ゆでたてのじゃがいもから、湯気が立ちのぼります。ライサーで押し出して、山のように盛った粉の上へ。柔らかい生地を手早くひとまとめにして、長い棒にのばし、切り分け、小さな一片ずつフォークに押し当てて溝をつけていく。じゃがいものニョッキは、そんな台所の手仕事から生まれます。生地の軽さが食感を決める料理です。
今回作るのは、イタリア料理の中の「じゃがいものニョッキ」です。ニョッキという名前はもっと広く、セモリナ粉を使うローマ風のものや、パンを使った団子、粉と水の生地など、材料の違う団子の一族をまとめて指します。この記事は、焼き上げるセモリナ粉の料理ではありません。イタリアのレシピサイトGialloZafferanoが掲載している、卵入りのじゃがいものニョッキを、最初から最後まで一つの配合で通して紹介します。
この生地で大切なのは、熱いうちにつぶすこと、手早くまとめること、硬くなる前に止めることです。ふんわり軽く仕上げるのは、粉の量を足すことではなく、混ぜる段階での引き算です。
この料理に使える食材・調味料
硬い、崩れる、べたつくときの見直し
原典は、粉の量の釣り合いをこう説明しています。粉が多いとニョッキは硬くなり、少ないと崩れます。たいていの問題は、じゃがいも、粉、扱い方のどれかに行き当たります。
| 状態 | 考えられる原因 | 確かめること |
|---|---|---|
| 硬い・重い | 粉が多い、生地を長く混ぜた | まとまったところで混ぜるのをやめる。打ち粉を生地に練り込まない |
| ゆでると崩れる | 水分の多い・新しいじゃがいも、粉が少ない、一度に入れすぎた | 粉質のじゃがいもを皮付きでゆでる。少量ずつゆでる |
| 生地の表面が乾く | 使わない生地を出したままにした | 成形していない分は布をかけておく |
| トレイの上でくっつく | 生地同士が触れている、打ち粉が足りない | セモリナ粉を軽くふったトレイか布に、間隔をあけて並べる |
失敗した生地を救う確かな比率はないので、ここでも新しい数字は示しません。混ぜる前のじゃがいも選び、熱いうちにつぶすこと、短く混ぜることが、いちばん確かな対策です。
保存は、ばら凍結してから袋へ
原典によると、ゆでる前のニョッキは、布の上に置いたままで数時間までとされています。これは原典の取り扱いの注意で、常温での食品安全を保証するものではありません。その日のうちにゆでるのがいちばん簡単です。
冷凍するときは、ゆでる前のニョッキをトレイにくっつかないよう並べて凍らせます。原典の目安は約20分ですが、動かしても互いにくっつかない程度まで凍っているかどうかが本当の目安です。そのあとで冷凍用の袋に移します。ゆでるときは解凍せず凍ったまま、沸騰した塩湯に数個ずつ入れてください。
原典には、ゆでたニョッキの冷蔵保存期間、冷凍の期限、温め直しの方法が載っていません。そのため、この記事でも案内しません。作りたてをゆでるか、ゆでる前に冷凍する方法をおすすめします。
ソースは生地を覆いすぎないものから
どのソースを選ぶときも、溝に収まる程度の量にとどめると、ニョッキの柔らかさが引き立ちます。
- バターとセージ: この記事で写真にした組み合わせで、原典も提案しているものの一つです。香りがよく、軽い仕上がりになります。
- トマトソース: じゃがいも生地のやさしい味に、酸味が加わります。
- ゴルゴンゾーラなどの濃いチーズソース: 量を控えめにして、ニョッキの食感を覆い隠さないようにします。
どれも食べ方の提案で、生地の配合ではありません。イタリア全土で決まった一つのソースがあるわけでもありません。
ニョッキという大きな一族の、一つの顔
ニョッキは、一つの決まった料理ではありません。料理史家のLuca Cesariは、イタリアの専門誌Gambero Rossoで、ニョッキを材料の違う料理の一族として扱い、セモリナ粉のニョッキやカネーデルリ(canederli)のような団子もその中に含めています。じゃがいもが使われる前から続くニョッキの系統があり、のちには粉と水と卵を使うものも生まれました。じゃがいも入りは、その後に広がった一つの変種だと説明されています。つまり、じゃがいものニョッキは、古くから変わらない一つのレシピではないのです。
イタリアの辞書Treccaniは、じゃがいもと粉で作るニョッキのほか、同じ名前で呼ばれる地方の料理も載せています。語源はヴェネト語のgnòcoとの関連を示していますが、確実とは言い切っていないので、名前の由来はあえて決めないでおきます。
じゃがいものニョッキの中にも、地域による違いがあります。エミリア=ロマーニャ州の伝統食品の記録には、ピアチェンツァ、モデナ、フォルリ=チェゼーナ周辺のニョッキ(gnocchi、gnocc)が載っています。ゆでたじゃがいもをつぶし、粉と少量のパルミジャーノを混ぜ、約1cmの太さの棒にして約1cmに切り、フォークで筋をつけ、塩湯で浮くまでゆでるというものです。これは別の地域版で、上のレシピに足すものではありません。
イタリア政府観光局のサイトは、イタリアの食文化が地域、都市、家庭ごとの違いで形づくられていると紹介しています。この記事の配合は、その幅の中の、記録のはっきりした家庭レシピの一つです。ニョッキの唯一の正解ではありません。
同じ国のほかの料理はイタリアの料理で紹介しています。
よくある質問
じゃがいもを使わないニョッキもありますか?
あります。ニョッキは幅広い名前で、セモリナ粉のもの、パンを使った団子、昔ながらの粉の生地などがあります。このレシピは、じゃがいものニョッキだけを扱っています。
ニョッキボードは必要ですか?
いいえ。原典では、溝をつけるのにフォークでもニョッキボードでもよいとされています。フォークで十分うまくできます。
卵なしで作れますか?
原典のページには、粉と塩の量が違う、卵なしの別の配合も載っています。それは別のレシピなので、そちらの分量のとおりに作ってください。この配合から卵を抜いたり、二つの配合を混ぜたりしないでください。
冷凍したニョッキは解凍してからゆでますか?
いいえ。凍ったまま、沸騰した塩湯に数個ずつ入れます。
ゆで時間は何分ですか?
決まった時間ではなく、浮いてきたものから順に取り出すのを目安にしてください。
















