マカロンは、オーブンから出してもまだ完成しない
生地は、つやがあり、ゆっくり沈むリボン状に落ちる状態で混ぜるのをやめます。焼くのは、表面が乾いて指につかなくなってから。クリームを挟んだあとは、冷蔵庫で休ませる時間をとってから食べます。
天板の上で殻が冷めたら、大きさの近いものを組にして、片方にバタークリームを小さく絞り、もう一枚をクリームが縁に届くまで押さえます。ここでもまだ終わりではありません。この記事が手本にしたKing Arthur Bakingのテストキッチンのレシピでは、挟んだマカロンをさらに24〜48時間冷蔵し、殻をクリームになじませてから、食べる1時間以上前に出しておきます。
色や形の華やかさの裏には、目で確かめる2つの場面があります。混ぜ終わりの生地の流れ方と、絞った表面が指につかない乾き方です。殻の裾のひらひらした「ピエ」も、薄い皮の内側のやわらかさも、この2つの見極めから生まれます。
ここで作るのは、パリ風(フレンチ)マカロンです。コックと呼ばれる2枚のアーモンドメレンゲの殻でフィリングを挟みます。ロレーヌのナンシーにある、丸くひび割れた一枚だけのアーモンド菓子とは別の菓子です。英語では「macaron」と「macaroon」が混同されがちですが、この記事で扱うのは、フランスの挟むタイプです。
殻は着色せず、アーモンドらしいアイボリーのまま、バニラのフレンチバタークリームを挟みます。基本形を無着色にしておくと、生地の状態、表面の皮、ピエを見分けやすくなります。
この料理に使える食材・調味料
日本で材料を選ぶとき、アーモンドプードルと粉糖で見るところ
アーモンドプードルは、できるだけ細かく挽いて乾いたものを選びます。粗挽きのアーモンドや、小麦粉に替えたものでは、同じ仕上がりになりません。
粉糖は、製品や国によって違いがあり、コーンスターチなどが入ったものもあります。どの粉糖も同じに働くとは考えないでください。表示を読んで、できるだけ混ぜ物の少ない粉糖に近いものを選びます。
卵白は重さで指定されているので、卵の大きさより、はかりのほうが大切です。作り始める前に常温に戻しておきます。
クリームオブタータは、製菓材料店や通販で見つかります。配合に入っているので、省くならレシピを変えることになります。
バタークリームは、選べる部分です。余らせたくなければ、用意済みのフレンチバタークリーム200gを使います。一から作るなら、上の全量が別レシピとして独立しています。当て推量で小さくしないでください。
道具
- 0.1g単位または1g単位で量れるデジタルスケール
- 目の細かいふるい
- ハンドミキサーまたはスタンドミキサー
- ゴムベラ
- 絞り袋
- 直径約1.3cmの丸口金
- 平らな天板
- オーブンシート。敷かない天板には生地がひどくくっつきます
- 挟んだマカロンを休ませ、保存する密閉容器
- バタークリームを自作する場合のみ:小鍋と、熱いシロップの温度を測れる温度計
うまくいかなかったときに、次の回までに見直すこと
マカロンのピエ、ひび、広がりは、いくつかの条件が重なって決まります。一つの原因に決めつけず、毎回の条件を書き留め、変えるのは一度に一つにしてください。
| 見えた様子 | 確認すること | 次回の対応 |
|---|---|---|
| ピエが出ない、上面がひび割れる | 表面が十分に乾いていたか。生地をどこまで混ぜたか。オーブンの温度、予熱、天板の条件 | この順に確かめて、それぞれ記録する。原因が一つに確定できるわけではない |
| 絞った生地の角が戻らない | 混ぜ不足の可能性。口金の大きさと絞り方も見る | 混ぜれば必ず直るとは限らない。両方を確認する |
| 平らに広がる、ピエが弱い | 混ぜすぎ、メレンゲの泡立ての程度、室内の湿度、乾燥 | 複数を同時に変えない |
| 底がシートにくっつく | 殻が完全に冷めていたか | 天板ごと冷凍庫に15〜20分。焼き不足と決めつけない |
| 焼き色が濃くつく | オーブンの温度 | 約149℃に下げる。色と火の通りは同じではない |
迷ったら、作り方で示した目印に戻ります。先端が曲がる中程度の角、ゆっくり沈むリボン、指につかない皮、そして完全に冷めてから外す殻。この4つです。
保存
殻でも完成したマカロンでも、密閉して冷蔵なら最長1週間、冷凍なら最長1か月が目安です。持ち歩きや常温での放置が安全であることを保証するものではありません。
バタークリームを全量作った場合、余りは冷蔵で最長1週間、または冷凍できます。製品や台所の環境で事情が変わるので、安全の保証ではなく目安として受け止めてください。
アレンジは、殻ではなくフィリングで
基本のレシピとは別の提案です。殻の配合は変えず、変化はバタークリームに加えます。
| アレンジ | 方法 | 気をつけること |
|---|---|---|
| ブルーベリー | バタークリームにブルーベリーパウダー | フロスティング全量に大さじ1から。これは全量向けで、200gの使用分に大さじ1を足さない |
| レモン | バタークリームにレモン果汁のパウダー | 液体を足さず、粉末で |
| バニラ | バタークリームにバニラビーンズペースト | 上の別仕込みの全量にすでに入っている |
| チョコレート | バタークリームのレシピにあるチョコレート版 | 材料が増えるので、別のレシピとして全体を作る。殻にココアは足さない |
| 色づけ | バタークリームにジェルタイプの食用色素 | 殻の生地に色をつけるのはレシピの変更で、量を試す必要がある |
起源はひとつではない、フランス各地のマカロン

マカロンは、ショーケースのカラフルなサンドよりも古く、多様な菓子です。初期のフランスのマカロンは、アーモンド、砂糖、卵白を中心にした焼き菓子で、フランスのいくつかの地方にそれぞれありました。製菓団体のRelais Dessertsは、こうした古い単体のアーモンド菓子が各地に広がり、のちに現れたフィリング入りの二枚の殻の形とは別だったと説明しています。
東部のナンシーには、そのひとつが残っています。フランス農業省は、ナンシーのマカロンを、丸くひび割れた、やわらかい単体の焼き菓子として紹介し、「Sœurs Macarons(マカロンの修道女たち)」にまつわる伝統も伝えています。同じ記事は、カトリーヌ・ド・メディシスが1533年にマカロンをフランスへ持ち込んだという話も載せています。一方、Maison Ladurée自身の歴史のページは、このよく知られた話を裏づけのない伝承と呼び、単一の発祥地は決めていません。名前がイタリア語のmaccaroneやmaccheroneと関係するという説にも触れています。資料の語りが食い違うので、1533年の話は確定した年号でなく、語られてきた話として読むのが適切です。
ここで作る形については、資料の見方がもう少し近くなります。農業省もLaduréeも、2枚の殻でフィリングを挟む形への変化を、1830年代のパリとしています。1862年創業のLaduréeは、自社の歴史で、挟むマカロンを世界へ広めた役割を述べていますが、これは店自身の説明で、独立した証明ではありません。
この記事のレシピは、アメリカのテストキッチンによる家庭向けのフレンチメレンゲ法で、フランスにひとつだけの「伝統の配合」ではありません。パリ風の作り方の一例であり、ナンシー風や他の地方のマカロンはそれぞれ別の菓子です。フランスのほかの地方料理には、アルザスのタルト・フランベや、ニースのパン・バニャもあります。
よくある質問
マカロンの質問は、たいてい次の2点に戻ります。生地をどこで混ぜ終えたか、焼く前に皮が本当に乾いていたかです。
マカロンとマカルーン(マコロン)は同じものですか?
英語の綴りは混同されやすいものです。この記事の「macaron」は、アーモンドメレンゲの殻2枚の間にフィリングを挟む、フランス式のものを指します。
絞った生地は何分乾かしますか?
乾燥は最低30分、湿度が高いときは最長2時間です。本当の目印は表面で、マットになり、軽く触れても生地がつかない薄い皮ができていれば乾いています。
必ずピエができますか?
保証はありません。ピエは、生地の混ぜ方、表面の乾き具合、オーブンの癖に左右されます。できなかったときは、これらを順に確認し、一度に一つずつ変えてください。
焼く温度は何度ですか?
160℃で15〜20分、上面が固まるまで焼き、殻の色づきが強いときは約149℃に下げます。これは開始点なので、自分のオーブンに合わせて調整してください。
前もって作っておけますか?
作れます。むしろ、挟んだマカロンは24〜48時間冷蔵してから食べ、食べる1時間以上前に出しておくのがおすすめです。保存は、密閉して冷蔵で最長1週間、冷凍で最長1か月です。
ナンシー風マカロンとは何が違いますか?
ナンシー風は、丸くひび割れた単体のアーモンド菓子です。パリ風は、ピエのあるなめらかな2枚の殻でフィリングを挟みます。同じレシピの2つの版ではなく、別の形の菓子です。















