜2(まず小さじ1から) | Rimi、Lindas Virtuve、Liene Gatavoの別のレシピの分量。いずれもこの版とは配合が異なる |
| 手を動かす時間 | 記載なし | 約30分と、2時間の冷却 | 20分(Rimi)と最大30分(Piegalda)。どちらもパンを炒る工程を含み、冷凍ベリーを沸騰させて冷ます時間は含まない |
4個分というのは、ラトビアで決まった1人分ではありません。ほかのレシピと比べると、パンの量はやや多めです。ただし、そちらは細かいパン粉や炒ったパン粉で、粗くおろしたパンとは単純に比べられません。グラスが200 mlならクリームは少なめですが、クリームを上にのせるだけのこの版には合っています。
掲載ページには1つ食い違いもあります。ベリーを砂糖と攪拌するよう指示しながら、その混ぜたものをievārījums(ジャム)と呼んでいるのに、加熱の工程がありません。この記事は書かれた手順に従い、未加熱のベリーのピューレとして扱います。別のLiene Gatavoのレシピにも、生のクランベリーを砂糖と煮ずに攪拌する作り方があります。
このデザートは本体を加熱しません。ベリーの扱いには気を配ってください。
- 輸入の冷凍ベリー: アイルランド食品安全庁(FSAI)は、ノロウイルスとA型肝炎ウイルスのおそれがあるため、輸入の冷凍ベリーは食べる前に1分間沸騰させるよう勧めています。免疫力の弱い人に出すときは特に大切だとしています。解凍しただけでは足りません。これはアイルランドの公的な助言で、世界共通の決まりではありません。生のベリー、缶詰のベリー、自分で育てて冷凍したベリーは対象外です。
- 生のベリー: 米国食品医薬品局(FDA)は、石けん、洗剤、野菜用洗浄剤を使わずに流水で洗い、清潔なタオルかペーパータオルで水気を取るよう勧めています。洗うと細菌は減りますが、なくなるわけではありません。傷みやすい農産物は、40°F(約4°C)以下の清潔な冷蔵庫で保管するようにとも助言しています。
- 手: 日本の厚生労働省は、調理の前に石けんと流水で手を洗うよう勧めています。
この料理に使える食材・調味料
道具
- おろし金
- ブレンダー
- ハンドミキサーか泡立て器
- ボウル
- 200 mlの計量カップ
- 大さじと小さじ
- 小さめの透明なデザートグラス、ふたかラップ
- 重ねるとき、取り分けるときのスプーン
- 清潔なタオルかペーパータオル
- 小鍋(輸入の冷凍ベリーを使う場合)
パン、ベリー、クリームの選び方
パン。 ライ麦の割合が高く、甘みの少ない密度のあるパンを選びます。表示を確認してください。ライ麦のサワードウや、穏やかな味の黒パンでも作れますが、甘み、酸味、香ばしさが変わります。やわらかい白い食パンや、菓子パンのように甘いパンでは、デザートの性格が変わってしまいます。
ベリー。 第一候補は砂糖を加えていないクランベリーかリンゴンベリーです。市販のジャムは手軽ですが、糖分も水分も変わるので、そのまま置き換えるのではなく別の版と考えてください。
クリーム。 乳製品の生クリームを使います。泡立てやすさを重視するなら、乳脂肪分は35%前後以上が実用上の目安です。表示で確かめてください。植物性のホイップ製品は風味が変わり、伝統の味の再現ではなくアレンジになります。
このデザートには、ライ麦由来のグルテンと、クリーム由来の乳が含まれます。パンの表示で、ほかの穀物や添加物も確認してください。
食感とトラブル対処

冷やすと層が落ち着き、パン粉の角がやわらぎます。ただし、完全に均一なプディングにはなりません。パン粉の粗さと層の厚みで歯ごたえが変わりますが、この版では試していません。
| 困りごと | 考えられる理由 | 対処 |
|---|---|---|
| パンがやわらかすぎておろせない | パンが新しすぎる、または水分が多い | 先にパンを少し乾かす。とてもやわらかいパンでの結果は未確認。トーストやバター炒めにすると別の版になる |
| ベリーの層が水っぽい | ベリーによって異なり、沸騰させた冷凍ベリーは水分が出ることがある | 水は足さない。沸騰させた冷凍ベリーは、出た液体の一部を取り分けておいてもよい |
| パンが思った以上にやわらかくなった | 休ませたため | 歯ごたえを残したいときは、層を薄くして早めに食べる料理人もいる。2時間冷やすこの版とは別のスタイル |
| クリームが盛れる固さにならない | 乳脂肪分が低いか、泡立てが足りない | 表示で乳脂肪分を確認し、クリームを冷たく保ったまま泡立て続ける |
| 余った | クリームを含むデザートである | 冷蔵して早めに食べる。安全に保てる日数は確認できていない |
ラトビアのほかのレシピに見られる違い
このデザートに決まった形はなく、掲載されているレシピはさまざまです。以下は比較のための紹介で、上のレシピには混ぜていません。
- リンゴンベリーかクランベリーか。 Latvijas Maiznieksのレシピはどちらでもよいとしていて、選び方で甘酸っぱさのバランスが変わります。
- 黒スグリのジャム。 Lauku ceļotājs提供としてMammamuntetiem.lvに載るレシピは、リンゴンベリー、クランベリー、黒スグリのジャムをよく使われる選択肢として挙げ、クランベリーとイチゴの組み合わせも紹介しています。ジャムは糖分と水分を持ち込むので、層の様子が変わります。
- 炒ったパン粉。 同じレシピに、乾燥させたライ麦パンを少量のバター、黒砂糖、シナモンで炒る方法がお好みで、と書かれています。
- 層の間のクリーム。 そのレシピは、泡立てたクリームも層に交互に入れています。Rimi、Piegalda、Lindas Virtuveのレシピも同様です。
- すぐ出すか、休ませるか。 Mammamuntetiem.lvのレシピは、すぐ食べるとパン粉がさくっとし、休ませるとやわらかくなると書き分けています。
- 料理人による現代風の版。 Mārtiņš Sirmaisの考案としてRimiに載るレシピは、サワークリーム、黒スグリのシロップとジュース、イチゴジャム、煮詰めたバルサムシロップを使います。構成がかなり異なり、2人分で作ります。
ライ麦パンがデザートになる
リガ・ストラディンシュ大学(Rīga Stradiņš University)の留学生向けガイドは、ルプマイゼ(rupjmaize)を濃い色のライ麦パンで、国の主食だと述べています。そしてこのパンで作る代表的なデザートとして、ルプマイゼス・カールトユムスを挙げています。パン粉、ホイップクリーム、クランベリージャムを使うと説明しています。Latvia Travelのリガ・ガウヤ地方のガイドは、ライ麦パン粉、ホイップクリーム、リンゴンベリーのジャムをグラスに重ねたデザートだと紹介しています。このガイドはラトビアの食を、地元の農場や森の産物を通して伝え、ライ麦パンをなじみ深い食べ物として位置づけています。
どちらも一般向けの案内で、歴史の研究ではありません。このデザートの起源、考案者、古さは確認できず、名前の語ごとの説明も確認できなかったため、この記事では触れません。
よくある質問
マイゼス・ズーパ(maizes zupa)と同じですか?
違います。リガ・ストラディンシュ大学のガイドは、両者を分けて説明しています。ルプマイゼス・カールトユムスは層状のデザートで、マイゼス・ズーパはライ麦パンと果物で作る甘いスープです。
何人分できますか? どのくらい日持ちしますか?
もとにした掲載レシピには人数の記載がありません。小さめのデザートグラス約4個分というのは、ほかのレシピの1人分の量と比べた目安で、試作では確かめていません。日持ちの目安も見つからなかったので、ここには書きません。冷蔵庫で保管し、早めに食べ切ってください。
冷凍のベリーでも作れますか?
作れます。ただし、輸入の冷凍ベリーを解凍しただけで生のまま使わないでください。アイルランド食品安全庁の助言に従い、1分間沸騰させて冷ましてから、生のベリーと同じ手順で進めます。沸騰で色や香りが変わるかもしれませんが、このデザートでは試していません。この助言は生のベリーには当てはまらないので、生のベリーは流水で洗って水気を取ってください。
攪拌したベリーの代わりにジャムを使えますか?
使えますが、別のデザートになります。ラトビアのレシピや案内にはジャムを使うものが数多くあります。一方、ここでもとにしたレシピはベリーを砂糖と攪拌します。ジャムは甘さと水分が変わるので、砂糖が必要かどうか、必要ならどれだけかは、味を見てから決めてください。
ほかの黒いパンでも作れますか?
ライ麦の割合と甘さを表示で確かめれば作れます。パンが変わると、甘み、酸味、香ばしさのバランスが変わります。
冷やす時間で食感はどう変わりますか?
ここで使ったレシピは2時間冷やします。Mammamuntetiem.lvのレシピは、すぐ出すとパン粉がさくっとしたまま、休ませるとやわらかくなると説明しています。ただしそのレシピは、材料の組み合わせが異なります。















