幅の広い浅い平皿に、半分に切ったにんにくの切り口をこすりつけます。その上に若い葉を敷き、くし形の完熟トマト、薄切りの生のセロリの芯、小さな緑のピーマン、若い玉ねぎ、やわらかなアーティチョークを重ねていきます。大きめのツナ、四つ割りの固ゆで卵、アンチョビ、小粒の黒オリーブをのせて、皿はそのまま食卓へ。オリーブオイルと黒こしょうは、皿が食卓に着いてからかけます。客人の前で混ぜ、全員がひと通りの具を取れるように取り分けます。
これがニース市の公式レシピに書かれたサラド・ニソワーズです。市はこの料理をニース語で La Salada Nissarda とも呼んでいます。春から夏にかけての料理で、ほとんどが生の野菜でできていて、火を通すのは卵だけです。
この記事では、ニース市公式レシピの8人分に沿って紹介します。世界で「ニース風」として出されるサラダには、ゆでたじゃがいもやさやいんげんを加えたものも多くあります。それは別の、国際的なスタイルとして後半で説明し、このレシピには混ぜません。
ニースの市場から食卓へ ― 公式の型とそのバリエーション
ニース市は、サラド・ニソワーズを地元料理の代表的な一品として挙げています。 市は、地元の生産者が市場で青果を売り、飲食店がそこから仕入れるという食文化を紹介し、レシピ・食材・提供のしかたについて基準を設ける「Cuisine Nissarde」のラベルについても説明しています。ニース・コートダジュール観光局によれば、公式のサラド・ニソワーズのレシピは、Cuisine Nissarde の技術委員会が検討し、承認したものです。フランスのほかの料理はフランスのページもご覧ください。
市のレシピは、これを春から夏の料理とし、採れたての生野菜を平皿に並べる型で組み立てています。観光局のレシピも、地元の野菜を皿に並べ、食べる直前にオリーブオイルを加えるという同じ姿を共有していて、きゅうりとワインビネガーを任意の材料として挙げています。ただし分量は市のレシピと異なるため、この記事では両者を混ぜていません。
フランスの公式観光サイト France.fr も la salada nissarda という名前を紹介し、この料理の起源を19世紀のニースに置く話を伝えています。ただしこれは同サイトの説明であり、独立して確かめられた年代ではありません。同じページには、伝統を重んじる人は加熱した野菜をサラダに入れないという話があり、じゃがいも、さやいんげん、焼いたツナステーキを使った創作版も紹介されています。どちらかを「間違い」と呼ぶ必要はありません。ニースのレシピは地元の基準であり、じゃがいもといんげんの入ったサラダは、各地へ広がった版です。
| ニース市公式レシピ | 国際的なスタイル(France.fr の例) | |
|---|---|---|
| 野菜 | 生のみ:葉、トマト、若い玉ねぎ、セロリの芯、アーティチョーク、緑のピーマン、ラディッシュ | 加熱したじゃがいもとさやいんげんを加える |
| 魚 | オリーブオイル漬けのツナと塩漬けアンチョビ | 焼いたツナステーキ |
| ドレッシング | 食卓でオリーブオイルとこしょうをかけ、客の前で混ぜる | ドレッシングで和える |
この料理に使える食材・調味料
道具
- 幅広で浅い大皿
- 卵をゆでる小鍋
- 包丁とまな板
- 洗った野菜の水気を切るざる
- 食卓で混ぜて取り分けるフォークとスプーン
選び方と代用
ニースの食材には、その土地と季節のものがあります。ほかの土地で作るときの考え方をまとめます。いずれも代用であり、同じ味にはなりません。
- ミックスリーフ(mesclun): 若い葉のミックスで代用できます。苦みや葉の取り合わせはニースのものと同じにはなりません。
- cébettes: 小ねぎの白い部分や、細い新玉ねぎを使います。辛みが違うので薄く切ってください。
- 小さな紫アーティチョーク: 生で食べるのはやわらかい芯だけです。手に入らなければ省くか、水煮の芯をよく水気を切って別案として使います。食感と水分は生のものと一致しません。400 gを下処理後の重さに換算しようとしないでください。
- 小さな緑のサラダ用ピーマン: 普通の緑のピーマンを細切りにして代用できます。
- 細長いラディッシュ: 普通のラディッシュで構いません。やわらかい葉があれば残します。
- ニース産黒オリーブ: 一般的な塩水漬けの黒オリーブで代用できますが、品種の香りと塩気は異なります。塩を足す前に味を見てください。
- ツナ: レシピは200 gが缶の中身全部か、油を切った重さかを示していません。ここでは、サラダに実際にのせるツナの重さを量り、缶のオイルは100 mlのオリーブオイルに足さないことにします。水煮のツナはオリーブオイルの香りが弱く、仕上がりも変わります。
- 塩漬けアンチョビ: 丸ごとの塩漬けでもフィレでも、製品の表示に従って食べられる状態にしておきます。
火を通すのは卵だけで、生の魚は使いません。生野菜を扱うので、手、道具、皿を清潔にしてください。盛り付けは食べる時間の近くに行い、盛ったあとは長く室温に置かないでください。残りは早めに冷蔵します。ツナ缶、アンチョビ、オリーブはラベルでアレルゲンと加工の情報を確認してください。
水っぽい・塩辛い・硬いときの直し方
| 問題 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 葉が水っぽくしんなりする | 野菜の水気を切っていない。トマト、塩、オイルが早すぎた | 洗った野菜の水気をよく切る。トマトは食べる時間の近くに並べ、オイルは食卓でかける |
| 塩辛い | アンチョビ、ツナ、オリーブがどれも塩気を持つ | トマトと野菜の塩は軽くし、食卓で味を見てから調整する |
| 生野菜が硬い | アーティチョークの外葉やセロリの筋が残っている | アーティチョークのやわらかい芯と、セロリの白い芯だけを薄く切って使う |
| 食べる前に盛り付けが崩れる | 早く混ぜすぎた | 幅広の皿で組み立て、混ぜるのは食卓で。それまでは具材が見えて取り分けやすい |
| 材料が手に入りにくい | 季節や地域の野菜 | 季節の追加材料は省き、代用品は「代用」として扱って同じものとは呼ばない |
アレンジ
- 季節のそら豆を加える。 市が春夏の任意材料として挙げており、さや付きの重さで400 gです。工程6でさやから出して散らします。旬でなければ入れません。
- きゅうりを加える。 市は薄切りのきゅうり200 gも任意として挙げています。水分が出るので、食べる直前に皿にのせます。
- アーティチョークを省く。 小さな紫アーティチョークが手に入らなくても、葉、トマト、ほかの生野菜が中心になっていれば成り立ちます。
- アーティチョークの水煮の芯を使う。 よく水気を切ってください。生のアーティチョークとは別の案で、食感はやわらかく、水分も多くなります。
- ほかの黒オリーブを使う。 塩水漬けの黒オリーブで代えられます。ニース産ならではの香りはなくなるので、塩を足す前に味を見ます。
- アンチョビを主役にする。 ツナを少なめにして塩漬けアンチョビを前に出し、加える塩を控えます。
- 国際的なスタイルは別の料理として。 France.fr に出ているような、加熱したじゃがいも、さやいんげん、焼いたツナの版を作りたいときは、上のニースの分量に足さず、別のレシピとして作ってください。
よくある質問
じゃがいもを入れてもサラド・ニソワーズと呼べますか?
じゃがいもは、生野菜と固ゆで卵でできたニース市の公式レシピには入っていません。France.fr はじゃがいもとさやいんげんを使った版を創作的なアレンジとして紹介し、伝統を重んじる人は加熱野菜を入れないとも伝えています。別の、広く伝わったスタイルと受け止めるのがよいでしょう。
ツナとアンチョビは両方必要ですか?
公式の材料表には両方があります。オリーブオイル漬けのツナ200 gと、塩漬けアンチョビ8尾(フィレなら16枚)です。どちらも塩気があるので、野菜の塩は少しずつ足してください。
そら豆は必須ですか?
必須ではありません。市のレシピでは春夏の任意の材料で、400 gはさや付きの重さです。この記事のレシピでは入れていません。
ニース語では何と呼びますか?
ニース市は、La Salade Niçoise と並べて La Salada Nissarda という名前を示しています。
作り置きはできますか?
食べる直前に組み立ててください。葉とトマトから水が出てしんなりし、オイルも食卓でかけます。資料には保存期間が書かれていないため、日数は示しません。残りは早めに冷蔵してください。

















