ブラートヴルスト:焼き色、マジョラム、ひと切れのパン
豚の脂、マジョラムの香り、グリルで付く焼き色。この3つを軸にします。作業中は肉だねを冷たく保ち、豚ひき肉の中心まで火が通ったことを必ず確かめてください。
小ぶりなソーセージが網の上で焼かれ、表面が黄金色に色づいていきます。それをパンに挟み、マスタードを塗って、横にはザワークラウト。ニュルンベルクの観光局は、地元のソーセージをブナ材で焼き、マスタードまたは西洋わさび、ザワークラウト、ポテトサラダ、地域のパンと一緒に出すと紹介しています。ブラートヴルストは、ひとつに決まったレシピの名前ではありません。ドイツの焼きソーセージの総称で、大きさ、肉、香辛料、出し方は土地によって変わります。
この記事は、ニュルンベルク風の配合から香りの組み立てを借りて、日本の普通の台所で作れる豚肉の肉だねにまとめました。腸詰めにはせず、指ほどの太さの細長いパティに成形します。脂の多い豚肉、マジョラム、よく焼き込んだ表面という発想は同じです。ただし腸がないので、ソーセージのようにぷりっと皮が弾ける感じはありません。保護された本場の製品でもありません。
「ニュルンベルガー・ロストブラートヴルスト(Nürnberger Rostbratwurst)」はEUで保護された名称で、ニュルンベルク市内で規定のレシピに沿って作られたソーセージだけが名乗れます。この記事の手作りパティは、そのスタイルに着想を得た簡略化した家庭向けレシピです。同じ名前では呼ばないでください。
この料理に使える食材・調味料
使う道具
- ボウル(作業前によく冷やしておく)
- ラップ
- 炭または薪の熾火のグリル、または室内で焼くためのフライパン
- 生肉用と加熱後用で分けたトングと皿
- 食品用の温度計(デジタル式など、すばやく測れるもの)
豚肉と香辛料の選び方
脂肪分。 参照したレシピは、脂肪25〜30%ほどの豚の肩・首のひき肉を指定しています。普通の赤身のひき肉だと、仕上がりがパサついて崩れやすくなります。できれば精肉店で、脂の多めのひき肉を相談してみてください。
塩。 粗塩は粒の大きさがまちまちなので、スプーンではなく重さ(10.8g)で量ります。そうすれば、レシピが狙った塩加減を保てます。
マジョラム。 このソーセージらしさをつくるのは、乾燥マジョラムです。ニュルンベルク市のページも、豚肉、塩、こしょうと並べてマジョラムを地元ソーセージの材料に挙げています。オレガノは香りが違うので、同じ役目の代わりにはなりません。マジョラムを省いたり置き換えたりすると、このレシピの特徴である香りが失われます。
白こしょうとしょうが。 白こしょうは穏やかな辛み、黒こしょうにすると香りが強まります。生のしょうがは水分と香りが異なるため、粉末ジンジャーの直接の代わりにはなりません。
うまくいかないときは
| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 肉だねがべたつき、脂がにじむ | 肉、道具、手が温まった | 練る前に肉と道具を冷やす。作業を止めるときは冷蔵庫へ。氷水は冷たいまま少しずつ加える |
| パティが崩れる、パサつく | 脂が少ない、練りが足りない、脂が温まった | 脂の十分な豚肉を使い、粘りが出るまで練る。のせた直後は動かさず、表面が固まってから返す |
| 外側が焦げて中心まで火が通らない | 火が強すぎる | 火を弱め、転がしながら焼く。色ではなく温度計で中心を確認する |
| 香りが弱い | マジョラムを省いた、または置き換えた | 乾燥マジョラムを使う。オレガノでは香りが変わる |
肉だねを冷たく保つという助言はレシピの著者によるもので、グリルでのパティの扱い方は一般的な家庭料理のアドバイスです。
アレンジ
- 塩の粒が違っても、重さは変えない。 お手持ちの粗塩の粒が違っても、同じ重さで量れば塩加減は変わりません。
- 羊腸を使う。 指の太さに詰め、8cmごとにねじります。食感は本来のものに近づきますが、詰める器具が必要です。
- パティのままロールに挟む。 家庭で成形しやすい方法です。ただし皮の弾ける食感はありません。
- ザワークラウトを温かくするか冷たくするか。 温かくしても冷たいままでも、熱い豚肉との酸味と温度の対比を自分で選べます。
- 市販のニュルンベルクのソーセージを使う。 小ぶりのニュルンベルクのソーセージが手に入ったら、「ドライ・イム・ヴェッグラ」のようにパンへ3本挟みます。これは市販品を使う方法として、手作りの家庭版とは分けて考えてください。
ブラートヴルストと、ニュルンベルガー・ロストブラートヴルスト
「ブラートヴルスト」はドイツの焼きソーセージの幅広い総称です。「ニュルンベルガー・ロストブラートヴルスト」は、名称が保護された特定の製品を指します。
ニュルンベルク市によると、この地元のソーセージは豚肉、塩、こしょう、マジョラムで作られ、2003年からEUの地理的表示として保護されています。観光局は、長さ約8cm、重さ約20〜25gで、ブナ材で焼くと伝えています。マスタードか西洋わさび(Kren)、ザワークラウト、ポテトサラダ(Kartoffelsalat)、バウアーンブロート(Bauernbrot)のような地域のパンを添えるのが伝統的な出し方です。この名前を名乗れるのは、市内で規定のレシピに沿って作られたソーセージだけです。
市のページは、このソーセージの歴史的な記録を1313年としています。ただしそれは記録の年代であって、レシピがその頃から変わらないという意味ではありません。ソーセージが小さい理由を、鍵穴を通すためだとか牢獄の地下室だとかいう話で説明することもありますが、市自身が確かなことは分からない伝説としています。
ニュルンベルクには、焼かない食べ方もあります。ザウレ・ツィプフェル(Saure Zipfel)、またはブラウエ・ツィプフェル(Blaue Zipfel)と呼ばれる料理で、酢、玉ねぎ、ワイン、香辛料のだしでソーセージを煮込みます。この記事の焼きソーセージとは別の料理です。
食卓では、酸味の効いたザワークラウトも、辛みのあるマスタードも、脂ののった豚肉とよく合います。ひとつの見方であって、決まりではありません。ドイツ料理をもっと広げたいなら、煮込み肉のザウアーブラーテン(Sauerbraten)、キャベツの付け合わせのバイリッシュ・クラウト(Bayrisch Kraut)、食卓を賑やかにするケーゼシュペッツレ(Käsespätzle)もあわせてどうぞ。
よくある質問
ブラートヴルストとニュルンベルガー・ロストブラートヴルストは何が違いますか?
ブラートヴルストはドイツの焼きソーセージの総称で、地域によって違いがあります。ニュルンベルガー・ロストブラートヴルストは、ニュルンベルクで規定のレシピに沿って作られたソーセージに与えられた、EUの保護名称です。ここで作る手作りパティは、ニュルンベルク風に着想を得たものであって、その製品ではありません。
マジョラムは省けますか?
省くことはできますが、マジョラムはこのスタイルを特徴づける香りなので、ソーセージらしさが薄れます。オレガノは香りが違い、そのままの代わりにはなりません。
腸なしでも作れますか?
作れます。参照したレシピ自身が、肉だねを指ほどの太さで長さ約8cmのパティにする方法を示しています。家庭では作りやすい反面、腸の弾けるような歯ざわりはありません。
豚ひき肉は何℃まで加熱しますか?
中心が75℃に達し、その状態で1分以上保たれるまで加熱します。時間や色に頼らず、いちばん太いパティを温度計で測ってください。
栄養価は?
栄養価は、豚肉の脂肪分や使う製品によって変わります。このレシピでは計算していません。
















