ザワークラウト、スモークソーセージ、きのこ、プルーンが入った赤茶色のカプストニツァを深皿に盛った様子
🔪下準備20分
🔥調理1時間45分
🌍ジャンルスロバキア料理

カプストニツァの作り方|スロバキアのクリスマスのザワークラウトスープ

世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方

STEP 11 / 5

乾燥ポルチーニを水で戻す(約15分)

手順1: 乾燥ポルチーニを水で戻す(約15分)

乾燥ポルチーニをボウルに入れ、水480mlを注いで15分ほど置きます。かさが戻り、指でつまむとやわらかく曲がるようになれば十分です。ざるにあげ、戻し汁は使わずに捨てます。大きなものは食べやすい大きさにちぎっておきます。

STEP 22 / 5

玉ねぎとにんにく、ソーセージを炒める(約8分)

手順2: 玉ねぎとにんにく、ソーセージを炒める(約8分)

厚手の鍋にオリーブオイル大さじ2を熱し、中火で玉ねぎとにんにくを炒めます。5分ほどで玉ねぎが透きとおり、縁が薄いきつね色になったら火を弱め、パプリカパウダーとソーセージを加えます。パプリカは焦げると苦くなるので、弱火で2〜3分、ソーセージの表面に軽く焼き色がつくまで炒めます。鍋の油が赤く色づけば次へ進みます。

STEP 33 / 5

ザワークラウトとスペアリブを入れて煮る(約1時間30分)

手順3: ザワークラウトとスペアリブを入れて煮る(約1時間30分)

水1.4Lを注ぎ、ザワークラウト、戻したポルチーニ、スペアリブ、ローリエ、オールスパイス、キャラウェイシード、塩、黒こしょうを加えます。強火で一度沸かしてアクをすくい、ふたを少しずらして弱火にします。表面がふつふつと静かに揺れる火加減で、1時間半ほど煮ます。途中で水が減って具が大きく出るようなら、湯を足してください。

STEP 44 / 5

スペアリブの肉を骨から外す(約10分)

手順4: スペアリブの肉を骨から外す(約10分)

スペアリブに竹串を刺してすっと通り、肉が骨から自然に外れるようになっていれば取り出します。料理用温度計でいちばん厚い部分を測り、中心が75℃以上になっていることを確かめてから、粗熱を取って骨を外します。肉はひと口大にほぐし、鍋に戻します。骨にかたい肉が残るようなら、骨ごと鍋に戻してさらに15分煮てください。

STEP 55 / 5

プルーンとマジョラムで仕上げる(約5分)

手順5: プルーンとマジョラムで仕上げる(約5分)

プルーンとマジョラムを加え、5分ほど煮ます。プルーンがふっくらして、スープにほのかな甘みと深い色が移れば完成です。味を見て、塩と黒こしょうで整えます。酸味が強すぎるときは湯を少し足し、物足りないときはザワークラウトの汁を加えます。ローリエは取り出してください。

豚肉は中心部まで十分に加熱してください。厚生労働省は、肉の中心部を75℃で1分間以上加熱すれば、腸管出血性大腸菌などの病原微生物は死滅すると案内しています。色や煮込み時間だけでは見誤ることがあるので、骨のまわりなど厚い部分を温度計で確かめると確実です。

パプリカパウダーは油で軽く炒めると香りと色が立ちますが、強火で炒めると一瞬で焦げて苦くなります。ソーセージを入れたら必ず弱火に落とし、焦げそうならすぐに水を注いでください。

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Ingredients

材料

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

カプストニツァに使うザワークラウト、豚スペアリブ、スモークソーセージ、乾燥ポルチーニ、プルーン、香辛料

燻製の豚すね肉(ハムホック)を使う英語圏の家庭レシピを、日本で買いやすい豚スペアリブとスモークソーセージに置き換えた家庭向けの配合です。

9品目

スープの具

材料 分量 代替・備考
ザワークラウト 1カップ(約200g) 瓶詰めや袋入り。軽く汁気を落としてから使う
豚スペアリブ 500g 燻製の豚すね肉の代わり。骨付きの豚バラ肉でもよい
スモークソーセージ 300g 粗びきの太いもの。1cm幅の輪切り
乾燥ポルチーニ 約20g(1カップ) ほかの乾燥きのこでもよいが、香りは弱くなる
プルーン(種抜き) 1/2カップ(約8個) いちじくジャム大さじ2に替えてもよい
玉ねぎ 1個 薄切り
にんにく 2片 みじん切り
オリーブオイル 大さじ2 ラードを使うとより現地らしいこくが出る
水 1.4L ほかに、きのこを戻す水480ml
9品目

香辛料と仕上げ

材料 分量 代替・備考
パプリカパウダー 小さじ2 辛くないもの。仕上げにも少量
オールスパイス(パウダー) 小さじ1 粒なら4〜5粒
キャラウェイシード 小さじ1 粒のまま
ローリエ 1枚
乾燥マジョラム 小さじ1 仕上げに加える
塩 小さじ1/2〜 ザワークラウトとソーセージの塩気を見て加減
黒こしょう 少々
サワークリーム 大さじ4 プレーンヨーグルトでもよい
ディル 少々 飾り用。なくてもよい

ザワークラウトは、日本でもスーパーの輸入食品の棚に瓶詰めがよく並んでいます。酸味の強さは製品によってかなり違うので、一度味見してから汁気の落とし方を決めるのがコツです。とても酸っぱければ軽く水で洗い、穏やかなら汁ごと入れても構いません。乾燥ポルチーニは輸入食材店や通販で、パプリカパウダー、オールスパイス、キャラウェイシードはスパイス売り場で探せます。

コツ

スモークソーセージは、燻製の香りが強い粗びきのものを選んでください。スープ全体の煙の香りはほぼソーセージから来るので、ソーセージ選びで仕上がりの印象が決まります。ポーランドのキェウバサが手に入れば、いちばん近い味になります。


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手に入りにくい材料の買い方

買い出しガイド

12月24日の夕方、スロバキアの台所では大鍋が朝から湯気を上げています。鍋の中身はザワークラウトと燻製の肉、森で摘んで干しておいたきのこ。ふたを開けるたびに、酸っぱさと煙の香りが家じゅうに広がります。テーブルにははちみつとにんにくを添えた薄いウエハース、テーブルクロスの下には鯉のうろこ。家族がそろうと、最初の熱い一杯が配られます。この冬のスープがカプストニツァ(kapustnica)です。

名前はスロバキア語でキャベツを意味するkapustaから来ていて、そのまま訳せば「キャベツのスープ」。けれど味はずっと複雑で、少し酸っぱく、少し甘く、そして煙の香りがたっぷりという言い方で紹介されることがあります。日本ではザワークラウトの瓶詰めとスモークソーセージがあれば作れますが、乾燥ポルチーニとプルーン、パプリカの3つをそろえると、ぐっとスロバキアの味に近づきます。

冬を越すための酸っぱいキャベツ

雪の窓辺で大鍋のカプストニツァを温めるスロバキアの台所

カプストニツァの土台にあるのは、キャベツを発酵させて冬まで保存する暮らしです。冬の厳しい中央ヨーロッパでは、キャベツを発酵させて、冬のあいだの野菜として蓄えてきました。発酵の間に乳酸菌がキャベツの糖を乳酸に変え、あの酸味が生まれます。そこへ秋のうちに干したきのこ、豚を処理して作った燻製肉や自家製ソーセージを合わせれば、冬の保存食だけでひと鍋のごちそうができあがります。保存食を寄せ集めたごちそうというのが、この料理のいちばん素直な姿です。

スロバキアの東部、プレショウの大学がスロバキア語学習者向けに作った教材でも、クリスマスの好きな料理を街で尋ねると「カプストニツァ」と答える人が何人も出てきます。同じ教材には、クリスマスイブの夕食(štedrá večera)の始まりにはちみつとにんにくを添えたウエハース(oblátky)を食べ、家族が一年健康でいられるよう願うこと、鯉のうろこをテーブルクロスの下に置いて新しい年のお金に困らないよう願うことも書かれています。スープのあとには、鯉のフライやポテトサラダが続くのが定番です。

豆知識

クリスマスイブは、もともと肉を断つ日でした。そのため、肉を入れずにきのこやプルーンで作るカプストニツァを食べる家庭もあり、肉と燻製ソーセージのたっぷり入ったものは年越しの夜に作る、という家庭もあります。どちらが正しいということはなく、家ごとの習わしで分かれます。

「スロバキアのクリスマスのスープ」とひとまとめに言っても、中身は地方でかなり違います。スロバキアのニュースサイトnoviny.skの特集によると、首都ブラチスラヴァ近郊のミレティチカ市場では、肉とキャベツとソーセージの基本形のほかに、ハンガリー料理の影響を受けてプルーンとサワークリームをたっぷり入れた、なめらかな口当たりのカプストニツァも作られます。ニトラ周辺に多い作り方だそうです。中部のジェメル地方では、肉が高価だった時代に森のきのこで味を出したのが伝統の形でした。同じ名前でも、鍋の中身は村ごとに違うと考えておくと、自分の台所で配合を変えることもためらわずにすみます。


甘くするか、白くするか — 家ごとの仕上げ

サワークリームを添えたものとプルーン多めのもの、2種類のカプストニツァの比較

カプストニツァの仕上げ方には、家ごとの好みがはっきり出ます。プルーンやいちじくジャムで甘みを足すかどうか。サワークリームを鍋に溶かし込んで白っぽくするか、各自が皿の上でのせるか。小麦粉と油で作るルー(zápražka)でとろみをつけるか、さらさらのまま飲むか。ブラチスラヴァ近郊で語られる「ハンガリー風」は、プルーンとサワークリームをたっぷり使う、なめらかなタイプです。

このレシピは、サワークリームを鍋に入れず、食べる人が皿で好きなだけのせる形にしています。鍋に溶かし込む場合は、サワークリーム大さじ4に小麦粉大さじ1を混ぜ、スープを少し加えてのばしてから鍋に戻し、1分ほど混ぜながら温めます。甘み、酸味、こくの釣り合いは、最後の5分で調整できるので、まずは基本の形で作り、2回目から好みに寄せていくのがおすすめです。

豆知識

東スロバキアには、ザワークラウトの汁に乾燥えんどう豆やきのこを合わせたユハ(jucha)や、とろみをつけてパンを浸して食べるマチャンカ(mačanka)という、カプストニツァに近いスープもあります。

熱い一杯と、ライ麦パン

深皿のカプストニツァにサワークリームとディルをのせ、ライ麦パンを添えた食卓
深皿に盛り、サワークリームとディル、パプリカを少しのせる

深めの皿に具をたっぷりよそい、サワークリームをひとさじ、ディルを散らして、パプリカをほんの少しふります。ライ麦パンや皮のかたい田舎パンを添えると、酸っぱいスープとよく合います。東スロバキアでは、けしの実をまぶした小さな丸パン、ボバリキ(bobaľky)と並べることもあります。

カプストニツァはクリスマスだけでなく年越しの食卓にも並び、スロバキアのレストランでは一年中出されています。大鍋で多めに作っておくと、冬の数日を通して食卓の中心になってくれます。同じスロバキアの羊のチーズのニョッキ、ブリンゾヴェー・ハルシュキと組み合わせれば、スロバキアの食卓をひと通り再現できます。

よくある質問

温め直したカプストニツァを小鍋からよそう様子

乾燥ポルチーニがないときはどうしますか?

干ししいたけでも作れますが、香りはかなり和風に寄ります。ほかの乾燥きのこミックスのほうが、ポルチーニの香りに近づきます。戻し汁は、このレシピのもとにした配合と同じく使わずに捨てます。

ザワークラウトが酸っぱすぎます。

煮込む前に軽く水で洗うか、ざるにあげて汁気をしっかり落としてください。煮上がってから酸っぱいときは、湯で薄めるか、プルーンを少し増やすと味がまとまります。

肉を入れずに作れますか?

作れます。スロバキアにも、クリスマスイブに肉を入れないカプストニツァを作る家庭があります。乾燥きのこを倍量にし、プルーンとサワークリームでこくを出してください。燻製の香りはなくなるので、パプリカを少し増やすと物足りなさが和らぎます。

辛くしたいときはどうしますか?

辛いスモークソーセージを使うか、仕上げに粗びき唐辛子を少し加えてください。スロバキアの家庭でも、辛いソーセージで作る人がいます。

作り置きはできますか?

冷ましてから冷蔵庫に入れ、温め直すときは全体がぐらぐらと沸くまでしっかり加熱してください。この記事では、保存日数の目安は根拠を確認できていないため案内しません。

主な参考リンク

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