灰色えんどう豆にベーコンと玉ねぎをのせて
皮をつけたまま、中まできちんとやわらかく煮た大粒のえんどう豆。ベーコンの脂で炒めた、脂身の多いベーコンと玉ねぎ。それを熱い豆にのせ、グラス一杯のケフィアを添え、こってり感を和らげます。
乾燥豆は、冷たい水を張ったボウルの中で一晩過ごします。翌日は新しい水の鍋に移し、大理石のような模様のある灰褐色の豆が、中まで粉質にやわらかくなるまでゆっくり煮ます。その間にフライパンでは、脂身の多いベーコンの小さな角切りから脂が溶け出し、残った脂で刻んだ玉ねぎを炒めます。熱い豆を器に盛り、ベーコンと玉ねぎをのせて、それぞれの皿のそばにケフィアのグラスを置きます。
これが Pelēkie zirņi ar speķi。英語では一般に「grey peas with bacon」と呼ばれます。ラトビアの公式観光サイト Latvia Travel は、灰色えんどう豆をクリスマスと結びつけ、灰色えんどう豆とベーコンを伝統的な主菜として紹介しています。ベーコンや燻製の豚肉、玉ねぎなどをのせて食べるそうです。
ここで作るのは、Jordan Argyle(Koka Family)さんがコミュニティのレシピ集に寄せたラトビアの家庭のレシピです。乾燥した灰色えんどう豆1kg、脂身の多いベーコン200g、黄玉ねぎまたは白玉ねぎ1個、塩と黒こしょうは好みの量で、ケフィアを添えます。このレシピには収量の記載がないため、ここでも何人分とは書きません。あくまで一つの家庭の作り方で、ラトビアの公式な基準ではありません。同じ国の他の料理はラトビアのページからどうぞ。
このレシピは、世界ごはん紀行ではまだ台所で試作していません。分量と手順は家庭のレシピにできるだけ忠実にしてあり、煮る時間は豆の浸水の具合で変わるため、あくまで目安として示しています。
ラトビアの冬の食卓に並ぶ豆料理
灰色えんどう豆とベーコンは、豆をやわらかくゆで、豚の脂と玉ねぎで仕上げる料理です。Latvia Travel はこれをクリスマスの食卓の一品として紹介し、ラトビアの民間伝承では豆が繁栄と活力の象徴とされていると伝えています。同じページには、豆はゆでる前に水に浸すこと、ベーコン、燻製の豚肉、玉ねぎなどをのせて出すことも書かれています。公式の説明でさえ、のせるものは家庭ごとに選べる余地を残しているわけです。
ここで参考にした家庭のレシピは、寄稿者のラトビアの家族にとってクリスマスのころに大切な料理で、ケフィアと一緒に食べると説明しています。これは一つの家族の習わしであり、ラトビアのどの家庭にも当てはまる決まりとして読むものではありません。Rēzekne のコメニウス(Comenius)計画の学校プロジェクトで作られた短い教材レシピも、この料理を寒い季節の食べ物としてクリスマスや新年と結びつけています。そこには新年の豆についての子どものころの思い出も一人称で添えられていますが、これは書き手一人の記憶であり、全国的な習慣の証拠ではありません。
豆そのものの歴史は、一つのレシピよりずっと古くまでさかのぼります。EUが公表したラトビア産灰色えんどう豆の仕様書によると、ラトビアでは少なくとも18世紀から灰色えんどう豆が栽培されてきました。19世紀にじゃがいもが定着するまでは、豆、大麦、そら豆などが主食の役割を担っていたとも記されています。同じ文書は、灰色えんどう豆とベーコンが今では観光ガイドブックでラトビア料理として紹介されていることにも触れています。ただ、これらの資料に料理そのものの単一の起源や年代は示されていないため、ここでも挙げません。
ラトビアの灰色えんどう豆は何が違うのか
EUの登録簿で保護されている名称「Latvijas lielie pelēkie zirņi」(ラトビアの大きな灰色えんどう豆)が指すのは、調理した料理ではなく産品です。2015年のEU官報(Official Journal of the European Union)の公表によれば、対象はエンドウ(Pisum sativum L.、maculatum 変種)の在来品種 Retrija の乾燥した種子です。仕様書はこの豆を、大粒でごつごつとして、茶色に灰色がかった大理石模様があり、種子の黒いへそ(hilum)を持つと説明しています。皮をつけたまま食べ、ゆでても崩れず、食感は粉質でやわらかく、皮に由来するやさしい風味があるとのことです。
ここから分かることが二つあります。まず、保護されているのは乾燥豆だけで、「灰色えんどう豆とベーコン」という料理が保護されているわけではありません。次に、大きな灰色や茶色の乾燥豆がすべて Retrija や保護対象の産品とは限りません。身近な店で買える普通の乾燥えんどう豆で作る場合は、料理の骨組みを代用品で再現することになり、皮や食感の出方は変わるかもしれません。
道具
- 浸水用の大きなボウル
- ざる
- 大きな鍋
- フライパン
- まな板と包丁
- 木べらまたはヘラ
選び方と代用
豆。 輸入食品店やオンラインショップで「Latvian grey peas」「Latvijas lielie pelēkie zirņi」「Retrija」といった表示を探します。売られているかどうかは時期や店によって違うので、実際に出ているものを見て、ラベルを読んでください。原産国や品種名が書いてあることと、保護された名称であることは同じではありません。見つからなければ、大粒で皮つきの乾燥えんどう豆でこの料理の骨組みを再現できますが、皮の様子や粉質な食感は違ってきます。ひよこ豆は別の種類の豆で、できあがる料理も別物になるため、基本の代用にはしません。
ベーコン。 ここでは何より脂が大切です。ラトビアのスペーキス(speķis)と店で売っているベーコンは同じではなく、燻製の強さ、塩気、脂の量が製品ごとに違います。脂の多い部位を選んでください。赤身の多いベーコンは脂があまり出ないので、玉ねぎの炒まり方が変わり、ソースの味も薄くなります。
ケフィア。 添えるなら、砂糖の入っていないプレーンの乳製品のケフィアがいちばん近い選択です。別の発酵乳飲料を使う場合は、風味ととろみが同じにはならないと知っておいてください。別添えの飲み物なので、なくても料理自体は変わりません。
硬い、崩れる、しょっぱい — よくあるトラブルの直し方
ここに挙げるのは、よくあるつまずきに対する台所での実用的な提案で、家庭のレシピに書かれた決まりではありません。
| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 豆の中心がまだ硬い | 浸水が短い、豆が古い、水が減っていた | 豆が水をかぶるよう水を足しながら煮続け、時間ではなくかじって確かめる |
| 豆が割れてどろどろになる | 強く煮立てすぎた、皮の薄い種類の豆だった | 火を弱めて静かな煮立ちにし、混ぜるのを控える。普通の乾燥えんどう豆は、Retrija の灰色えんどう豆より崩れやすいことがある |
| ソースがしょっぱすぎる | 塩気の強いベーコンに、さらに塩を足した | ソースの塩は味を見るまで控える。次回はもっと穏やかなベーコンを選ぶ |
| ソースが乾いて、玉ねぎがうまく炒まらない | 赤身の多いベーコン、または脂を捨てた | 出た脂はすべてフライパンに残す。次回は脂の多いベーコンを選ぶ |
| 玉ねぎの炒め上がり前にベーコンが焦げた | 脂を出すときの火が強すぎた | もっと穏やかな火でベーコンをきつね色にしてから、玉ねぎを加える |
家庭ごとの違いとアレンジ
公式の観光案内でさえ、のせるものは決まっていません。ベーコン、燻製の豚肉、玉ねぎ、あるいはほかのトッピング、という書き方です。作り方にも違いがあります。ここで参考にした家庭のレシピは、ソースを熱い一皿ずつに合わせます。Comenius プロジェクトの短い教材レシピは、灰色えんどう豆200gに燻製ベーコン、玉ねぎ、塩を使い、ゆでた豆をベーコンと玉ねぎのソースに加えて少し一緒に炒めてから、ケフィアと一緒に出します。この二つの別のレシピの分量と手順は混ぜていませんし、どちらかを唯一の正解とも考えていません。
書かれたとおりに一度作ったあとで味を調整したい場合の、家庭のレシピとは別の、試していない編集部の提案を挙げます。
- ベーコンの燻製の強さを変える。燻製のきついベーコンは煙の風味が豆にまで移り、穏やかなものなら豆の皮の味が前に出ます。
- 玉ねぎの炒め方を浅めにする。深く色づく手前で止めると、カリッとした食感は減りますが、ソースがやわらかく甘くなります。
- ケフィアの量を調整する。大きめのグラスを横に置くと、脂と塩気が軽く感じられます。
- ライ麦パンを添える。これは食卓の任意の案であり、レシピの材料ではありません。
- 急ぎの浸水法はありません。今回使った資料に短時間で戻す方法の記載がないため、ここでは紹介しません。一晩の浸水を見込んで計画してください。
よくある質問
灰色えんどう豆はひよこ豆と同じですか?
いいえ。EUの仕様書によると、保護されているラトビアの灰色えんどう豆はエンドウ(Pisum sativum)の Retrija 品種です。ひよこ豆は別の種類の豆で、入れ替えると料理の食感と風味が変わります。
普通の乾燥えんどう豆でも作れますか?
大粒で皮つきの乾燥えんどう豆でも料理の骨組みは再現できますが、保護されているラトビアの産品にはなりません。EUの仕様書は、Retrija の豆は皮がついたままゆでても崩れず、中は粉質でやわらかいと述べています。ほかの豆はもっと崩れたり、皮が違ったりするかもしれません。ゆで上がりはかじって判断してください。
ケフィアは必要ですか?
参考にした家庭のレシピは、量を示さずにケフィアなどの発酵乳飲料を添えることを勧めており、教材レシピもケフィアと一緒に出しています。ケフィアは飲み物として別に添えるもので、ソースには入れません。なくても食べられます。
作り置きはできますか?
家庭のレシピは、豆を熱いうちに出し、そのつどソースを合わせる作り方です。今回使った資料には保存や温め直しについての記載がありません。そのため、保存日数や温め直しの方法は書きません。
灰色えんどう豆とベーコンはEUで保護されている料理ですか?
いいえ。保護されている名称「Latvijas lielie pelēkie zirņi」は農産物としての Retrija の乾燥した灰色えんどう豆に与えられたもので、保護の対象は乾燥豆です。調理した料理やベーコンのレシピは対象ではありません。
何人分になりますか?
家庭のレシピには収量の記載がありません。まだ量を測っていない人数に合わせて減らすことはせず、乾燥豆1kgの全量をそのまま示しています。














