澄んだスープに浮かべた長方形のマウルタッシェンと、豚肉・ほうれん草入りの断面
🌍ジャンルドイツ・シュヴァーベン料理

マウルタッシェンの作り方|豚肉とほうれん草を包むシュヴァーベンの詰め物パスタ

世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方

STEP 11 / 9

ほうれん草を洗って水気を切り、刻む

手順1: ほうれん草を洗って水気を切り、刻む

ほうれん草200gを洗い、洗い水をよく切ってから細かく刻みます。水っぽいほうれん草は具がゆるくなり、閉じ目も弱くなるので、刻む前にできるだけ水気を切るのがコツです。

STEP 22 / 9

固めのパスタ生地をこねる

手順2: 固めのパスタ生地をこねる

小麦粉300g、卵2個、塩、油大さじ3を合わせ、水を少しずつ加えながらこねて、固めのパスタ生地にします。生地がひとまとまりになり、ぽろぽろ崩れなくなったところで加えるのをやめます。

STEP 33 / 9

玉ねぎとベーコンをバターで炒める

手順3: 玉ねぎとベーコンをバターで炒める

玉ねぎをみじん切りにし、角切りベーコンと一緒にバターで、玉ねぎがやわらかくなるまで炒めます。バターはフライパンに薄く広がる程度で、焦げないよう中火以下に保ちます。

STEP 44 / 9

具を混ぜる

手順4: 具を混ぜる

炒めた玉ねぎとベーコンを冷ましてから、豚ひき肉250g、卵2個、刻んだほうれん草、パン粉50g、パセリ、塩、こしょう、ナツメグと混ぜ合わせます。熱いまま混ぜると卵や肉に火が入り始めるので、先に冷まします。生の具は味見しません。生肉に触れた手、ボウル、道具は、次の作業に移る前に洗ってください。

STEP 55 / 9

生地を薄く伸ばして切る

手順5: 生地を薄く伸ばして切る

作業台に打ち粉をふり、生地を薄く均一に伸ばします。繊細さが出る薄さにしつつ、具が透けるほど薄くはしないでください。これを約7cm角に切ります。

STEP 66 / 9

卵黄を塗り、具をのせる

手順6: 卵黄を塗り、具をのせる

縁についた余分な粉を払い、各生地の縁に卵黄を薄く塗って湿らせます。片側の半分に具を控えめにのせ、まわりに余白を残します。縁まで広げないでください。使わない卵黄は、ボウルに残しておいてかまいません。

STEP 77 / 9

折って縁を押さえる

手順7: 折って縁を押さえる

具のない側を折り重ねて長方形にし、縁をスプーンでしっかり押さえます。詰めすぎると開きやすいので、具を使い切ろうと無理に詰め込まず、余った具と生地は別にしておきます。

STEP 88 / 9

塩水で12分ゆでる

手順8: 塩水で12分ゆでる

大きな鍋に塩を入れた湯を沸かし、包みを12分ゆでます。湯は激しく沸かさず、一定にぐつぐつと泡立つ程度に保ってください。強く沸かすと閉じ目が裂けることがあります。12分は目安であって、中まで安全に火が通った保証ではありません。一般的な食品衛生の目安として、中心が75°Cで1分以上に達していることを確かめます。達していなければ、静かにもう少し加熱を続けます。

STEP 99 / 9

温かいスープに移して出す

手順9: 温かいスープに移して出す

ゆで上がった包みを網じゃくしですくい、温めた澄んだスープを入れた器に移します。すぐにいただきます。

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Ingredients

材料

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

小麦粉、卵、豚ひき肉、角切りベーコン、刻んだほうれん草などマウルタッシェンの材料
生地に卵2個、具に卵2個を使い、封をする卵黄1個は別に用意する
6品目

パスタ生地

材料 分量 代替・備考
小麦粉 300g 生地の本体
卵 2個 つなぎと色づけ。大きさの指定なし
塩 適量 生地の味つけ
油 大さじ3 生地をしなやかにする。種類の指定なし
水 少量 少しずつ加えて固めの生地にまとめる
卵黄 1個 折る前に縁を湿らせる分。1個分を用意し、使い切らなくてもよい
9品目

具

材料 分量 代替・備考
玉ねぎ 1個 みじん切りにして炒め、甘みを出す
ベーコン(角切り) 70g 香ばしいうま味と燻香
バター 適量 玉ねぎとベーコンを炒める
豚ひき肉 250g 具の主役
卵 2個 具をまとめる
ほうれん草 200g 今回は生の葉を洗って水気をよく切り、細かく刻んだもの
パン粉 50g 水分を吸ってまとめる
パセリ 適量 青い香り
塩、こしょう、ナツメグ 適量 具の味つけ
3品目

作業・ゆで・盛りつけ用

材料 分量 代替・備考
打ち粉 適量 生地の300gとは別に用意
ゆでる湯と塩 適量 包みをゆでるのに十分な塩水
澄んだスープ 適量 肉または野菜のスープを、包みとは別に用意
アレルゲンと生の材料

小麦、卵、乳(バター)、豚肉を含みます。ベーコンは原材料表示を見て、ほかの原材料やアレルゲンも確認してください。具には生の肉と生卵が入っています。加熱前の具は絶対に味見しないでください。

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手に入りにくい材料の買い方

買い出しガイド

湯気の立つ澄んだスープの中に、折り目をぴたりと押さえた淡い色のパスタが浮かんでいます。ひとつ切り開くと、ほうれん草の緑が散った柔らかな豚肉の具。ドイツ南西部、シュヴァーベン地方の詰め物パスタ、シュヴェービッシェ・マウルタッシェン(Schwäbische Maultaschen)です。

マウルタッシェン、スープでも、鍋で焼き色をつけても

仕上がりの目安

薄くても破れない卵入りのパスタ生地、しっかり閉じた縁、豚肉・燻製ベーコン・ほうれん草にナツメグをほんの少し効かせた具。約7cm角の生地を半分に折り、長方形に仕上げます。

この記事のレシピは、バイエルン州の食文化遺産プロジェクト「GenussErbe」が公開している4人分のレシピ1本に沿っています。小麦粉・卵・油と少量の水で固めの生地を作り、具は炒めた玉ねぎとベーコン、豚ひき肉、卵、ほうれん草、パン粉、パセリを、塩・こしょう・ナツメグで調えます。生地は約7cm角に切って具を包み、塩水で12分ゆでる、という流れです。

鍋から上げたあとの食べ方も、この料理の一部です。地域の資料には、スープに入れる食べ方、ゆでたあとに玉ねぎと一緒に鍋で焼き色をつける食べ方、翌日に切って卵と炒める食べ方が紹介されています。この記事ではまずスープで仕上げ、ほかの食べ方は「アレンジ」の節にまとめました。

ドイツ料理をほかにも作ってみたい方は、ケーゼシュペッツレ、ガイスブルガー・マルシュ、ホッホツァイツズッペも合わせてどうぞ。

断食期に肉を隠した修道士の話は、伝承として伝わる

いちばん有名な由来話は、史実ではなく起源の伝承です。 GenussErbeは、マウルタッシェンを、ほうれん草が具の特徴であるシュヴァーベンの料理と説明しています。マウルブロンの修道士が断食の時期に肉をパスタの中に隠した、という話は、語り伝えられている起源譚のひとつとして紹介されており、事実としては扱われていません。同じ資料が文献として挙げているのは、1831年の「シュヴァーベンの詰め物入り麺」という記述です。

豆知識

GenussErbeは、「Schwäbische Maultaschen」が2009年にEUの地理的表示(PGI、ドイツ語でg.g.A.)として登録されたことを記しています。EU官報に載った申請書には、対象となる地域、生地や具に使える材料の範囲、形やサイズの複数の基準、ゆでるか焼いて食べることが書かれています。さらに、もともとは聖木曜日(復活祭前の木曜日)の伝統食で、のちに一年中食べる料理になったとも説明されています。

ただし、これらの規則は保護された製品名についての取り決めです。家庭の台所で作った料理を何と呼んでよいかを、簡単に判定する基準ではありません。

シュヴァーベンの家庭では、形は家ごとの習慣です。アルプシュタットの観光局は、生地を折る家と巻く家があること、配合や大きさも家庭によって違うことを紹介しています。折るか巻くかは家ごとの流儀で、この記事ではGenussErbeのレシピに合わせて、折りたたんだ長方形に作ります。


材料選びと代用のこと

小麦粉: こねて固くなめらかな生地になる、一般的な小麦粉を使ってください。

ベーコン: 燻製のベーコンなら、具に強めの燻香がつきます。燻製していない豚の脂身に替えると、燻香は弱くなります。

ほうれん草: 生の葉200gを洗い、水気をしっかり切って細かく刻みます。冷凍品を使うなら解凍して水気を絞りますが、重さと水分量が変わります。

パン粉: 乾燥パン粉が粗いときは、細かく砕いておくと具の中に均一に散ります。

豚ひき肉: 牛豚合いびき肉に替えたり、ほうれん草をほかの青菜に替えたりすると、このシュヴァーベン風レシピではなく、家庭でのアレンジになります。

使う道具

  • 麺棒(パスタマシンがあれば使ってもかまいません)
  • 包丁
  • ボウル
  • フライパン
  • 卵黄を塗る小さなハケかスプーン
  • 縁を押さえるスプーン
  • ゆでるための大きくて広い鍋
  • 網じゃくし
  • 生肉用に分けたまな板と道具
  • 中心温度を測るための調理用温度計

失敗したときの直し方

困りごと 考えられる原因 直し方
生地がぼろぼろ、伸ばすと割れる 水が足りない 水を少しずつ足して、もう一度こねる
閉じ目が開く 縁に粉が残っている、詰めすぎ、縁に具がのっている 粉を払い、卵黄で湿らせる。縁に具をのせず、スプーンでしっかり押さえる
具が水っぽくゆるい ほうれん草の水切り不足 洗ったあと、刻む前に水気をよく切る
鍋の中で破れる 湯が強く沸きすぎている 一定にぐつぐつ泡立つ程度に火を弱め、包みをそっと動かす
中まで火が通ったか不安 厚い包み、鍋に入れすぎ 中心が75°Cで1分以上に達したか確かめ、足りなければ静かに加熱を続ける
生肉・卵・残りもの

生の肉と卵は、加熱しない食べ物から離しておき、使ったまな板、包丁、ボウルは洗ってください。具は生で食べないでください。ゆでたマウルタッシェンを取っておく場合は、浅い容器に入れて急いで冷まし、すぐに冷蔵庫へ入れます。温め直すときは、中心まで熱くなるまで加熱してください。保存日数や冷凍の方法は、ここでは案内していません。

アレンジ、スープ、玉ねぎ、卵、別の形

アレンジ 作り方 備考
スープ仕立て ゆでた包みを澄んだ肉または野菜のスープに入れる この記事の仕上げ
玉ねぎ焼き ゆでたあと、炒めた玉ねぎと一緒に鍋で焼き色をつける 地域の資料に紹介されている食べ方
翌日の卵炒め ゆでたマウルタッシェンを切り、卵と炒める 翌日の食べ方のひとつ
野菜の具 EUのPGI資料には野菜の具も認められている 別のレシピ。豚肉を抜くだけではベジタリアン向けになりません
折らずに巻く 家庭によっては、折らずに生地を巻く 角形に合わせた生地と具の比率は、巻く形には合わないことがあります

よくある質問

何個できますか?

分量は4人分です。できる個数は、生地をどれだけ薄く伸ばすか、1枚にどれだけ具をのせるかで変わります。

スープに入れず、焼いてもいいですか?

はい。手順8のようにゆでてから、炒めた玉ねぎと一緒に鍋で焼き色をつけます。残ったものは、翌日に切って卵と炒めることもできます。

マウルブロンの修道士が本当に作り出したのですか?

その話は、この料理について語られている起源譚のひとつで、確かな事実ではありません。文献としては、1831年に「シュヴァーベンの詰め物入り麺」が記されていることが挙げられています。

具を変えてもいいですか?

変えられますが、味と性格が変わり、このシュヴァーベン風のレシピではなく、自分なりのアレンジになります。ここで触れた2009年のEU申請書には、保護された名称についての地域と材料の条件が書かれています。現在の法的な扱いや、変えた料理を何と呼べるかは、この記事では確定していません。

冷凍できますか?

冷凍の方法や保存期間は、ここでは案内していません。ゆでたものを取っておく場合は、浅い容器で急いで冷まし、すぐ冷蔵庫に入れ、温め直すときは中心まで熱くしてください。

同じ国の料理は、ドイツの料理もご覧ください。

主な参考リンク

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