スタンポット:じゃがいもとケールをひとつの鍋でつぶし合わせる
粉質のじゃがいもを温めた牛乳とバターでつぶし、やわらかく煮たケールのリボンを全体に行き渡らせ、温めた燻製ソーセージの輪切りをのせます。皿に必要なのは、これだけです。
寒い夜、湯気の立つゆでたてのじゃがいもを鍋の中でつぶし、フライパンでやわらかくしたケールと合わせて、ひとつの皿でそのまま食卓へ運びます。オランダの観光・文化遺産関連の団体は、スタンポットを心を温める冬の一鍋料理として紹介しています。オランダ政府の情報サービスWorkinNLも、じゃがいもをケールやザワークラウトなどの野菜とつぶし合わせた料理として取り上げています。
スタンポットは決まった一つのレシピではなく、野菜が季節や地域、家庭によって変わる料理のひとつの系統です。この記事ではそのすべてを扱わず、ちりめんケールと粉質じゃがいもで作り、オランダの燻製ソーセージ(rookworst)を添えるboerenkoolstamppotに絞ります。DLG Marketsの料理本に載っているオランダの寄稿者Kuno Jacobs氏の4人分レシピを一つだけ使い、分量は縮尺せずそのままにしています。
このレシピは、世界ごはん紀行編集部では試作していません。分量と各工程の時間は公開されているレシピに従っています。食感や材料選びについての説明は、実測の結果ではなく実用上の目安です。
スタンポットとは? boerenkoolstamppotとその仲間
スタンポットとは、じゃがいもを野菜と一緒につぶした料理のことです。 共通するのはじゃがいもで、合わせる野菜によって名前も持ち味も変わります。WorkinNLはスタンポットをオランダでおなじみの料理として紹介しつつ、オランダには「これだけが本当の国民食」といえる料理はないとも書いています。ですからスタンポットは、「オランダ料理そのもの」というより、いくつもある典型的な家庭料理の一つと考えるのが妥当です。同じ資料は、オランダの夜の温かい食事がじゃがいも、野菜、肉を中心に組み立てられることが多いと説明していて、この一皿もまさにその形をしています。
boerenkoolはオランダ語でちりめんケールのこと。ですからboerenkoolstamppotはケール版、boerenkoolstamppot met rookworstは、そこに燻製ソーセージを添えたものです。にんじんと玉ねぎを使う別のスタンポット、hutspot(ハッツポット)とは区別してください。オランダ無形文化遺産センターは、hutspotを1574年10月3日のライデン解放の記憶と結びつけています。この歴史はhutspotの話であり、ケール版の起源を語るものではありません。
地域ごとに姿を変える、冬の一鍋
オランダ無形文化遺産センターは、ベーコンの有無を問わずboerenkoolstamppotを典型的な冬の料理として扱っています。スタンポットの伝統は季節や料理ごとに違い、今も作られている現代のレシピがあることも述べています。Holland.comも、スタンポットを、地域ごとの名物や現代的な解釈をもつオランダ料理の中の、心温まる冬の料理として位置づけています。
ゼーラント州の郷土の物語を伝えるZeeuwse Ankersのページは、ここにひとつ大切な区別を加えています。それによると、古い一鍋料理は材料の姿が見分けられる形で作られ、つぶした形のスタンポットは20世紀になって現れたとされています。じゃがいもと合わせる相手としては、ケール、ザワークラウト、にんじん、りんごや洋梨が挙げられ、ゼーラントではこの料理をprolとも呼ぶことが記されています。これは一つの地域の語りであり、オランダ全土で同じように広まったことの証明ではありません。
DLGの料理本にある短い紹介文は、じゃがいもが安価だったことを、つぶしたじゃがいもとケールの組み合わせに結びつけています。これは寄稿者自身の説明で、歴史資料による裏づけはありません。確かな歴史というより、台所に伝わる話として読むのがよいでしょう。
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選び方と代用
じゃがいも。 粉質(でんぷん質が多い)で、つぶすとほろりと崩れるものを選びます。水っぽい種類だと、牛乳を加えたあとにマッシュがゆるくなることがあります。
ケール。 boerenkoolstamppotの野菜はちりめんケールです。オランダ以外で売られているケールは、葉の厚みや縮れ方が違うことがあります。細切りの幅とやわらかくする加減で調整し、750gという量は変えません。別の野菜に替えると代用ではなく別のスタンポットになります(後述の「アレンジと別のスタンポット」を参照)。
エシャロット。 見つからなければ玉ねぎで代えてもかまいませんが、風味は違ってきます。
rookworst。 オランダのrookworstが手に入らないときは、別の燻製ソーセージでも皿としては成り立ちます。ただし同じものではなく、肉の種類、香辛料、燻香、塩気で仕上がりが変わります。どれを選ぶ場合も、温め方はパッケージの指示に従ってください。
道具
- じゃがいもをゆでる大きな鍋
- ざる
- 牛乳を温める小鍋
- エシャロットとケールを炒めるフライパン
- ポテトマッシャー(フォークでもできますが、1.5kgのじゃがいもをつぶすならマッシャーがずっと楽です)
- 木べら
- 包丁とまな板
- ソーセージを温める鍋など(パッケージの指示に合わせます)
うまくいかないときは
| 困りごと | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| マッシュがゆるい、水っぽい | じゃがいもの湯切りと水気飛ばしが足りない、または水分の多い品種 | 牛乳を入れる前に、しっかり湯を切って鍋を揺すり、乾かす |
| ケールがまだ硬い、ざらつく | 切り幅が太すぎる | ケールは細切りにし、混ぜる前にやわらかくなるまで火を通す |
| エシャロットが苦い、焦げた | 火が強すぎた | 約2分、透き通って薄く色づくまでだけ、静かに炒める |
| 緑色がまだらになる | ケールの混ぜ込みが足りない | 鍋全体に広がるまで混ぜ続ける |
| 皿にローリエが出てきた | 湯切りのあとに取り除いていない | 工程2で2枚とも取り除き、つぶす前にもう一度確認する |
| ソーセージが安全か心配 | 製品ごとに違いがある | 加熱済みかどうかを確かめ、パッケージの温め方に従う |
味つけは、塩を入れたゆで湯、マッシュ、ケール、ソーセージと、いくつかの場所で効いてきます。一度に強く塩をしないで、段階に分けて味をつけ、終わり近くに味を見て仕上げてください。
アレンジと別のスタンポット
以下は、この料理が姿を変えうる例です。どれも上のレシピには含まれません。
- ケールをごく細かく切る。 細切りはもともとの作り方ですが、さらに細かくすると口当たりがやわらかくなることがあります。大きな切り方だと、短い加熱では硬さが残りがちです。
- マッシュの食感を選ぶ。 マッシャーで粒を残しても、しっかりつぶしてもかまいません。ブレンダーは、じゃがいもが粘りやすくなることがあるのでおすすめしません。
- 別の燻製ソーセージを使う。 手に入りやすくなりますが、肉の種類、燻香、塩気が変わります。rookworstではなく、別の一皿になります。
- ベーコンを足す。 ベーコンを入れる場合と入れない場合があります。塩気と脂が加わるので、入れる場合は味つけを調整してください。
- 野菜を替えるなら、別の料理として。 ザワークラウト、にんじんと玉ねぎ(hutspotのように)、りんごや洋梨を使うスタンポットもあります。ケールの代用ではなく、別の料理として扱ってください。
よくある質問
スタンポットとhutspotの違いは何ですか?
スタンポットは、じゃがいもを野菜と一緒につぶした料理の総称です。hutspotはその一つで、にんじんと玉ねぎを使い、オランダでは1574年10月3日のライデン解放の記憶と結びついています。boerenkoolstamppotはケールの型で、ライデンの話は当てはまりません。
ケール以外の野菜でもよいですか?
作れますが、その場合は別のスタンポットになります。ザワークラウト、にんじん、りんご、洋梨は、ほかの型のスタンポットに出てきます。boerenkoolstamppotにはちりめんケールを使ってください。
rookworstは必須ですか?
このレシピは、rookworst2本を上にのせてboerenkoolstamppotに仕立てます。別の燻製ソーセージでも代わりになりますが、風味は同じになりません。どれを使う場合も、パッケージの指示に従って温めてください。
残りはどう保存して、温め直せばよいですか?
このレシピには保存や温め直しの案内がないので、ここでも保存期間や温度は示しません。お住まいの地域の公的機関が出している食品安全の情報に従ってください。
乳製品なしで作れますか?
いいえ。マッシュとエシャロットに牛乳とバターを使います。ソーセージも製品によって原材料やアレルゲンが違うので、アレルギーのある方に作るときは表示を確認してください。
















