ブータンの豚バラと大根の赤唐辛子煮込み、パクシャ・パ。赤い脂の浮いた煮汁に豚バラと大根が入り、赤米の横に盛られている
🔪下準備15分
🔥調理50分
🍽️分量4
🌍料理ブータン料理

パクシャ・パの作り方|ブータンの豚バラと大根の赤唐辛子煮込み

約19分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 7

材料を切る(10分)

手順1: 材料を切る(10分)

豚バラは2cm角に切ります。冷蔵庫から出して10分置いておくと、中まで火が通りやすくなります。大根は皮をむき、厚さ1.5cmのいちょう切りか半月切りに。玉ねぎは粗みじん切り、にんにくと生姜はみじん切りにし、小松菜は4cm幅に切ります。鷹の爪は指でへたを折ります。種を抜くなら、割って種を振り出してください。手袋をするか、触った手で目をこすらないように気をつけます。

STEP 22 / 7

豚バラを焼く(8分)

手順2: 豚バラを焼く(8分)

厚手の鍋に油を引かず、豚バラを入れて中火にかけます。4〜5分はいじらずに置き、片面に焼き色がついたら返して、全体で約8分焼きます。鍋底に豚の脂が2〜3mmたまり、角がきつね色になったら次へ進みます。脂が出すぎて多いと感じたら、大さじ2だけ残して、余分はキッチンペーパーで吸い取って取り出してください。弱火のままだと肉から水分が出て、焼くというより茹でた肉になってしまいます。

STEP 33 / 7

玉ねぎ・にんにく・生姜を炒める(4分)

手順3: 玉ねぎ・にんにく・生姜を炒める(4分)

豚の脂が残る鍋に、そのまま玉ねぎを加えます。中火で3分、透明になって端が薄く色づくまで炒めてください。続けてにんにくと生姜を入れ、1分炒めて香りが立ったら火を弱めます。ギーを使うなら、ここで大さじ1を足します。焦げつきそうなときは、水大さじ1を加えて鍋底をこそげましょう。

STEP 44 / 7

スパイス・唐辛子・大根を加える(4分)

手順4: スパイス・唐辛子・大根を加える(4分)

ターメリック小さじ1/2、黒こしょう小さじ1/4、使う場合は花椒とアサフェティダを入れ、全体を30秒ほど混ぜます。粉が鍋底で焦げ始めたら、火を弱めてください。そこへ鷹の爪と大根を加え、中火で3分炒めます。大根の表面が脂をまとって透明感を帯びてきたら、水を加える合図です。唐辛子は黒く焦げると苦くなるので、赤からやや濃い赤になるくらいで止めておきます。

STEP 55 / 7

水を加えて煮る(35分)

手順5: 水を加えて煮る(35分)

水300mlと塩小さじ1/2を加え、強火にかけます。沸いたらアクを取り、蓋をして弱火で35分煮ます(出典では約30〜35分)。煮汁は、最初は大根がかぶらない程度です。10分ごとに鍋底からひと混ぜし、煮汁がさらっとした状態から少しとろみを帯びてくるのを確かめます。豚バラに箸がすっと通り、大根が透き通って竹串が抵抗なく入ったら煮上がりです。煮汁が少なくて焦げそうなら水を50mlずつ足し、逆に多ければ最後の5分は蓋を取ります。仕上がりの煮汁は赤みがかり、表面には脂が輪のように浮きます。

STEP 66 / 7

小松菜を加えて味を調える(3分)

手順6: 小松菜を加えて味を調える(3分)

4cm幅に切った小松菜を茎から入れて1分、続けて葉を入れて1分、蓋をせずに混ぜます。煮汁はとろりとまとまり、葉がしんなりすれば十分です。煮すぎると青菜の色が沈むので、手早く。味を見て、塩は小さじ1/4ずつ足します。辛さが足りなければ、鷹の爪の刻みを少量加えてください。火を止めて2分置くと、味が落ち着きます。

STEP 77 / 7

赤米ご飯と盛る(5分)

手順7: 赤米ご飯と盛る(5分)

赤米を混ぜたご飯をふっくらほぐして皿に盛り、横に煮込みをたっぷりよそいます。煮汁はとろみがあるので、ご飯にかけても構いません。豚バラ、大根、青菜、唐辛子が一皿に見えるように盛ると、きれいです。食べるのは熱いうちに。冷めると脂が白く固まります。

新しい油を足さず、豚バラから出た脂で玉ねぎと大根を炒めます。ここが風味の核で、脂が味の土台になります。脂が多すぎるときだけ、大さじ2を残して取り除いてください。

最初は標準の6本(種あり)で作ります。辛すぎたら種を抜き、足りなければ最後に刻んだ鷹の爪を加えましょう。煮込んでいる間にも辛さは変わっていくので、仕上げの味見で見極めます。

豚の脂は焼いている間に跳ねます。蓋を半分かぶせ、鍋に近づきすぎないようにしてください。鷹の爪の種や粉を素手で触ったあとは、目や鼻に触れないようにし、調理後はよく手を洗います。子供や辛いものが苦手な人には、種を抜いて本数を減らした取り分けを、先に別の鍋で用意してください。豚肉は中心まで十分に加熱します。

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Ingredients

材料を分けて見る

7品目

メイン

材料 分量 代替・備考
豚バラ肉(ブロック) 400g 皮なし。肩ロースを100g混ぜると脂が軽くなる
大根 400g 約1/3本。皮をむく。かぶでも代用可
玉ねぎ 1個(200g) 粗みじん切り
乾燥赤唐辛子(鷹の爪) 6本 辛さ控えめは4本。種を抜くとさらに穏やか
小松菜 100g ほうれん草、青梗菜でも可
水 300ml 大根から水分が出るため、最初は多すぎないように
塩 小さじ1/2 仕上げに味を見て追加
7品目

香味・スパイス

材料 分量 代替・備考
にんにく 2片 みじん切り
生姜 1片(約20g) みじん切り。出典では仕上げ近くに加える作り方もある
ターメリック 小さじ1/2 色と土っぽい香りの元。なくても作れる
粗挽き黒こしょう 小さじ1/4 白こしょうでも可
花椒(ホール) 小さじ1/4 任意。さんしょうの粉を少量で代用可
アサフェティダ 小さじ1/8 任意。玉ねぎ・にんにくに似た風味を補う。なくても可
ギー 大さじ1 任意。バターで代用可
2品目

添え(赤米ご飯)

材料 分量 代替・備考
米 2合 普通の白米
赤米 大さじ2 白米に混ぜて炊く。玄米でも近い食感

買い物では、まず豚バラを見てください。この料理は脂が主役なので、脂身と赤身の層がはっきりしたブロックを選びます。薄切りだと煮崩れてしまうため、厚みのある角切りにします。参考にした英語のレシピは、豚バラまたは肩ロース、大根、乾燥赤唐辛子、玉ねぎ、にんにく、生姜、ターメリックが基本です。分量は日本の家庭向けに編集部が調整しました。赤米は白米に混ぜて炊けるので、大さじ2から試せます。花椒とアサフェティダは任意で、ターメリックとギーは手に入りやすければ使います。スパイスは通販で探し、大根・豚・唐辛子は近所のスーパーで足ります。

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材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

栄養情報 1人分の目安
100kcal
エネルギー
3.5g
タンパク質
8.5g
脂質
2.3g
炭水化物
0.8g
食物繊維
160mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
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材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

この料理に使うスパイス

パクシャ・パの材料。豚バラ肉、大根、乾燥赤唐辛子、玉ねぎ、小松菜、にんにく、生姜、ターメリックが木のまな板に並ぶ
豚バラ、大根、鷹の爪が主役。スパイスはターメリックと黒こしょうがあれば十分
材料のそろえ方

最小構成は、豚バラ、大根、鷹の爪、玉ねぎ、にんにく、生姜、塩です。これだけでも作れます。ターメリックを加えると色が出て、ブータンらしい黄みを帯びた赤い煮汁になります。赤米は白米に混ぜるだけなので、必要な量は少なめです。近所で手に入りにくいのは、赤米、アサフェティダ、花椒、ギーの順。通販や専門店で探してみてください。


山あいの家の台所、冬の夕方。厚手の鍋で豚バラの脂がゆっくり溶け出し、そこへ乾燥した赤唐辛子が色を移していきます。立ちのぼるのは、脂の甘い匂いと唐辛子の乾いた辛い香り。ブータンの家庭で作られるパクシャ・パ(Phaksha Paa)は、豚肉と乾燥赤唐辛子、大根を煮込んだ料理で、祝い事の席にも食堂のメニューにも並びます。脂の多い豚肉を使うので、寒い時期に体を温める食べ物として親しまれてきました。豚の脂で煮る赤い一皿と言えば、だいたいの姿が浮かぶはずです。

ブータンの代表料理といえば、唐辛子とチーズのエマ・ダツィです。赤米と一緒に出されるとき、同じ食卓に添えられる肉のおかずがパクシャ・パでもあります。国民食の陰にいるもう一品、という位置でしょうか。日本の台所でも、豚バラ・大根・鷹の爪で作れるので、近い味に寄せられます。気をつけたいのは辛さの量り方と、脂が多い鍋の火加減の二点。下ごしらえ15分、調理50分、合わせて約1時間5分の初級レシピです。ブータンの食卓の並びを知りたい方は、エマ・ダツィもあわせてどうぞ。

最初に気になるのは辛さだと思います。この記事では、鷹の爪6本を「しっかり辛い」家庭向けの目安にしています。辛いのが苦手なら4本、種を抜けばさらに穏やかになります。参考にした英語のレシピは、1ポンド(約450g)の豚肉に乾燥赤唐辛子2〜3本ですが、日本の台所向けに豚400gに6本をしっかり辛い標準としました。これは編集部の調整です。辛さは本数と種で決めるのが基本で、種ごと煮ればそのぶん辛くなります。


ブータンの食卓と由来|山の台所で豚の脂が溶けるとき

ブータンの食卓の真ん中にあるのは赤米です。玄米に似た食感で、ナッツのような風味があり、高地で育つ唯一の米の品種とされています。赤米が主食とはいえ、土地によって顔ぶれは変わります。ブムタン地方ではそば、東部ではとうもろこしが食べられ、米は全国で食べられています。肉は牛(ヤク)、乾燥牛肉、豚、豚の脂、羊。寒い季節には、肉や米、ワラビ類、レンズ豆、乾燥野菜のスープやシチューに、唐辛子とチーズで味をつけた料理が好まれます。

その中で豚は、脂を多く含む部位がよろこばれます。寒い時期にとりわけ重宝されるのは、脂が冬の熱量になるからです。乾燥や燻製にした豚肉を使う料理もあり、冷蔵庫のなかった時代の保存の知恵が背景にあるという説明も見かけます。ただ、パクシャ・パ自体の起源や歴史は、はっきりしていません。ここでは、暮らしの中で育ってきた冬の煮込みとして受け取っておきましょう。

豆知識 — 同じ料理の呼び名と仲間たち

綴りは Phaksha Paa のほか、Phagshapa や Phagshaphu などとも書かれ、揺れがあります。Wikipedia は Phagshaphu を「豚肉、大根、唐辛子」の料理として載せています。現地のメニューや検索で見かけたら、同じ系統の料理と思ってください。

近い仲間に、乾燥豚肉と唐辛子を合わせた Sikam Paa(シカム・パ)があります。別の料理で、sikam は日光で乾かした豚バラ肉のことです。ほかにも、豚とほうれん草の Noshahuentsu、豚と米の麺の Phagshaphintshom など、ブータンには豚肉の料理がいくつもあります。

チベット料理にも、豚肉と大根の煮込み Phagshapa が英語圏で紹介されています。ブータンとの関係については、ここでは何も言えません。

家ごと、土地ごとの違いもあります。青菜を加える家庭が多いようで、ほうれん草やかぶの葉が入ります。ジンジャーやほうれん草、ほかの野菜を加えるとする出典もあります。ブムタン地方名物のそば団子ホエンテ(hoentay)と一緒に食べる例もあります。ブログ「The Food Dictator」には乾燥豚肉(ジャーキー)を足す作り方がありますが、これは筆者のアレンジで、標準のレシピとは別物です。唐辛子も生を使う版と乾燥を使う版があり、この記事は乾燥赤唐辛子を中心にした版です。


失敗したときの戻し方

つまずきの原因は、たいてい脂の出方と水の量、唐辛子の焦げのどれかです。水は後から足せるので、足りないときはあわてず少しずつ足してください。症状から引いてみましょう。

症状 原因 戻し方
豚肉がぱさつく 強火で長く煮た 弱火にして水50mlを足し、蓋をして10分
煮汁が脂っぽく重い バラの脂が多い 表面の脂をお玉で大さじ2〜3すくい取る
辛くて食べられない 種ごと煮た・本数が多い 水100mlと大根を追加、またはご飯・ゆで卵を添えて薄める
辛さが足りない 鷹の爪が少ない 鷹の爪を刻んで加え、5分煮る
大根が硬い 切りが厚い・煮時間が短い 蓋をして弱火でさらに10分
唐辛子が苦い 炒めで焦がした 取り除けるものは除き、水を足して煮直す

日本の台所で作るときの選び方

豚は日本のバラ肉で十分です。現地では脂の多い豚が使われるので、こちらではバラを選びます。大根は日本のものが現地の味に近く、辛みのある先端を使うと、ほんのり辛くなります。乾燥唐辛子は日本の鷹の爪が近いのですが、辛さが強めなので、鷹の爪は本数で調整します。韓国唐辛子(粗挽き)を使うと穏やかになりますが、風味は変わります。

赤米は白米に混ぜて炊くと、色と風味が出ます。ない場合は玄米か古代米で代用できますが、風味はやや変わります。アサフェティダと花椒は任意で、入れると香りが深くなります。ギーがなければバターで。味の方向が少し変わります。

手軽なアレンジもいくつかあります。辛さ控えめにするなら、鷹の爪4本の種を抜いて使い、仕上げにこしょうを足します。乾燥豚肉を使う現地の味に寄せたいなら、市販のポークジャーキーか燻製ベーコンを足すのが手です。100g足します(The Food Dictator 筆者のアレンジを参考にしました)。青菜は、ほうれん草、青梗菜、かぶの葉に替えられます。ヴィーガン版は、本格的には勧めません。豚の脂が味の核だからです。


食べ方と保存

赤米ご飯にかけても、おかずとして横に置いても食べられます。エマ・ダツィなど、ほかの料理と並べるのも楽しい食べ方です。冷蔵で3日保存でき、冷めると脂が固まりますが、温め直すと戻ります。翌日は味がなじむので、多めに作るのもよいでしょう。温め直しは、水大さじ2を足して弱火で5分。冷凍は大根の食感が落ちるため、おすすめしません。


よくある質問

Q1. 豚バラ以外の部位でも作れますか?

肩ロースを混ぜる手があります。出典でも肩ロースを使っています。ただ、脂が少ないとコクが減ります。

Q2. 乾燥唐辛子の代わりに生の唐辛子でもよいですか?

ししとうや青唐辛子を加える方法があります。辛さと風味は変わります。ししとうの使い方は、エマ・ダツィの記事を参照してください。

Q3. 赤米が手に入りません

玄米、古代米(赤米・黒米ブレンド)、白米でも作れます。

Q4. 辛さはどのくらいですか?

標準の6本は「しっかり辛い」仕上がりです。4本なら中辛、種を抜くとさらに穏やかになります。

Q5. アレルギーはありますか?

主な材料に特定原材料はありません。ギー(乳)を使う場合は、乳アレルギーに注意してください。市販のスパイスは、原材料表示を確認しましょう。


関連記事

  • エマ・ダツィ: 同じ赤米の食卓に並ぶ国民食です。唐辛子とチーズの野菜料理で、豚の煮込みとの組み合わせがよく合います。
  • ダルバート: 隣国ネパールのヒマラヤの定食です。米を中心におかずを並べる食卓として、見比べてみてください。

主な参考リンク

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