白い砂糖の下に、果実がぎっしり詰まった重いパン
バターをたっぷり含んだ密な酵母生地、どの一切れにも行き渡るレーズン、バターと砂糖で封をした表面。パンそのものと同じくらい、果実と仕上げが大切です。
アドベントの午後、ドイツの家庭ではコーヒーカップの横にシュトレンが置かれます。やわらかな粉糖の層の下にナイフを入れて薄く切ると、断面には黒っぽいレーズン、鮮やかな柑橘ピールの砂糖漬け、淡い色のアーモンドが顔を出します。シュトレンは、果実とナッツとスパイスを抱かせた小麦の酵母生地で作る、ドイツの季節の焼き菓子です。
気軽に焼けるケーキではありません。レーズンは前の晩に浸け、生地はバターで重くなり、仕上げも二日がかりです。焼きたての熱いうちにバターを塗り、一晩おいてからもう一度バターを塗って砂糖をまといます。家庭で焼くときに迷うのは、固くて濃い生地をこねること、果実をむらなく混ぜること、厚みのあるローフの焼き上がりを見極めること、そして伝統的な「休ませる期間」が何を意味して何を意味しないのか、という点です。
このレシピは、バイエルン州の公共放送BRが公開しているドレスデン風シュトレンの家庭向けレシピ1本に沿っています。材料に入る前に、まず整理しておきたいことがあります。シュトレン一般と、保護された名称Dresdner Christstollenの違いです。
シュトレンとは、酵母生地で焼くドイツのクリスマス菓子
シュトレンは「フルーツケーキ」とも「フルーツパン」とも呼ばれがちですが、どちらも少しずれています。欧州委員会はDresdner Christstollenを、果実、ナッツ、スパイスを加えた、酵母で膨らませる小麦のローフとして説明しています。骨組みを作るのは発酵させた生地で、そこにバター、ドライフルーツと砂糖漬けの果実、アーモンドが練り込まれて豊かな味わいが生まれます。伝統的な仕上げは、バターと粉糖です。
シュトレンはドイツ各地の多くの家庭やお店で焼かれますが、Dresdner Christstollen(Dresdner Stollen、Dresdner Weihnachtsstollenとも)は保護地理的表示です。2010年に認められたEUの保護のもとで、この名称は、ドレスデンと周辺12の自治体で作られたシュトレンだけのものです。生産者団体のSchutzverband Dresdner Stollenは、保護の対象となるのがドレスデンとその周辺のパン店・菓子店だけで作られるレーズン入りシュトレンで、団体のシールとEUのシールで見分けられると説明しています。自宅の台所でどれほど丁寧に焼いても、それはドイツ風の家庭製シュトレンであり、Dresdner Christstollenではありません。
ドレスデンとシュトレンの歴史
シュトレンをさかのぼると、ドレスデンに行き着きます。欧州委員会も、ドレスデンの生産者団体も、最初の文献上の言及として1474年の病院の請求書を挙げています。当時のシュトレンは断食期の食べ物で、団体の説明では小麦粉と酵母と水だけの素朴な生地でした。今のような豊かなクリスマスの焼き菓子は、この質素な出発点から育っていきます。
物語の転機はバターです。断食期にはバターが認められていませんでしたが、両方の資料が、その使用を許した教皇の書簡、いわゆるButterbrief(バター書簡)に触れています。
欧州委員会のページは1490年、団体は1491年としています。どちらか一方に決めるより、この変化は15世紀の終わりに起き、正確な年は資料によって異なる、と受け止めるのが公平です。
バターが使えるようになって、シュトレンは日持ちもする、リッチな焼き菓子へと姿を変えていきました。
その後、言い伝えでは1730年にアウグスト強王のために巨大なシュトレンが焼かれたとされ、この話は今もドレスデンの祭りの暦の中で祝われています。欧州委員会のページには、名前をトンネルと結びつける説など、ほかの起源譚も出てきますが、確かな事実ではなく彩りのある言い伝えとして紹介されています。ほかの場所で目にする、形が産着にくるまれた幼子を表すという説明も、これらの資料では確認されていません。歴史ではなく、お話として受け止めておくのがよさそうです。
団体はさらに、スパイスの配合や仕上げの細部はお店ごとに違うと述べています。挙げられている特徴的な材料は、レーズンまたはサルタナ、バター、レモンとオレンジの砂糖漬けの皮、スイートアーモンドとビターアーモンド、そして好みでラム酒です。地名が法的な重みをもつため、この記事では仕上がりを「ドイツ風のシュトレン」と呼び、BRの配合は保護された製品の配合ではなく家庭向けのレシピとして扱います。ほかのドイツ料理はドイツのページもご覧ください。
この料理に使える食材・調味料
道具
- レーズンを浸す、ボウルまたは蓋つきの容器
- 大きなミキシングボウル
- 生地を休ませるときにかける布または蓋
- 縦に切り込みを入れるナイフ
- 平らな天板
- オーブン
- 刷毛
- バターを溶かす小さなボウルか鍋
- 粉糖を振るうふるい
- プローブ温度計(任意。ローフの中心の確認用)
選び方と代用
小麦粉。 Type 405はドイツの小麦粉の規格表示で、他国の売り場にそのまま同じものがあるとは限りません。この配合の基準はType 405で、地元の小麦粉に置き換えた場合は、このレシピでは試しておらず、食感が変わる可能性があります。
生イースト。 生イースト50 gを使います。手に入らない場合は、イーストのメーカーが示す換算の案内に従ってください。
メース。 メース(Macis)はナツメグの種を包む網目状の仮種皮で、ナツメグそのものではありません。ナツメグに替えると香りが変わります。替える場合は、BRの配合ではなく自分なりのアレンジとして扱ってください。
柑橘ピール。 刻んだレモン(シトロン系)とオレンジの砂糖漬けの皮を、合計116 g使います。2種の割合は自由に決められます。
アーモンド。 食感が生地に残るように粗く刻んだものを使います。
バター。 生地用にはバターまたは澄ましバター(Butterschmalz)を使えます。澄ましバターは水分が少ないので、無塩バターで作るこの版とは仕上がりが変わります。どちらか一方を使い、両方は使いません。
ラム。 アルコールを避けたい場合は、浸す液に果汁を使う方法もあります。
焼き加減の見極めと、うまくいかないとき

原典が示す焼き上がりの目安は3つです。表面が薄い茶色になっていること、軽く押すとはね返して沈みすぎないこと、温度計があれば中心が約95°Cであること。下の表は実用上の提案であり、このレシピで試したものでも、保証でもありません。
| 状況 | 見るところ | 試すこと |
|---|---|---|
| 生地がとても重く、固く感じる | 密で濃い生地なので、もともとそういうもの | 混ぜる前にバターをやわらかくしておき、果実を加える前になめらかになるまでこねる |
| 果実がところどころに固まる | 果実を一度にまとめて入れた、またはレーズンに液が残っている | 必要ならレーズンの液を切り、果実を数回に分けて加え、均一になるまでこねる |
| 表面の色づきが早い | 200°Cから焼き始めるため | 25分あたりで色を見て、原典のとおり180〜160°Cに下げる |
| 中心まで焼けたか分からない | 厚いローフは見た目では判断しにくい | はね返しを確かめ、あれば温度計で中心が約95°Cかを見る |
| 表面に出た果実が焦げたように見える | 表に出た果実はオーブンの熱を直接受ける | ひどく焦げた部分を取るかどうかは判断に任せる。原典はこの状況に触れていない |
| 砂糖がつかない | バターの塗りが薄い、またはバターを塗り直さずに砂糖をまぶした | グラニュー糖の直前に、溶かしバターをもう一度刷毛で塗る |
ドイツの食卓で味わい、休ませる

シュトレンはクリスマスの季節の菓子で、ドレスデンでは街の季節の伝統や祝祭と結びついています。食卓では薄く切って出します。これだけ濃厚なローフにはその切り方が似合います。習慣は地域や家庭によって違うので、唯一の「正しい」食べ方があるわけではありません。
BRは、仕上がったシュトレンを暗くて涼しい場所に4週間おき、味をなじませることを勧めています。これは風味のための伝統的な提案であって、必須の工程でも、常温で安全に保存できる期間でもありません。焼いて、冷まして、仕上げたら食べられるので、4週間待つ必要はありません。どのくらい日持ちするかは、台所の環境、焼き方、包み方によります。カビが見えたり、変なにおいがしたり、湿りすぎていたりしたら、食べないでください。
アレンジと、原典との違い
- ラムなし。 果汁に浸す案はGNTBの別のレシピにあるもので、そちらは卵が入り、配合も違います。ここで果汁を使うのはBRの配合ではなく、自分なりのアレンジです。
- ピールの割合を変える。 合計116 gはそのままに、レモンとオレンジの配分を変えます。原典に内訳がないので、どう分けても編集上の選択です。
- アーモンドの切り方を変える。 90 gは変えず、切り方だけを変えて食感を調整します。
- マジパンを中心に入れる。 マジパン入りのシュトレンも存在しますが、BRのレシピの外です。材料が増えると水分も焼き方も変わり、その変化はここでは試していません。標準の配合にそのまま混ぜないでください。
- 小さなローフに分ける。 生地を分けると必要な焼き時間が変わるため、原典の焼き上がりの目安はそのまま使えません。色、はね返し、中心の温度を見ながら調整してください。
よくある質問
シュトレンとDresdner Christstollenは同じですか?
いいえ。シュトレンはこのドイツのクリスマス菓子の総称です。Dresdner Christstollenは、ドレスデンと周辺12の自治体で作られ、団体とEUのシールをつけたシュトレンに対するEUの保護地理的表示です。家庭で焼いたローフはドイツ風のシュトレンです。
メースが見つからないとき、ナツメグでもよいですか?
メースとナツメグは同じ果実から採れますが、同じスパイスではなく、香りも違います。ナツメグは自分なりのアレンジとして使えますが、香りは変わります。
焼いてすぐ食べてもよいですか?
はい。焼いて、冷まして、仕上げたら食べられます。BRは4週間休ませて風味を育てることを勧めていますが、それは任意で、必須ではありません。
シュトレンはどのくらい日持ちしますか?
BRの「暗くて涼しい場所で4週間」は風味のための提案で、安全な保存期間ではありません。日持ちは環境、焼き方、包み方で変わります。カビ、異臭、湿りすぎがあれば食べないでください。
含まれるアレルゲンは?
小麦(グルテン)、乳・バター、アーモンド(木の実)、イーストで、レーズンを浸すラムも使います。この記事の代用は、アレルギーに対して安全だと保証するものではありません。














