トマト、パイナップル、オクラ、もやし、白身魚が入り、香草をのせた赤みがかったカインチュア・カー
🔪下準備15分
🔥調理20分
🌍ジャンルベトナム料理

カインチュア・カーの作り方|メコンデルタの甘酸っぱい魚のスープ

世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方

STEP 11 / 6

タマリンド液を作る

手順1: タマリンド液を作る

ボウルにタマリンドのブロック60gを入れ、ぬるま湯240mlを注ぎます。指で果肉をもみほぐしながら5分ほど置き、果肉が湯に溶けて全体がどろりとした茶色の液になったら、目の細かいざるでこします。ざるに残った果肉もスプーンの背で押してしっかり絞り、種と筋は捨てます。ここで果肉をよく押し出すと、酸味がしっかり出ます。

STEP 22 / 6

魚と野菜を切る

手順2: 魚と野菜を切る

白身魚の切り身は1.3cm厚さに切ります。トマトは8等分のくし形切り、オクラはへたを落として1cm幅の斜め切り、パイナップルはひと口大の薄切りにします。香草はざく切り、赤唐辛子は薄い輪切りに。3分ほどで切り終える量なので、魚を入れる前にすべてそろえておくと、煮すぎを防げます。

STEP 33 / 6

スープを沸かす

手順3: スープを沸かす

鍋にタマリンド液、水1.4L、ナンプラー大さじ2、パイナップル100g、砂糖大さじ4を入れ、強火にかけます。8〜10分ほどで沸騰したら、一度味を見ます。酸味と甘みとしょっぱさが同じくらいに感じられれば、ちょうどよい状態です。パイナップルから甘い香りが立ち、スープがうっすら琥珀色になっていれば準備ができています。

STEP 44 / 6

魚を入れてアクを取る

手順4: 魚を入れてアクを取る

沸騰したスープに魚をそっと入れ、再び沸くまで待ちます。表面に白いアクが浮いてきたら、お玉ですくい取ります。中火に落として約5分、魚の身が中心まで白く不透明になれば火が通っています。魚を入れたら混ぜないのがコツで、かき混ぜると身が崩れてスープが濁ります。切り身が崩れない状態で形を保っていれば上出来です。

STEP 55 / 6

野菜を加えてひと煮立ちさせる

手順5: 野菜を加えてひと煮立ちさせる

トマト、オクラ、もやし(あればバックハー)を加え、中火のまま再び沸騰するまで約2分煮ます。トマトの皮が少しめくれ、オクラが鮮やかな緑色になれば火を止めます。野菜はシャキッとした食感を残したいので、煮すぎないようにします。最後にもう一度味を見て、砂糖かナンプラーで甘酸っぱさを整えます。

STEP 66 / 6

香草をのせて仕上げる

手順6: 香草をのせて仕上げる

火を止めてから、魚1〜2切れと野菜が均等に入るように器に盛り、ざく切りの香草をスープの中央にこんもりと置き、フライドエシャロット、フライドガーリック、赤唐辛子の輪切りをその上に散らします。香草は熱いスープの余熱でしんなりする程度がちょうどよく、香りがいちばん立ちます。鍋のまま食卓に出して、各自で香草をのせながら食べてもかまいません。

魚の骨に注意してください。骨付きの切り身を使った場合は、盛り付けるときに大きな骨を取り除き、小さな子どもや高齢の方が食べる場合はとくに気をつけます。

もやしとオクラは余熱でも火が入ります。食卓に出すまで時間があく場合は、野菜を入れるのを食べる直前にすると、シャキッとした食感が残ります。

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Ingredients

材料

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

カインチュア・カーの材料の白身魚、タマリンド、パイナップル、トマト、オクラ、もやし、香草

6品目

スープ

材料 分量 代替・備考
タマリンド(果肉ブロック) 60g 種や筋ごと使い、液をこす
ぬるま湯(タマリンド用) 240ml 40°C前後
水 1.4L —
ナンプラー(ヌックマム) 大さじ2 魚醤。商品によって塩気が違うので最後に調整
砂糖 大さじ4 酸味を見て加減
パイナップル 100g ひと口大の薄切り。缶詰の場合はシロップを切る
5品目

魚と野菜

材料 分量 代替・備考
白身魚の切り身 400〜500g タイ、スズキ、タラなど。1.3cm厚さに切る
トマト 2個 くし形切り
オクラ 60g 1cm幅の斜め切り
もやし 60g ひげ根を取るときれいに仕上がる
バックハー(太いサトイモの仲間の茎) 60g 手に入れば皮をむいて斜め切り。なければ省く
6品目

仕上げ

材料 分量 代替・備考
ゴーオム(水田の香草) 1束 手に入らなければ省き、タイバジルを少量
ノコギリコリアンダー 1束 パクチーで代用可
フライドエシャロット 小さじ1/2 市販のフライドオニオンでも可
フライドガーリック 小さじ1/2 —
赤唐辛子(生) 1本 輪切り。辛さが苦手なら省く
ジャスミンライス 4人分 炊いて添える。ライスヌードルでも可
コツ

タマリンドの酸味は商品によってかなり差があります。最初は材料表の量で作り、仕上げに砂糖とナンプラーで甘酸っぱさを整えると失敗しません。酸っぱすぎたら砂糖を小さじ1ずつ、物足りなければナンプラーを小さじ1ずつ足します。

注意

この料理には魚と魚醤が入ります。魚アレルギーの方は避けてください。フライドエシャロットやフライドオニオンには小麦粉を使った商品もあるので、小麦アレルギーのある方は原材料表示を確かめてください。


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手に入りにくい材料の買い方

買い出しガイド

茶色い水をたたえた川が、網の目のように田んぼと果樹園の間を流れていきます。小舟には魚やパイナップル、山積みの香草。ベトナム南部のメコンデルタでは、川と畑の恵みがそのまま家庭の鍋に入ります。タマリンドの酸味、パイナップルの甘み、ヌックマムの塩気を合わせたスープに、魚と野菜をたっぷり煮込んだカインチュア・カー(Canh chua cá)は、このデルタの味をひと椀に集めたような料理です。

メコンデルタの恵みを詰めた「酸っぱいスープ」

メコンデルタの水路を行く小舟に、魚、パイナップル、香草が積まれている様子

「カイン(canh)」はスープ、「チュア(chua)」は酸っぱい、「カー(cá)」は魚を意味します。名前のとおり、酸味を主役にした魚のスープです。酸味のもとはタマリンド。そこに砂糖とパイナップルの甘み、ヌックマム(ベトナムの魚醤)の旨みが重なり、酸っぱい、甘い、しょっぱいが同時に感じられるのがこの料理の持ち味です。

メコンデルタは、川の魚や海の幸、野菜や果物に恵まれた土地として知られ、その豊かさを生かした料理が多く伝わっています。カインチュアに使う魚は、ナマズの仲間がもっともよく使われ、雷魚(ライギョ)やティラピア、ウナギ、エビで作ることもあります。具材には、パイナップル、トマト、オクラ、もやしに加えて、ベトナムでバックハーと呼ばれる太いサトイモの仲間の茎が入ります。どれもデルタの畑や水辺でとれる身近な食材です。

豆知識

同じ「酸っぱいスープ」でも、フィリピンのシニガンは、カインチュアより酸味を前に出した味わいです。カインチュアは砂糖とパイナップルで酸味と甘みを釣り合わせるので、ひと口目がやわらかく感じられます。

ベトナムの家庭の食卓では、ご飯とおかず、スープを一緒に並べて食べるのが基本の形です。カインチュアは、炊きたてのジャスミンライスと一緒に出される定番のスープで、魚の代わりに鶏肉やエビで作る家もあります。


日本の台所で作るときに知っておきたいこと

日本のスーパーで買える白身魚の切り身、トマト、オクラ、パイナップル、タマリンド

魚は、日本のスーパーで買える白身魚の切り身で作れます。タイ、スズキ、タラなどの身のしっかりした魚が向いています。ベトナムでよく使うナマズの仲間は日本ではあまり出回りません。冷凍で売られていることのあるパンガシウス(バサ)も、メコン川に暮らすナマズの仲間です。骨付きの切り身を使うとだしがよく出ますが、食べるときは骨に気をつけてください。

酸味の決め手はタマリンドです。インド食材店やアジア食材店、通販で、果肉を固めたブロックやペーストが手に入ります。レモンやライムで代用する作り方もありますが、タマリンドならではのフルーティーな酸味は出にくいので、できればタマリンドを用意したいところです。ブロックを使う場合は、ぬるま湯でもみほぐしてこした液を使います。

コツ

タマリンドのブロックは、冷蔵庫で長く保存できます。使う分だけ包丁で切り取り、残りはラップで包んで保存袋に入れておくと、タイ料理のパッタイやインドのサンバルにも使えます。

ベトナムでは、ゴーオム(ngò om)と呼ばれるレモンのような香りの水田の香草と、ノコギリコリアンダー(ngò gai)を仕上げにたっぷりのせます。どちらも日本では手に入りにくい香草です。ゴーオムに代わる香草はありませんが、省いてタイバジルを散らしてもかまいません。ノコギリコリアンダーは、パクチーで代わりにすると香りの方向が近くなります。バックハーも日本ではまず見かけないので、省いて作ります。スープを吸わせる役目が中心の具なので、なくても味は大きく変わりません。


盛り付けとデルタの食卓

ジャスミンライスと一緒に並べたカインチュア・カーの食卓
炊きたてのジャスミンライスと一緒に、スープとして食卓に並べる

カインチュア・カーは、ジャスミンライスと一緒に食卓に並べて、ご飯の合間にスープをすするようにして食べます。茶碗のご飯にスープを少しかけてもおいしく食べられます。ライスヌードルをゆでて器に入れ、上からスープを注げば、一杯で完結する麺料理にもなります。

ベトナム料理をもう一品そろえるなら、米粉の生地を薄く焼いて具を包む、ベトナム風お好み焼きのバインセオを合わせると、香草をたっぷり使うベトナム南部の食卓がよく見えてきます。

アレンジの楽しみ方

エビで作ったカインチュアと鶏肉で作ったカインチュアを並べた様子

魚の代わりに、殻付きのエビで作るとカインチュア・トム(canh chua tôm)になります。エビは火が通りやすいので、スープに入れて色が赤く変わり、身が丸まったらすぐ野菜を加えます。鶏むね肉を薄切りにして使う家もあります。鶏肉の場合は、中心まで白くなり、透明な肉汁が出なくなるまで火を通してください。

野菜は、季節や手に入るものに合わせて変えられます。夏はオクラとトマトを多めに、冬はセロリや白菜の芯を薄切りにして入れても、シャキッとした食感がスープによく合います。辛くしたいときは、赤唐辛子を刻んでナンプラーに浸け、食卓で少しずつ足すと、辛さを人ごとに変えられます。

よくある質問

残ったカインチュアのスープを保存容器に移す様子

タマリンドがない場合はどうしますか?

レモン汁やライム汁で酸味をつける方法もあります。その場合は、スープを沸かした後にレモン汁大さじ2から加えて味を見てください。タマリンドのフルーティーな酸味とは違う、すっきりした味わいになります。

パイナップルは缶詰でもよいですか?

缶詰でも作れます。シロップをよく切り、砂糖を少し控えめにして甘さを調整してください。生のパイナップルを使うと、酸味と香りがより強く出ます。

作り置きはできますか?

魚と野菜は時間がたつと煮崩れて食感が落ちるので、作ったその日に食べきるのがおすすめです。残った場合は粗熱を取ってすぐ冷蔵庫に入れ、温め直すときは鍋で全体がしっかり沸騰するまで加熱してください。

香草が苦手な場合は?

香草は省いても作れます。代わりに小ねぎの小口切りを散らすと、彩りと香りが加わります。

主な参考リンク

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