バインテー、さらさらの粉液が重い糊に変わるまで
このひと包みが守るもの
うるち米粉を練って作る、なめらかで密度のある糊状の生地。豚肉ときくらげ、しいたけの餡。そして蒸すときに移る葉の香り。もち米粉で作ると、別の料理になります。
鍋に薄く白い液体が入り、ごく弱い火にかかっています。へらで鍋底を休まずこすっていると、米粉の液がしだいにとろみを帯び、やがてへらに重く絡むなめらかな糊になります。液体が糊に変わるこの瞬間が、バインテーの心臓部です。北部ベトナムのこの料理は、練った米粉の生地で豚肉ときのこの餡を包み、葉でくるんで、もう一度火を通します。
この記事で追うのは、乾燥した米粉から作るベトナムの家庭向けレシピ1本です。米粉200gに水800mlを合わせて休ませ、弱火で練り、バナナの葉で包んで蒸します。北部の一部の村では、生米を水に浸して挽き、別の葉で包む作り方もあります。そうした地域の作り方は、後半で背景として紹介します。ここでのレシピには混ぜません。
このレシピは台所での試作を行っていません。元のレシピの分量と手順を、拡大も調整もせずにそのまま写しています。元のレシピに仕上がりの量が書かれていないため、個数も人数分も記載していません。
この料理に使える食材・調味料
道具
- きのこを戻すボウルと、米粉液を休ませるボウル
- 米粉液を混ぜる泡立て器
- まな板と包丁。生の豚肉用には別のものを使うか、しっかり洗ってから使う
- 餡を炒めるフライパン
- 米粉液を火にかけて練る鍋
- 鍋底をこそげられる木べらなどの耐熱へら。鍋底に届く耐熱へらが練るときの頼りになる
- 包みを湯の上に置ける蒸し器か蒸し台
- 食品用のひも(dây buộc)10本
- 料理用温度計。中心が記載の温度に、記載の時間のあいだ達しているかを確かめる。中心温度を測るために使う
選び方と代用
米粉: 普通のうるち米由来の粉を使います。もち米粉では同じ食感にならないので、このレシピの代用にはなりません。米粉は製品によって違います。何度か作るなら、一度に変えるのは1つの条件だけにして、結果を書き留めてください。
エシャロット: エシャロットを使います。玉ねぎでも代わりになりますが、香りは変わります。
調味料: 調味顆粒と調味塩は、製品によって味が変わります。ラベルを確認してください。
葉: バナナの葉は、アジア食材店や通販で探します。葉なしで作ったり別の包み材を使ったりすると、香りも包みの形も変わります。地域によってはドンの葉を使いますが、それは別の作り方の一部で、ここではバナナの葉と同等のものとは扱いません。
だま、焦げ、具のはみ出しへの対処
次の表では、だま、焦げ、具のはみ出し、葉の量や柔らかさについて、それぞれの原因と対処を整理します。
| 起きること | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 糊にだまができる | 加熱前の混ぜ方が足りない、または混ぜる手を止めた | 火にかける前に休ませた粉液をもう一度混ぜ、極弱火のまま鍋底全体をこすり続ける |
| 鍋底が焦げる | 火が強い、または混ぜる手を止めた | 極弱火のまま絶えず混ぜる。火を強めて急がず、濃くなめらかで重い手応えで判断する |
| 餡がはみ出す | 糊で餡を覆い切れていない、または葉が小さい | 糊で餡をすっかり覆い、葉を2枚重ね、両端をしっかり折ってきつく結ぶ |
| 葉が足りない | 元のレシピの葉の量が不明確 | バナナの葉を多めに用意する。必要な量は確認できていない |
| 折るときに葉が裂ける | 葉が柔らかくなっていない | 柔らかくなるまで短く湯通しし、水気を拭く |
食べ方と残り
バインテーは、蒸したてをいただきます。唐辛子ソースや甘酸っぱい魚醤だれを添えてもかまいません。AP通信は、北部で魚醤だれを添えて食べる食べ方があると伝えています。
蒸した包みを室温に長く置かないでください。残ったら早く冷まして冷蔵し、食べるときは十分に再加熱します。保存日数については、ここでは示しません。
本編と分けておくアレンジ
- ドンの葉: 地域によっては、バインテーをドンの葉で包みます。香りが変わりますし、作り方そのものも違うので、単純な置き換えではなく地域のバリエーションです。
- 甘酸っぱい魚醤だれ: 元のレシピが添え物として提案しています。配合は書かれていないため、ここでは示しません。
- 唐辛子ソース: こちらも元のレシピが添え物として提案しており、分量はありません。
- 米粉の比較: 別の米粉製品を試すなら、一度に変えるのは1つだけにして、記録を残してください。比較の結果は手元にありません。
- 生米を使う地域の作り方: 生米を浸して挽く作り方は別のレシピです。この乾燥粉の作り方と混ぜずに、別に調べてください。
北部ベトナムのバインテー、村の作り方と祝いの食卓

バインテーは北部の料理で、米粉の生地で豚肉ときのこの餡を包み、葉でくるんで作ります。ここで追ったレシピは、北部の名物でバインラン・ブア(bánh răng bừa)とも呼ばれると説明しています。AP通信は、きのこと豚ひき肉の餡を入れた北部の米粉の蒸し料理で、魚醤だれを添えて食べることもあると伝えています。ベトナムの他の料理はベトナムのページでも紹介しています。
バクニン省のラン・チョー(Làng Chờ)について、地域の観光資料は、バインテーが形にちなんでバインラン・ブアとも呼ばれると記しています。真ん中が太く両端が細い形が、農具の鋤の歯に似ているからです。そこでは祭りや旧正月(テト)、結婚式や葬式の席で食べられ、店でも売られています。この村の作り方は、約5時間浸した生米を挽くところから始まり、石灰水を使うこともあり、挽いた生地は天候によって1〜3日、水を替えます。豚肉には脂身も含まれ、きくらげと玉ねぎと一緒に包み、蒸すかゆでて25〜30分です。同じ資料は、地元の作り手でさえこの料理がいつ始まったのか正確な時期を知らないと記しているので、ここでも起源の年代は書きません。
フンイエン省のフン・コン(Phụng Công)については、国の観光当局向けの特集記事が、うるち米、豚肉、きくらげ、乾燥エシャロットをドンの葉で包んだバインテーを紹介しています。生米を浸して挽き、生地を弱火で練り、鋤歯の形に包んで、沸騰した湯で15〜20分ゆでます。そこでは日常の食べ物であるだけでなく、旧正月、贈り物、結婚式、人の集まりの席にも並びます。
挽きたての生米、地域の葉、ゆで加熱というこれらの村の作り方は、上のレシピ(乾燥した米粉、バナナの葉、蒸す)とは違います。村の作り方は本編と別にしてあるのは、そのためです。AP通信は、ハノイのシェフが豚の出汁、帆立、漬け大根、香草を加えた現代風のバインテーを作っていることも伝えていますが、これも別の解釈で、このレシピの一部ではありません。
バインテーは、ベトナムの他の葉包み料理や米の料理と混同されやすい料理です。バインチュンとバインテットはもち米が土台で、バインベオは形がまったく違う米粉の蒸し料理、バインクオンは米粉と豚肉の餡を別の形で合わせた料理です。
よくある質問
バインテットやバインチュンとどう違いますか?
バインテーは、うるち米粉を糊状に練り、豚肉ときのこの餡を包む北部の料理です。バインテットとバインチュンは、もち米を中心にした葉包みの料理で、材料も作り方も形も違います。
もち米粉は使えますか?
使えません。同じ食感にならないため、このレシピの代用品とは扱いません。うるち米粉を使ってください。
どのくらい蒸しますか?
元のレシピは、沸騰した湯の上で15〜20分蒸します。包みの寸法が書かれていないので、豚肉の餡にもしっかり火が通っていることを別に確かめてください。一般的な目安は、中心温度75°Cで1分以上です。
何個できますか?
元のレシピに仕上がりの量が書かれておらず、このレシピは試作もしていないため、個数はお答えできません。
どの葉を使いますか?
元のレシピはバナナの葉です。地域によってはドンの葉を使う作り方もあり、香りも作り方も別になります。

















