ザクロの粒をのせたほうれん草とくるみのプハリ
🔪下準備3時間25分
🔥調理5分
🌍料理ジョージア料理

プハリの作り方|ほうれん草とくるみで作るジョージアの前菜

約13分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 5

葉と香草を洗う

手順1: 葉と香草を洗う

ほうれん草は根元を開くようにして流水で洗い、土を落として硬い茎を除きます。葉を長く水に漬けたままにはしません。パクチーとパセリも洗って水を切り、ペーパーで余分な水を取っておきます。玉ねぎは2〜3mm程度のみじん切りに、にんにくはつぶれて平たくなるまで押します。大鍋に水2Lとゆで湯用の塩約6gを入れて、火にかけて沸騰させておきましょう。洗う作業と刻む作業で、目安は15分です。加熱したあとの葉には、清潔なまな板と器具を使います。

STEP 22 / 5

ほうれん草をゆでる

手順2: ほうれん草をゆでる

沸騰した湯にほうれん草を入れ、しんなりしてきた葉を湯の中へ沈めます。再沸騰したら中火にして、約5分を目安にゆでます。引き上げどきは、葉がやわらかくなり、茎を指やスプーンで押すと簡単につぶれる状態です。硬い茎が残っているなら、短く追加で加熱します。鮮やかな生葉の色を残そうと早く上げず、細かく混ぜ込めるやわらかさになっているかを確かめてください。

STEP 33 / 5

冷まして水を絞る

手順3: 冷まして水を絞る

ざるに上げて葉を広げ、粗熱を取ります。目安は約30分、手で触れられる温度になるまでです。清潔な手で少量ずつ握って絞り、押してもしずくがたれ続けない状態にします。絞った葉はまな板に移し、約3mmの細かさを目安に刻みます。長い葉や茎を残すと、あとで丸めるときに切れにくく、成形がうまくいきません。室温に置きっぱなしにはせず、室温が高い日は浅い容器に広げて冷蔵庫で冷まします。

STEP 44 / 5

くるみの調味だねを作る

手順4: くるみの調味だねを作る

くるみとにんにくをフードプロセッサーに入れ、短く断続的に回して、細かく湿ったパン粉のような状態にします。約10分を見込んでください。長く回して完全に液状のナッツバターにはしません。細かい粒が残る程度で、大きなかけらは目立たない、という加減です。そこへ刻んだ玉ねぎ、香草、青フェヌグリーク、食用マリーゴールド、粉唐辛子、任意のコリアンダーパウダー小さじ1/2、白ワインビネガー42mlを加え、全体に均一に行き渡るまで混ぜます。混ぜる用の塩約1gは一部だけを加え、残りは、ほうれん草を合わせたあとの味の調整に取っておきます。生の玉ねぎが辛いと感じたら、みじん切りにしたあと短く水にさらし、水をしっかり切るのも家庭向けの工夫です。

STEP 55 / 5

混ぜて冷やし、小さく丸める

手順5: 混ぜて冷やし、小さく丸める

刻んだほうれん草を調味だねに合わせ、清潔な手かスプーンで均一に混ぜます。目安は10分です。味を見て、取り分けておいた塩と辛さを調節しましょう。スプーンですくうと山が残り、皿に置いても水が広がらなければ、ちょうどよい濃さです。浅い清潔な容器に入れてふたをし、冷蔵庫で2時間冷やします。室温で2時間休ませるのではありません。冷えたら、清潔な少し湿らせた手で8個程度に分けて丸め、少し平たくします。前菜1人分は2個が目安で、ザクロ20gと取り分けたパクチーを飾ります。

フードプロセッサーがない台所では、くるみを包丁で繰り返し細かく刻みます。少量ずつ刻み、大きな粒が残らないようにしてください。大きなナッツ片が残ると葉となじまず、崩れやすくなります。粒を完全に消す必要はなく、口に大きなかけらが残らない程度が目標です。道具を替えると、下ごしらえの時間はその分長くなります。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

ほうれん草、くるみ、香草と調味料
ほうれん草とくるみを中心に香草と酢をそろえる

買い出しの前に確認したいのは分量です。生のほうれん草600gとくるみ120gで、前菜4人分になります。ゆでたあとの重さではなく、生の重さです。10人分の現地レシピを0.4倍にした配合で、塩だけは計量しやすい数値に丸めてあります。仕込みに約1時間25分、ゆで5分、冷蔵2時間を含めて、計約3時間30分。これは作業計画の目安で、実測した時間ではありません。

7品目

野菜とナッツ

材料 分量 代替・備考
ほうれん草 600g 生の重さ。根元の土を落とす
くるみ 120g 殻なし、無塩。砂糖や塩をまぶしたものは使わない
玉ねぎ 4/5個 細かいみじん切り。大きさによる辛さの差は味を見て調整
にんにく 2片 皮をむいてつぶす
パクチー 20g 葉と柔らかい茎。仕上げ用に少し取り分ける
パセリ 20g 硬い茎を除いてみじん切り
ザクロの粒 20g 仕上げ用。入手できなければ省略可
7品目

香辛料と調味料

材料 分量 代替・備考
青フェヌグリーク(粉末) 小さじ2/5 ウツホスネリ。普通のフェヌグリークと同じ材料として扱わない。ない場合は省略し、香りの違いを受け入れる
食用マリーゴールド(粉末) 小さじ2/5 ジョージア料理用の乾燥花。ない場合は省略可
コリアンダーパウダー 小さじ1/2 任意。種子を挽いたもの。生のパクチーとは別に少量加える現地レシピもある
粉唐辛子 小さじ1.2 辛さが苦手なら少量から。原レシピの0.4大さじに相当
白ワインビネガー 42ml 大さじ2と小さじ2強。米酢でも作れるが香りは変わる
塩 7g ゆで湯用約6g、混ぜる用約1gに分け、後者は一度に全量を加えない
水 2L ゆで湯用の目安。大鍋に葉が沈む量
コツ

スーパーの香草売り場で手に取るパクチーは、生の葉と柔らかい茎を使うものです。乾燥したコリアンダーの種子の粉とは別の材料なので、香草と種子の粉を分けるところから始めてください。青フェヌグリークは、販売名のウツホスネリ、あるいは blue fenugreek と書かれているかを確かめます。一般的なフェヌグリークを同じ量で置き換えることはしません。食用マリーゴールドがそろわなければ省略して作れますが、現地の配合と同じ香りにはなりません。

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栄養情報 1人分の目安
257kcal
エネルギー
9.8g
タンパク質
20.4g
脂質
15.3g
炭水化物
6.5g
食物繊維
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

盛り皿の上に、小さく丸めた深緑のほうれん草とくるみの団子。てっぺんにはザクロの赤い粒が散っています。そばには焼いたパンが添えられ、ちぎって少しずつ、冷たい前菜をすくって食べます。野菜とくるみの前菜がジョージアの食卓にそっと並ぶ、その一皿がプハリ(Pkhali、ფხალი)です。刻んだ野菜をナッツ、香草、にんにく、酢などと合わせる料理で、見た目の素朴さのわりに、口に入れるとくるみの濃さと酸味、香草の青い香りが順番に立ち上がってきます。

今回作るのはほうれん草版です。火を使うのは主に葉をゆでる工程だけで、あとは、くるみの脂と細かい粒が葉をひとまとめにしてくれます。油で揚げる団子ではありません。ゆでた葉を絞り、刻み、ナッツと混ぜて冷やす前菜です。丸められるほど濃く仕上がるかどうかは、水切りでまとまりが変わる、これに尽きます。生のほうれん草600gから4人分が作れ、冷蔵の2時間を含めて約3時間30分の作業計画です。

イメレティの春、食卓に並ぶ野草のプハリ

パンとプハリを並べた食卓
小さな前菜としてパンと合わせるプハリ

プハリはほうれん草だけの料理ではありません。ねぎ、キャベツ、なすなど、ほかの野菜で作るプハリもあります。つまり料理名が指しているのは特定のほうれん草のレシピではなく、野菜とナッツを調味して合わせるという共通の仕組みのほうです。野菜を替えて作る料理だと思っておくと、土地や季節による顔ぶれの違いも自然に受け止められます。

春の野草で作る種類もあり、フィールド・プハリと呼ばれます。ジョージア各地にあり、とりわけイメレティ地方を象徴する料理として紹介されています。上イメレティのフィールド・プハリを作る伝統には無形文化遺産の地位が与えられた、とジョージア政府観光局が紹介しています。ただし、いつ頃から作られてきたのか、最初に作ったのは誰か、全土でどのくらいの頻度で食べられているのかは、わかっていません。

豆知識

野草版の紹介では、葉を強く絞りすぎず、ゆで汁で濃度を整える方法が挙げられています。一方、今回のような丸めるほうれん草版のレシピは、水をよく絞るところから始まります。同じプハリという名前でも、完成の形によって水切りの加減は変わります。丸めるならしっかり水切り、と覚えておいてください。

野草版には、地域ごとの小さな違いも紹介されています。政府観光局の野草版の紹介によると、グリアではヘーゼルナッツ・香草・酢を使い、カルトリでは油で炒めた玉ねぎと若いにんにくを、サメグレロでは酸味のあるトケマリと赤唐辛子を加える例があります。これは野草版の地域例で、すべてのほうれん草版に当てはまる決まりではありません。今回の材料表は、くるみで作る冷たいほうれん草版です。


まとまらないときは、水と粒の大きさを確かめる

皿に置いたら水がじわっとにじんできた、というときは、葉や香草の水切りが足りなかったことを疑います。まだ混ぜていない葉なら、もう一度絞ってください。混ぜたあとは、まず冷蔵の2時間でまとまりを見ます。水が分離しても、油や酢を足して整えようとはしません。水がにじむか確かめるのは、冷やしたあとの皿の上です。どうしても丸められなければ、無理に団子にせず、浅い皿に広げて前菜として食べます。食感が変わるだけで、傷んだ料理を救う方法ではありません。

葉が長く残っていると、丸めた表面が割れやすくなります。混ぜる前に、もう少し細かく刻んでおきましょう。大きなくるみ片が残ってばらける場合は、次に作るとき、挽きを細かくします。冷やしても乾いて割れるだけなら、清潔な飲用水を水は小さじ1ずつ加えて混ぜます。一度に足しすぎないでください。

コツ

唐辛子は製品ごとに辛さが違うので、少量から加えます。混ぜたあとで辛さを減らすのは難しいからです。酢を足すときも少しずつにして、酸味を消そうとして砂糖や油を際限なく足すことはしません。生の玉ねぎの辛さと唐辛子の辛さは別のものなので、玉ねぎのほうは刻む段階で調整します。

パンを添えて、冷たい前菜を食卓へ

冷やしたプハリを小さく盛り、ザクロの赤い粒と香草を仕上げにのせます。パンと合わせる前菜として、くるみの濃さと酢、香草を少量ずつ味わってください。冷たい前菜として少しずつ口に運ぶと、ひと口ごとに違う香りが顔を出します。日本の食卓なら、メインの横に1人2個ほど添える形がおすすめです。

プハリでくるみを使う料理が気に入ったなら、次の一皿には、鶏肉をくるみのソースで合わせるサチヴィがあります。くるみを使う料理をもう一皿と思ったときの入口です。パンと前菜を組み合わせて楽しみたい日には、チーズパンのハチャプリもどうぞ。

サチヴィの作り方

ハチャプリの作り方

冷蔵保存と食べる前の注意

生の香草と玉ねぎを加えたあとは再加熱しない料理です。混ぜた後は再加熱しないからこそ、手、まな板、器具をきれいに洗い、香草も流水で洗ってから使います。くるみアレルギーのある人には出さないでください。添えるパンの小麦なども、表示を確認しておきましょう。

注意

くるみはアレルギーを起こしうるナッツです。食べる人のアレルギーと、商品の表示を確認してください。ナッツを挽いた器具やまな板を共有する場合は、混入にも気をつけます。ほかのナッツに替えることは、安全な代替としては勧めません。香辛料は食用として販売されているものを使い、観賞用の花や、種類を確認できない野草は材料にしないでください。

注意

FoodSafety.govが示す一般的な食品安全の基準では、冷蔵庫は4℃以下で冷蔵、要冷蔵の食品を室温に2時間以上置かない、32℃を超える環境では1時間以内に冷蔵する、とされています。冷ます時間、混ぜる作業、盛り付けたあとの時間も、室温にあった時間として合計で数えます。浅い容器に入れて、速やかに冷蔵庫へ移しましょう。

プハリ専用の保存期限を確認できた資料はありません。ここでの編集部の提案は、少量を作って当日から翌日を目安に食べ切る、というものです。安全な期限を保証するものではありません。冷蔵中はふたをして、食べる分だけを清潔な器具で取り出します。長く常温に置いたものは、冷やし直しても安全になったとは考えないでください。冷凍は、葉とナッツの混合物の食感を保証できないため、このレシピでは勧めません。食べ切れる量を作るのがいちばんです。

栄養の数値は、FoodLabの原レシピにある1人分の推定値を4倍した、全量の概算です。任意のコリアンダーパウダー分は含みません。実測値ではなく、玉ねぎの大きさ、スパイスの端数、ゆで湯へ出る塩などで変わります。全量でおよそ1028kcal、たんぱく質39.2g、脂質81.6g、炭水化物61.2gで、前菜1人分の概算は257kcalです。

主な参考リンク

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