カオカンチン:ご飯と豚肉と血を、中まで蒸し上げる
ご飯の粒を崩さないこと、包みをきっちり閉じること、そして最も厚い包みの中心が、この記事に書いた温度条件を満たすまで加熱すること。食用として売られている豚血が手に入らない場合は、この料理を作らないでください。このレシピは、世界ごはん紀行編集部では試作していません。
チェンライの地域情報サイト Chiangrai108 によると、チェンライでは、カオカンチンがカノムジーン・ナムギアオ(khanom jeen nam ngiao)と一緒に売られていることがあるそうです。葉で包まれていて、中身は炊いたご飯に豚ひき肉と、レモングラスで扱った豚の血を混ぜたもの。それを包んだまま蒸しあげます。
「豚の血入りのご飯」と聞くと身構えるかもしれませんが、作業そのものは整然としています。血を濾し、ご飯と豚肉に味をつけ、粒がばらけるよう血を少しずつ加え、包んで蒸す。味つけは魚醤と少しの砂糖と塩が中心で、食卓には揚げにんにくや唐辛子、生野菜が添えられます。ほかのタイ料理はタイのページからどうぞ。
始める前に:血、加熱、にんにく油のこと
分量と基本の作り方は、Chef Cares Foundation の Ros Chaad Thai アーカイブに載っている一つのレシピに従っています。ほかの版とは混ぜていません。このレシピは、中火で約30分、または火が通るまで蒸すとしていますが、包みの大きさ・個数・何人分かは書かれていません。そのため、この記事でも示しません。
加熱の目標は、そのレシピにはない、編集部が加えた安全上の条件です。 タイ保健省疾病予防局(DDC)は、豚肉と豚の血を70°Cを超える温度で10分以上、しっかり加熱するよう示しています。日本の厚生労働省は、家庭向けの一般的な目安として、中心温度75°Cで1分間の加熱を挙げています。
この二つの目安が同等だとは言いませんし、どちらもこの包みのために検証された加熱スケジュールではありません。そこで保守的な運用として、この記事では最も厚い包みの中心で両方を満たすことを求めます。71°C以上を10分以上保ち、かつ75°C以上に1分以上達することです。両方を満たしていなければ、蒸し続けてください。約30分はあくまで目安で、安全の証明ではありません。後に載せる写真も、温度や時間の証明にはなりません。
- 生の豚肉と豚の血には、豚レンサ球菌(Streptococcus suis、タイ語でหูดับと呼ばれる病気)などのリスクがあります。しっかり加熱することが欠かせません。
- 生の豚肉、生の血、火の通っていない混ぜ物は、絶対に味見しないでください。味つけは計量だけで行います。
- レモングラスやライムを使っても、血や豚肉が安全になるわけではありません。
- 手に傷があれば覆い、生の血と豚肉は手袋か専用の器具で扱い、触れたあとは手を洗ってください。
- 生のものと加熱後のものには、別々の器具・まな板・箸を使ってください。
- 妊娠中の方、乳幼児や高齢の方、免疫が弱っている方が食べる場合は、加熱をとくに確実にするか、この料理を食べない選択をしてください。
血の入手について。 琉球新報は2017年に、国の規則では食用に採取する血は直ちに4°C以下に冷却し、ナイフは1頭ごとに洗うことと定められていると報じました。また、沖縄の食肉センターから食用の豚血が出荷されていることも伝えています。同年の別の報道では、ある食肉センターが専用の保管設備と冷蔵設備を整えて出荷を再開したと報じています。これらは2017年の記事で、販売店の名前は挙がっていません。本土やほかの地域での入手しやすさは確認できていません。
揚げにんにくと油について。 このレシピは、揚げにんにく100gと植物油100gを材料に挙げ、ご飯には「大さじ3〜4」を混ぜるとしています。これが両者を合わせた量なのか、どう分けるのか、残りがどこへ行くのかは十分に説明されていません。分け方を作り出さず、この表現のまま扱います。それぞれ100gを全部混ぜ込むことはしないでください。この記事では、残りは仕上げの飾りとして食卓に出します。
この料理に使える食材・調味料
道具
- 蒸し器
- 包みの中心まで届く、食品用の温度計
- 目の細かい濾し器
- 血用とご飯を混ぜる用の、別々のボウル
- レモングラスを叩くもの
- 手袋
- 生のものと加熱後のもので分けた器具・まな板・箸
- 短い木楊枝
選び方と代用
豚血。 信頼できる仕入れ先の、食用として売られているものだけを使ってください。日本では主に沖縄の精肉店や市場が中心になり、どこでも見つかるとは限りません。買ったらすぐ冷蔵し、同じく4°C以下の考え方を保って、すぐに使います。
手に入らなければ、この料理は作らないのが正しい選択です。ほかの動物の血、出どころのわからない血、自宅や知人を通じて集めた血で代用してはいけません。血抜きした肉や、加熱済みの血の固まりも代わりにはなりません。
米。 ジャスミンライスなどの長粒米から試すのが無難です。日本の短粒米を使うと食感が変わります。
調味料。 豚用調味粉は、製品によって塩分が違います。魚醤を醤油に替えるのはおすすめしません。食事制限がある方は、両方のラベルを確認してください。
バナナの葉。 食用・調理用として売られているものを選びます。
豚を避けたい場合。 豚肉と豚血がこの料理の中心です。それらを除いた版は別の料理になるため、案内しません。
うまくいかないとき
| 状態 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 血を加えるとご飯が固まる | 血を一度に入れすぎた | 残りは少量ずつ加え、そのたびに混ぜる |
| ご飯がつぶれてべたつく | ご飯が熱いままだった、または強く混ぜすぎた | 次回は先にご飯を冷まし、かき混ぜずにやさしくすくう |
| 包むときに葉が破れる | 葉が硬い、または詰めすぎ | 葉を温めて柔らかくし、中身を減らす |
| 蒸した包みから赤い液体が出る | 火が通っていない | 食べないでください。 閉じて蒸し続ける |
| 中心温度が足りない | 包みが厚い、または蒸気が弱い | 時計に関係なく、二つの温度条件を満たすまで蒸し続ける |
| 包みが乾く、蒸気が中まで届かない | 葉が硬い、または詰めすぎ | 次回は先に葉を柔らかくし、詰めすぎない |
残りもの
カオカンチンは、蒸したらすぐ食べてください。残った場合は、速やかに冷蔵し、食べる前にしっかり再加熱します。保存期間や再加熱できる回数は、根拠となる資料がないため示しません。
知っておきたいバリエーション
以下は、上の作り方を変えるものではなく、比較のための話です。
- 配合の違い。 タイの地域研究報告書には、炊いたご飯2カップ、豚血100g、赤身の豚ひき肉300g、塩小さじ1/2、砂糖小さじ1/4で作る北部の版が記録されています。豚肉がずっと多く、血は少なめです。この記事のレシピに分量を混ぜないでください。
- 辛さは別添えで。 揚げ唐辛子は別に出し、各自が辛さを調整します。
- ハーブときゅうりも別添えで。 包みとは離しておくと、準備中に生の材料と生野菜が触れずに済みます。
- 麺料理と一緒に。 Chiangrai108 は、チェンライでカオカンチンがカノムジーン・ナムギアオと一緒に売られていると伝えています。
由来と食べ方

Ros Chaad Thai は、カオカンチンをタイ・ヤイ(シャン)の影響を受けた北タイの家庭料理と紹介しています。Chiangrai108 は、ข้าวเงี้ยวという名前も挙げ、炊いたご飯、レモングラスで扱った豚の血、塩で混ぜた豚ひき肉を、葉で包んで蒸す料理だと説明しています。地域の研究報告書では、เนื้อส้มอุ่น(ข้าวกันจิ้น)の名前で記録されています。ข้าวกั้นจิ้นという綴りも見られます。名前の由来や料理の年代は、これらの資料からは決められませんし、特定の一つの集団だけのものと言い切ることもしません。
この料理に使うのは、粒がはっきり残った、ふつうの炊いたご飯です。血で染めたもち米を皮に詰める料理ではありません。資料に共通して挙がる添え物は、揚げにんにく、揚げ乾燥唐辛子、赤玉ねぎ、香菜、ねぎ、きゅうりです。
タイのご飯料理が好きなら、カオマンガイや、ご飯と別添えの具を合わせるカオクルックカピとも比べてみてください。北タイの食をもう少し見てみたい方には、ゲーンハンレーもあります。
よくある質問
カオカンチンはもち米で作りますか?
このレシピでは使いません。Ros Chaad Thai が挙げているのは、もち米ではなく、炊いたご飯(ข้าวสวย)500gです。
混ぜるとき、豚の血は生ですか?
はい。混ぜる段階では、血も豚肉も生です。そのあと包みの中で蒸して、中心までしっかり火を通します。この記事が扱うのは、完全に蒸し上げた料理だけです。加熱前には何も味見しないでください。
蒸し時間はどのくらいですか?
Ros Chaad Thai は、包みの大きさは書かずに、約30分または火が通るまでとしています。判断は温度計に任せてください。最も厚い包みの中心が71°C以上を10分以上保ち、さらに75°C以上に1分以上達する必要があります。
血をレモングラスで揉めば安全になりますか?
なりません。レモングラスもライムも、豚肉や血を安全にはしません。安全は、信頼できる仕入れ、清潔な扱い、そしてしっかりした加熱で決まります。
食用の豚血が見つからない場合は?
作らないでください。ほかの動物の血、出どころのわからない血、自宅で集めた血は、代わりにはなりません。
揚げにんにくと油は、どのくらいご飯に入れますか?
大さじ3〜4です。ただし上に書いたとおり、この量を揚げにんにくと油でどう分けるのかは、レシピに明確には書かれていません。それぞれ100gを全部混ぜ込むことはしないでください。
何を添えますか?
揚げにんにく、揚げ唐辛子、赤玉ねぎ、ねぎ、香菜、きゅうりを添えます。チェンライでは、カノムジーン・ナムギアオと一緒に売られることもあります。
















