木の皿にのせた輪切りのたことじゃがいもに、パプリカとオリーブオイルをかけたプルポ・ア・フェイラ
🔪下準備15分
🔥調理1時間16分
🌍ジャンルスペイン・ガリシア料理

プルポ・ア・フェイラの作り方|ガリシアの市で食べるゆでだこ

世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方

STEP 11 / 8

たこを冷蔵庫で解凍する

手順1: たこを冷蔵庫で解凍する

食べる前日の夜、冷凍の生だこを大きめのボウルかバットにのせて冷蔵庫へ移し、ひと晩(約12時間)かけて解凍します。解凍中はたこからかなりの水分が出るので、深さのある容器を使ってください。足を指で押して、芯まで柔らかくなっていれば解凍できています。

STEP 22 / 8

塩を入れずに湯を沸かす(約20分)

手順2: 塩を入れずに湯を沸かす(約20分)

背の高い大きな鍋に水6Lを入れ、強火で約20分、鍋底から大きな泡が勢いよく上がる沸騰状態になるまで沸かします。たこには塩をあとから振るので、ゆで湯に塩は入れません。銅の鍋が理想とされますが、家庭ではたこが沈むだけの深さがある鍋なら素材は問いません。

STEP 33 / 8

たこを3回くぐらせる(約1分)

手順3: たこを3回くぐらせる(約1分)

湯がぐらぐらと沸いたら、たこの頭を持って足を湯に2〜3秒沈め、すぐに引き上げます。これを3回くり返し、全部で約1分です。ガリシアで「たこを驚かす」(asustar el pulpo)と呼ばれる下ゆでで、足先がくるりと丸まり、表面の色が変わって赤みを帯び、皮がぴんと張れば完了です。皮がはがれにくく、身の締まり方がそろうとされています。湯がはねるので、トングや長い菜箸を使い、腕を鍋の真上に出さないでください。

STEP 44 / 8

再沸騰から30分ゆでる

手順4: 再沸騰から30分ゆでる

3回目のあと、たこを鍋に沈めたままにします。湯が再び沸いたところから時間を計り、2kgのたこで約30分ゆでます。火は、湯面がぽこぽこと動く程度の中火〜強めの中火を保ちます。20分を過ぎたら、いちばん太い足の付け根に竹串を刺してみてください。ゆでたじゃがいもに刺したときのような、少しだけ抵抗のある手応えになれば頃合いです。硬ければ5分ずつ延ばします。

STEP 55 / 8

湯の中で5分休ませる

手順5: 湯の中で5分休ませる

火を止め、たこを湯に入れたまま約5分置きます。そのあとトングで取り出し、バットに移します。ゆで湯はじゃがいもに使うので捨てないでください。取り出したたこは、太い足を指で押すと弾力がありつつ柔らかく沈む状態です。盛り付けまで乾かないよう、バットの上でふきんをかけておきます。

STEP 66 / 8

同じ湯でじゃがいもをゆでる(約15分)

手順6: 同じ湯でじゃがいもをゆでる(約15分)

たこのゆで湯を再び沸かし、4〜5cm角に切ったじゃがいも1kgを入れて中火で約15分ゆでます。ガリシアではこのじゃがいもをカチェロス(cachelos)と呼び、たこの風味が移った湯でゆでるのが定番です。竹串がすっと通れば、湯をきってバットに上げます。じゃがいもの大きさによって時間は前後するので、串の通り具合で判断してください。

STEP 77 / 8

はさみで足を輪切りにする(約3分)

手順7: はさみで足を輪切りにする(約3分)

料理ばさみで、たこの足を1cm厚さの輪切りにします。頭は小さく刻みます。ガリシアのプルペイロも、包丁でなくはさみで切るのが流儀です。まな板を使わず皿の上で切れるので、温かいうちに手早く盛り付けられます。熱いので、たこの足はトングやふきんで押さえながら切ってください。

STEP 88 / 8

塩、パプリカ、オリーブオイルの順にかける(約2分)

手順8: 塩、パプリカ、オリーブオイルの順にかける(約2分)

木の皿をゆで湯で軽く湿らせ、じゃがいもを敷いてから、たこをのせます。粗塩小さじ1をまんべんなく振り、甘口と辛口を混ぜたパプリカパウダーを茶こしでふりかけ、最後にオリーブオイル大さじ4を回しかけます。塩→パプリカ→オイルの順を守ると、塩が身に先に当たり、パプリカがオイルで流れずに残ります。湯気の立つうちに、つまようじを刺して食べてください。

木の皿をゆで湯で湿らせておくのは、パコ・ゴメスさんが挙げるコツのひとつです。たこが皿にくっつかず、皿に落ちたゆで汁とオリーブオイルが混ざって、パンで拭って食べたくなるソースになります。木の皿がなければ、温めた陶器の平皿で代用できます。

パプリカは焦げやすく、熱すぎるオイルと合わせると苦みが出ます。オイルは加熱せず、常温のまま最後にかけてください。

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Ingredients

材料

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

冷凍の生だこ、じゃがいも、粗塩、パプリカパウダー、オリーブオイルを並べた材料

4人分(たこ2kg、じゃがいも1kg)の分量です。塩、パプリカ、オリーブオイルは家庭向けの目安量です。

3品目

たことじゃがいも

材料 分量 代替・備考
生だこ(冷凍、1杯) 2kg 内臓とくちばしを除いたもの。1.5kgならゆで時間を少し短くする
じゃがいも 1kg 皮をむいて4〜5cm角に切る。男爵いもなど
水 6L たこがかぶる量。鍋の大きさに合わせる
4品目

仕上げ

材料 分量 代替・備考
粗塩 小さじ1 粒の大きい海塩。ゆで湯には入れない
パプリカパウダー(甘口) 小さじ2 スペイン産のピメントンがあれば理想的。スモークパプリカでもよい
パプリカパウダー(辛口) 小さじ1/2 辛いのが苦手なら省き、甘口だけにする
エクストラバージンオリーブオイル 大さじ4 たっぷりかけるのが現地流

スペインのピメントンには甘口(dulce)と辛口(picante)があり、この料理にはエストレマドゥーラ地方のラ・ベラ産のピメントン(燻製した唐辛子の粉)を使います。パプリカは甘口を主に、辛口を少し混ぜると、赤い色と軽い刺激の両方が出ます。日本のスーパーのパプリカパウダーは燻製でないものが多いので、手に入るならスモークパプリカを使うとガリシアの香りに近づきます。

コツ

ゆでだこしか手に入らない場合も作れます。スペインの料理メディアEl Españolで、シェフのカルロス・マルドナドさんは、ゆでてあるたこは熱い湯に数秒くぐらせて温めるだけにし、何分もゆで直さないよう勧めています。その場合はじゃがいもを先にゆで、たこはさっと温めてから工程7へ進みます。

注意

たこ、塩、パプリカ、オリーブオイルというシンプルな料理ですが、たこは軟体動物です。魚介類にアレルギーがある人は、口にする前に医師の指示を確かめてください。


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手に入りにくい材料の買い方

買い出しガイド

大きな銅の鍋から湯気が上がり、ゆで上がったたこの足が引き上げられます。料理人ははさみで足をぱちぱちと輪切りにし、木の皿へ落としていきます。粗塩をひとつまみ、赤いパプリカをふって、オリーブオイルを回しかけたら出来上がり。スペイン北西部ガリシアの市(feira)や祭りに欠かせないプルポ・ア・フェイラです。ガリシア語ではポルボ・ア・フェイラ(polbo á feira)、スペインのほかの地方ではプルポ・ア・ラ・ガジェガ(ガリシア風のたこ)とも呼ばれます。

市の日に、銅の鍋でたこがゆでられる

ガリシアの市で銅の大鍋からゆでたたこを引き上げる様子

この料理を作る人は、ガリシア語でプルペイラ(pulpeira)、男性ならプルペイロ(pulpeiro)と呼ばれます。スペインの料理メディアDirecto al Paladarに登場するオウレンセ県カルバジーノ(O Carballiño)出身のプルペイロ、パコ・ゴメスさんは一族4代目で、市から市へ渡り歩く移動のプルペイロとして仕事を始めたと紹介されています。たこは港町の料理と思われがちですが、この料理の中心地は内陸のオウレンセ県です。

名前の由来は、同じ記事で次のように説明されています。16世紀初めごろ、カルバジーノでは大きな家畜市が開かれていて、近くのオセイラ修道院(Mosteiro de Oseira)の修道士たちが、保存のために干してあったたこをゆでて柔らかくし、切って塩と油をかけて市の客にふるまった。それが「市のたこ」、ア・フェイラの始まりだというのです。その頃はまだパプリカは使っていなかったとも書かれています。ただしこれは料理の世界で語り継がれている由来話で、年代を裏付ける一次資料までは確認できていません。伝承として楽しむくらいの距離感がちょうどよさそうです。

豆知識

カルバジーノでは毎年8月に「たこ祭り」(Festa do Polbo)が開かれます。ガリシア自治州政府(Xunta de Galicia)の2025年6月の発表では、この年が第63回で、8月10日の開催でした。祭りは国際観光重要祭(Interese Turístico Internacional)に指定されています。

パコ・ゴメスさんの説明では、スペインで食べられているたこの多くはモロッコやモーリタニアから来ていて、冬はモロッコのダフラ産、夏はモーリタニア産がよいそうです。昔は石に叩きつけて身を柔らかくしていましたが、いまは冷凍してから冷蔵庫でゆっくり解凍するのがその代わりになっています。日本でも冷凍の生だこが手に入るので、このやり方はそのまま台所に持ち込めます。


市の味を、日本の台所に連れてくる

日本の台所のテーブルに置いた、ゆでだこで作ったプルポ・ア・フェイラ

日本のたこ料理は、塩もみでぬめりを取り、ゆで上がったら冷まして酢の物や刺身にするのが一般的です。ガリシアのプルポ・ア・フェイラは逆で、温かいうちに切ってすぐ食べるのが身上です。冷めると身が締まって弾力が強くなるので、ゆで上がりから盛り付けまでを途切れずに進めるのがいちばんのコツになります。

市販のゆでだこで作る場合は、足を数秒だけ熱湯にくぐらせて温めます。生だこから作るときほど身がふっくらとはしませんが、パプリカとオリーブオイルの香りは同じように楽しめます。ガリシアではカチェロスのほかにパンを添えるのも定番です。日本ならバゲットを添えるだけで、皿に残った赤いオイルまで無駄なく食べられます。

よくある質問

輪切りにしたたこの断面と、竹串を刺して柔らかさを確かめている様子

生のたこを冷凍しないで使ってもよいですか?

使えますが、身が硬くなりやすくなります。ガリシアのプルペイロも、昔は叩いて柔らかくしていた工程の代わりに、冷凍してから冷蔵庫でゆっくり解凍する方法を勧めています。生のたこを買ったら、一度冷凍してから使うのが近道です。

たこが1kgしかない場合、ゆで時間は?

2kgで約30分が目安なので、小さいたこは短くなります。時間で決めず、20分前後から太い足に竹串を刺し、ゆでたじゃがいもくらいの手応えになったら火を止めてください。

パプリカパウダーは燻製でないものでもよいですか?

使えます。燻製でないパプリカは香りが穏やかで、たこそのものの味が前に出ます。スモークパプリカを使うと、スペインのピメントンに近い香ばしさが加わります。

残ったらどうしますか?

ゆでたたこは冷蔵庫で保存し、早めに食べ切ってください。食べるときは熱湯に数秒くぐらせて温め直し、塩・パプリカ・オリーブオイルをかけ直すと、作りたてに近い味に戻ります。

主な参考リンク

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