ひとつのスパイスペースト、ふたつのココナッツ
炒めたスパイスペーストをひと鍋分つくり、半分ずつに分けます。半分は牛肉、すりおろしココナッツ、ビーフストックと一緒に鍋へ。もう半分は、濃いココナッツミルク、カレー粉、米粉と合わせて別のソースにします。この二つの流れは、最初から最後まで混ぜないでください。
ぱっと見は、黄色いソースを添えた牛串の皿です。ところが作りをよく見ると、ココナッツが二つの役目を持っています。すりおろしココナッツは牛肉と一緒に煮て、肉にまといつきます。 ココナッツミルクのほうは、別の鍋で作るソースに入ります。この二つをつなぐのが、一度だけ炒めて半分に分けるひとつのスパイスペーストです。
ここで作るのは、ペカンバルのAdintifa(@adintifa)さんがCookpad Indonesiaに2018年9月13日付で公開している、完成したレシピです。分量は変えず、ほかの人の配合も混ぜていません。編集部ではこのレシピを試作していません。同じ国のほかの料理は、インドネシアのページでご覧いただけます。
パヤクンブの名物として紹介されるサテ
detikFoodが2022年7月23日に公開した、Sonia Basoniさんの記事があります。見出しを訳すと「サテ・パダンではない、パヤクンブ名物のサテ・ダングアン・ダングアン」。ここで屋台Rang KubangのYumraさんが、ダングアン・ダングアン・サテをパヤクンブの料理として紹介しています。取材の中でYumraさんは、黄色いソースと、肉にまとわせたココナッツのスルンデンについて語っています。
この説明はYumraさんと記事のものです。発祥の地や考案者、年代がひとつに決まるという証明ではなく、この記事でもそのようには言いません。また、これはYumraさん自身の屋台の話です。ここで触れられているスルンデンの衣は、Adintifaさんのレシピにはない工程です。そのため、下のレシピのすりおろしココナッツは先に炒りません。
今回の版:Adintifaの牛肉とココナッツのレシピ
Adintifaさんのレシピでは、肉の工程に牛ヒレ肉の角切り600g、やや若いココナッツ半個分のすりおろし、用意したビーフストック700mlを使います。別のソースには、炒めたスパイスペーストの残り半分に、濃いココナッツミルク200ml、カレー粉大さじ1.5、米粉大さじ4を合わせます。供し方として、ケトゥパットとフライドシャロットが提案されています。どちらも分量や作り方は示されていないので、用意済みの添え物として扱います。
レシピのページには、25〜30本、1本につき肉3〜4切れ、4〜5人分、45〜60分と表示されています。これはページ自体の表示で、編集部が測った値ではありません。時間の内訳も示されていません。
世界ごはん紀行には、一般的なサテ・パダンのレシピもあります。こちらも牛肉600gを使いますが、肉は味付けした1.2Lの煮汁で茹で、ソースは濾した煮汁700mlと米粉で作ります。すりおろしココナッツを使う肉の工程も、ココナッツミルクのカレーソースもありません。二つのレシピは混ぜずに、別々に作ってください。
この版の整理のしかた
分かりやすくするために、並べ替えたり解釈したりした点がいくつかあります。分量は変えていません。
- ソースの材料は別に並べました。 レシピのページでは、ココナッツミルク、カレー粉、米粉が、すり潰すスパイス(bumbu halus)と同じ見出しに入っています。ところが手順で使うのは、あとのソースの段階です。うっかりすり鉢に入れないよう、ここではソースの材料として分けて載せています。
- ターメリックの葉は、最初の香味の段階に入れました。 材料にはターメリックの葉2枚が載っていますが、手順に入れるタイミングの記載がなく、ライムリーフ(daun jeruk)の名前が2回出てきます。編集部の判断として、載っているターメリックの葉2枚を、手順4でライムリーフとレモングラスと一緒に入れます。レシピ自体がこの位置を示しているわけではありません。葉は二重に入れず、二つの段階に分けることもしません。
- 「angkat」は、鍋を火から下ろす意味に読みました。 弱火の行は「Masak di atas api kecil, lalu angkat」(弱火で煮てから angkat)で、angkatは「持ち上げる、取り除く」の意味です。何を持ち上げるのかは書かれていません。ここでは鍋を火から外すことと読んでいます。串に刺すために肉を鍋から取り出す作業は、手順8で編集上の別の段取りとして示します。
- ソースを串にかけるのは盛り付けの提案です。 レシピには別のソースがあり、ケトゥパットとフライドシャロットを添えるよう書かれていますが、ソースをどこにどれだけ添えるかは書かれていません。手順14〜17の盛り付けの順番は、編集部のものです。
この料理に使える食材・調味料
道具
- まな板と包丁
- すり鉢と乳棒、またはスパイスペーストを細かくすり潰せる道具
- ペーストを炒める鍋
- ペーストを二つに分けるボウル2つ
- 肉の工程用の鍋
- 肉を取り出すトングまたは穴あきお玉
- サテ用の串
- 炭火のグリル
- ソース用の別の小鍋
- 盛り付け用の皿
選び方と代用:替えてよいもの、替えられないもの
牛肉の部位、ココナッツ、粉、炭火のグリルは、材料表のとおりに使ってください。変えた部分は、このレシピに含まれない、試していない独自の調整になります。
- すりおろしの若いココナッツ: やや若いココナッツを半個分使います。水分や熟し具合はさまざまで、グラム数は決まっていません。乾燥ココナッツやココナッツファインに替えるのは、試していない変更です。
- ガランガル、生のターメリックの根、ターメリックの葉: 東南アジアやアジアの食材店で探してください。ターメリックの葉はこの材料表に入っていますが、代わりになるものは確認できていません。
- 米粉: 普通の米粉を使います。コーンスターチは別の材料です。水で溶かさず、粉のまま直接加えます。
- 赤唐辛子: 品種や大きさ、辛さは、食べる人が心地よいものを選んでください。
- 炭: 炭火で、串を返しながら焼きます。グリルパンやオーブンは、この版には含まれていません。
つまずきやすい点と避け方
この料理のつまずきは、二つの流れが交差してしまうことから起こりがちです。調理を始める前に、次の点を確かめてください。
| つまずきやすい点 | なぜ問題か | 対処 |
|---|---|---|
| ココナッツミルク、カレー粉、米粉をペーストにすり潰してしまう | これらはあとで作るソースの材料です | 手順1ではペーストの材料だけをすり潰し、ソースの材料は取り置く |
| ビーフストックをソースに入れる | 700mlのストックは肉の工程の分です | ソースは、ペースト、ココナッツミルク、カレー粉、米粉だけで作る |
| 葉を二度入れる | 手順の中でライムリーフの名前が2回出てきます | ライムリーフ2枚とターメリックの葉2枚を、手順4で一度だけ入れる |
| すりおろしココナッツを先に炒る | 炒るとスルンデンになり、これは別の屋台のやり方です | すりおろしココナッツは、そのまま肉の鍋に入れる |
| 米粉を水で溶く、またはコーンスターチを使う | ソースの作り方が変わってしまいます | 手順12で、米粉を直接加えて混ぜる |
| グリルパンで焼く | この版は炭火で焼きます | 炭火で、串を返しながら焼く |
よくある質問
半個分のすりおろしココナッツは、何グラムですか?
レシピには重さではなく、やや若いココナッツ半個と書かれているので、グラムへの換算はしていません。ココナッツの大きさや果肉の水分で、重さは変わります。
700mlのビーフストックは、ソースにも使いますか?
使いません。この版では、700mlのストックは全量を、牛肉とすりおろしココナッツの鍋に入れます。 ソースは、ペーストの残り半分、濃いココナッツミルク、カレー粉、米粉で作ります。
ターメリックの葉は、いつ入れますか?
材料の一覧には入っていますが、手順に入れるタイミングは書かれていません。手順4でライムリーフとレモングラスと一緒に入れるのは、編集部の判断で、レシピに書かれていることではありません。また、ペーストの二つの半分に葉をどう分けるかも、レシピには書かれていません。
牛肉は弱火で何分煮ますか?
弱火の工程の時間も終わりの目安も、レシピには書かれていません。残す煮汁の量も示されていません。レシピのページにある45〜60分は、工程ごとの内訳がありません。安全に火が通ったかどうかを示す数値もここでは示せないので、お住まいの地域の食品衛生の案内に従ってください。
「angkat」は、肉を取り出すのですか、鍋を下ろすのですか?
「Masak di atas api kecil, lalu angkat」という一文は、何を持ち上げるのかを示していません。ここでは、鍋を火から外すことと読んでいます。串に刺すために肉を取り出すのは、焼く工程へ進むために加えた、編集上の別の手順です。
ケトゥパットとフライドシャロットも、自分で作りますか?
作者は供し方として挙げていますが、分量も作り方も書いていません。そのため、ここでは用意済みの添え物として扱っています。
ソースは串にかけるのですか?
レシピには別のソースがありますが、どこにどれだけ添えるかは書かれていません。ここでは串にかける盛り付けにしています。別添えにして供してもかまいません。


























